JP2636470B2 - データ転送パス選択方法 - Google Patents

データ転送パス選択方法

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JP2636470B2 JP2142639A JP14263990A JP2636470B2 JP 2636470 B2 JP2636470 B2 JP 2636470B2 JP 2142639 A JP2142639 A JP 2142639A JP 14263990 A JP14263990 A JP 14263990A JP 2636470 B2 JP2636470 B2 JP 2636470B2
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  • Memory System Of A Hierarchy Structure (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、主記憶上のユーザバッファと磁気ディスク
装置上のファイルとの間にバッファキャッシュメモリと
拡張記憶キャッシュという2つのキャッシュを介在させ
た2段キャッシュ方式を採用した電式計算機システムに
関し、特にユーザバッファと磁気ディスク装置との間に
おける複数のデータ転送パスのうち最適なパスを各種の
統計情報に基づいて選択する方法に関する。
〔従来の技術〕
一部の電子計算機システムのファイルシステムでは、
磁気ディスク装置とのデータ入出力に要する時間を短縮
する目的で、磁気ディスク装置とユーザバッファ(利用
者のメモリ空間上に存在し、実際のデータが作成,更
新,参照される領域)との間にバッファキャッシュメモ
リと拡張記憶キャッシュとを介在させた以下のような2
段キャッシュ方式を採用しているものが存在する。
先ず、磁気ディスク装置からユーザバッファへのデー
タ転送時には、磁気ディスク装置から読み込んだデータ
を主記憶上のバッファキャッシュメモリに保存(キャッ
シング)してからユーザバッファに転送する。逆にユー
ザバッファから磁気ディスク装置へのデータ転送時は、
バッファキャッシュメモリにデータを転送してから、磁
気ディスク装置と比べ高速にデータ転送可能な拡張記憶
装置上のキャッシュ(拡張記憶キャッシュ)へデータを
書き込み、磁気ディスク装置への書き込みは、書き込み
処理の応答時間の短縮を狙って拡張記憶キャッシュから
利用者プログラムと非同期で行う。再度ユーザバッファ
へのデータ転送要求が発生した場合は、そのデータが以
前既に転送されたことがあり拡張記憶キャッシュに残っ
ている場合は、その拡張記憶キャッシュ内のデータをバ
ッファキャッシュメモリに転送してからユーザバッファ
へ転送する。これにより、磁気ディスク装置からデータ
転送するのに比べ高速にデータ転送することが可能であ
る。また、ユーザバッファへのデータ転送要求時に、要
求されたデータがバッファキャッシュメモリに残ってい
る場合は、バッファキャッシュメモリからユーザバッフ
ァへデータを転送する。拡張記憶キャッシュからのデー
タ転送に比べてユーザバッファとバッファキャッシュメ
モリとの間のデータ転送はメモリ間転送で済むことによ
り高速であり、従ってその分だけ処理をより一層高速に
行うことが可能である。
一般に、利用者プログラムが参照するデータは局所に
限られるという性質があるため、再度ユーザバッファへ
のデータ転送要求が発生した場合、そのデータが以前に
転送されてバッファキャッシュメモリまたは拡張記憶キ
ャッシュに残っている確率が高く、残っている場合には
キャッシュヒットして磁気ディスク装置からの読み込み
を行う必要がないので、極めて高速にデータ転送を行う
ことができる。なお、バッファキャッシュメモリにキャ
ッシュヒットした場合が最も高速にデータ転送が行え
る。また、ユーザバッファから磁気ディスク装置へデー
タ転送を行う際は、バッファキャッシュメモリにデータ
を転送してから拡張記憶キャッシュへデータを書き込
み、拡張記憶キャッシュから磁気ディスク装置へ利用者
プログラムの実行とは非同期で書き込みを行う。これに
より、利用者プログラムは磁気ディスク装置への実際の
書き込みの完了を待つ必要がなく、書き込み処理の応答
時間を短縮することができ、この点においても処理の高
速化が図れる。
上述した従来の2段キャッシュ方式は一般的に処理の
高速化が図れて有用なものであったが、次のような欠点
を有していた。
バッファキャッシュメモリおよび拡張記憶キャッシ
ュは空き領域がなくなると、所定の規則に従って最も不
用なデータが追い出され、これによりできた空き領域に
新たなデータが格納されて行くが、状況によってはヒッ
ト率の高いデータを追い出してしまうこともあり、その
ような場合はファイルシステム全体として見た処理速度
がかえって低下してしまう。
磁気ディスク装置へ書き込まれるデータは常にバッ
ファキャッシュメモリおよび拡張記憶キャッシュを経由
するため、バッファキャッシュメモリまたは拡張記憶キ
ャッシュに障害が発生した場合にデータの破壊を生じ、
高い信頼性を要求される用途に適していない。
そこで、このような事情に鑑み、ファイルシステム全
体の処理速度をより一層向上させることができると共
に、高い信頼性を要求される場合にも対処できるデータ
転送パス選択方法が、特願平2−9002号添付明細書およ
び図面において提案された。
上記提案にかかる方法(以下、既提案方法と称す)
は、磁気ディスク装置とユーザバッファとの間のデータ
転送にバッファキャッシュメモリと拡張記憶キャッシュ
とを介在可能とした2段キャッシュ方式を採用する電子
計算機システムにおいて、磁気ディスク装置のデータ入
出力の統計情報として入出力要求の頻度を、拡張記憶キ
ャッシュのデータの入出力の統計情報としてその空き領
域とヒット率を、バッファキャッシュメモリのデータ入
出力の統計情報としてその空き領域とヒット率を、それ
ぞれ採取し、この採取した各統計情報と転送データに要
求される信頼性とを考慮して、磁気ディスク装置とユー
ザバッファとの間の最適なデータ転送パスを選択するよ
うにしたものである。
この既提案方法によれば、バッファキャッシュメモリ
に空き領域があるか空き領域がなくてもヒット率が低い
場合にはバッファキャッシュメモリを使用したデータ転
送パスを選択し、拡張記憶キャッシュに空き領域がある
か空き領域がなくてもヒット率が低い場合には拡張記憶
キャッシュを使用したデータ転送パスを選択することに
より、バッファキャッシュメモリや拡張記憶キャッシュ
に存在するヒット率の高いデータを追い出すことから生
じるファイルシステム全体の処理速度の低下を防止する
ことができる。また、磁気ディスク装置に対する入出力
要求の頻度が現時点で高い場合には、磁気ディスク装置
にその時点ではデータの書き込みを行わず後に拡張記憶
キャッシュから利用者プログラムとは非同期に書き込み
を行う拡張記憶キャッシュを使用するパスを選択するこ
とにより、当該データ転送要求を出した利用者プログラ
ムの待ち時間を短縮することができる。更に、データ転
送要求の発生したデータに高い信頼性が要求されている
場合には、バッファキャッシュメモリおよび拡張記憶キ
ャッシュを経由しないデータ転送パス即ちユーザバッフ
ァから磁気ディスク装置への直接のパスを選択すること
により、バッファキャッシュメモリまたは拡張記憶キャ
ッシュの障害によるデータの破壊を防止できる。
〔発明が解決しようとする課題〕
上述の既提案方法は、ファイルシステム全体の処理速
度のより一層の向上を図るため及び高い信頼性の要求に
も対処できるようにするため、上述のような構成を採用
しており、従来の固定化されたデータ転送パスを採用す
る2段キャッシュ方式に比べ大変に有効なものであっ
た。しかしながら、この既提案方法においても未だ改善
の余地が存在する。即ち、システムの状況によっては利
用者の要求するデータ転送速度の達成が強く望まれる場
合も考えられるが、上述の既提案方法ではこれを直接の
指標としてデータ転送パスを選択することができず、よ
って利用者の要求するデータ転送速度が達成できるよう
にデータ転送パスを選択することが容易でないことであ
る。
そこで本発明の目的は、利用者の要求するデータ転送
速度が達成できるようにデータ転送パスの選択を容易に
行えるデータ転送パス選択方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は上記の目的を達成するために、磁気ディスク
装置とユーザバッファとの間のデータ転送にバッファキ
ャッシュメモリと拡張記憶キャッシュとを介在可能とし
た2段キャッシュ方式を採用し且つデータ転送要求時点
の各種の統計情報に基づいて磁気ディスク装置とユーザ
バッファとの間の最適なデータ転送パスを選択する電子
計算機システムにおけるデータ転送パス選択方法におい
て、統計情報の1つとして平均データ転送速度を採取
し、ユーザバッファ上のデータを磁気ディスク装置に出
力するデータ転送要求時に、採取された平均データ転送
速度が予め利用者から指定されたデータ転送速度に比べ
て極端に低いときは、ユーザバッファから直接に磁気デ
ィスク装置に至る第1のデータ転送パス,ユーザバッフ
ァからバッファキャッシュメモリのみを経て磁気ディス
ク装置に至る第2のデータ転送パス,ユーザバッファか
らバッファキャッシュメモリおよび拡張記憶キャッシュ
を順次経て磁気ディスク装置に至るデータ転送パスであ
って拡張記憶キャッシュから磁気ディスク装置への書き
込みは利用者プログラムと非同期に行われる第3のデー
タ転送パス,ユーザバッファから拡張記憶キャッシュの
みを経て磁気ディスク装置に至るデータ転送パスであっ
て拡張記憶キャッシュから磁気ディスク装置への書き込
みは利用者プログラムと非同期に行われる第4のデータ
転送パスの合計4つのデータ転送パスのうち、第3また
は第4のデータ転送パスを選択することを特徴とする。
〔作用〕
本発明のデータ転送パス制御方式においては、電子計
算機システムの動作中に平均データ転送速度を1つの統
計情報として含む複数種の統計情報が採取され、データ
転送要求時は、その採取された統計情報に基づいて磁気
ディスク装置とユーザバッファとの間の最適なデータ転
送パスが選択され、特に採取された平均データ転送速度
が予め利用者によって指定されたデータ転送速度に比べ
て極端に低いときは、その時点では磁気ディスク装置に
対する書き込みは行わず後に拡張記憶キャッシュから利
用者プログラムとは非同期に書き込みを行う拡張記憶キ
ャッシュを使用する第3または第4のデータ転送パスが
選択される。
〔実施例〕
次に、本発明の実施例について図面を参照して詳細に
説明する。
第1図は本発明のデータ転送パス選択方法を実施する
電子計算機システムの一例の構成図である。この実施例
の電子計算機システムは、ユーザバッファ1,バッファキ
ャッシュメモリ2,拡張記憶キャッシュ3,磁気ディスク装
置4,バッファキャッシュ制御機構5,拡張記憶キャッシュ
制御機構6,拡張記憶装置制御手段7,磁気ディスク装置制
御手段8,データ転送パス選択制御手段9,ファイルブロッ
ク制御手段10,ファイル制御手段11,統計情報格納テーブ
ル12および統計情報採取機構13を含んでいる。各々は、
以下のような機能等を有する。
・ユーザバッファ1 主記憶における利用者のメモリ空間上に存在し、実際
のデータが作成,更新,参照される領域である。
・バッファキャッシュメモリ2 ユーザバッファ1と磁気ディスク装置4との間でキャ
ッシュメモリとしてブロック転送の高速化を図るメモリ
であり、システムの主記憶上に設けられ、複数の論理ブ
ロック単位で構成される。
・拡張記憶キャッシュ3 磁気ディスク装置4に書き込むべきデータを一時的に
格納しておくことによりデータ転送の高速化を図るキャ
ッシュであり、拡張記憶装置上に設けられ、複数の論理
ブロック単位で構成される。
・磁気ディスク装置4 複数のブロックより構成されるファイルを格納する外
部記憶装置であり、書き込みの要求されたユーザバッフ
ァ1のデータは最終的にこの磁気ディスク装置4上のフ
ァイルに格納される。
・バッファキャッシュ制御機構5 バッファキャッシュメモリ2にかかる制御を行う機構
であり、バッファキャッシュ制御手段51,バッファハッ
シュテーブル制御手段52,バッファハッシュテーブル53,
フリーバッファ制御手段54およびバッファヘッダ55を有
している。ここで、バッファヘッダ55はバッファキャッ
シュメモリ2の各ブロック毎に設けられ対応するブロッ
クの先頭アドレス等の管理情報を保持する。また、バッ
ファハッシュテーブル53はデータブロックのブロック番
号を或る一定の値で割った余りによってそのデータブロ
ックの格納されたバッファキャッシュメモリのブロック
に対応するバッファヘッダ55のポインタが格納されるエ
ントリが決定するテーブルであり、バッファハッシュテ
ーブル制御手段52はこのバッファハッシュテーブル53の
管理を行う手段である。更にフリーバッファ制御手段54
は使用済または未使用のバッファキャッシュメモリ2の
ブロックを1つ確保する手段である。そして、バッファ
キャッシュ制御手段51は上記の各手段等(52〜55)を用
いてユーザバッファ1とバッファキャッシュメモリ2と
の間のデータ転送時およびバッファキャッシュメモリ2
と拡張記憶キャッシュ3または磁気ディスク装置4との
間のデータ転送時に必要となるバッファキャッシュメモ
リ2にかかる各種の制御を司る手段である。
・拡張記憶キャッシュ制御機構6 拡張記憶キャッシュ3にかかる制御を行う機構であ
り、拡張記憶キャッシュ制御手段61,キャッシュブロッ
クハッシュテーブル制御手段62,キャッシュブロックハ
ッシュテーブル63,フリーキャッシュブロック制御手段6
4およびキャッシュブロックヘッダ65を有している。こ
こで、キャッシュブロックヘッダ65は拡張記憶キャッシ
ュ3の各ブロック毎に設けられ対応するブロックの先頭
アドレス等の管理情報を保持する。また、キャッシュブ
ロックハッシュテーブル63はデータブロックのブロック
番号を或る一定の値で割った余りによってそのデータブ
ロックの格納されたキャッシュブロックに対応するキャ
ッシュブロックヘッダ65のポインタが格納されるエント
リが決定するテーブルであり、キャッシュブロックハッ
シュテーブル制御手段62はこのキャッシュブロックハッ
シュテーブル63の管理を行う手段である。更に、フリー
キャッシュブロック制御手段64は使用済または未使用の
キャッシュブロックを確保する手段である。そして、拡
張記憶キャッシュ制御手段61は上記の各手段等(62〜6
5)を用いてユーザバッファ1またはバッファキャッシ
ュメモリ2と拡張記憶キャッシュ3との間のデータ転送
時および拡張記憶キャッシュ3から磁気ディスク装置4
へのデータ転送時に必要となる拡張記憶キャッシュ3に
かかる各種の制御を司る手段である。
・拡張記憶装置制御手段7 拡張記憶キャッシュ3からのブロックの読み出し又は
拡張記憶キャッシュ3へのブロックの書き込み等を制御
する装置である。
・磁気ディスク装置制御手段8 磁気ディスク装置4上のファイルからのブロックの読
み出し又は同ファイルへのブロックの書き込み等を制御
する装置である。
・ファイル制御手段11 当該計算機システムにおいて実行された利用者プログ
ラムからの要求による磁気ディスク装置4上のファイル
の作成または削除等を管理制御する手段である。
・ファイルブロック制御手段10 利用者プログラム等と磁気ディスク装置4との間のブ
ロックデータ転送の管理制御を行う手段である。
・統計情報採取機構13 以下に示すような統計情報を採取して統計情報格納テ
ーブル12に格納する機構である。
バッファキャッシュメモリ2の空き領域およびヒッ
ト率 拡張記憶キャッシュ3の空き領域およびヒット率 磁気ディスク装置4に対する入出力要求の頻度 平均データ転送速度(利用者プログラムが見た応答
時間を転送量で割った値) なお、ヒット率,入出力要求の頻度,平均データ転送
速度は過去一定期間の平均である。
・統計情報格納テーブル12 統計情報採取機構13で採取された統計情報を保持する
テーブルである。
・データ転送パス選択制御手段9 ユーザバッファ1と磁気ディスク装置4との間のデー
タ転送時にそれらの間の最適なデータ転送パスの選択を
行い、その選択したデータ転送パスを経由してデータ転
送が行われるよう各部を制御する手段である。
以下、上記のように構成された実施例の動作を場合を
分けて説明する。
(1)ユーザバッファ1から磁気ディスク装置4へのデ
ータの書き込み 図示しない利用者プログラムからの要求により或るフ
ァイルへの書き込み要求が発すると、ファイル制御手段
11はファイルブロック制御手段10により該当データブロ
ックに対する書き込み要求をデータ転送パス選択制御手
段9に対して発行する。これに応じて、データ転送パス
選択制御手段9は統計情報格納テーブル12を参照してデ
ータの転送パスを決定する。この場合、以下の4つのパ
スから1つのパスを選択する。
第2図に示すようにユーザバッファ1から直接に磁
気ディスク装置4に至るパス 第3図に示すようにユーザバッファ1からバッファ
キャッシュメモリ2のみを経て磁気ディスク装置4に至
るパス 第4図に示すようにユーザバッファ1からバッファ
キャッシュメモリ2および拡張記憶キャッシュ3を順次
経て磁気ディスク装置4に至るパス 第5図に示すようにユーザバッファ1から拡張記憶
キャッシュ3のみを経て磁気ディスク装置4に至るパス なお、拡張記憶キャッシュ3から磁気ディスク装置4
への破線で示す部分は利用者プログラムと非同期に書き
込みが行われることを示している。
データ転送パス選択制御手段9は上記の何れか1つの
パスを選択すると、その選択したパスに従ってデータ転
送が行われるようにバッファキャッシュ制御機構5,拡張
記憶キャッシュ制御機構6,拡張記憶装置制御手段7,磁気
ディスク装置制御手段8に指示を与える。以下、各々の
パス選択時の動作を説明する。
第2図に示すパスを選択した場合、データ転送パス選
択制御手段9は、磁気ディスク装置制御手段8に対して
ユーザバッファ1から磁気ディスク装置4へのデータ転
送を要求する。これに応じて磁気ディスク装置制御手段
8はユーザバッファ1のデータを第2図に示すように直
接に磁気ディスク装置4に書き込む。
第3図に示すパスを選択した場合、データ転送パス選
択制御手段9は、先ずバッファキャッシュ制御機構5の
バッファキャッシュ制御手段51に対しユーザバッファ1
上のデータブロックをバッファキャッシュメモリ2に転
送するよう要求する。これに応じてバッファキャッシュ
制御手段51は、先ずバッファハッシュテーブル制御手段
52を用いてそのデータブロックを格納するバッファキャ
ッシュメモリのブロックが存在するかどうかを調べ、存
在するときはそのブロックに対応するバッファヘッダ55
のポインタを獲得する。また、そのようなブロックが存
在しないときはフリーバッファ制御手段54を用いてバッ
ファキャッシュメモリ2の未使用ブロックを確保し、そ
のブロックに対応するバッファヘッダ55のポインタを獲
得する。そして、獲得したポインタが指し示すバッファ
ヘッダ55を使用してユーザバッファ1からバッファキャ
ッシュメモリ2へデータを転送して、制御をデータ転送
パス選択制御手段9に返す。制御が返されるとデータ転
送パス選択制御手段9は、磁気ディスク装置制御手段8
に、バッファキャッシュメモリ2の上記データの格納さ
れたブロックのデータを磁気ディスク装置4上のファイ
ルの該当ブロックへ転送することを要求する。磁気ディ
スク装置制御手段8はその要求に従ってバッファキャッ
シュメモリ2のデータを磁気ディスク装置4に書き込
む。
第4図に示すパスを選択した場合、データ転送パス選
択制御手段9は、第3図の場合と同様にしてユーザバッ
ファ1のデータをバッファキャッシュメモリ2上のブロ
ックに転送した後、拡張記憶キャッシュ制御機構6の拡
張記憶キャッシュ制御手段61に対しバッファキャッシュ
メモリ2から拡張記憶キャッシュ3へのデータ転送にか
かる処理を要求する。拡張記憶キャッシュ制御手段61
は、先ずキャッシュブロックハッシュテーブル制御手段
62を用いてそのデータブロックを格納する拡張記憶キャ
ッシュ3のブロックが存在するかどうかを調べ、存在す
るときはそのブロックに対応するキャッシュブロックヘ
ッダ65のポインタを獲得し、また、そのようなブロック
が存在しないときはフリーキャッシュブロック制御手段
64を用いて拡張記憶キャッシュ3の未使用ブロックを確
保してそのブロックに対応するキャッシュブロックヘッ
ダ65のポインタを獲得する。そして、そのポインタが指
し示すキャッシュブロックヘッダ65の内容を通知して制
御をデータ転送パス選択制御手段9に返す。データ転送
パス選択制御手段9はそれに応じて拡張記憶装置制御手
段7に対してバッファキャッシュメモリ2の該当ブロッ
クのデータを拡張記憶キャッシュ3の該当ブロックに転
送することを要求し、拡張記憶装置制御手段7はそれに
従ってバッファキャッシュメモリ2から拡張記憶キャッ
シュ3へのデータ転送を行う。
第5図に示すパスを選択した場合、データ転送パス選
択制御手段9は、拡張記憶キャッシュ制御機構6の拡張
記憶キャッシュ制御手段61に対しユーザバッファ1から
拡張記憶キャッシュ3へのデータ転送にかかる処理を要
求する。拡張記憶キャッシュ制御手段61は、先ずキャッ
シュブロックハッシュテーブル制御手段62を用いてその
データブロックを格納する拡張記憶キャッシュ3のブロ
ックが存在するかどうかを調べ、存在するときはそのブ
ロックに対応するキャッシュブロックヘッダ65のポイン
タを獲得し、また、そのようなブロックが存在しないと
きは、フリーキャッシュブロック制御手段64を用いて拡
張記憶キャッシュ3の未使用ブロックを確保してそのブ
ロックに対応するキャッシュブロックヘッダ65のポイン
タを獲得する。そして、そのポインタが指し示すキャッ
シュブロックヘッダ65の内容を通知して制御をデータ転
送パス選択制御手段9に返す。データ転送パス選択制御
手段9はそれに応じて拡張記憶装置制御手段7に対しユ
ーザバッファ1のデータを拡張記憶キャッシュ3の該当
ブロックに転送することを要求し、拡張記憶装置制御手
段7はそれに従ってユーザバッファ1から拡張記憶キャ
ッシュ3へのデータ転送を行う。
なお、ユーザバッファ1から磁気ディスク装置4への
データ転送に関し、バッファキャッシュメモリ2または
拡張記憶キャッシュ3を経由しないパスにより磁気ディ
スク装置4に対してデータの書き込みを行った場合は、
その後、同アドレスのデータに対して更新前のデータを
バッファキャッシュメモリ2または拡張記憶キャッシュ
3から読み出してしまわないように、データ転送パス選
択制御手段9はバッファキャッシュメモリ2または/お
よび拡張記憶キャッシュ3に対応するデータがあれば、
バッファキャッシュ制御機構5または/および拡張記憶
キャッシュ制御機構6を用いてそれを無効化する処理を
行う。
次に、上記のようなデータ転送パスを選択する要因に
ついて説明する。その要因としては、以下の4つが考え
られる。
(a) 入出力の高速性を重視する観点からの要因 (b) データの信頼性を確保する観点からの要因 (c) 磁気ディスク装置の待ちによる応答時間の遅延
を防止する観点からの要因 (d) データ転送速度の低下を防止する観点からの要
因 なお、これらの要因のいずれを優先して適用するかは
システムに要求される条件によって変わってくる。
上記(a)の入出力の高速性を重視する観点からの要
因は、バッファキャッシュメモリ2または拡張記憶キャ
ッシュ3による高速化の効果をできるだけ発揮するよう
にすることであり、統計情報採取機構13によって採取さ
れ統計情報格納テーブル12に格納された統計情報のう
ち、バッファキャッシュメモリ2の空き領域およびヒッ
ト率と拡張記憶キャッシュ3の空き領域およびヒット率
とを使用して以下のようなパスの選択を行う。
(1) バッファキャッシュメモリ2に空き領域がある
か空き領域がなくてもヒット率が所定値より低く、且
つ、拡張記憶キャッシュ3にも空き領域があるか空き領
域がなくてもヒット率が低い場合は、第4図のパスを選
択する。
(2) バッファキャッシュメモリ2に空き領域がある
か空き領域がなくてもヒットが低く、且つ、拡張記憶キ
ャッシュ3に空き領域がなくヒット率も高い場合は、第
3図のパスを選択する。
(3) バッファキャッシュメモリ2に空き領域がなく
ヒット率も高く、且つ、拡張記憶キャッシュ3には空き
領域があるか空き領域がなくてもヒット率が低い場合
は、第5図のパスを選択する。
(4) バッファキャッシュメモリ2に空き領域がなく
ヒット率も高く、且つ、拡張記憶キャッシュ3にも空き
領域がなくヒット率も高い場合は、第2図のパスを選択
する。
以上のような条件でパスの選択を行うことにより、ヒ
ット率の高いデータがバッファキャッシュメモリ2,拡張
記憶キャッシュ3から追い出されることが防止できると
共に、ヒット率の低いデータをバッファキャッシュメモ
リ2,拡張記憶キャッシュ3から積極的に追い出して新た
なデータを格納することができ、バッファキャッシュメ
モリ2,拡張記憶キャッシュ3のヒット率を高めることが
できる。
次に、前述した(b)のデータの信頼性を確保する観
点からの要因は、バッファキャッシュメモリ2または拡
張記憶キャッシュ3の障害による磁気ディスク装置4へ
の書き込み前のデータの破壊を防止することを重視した
ものである。この場合、データ転送パス選択制御手段9
は、プロセスの制御情報等から転送要求の発生したデー
タに高い信頼性が要求されているか否かを判断し、高い
信頼性が要求されていると判断したときは、バッファキ
ャッシュメモリ2および拡張記憶キャッシュ3を経由し
ない、ユーザバッファ1から磁気ディスク装置4への直
接のパス、すなわち第2図に示すパスを選択する。
次に、(c)の磁気ディスク装置の待ちによる応答時
間の遅延を防止する観点からの要因は、現時点で磁気デ
ィスク装置4に入出力要求が非常に多く発生し、入出力
のための待ち行列が長く形成されている場合に、磁気デ
ィスク装置4に直ちに書き込みを行うことによる書き込
み完了までの待ち時間を短縮することを重視したもので
ある。この場合、データ転送パス選択制御手段9は、採
取された統計情報のうちの磁気ディスク装置4に対する
入出力要求の頻度が所定値よりも高いか否かを判断し、
高いと判断したときは、磁気デイスク装置4にその時点
では書き込みを行わず、後に拡張記憶キャッシュ3から
利用者プログラムとは非同期に書き込みを行うパス、す
なわち第4図または第5図に示すパスを選択する。この
うち何れのパスとするかは、前述したバッファキャッシ
ュメモリ2の有効な使用が可能か否かによる。
最後に、(d)のデータ転送速度の低下を防止する観
点からの要因は、現時点で利用者プログラムから見た磁
気ディスク装置への書き込みにかかるデータ転送速度が
予め利用者の指定した値に比べ半分以下等の如く極端に
低い場合に、磁気ディスク装置4に直ちに書き込みを行
うことによる利用者プログラムから見たデータ転送速度
の低下を防止するものである。この場合は、データ転送
パス選択制御手段9は、採取された統計情報のうちのデ
ータ転送速度が予め利用者の指定したデータ転送速度よ
り極端に低いか否かを判断し、低いと判断したときは、
磁気ディスク装置4にその時点では書き込みを行わず、
後に拡張記憶キャッシュ3から利用者プログラムとは非
同期に書き込みを行うパス、すなわち第4図または第5
図に示すパスを選択する。このうち何れのパスとするか
は、前述したバッファキャッシュメモリ2の有効な使用
が可能か否かによる。
(2)磁気ディスク装置4からユーザバッファ1へのデ
ータ読み込み 磁気ディスク装置4に格納されているデータをユーザ
バッファ1に読み込むという要求が利用者プログラムか
ら発生した場合、データはバッファキャッシュメモリ2,
拡張記憶キャッシュ3,磁気ディスク装置4の何れかには
必ず存在するため、データ転送には5つのパスが考えら
れる。すなわち、第6図に示すようにバッファキャッシ
ュメモリ2から直接にユーザバッファ1に至るパスと、
第7図に示すように拡張記憶キャッシュ3からバッファ
キャッシュメモリ2を経由してユーザバッファ1に至る
パスと、第8図に示すように拡張記憶キャッシュ3から
直接にユーザバッファ1に至るパスと、第9図に示すよ
うに磁気ディスク装置4からバッファキャッシュメモリ
2を経由してユーザバッファ1に至るパスと、第10図に
示すように磁気ディスク装置4からユーザバッファ1に
直接に至るパスとである。なお、磁気ディスク装置4か
ら拡張記憶キャッシュ3およびバッファキャッシュメモ
リ2の両者を経由してユーザバッファ1に至るパスは無
意味であるため含まれていない。
データ転送パス選択制御手段9は、ユーザバッファ1
へのデータ転送要求が発生した場合、上記の5つのパス
から最適なものを選択する。その手順は次のようにな
る。
先ず、データ転送パス選択制御手段9は、要求された
データがバッファキャッシュメモリ2に存在するか否か
をバッファキャッシュ制御機構5を用いて判断し、存在
すると判断した場合は、バッファキャッシュメモリ2か
らユーザバッファ1にデータを転送するパス、すなわち
第6図のパスを選択する。この場合が最も高速に処理が
行える。
要求されたデータがバッファキャッシュメモリ2に存
在しない場合は、データ転送パス選択制御手段9は更に
要求されたデータが拡張記憶キャッシュ3に存在するか
否かを拡張記憶キャッシュ制御機構6を用いて判断し、
存在すると判断した場合は、拡張記憶キャッシュ3を始
点とするパスである第7図および第8図のパスを候補と
して選択する。そのうち何れのパスを選択するかはバッ
ファキャッシュメモリ2の空き領域の有無とヒット率の
高低で決定される。
他方、要求されたデータがバッファキャッシュメモリ
2にも拡張記憶キャッシュ3にも存在しない場合は、デ
ータ転送パス選択制御手段9は磁気ディスク装置4を始
点とするパスである第9図および第10図に示すパスを候
補として選択する。そのうち何れのパスを選択するかは
バッファキャッシュメモリ2の空き領域の有無とヒット
率の高低で決定される。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明のデータ転送パス選択方
法においては、種々の要因と各種の統計情報を考慮して
最適なデータ転送パスが選択されるため、既提案方法と
同様に最適なファイルシステムの構築が可能であり、更
に、統計情報の1つとしてデータ転送速度を採取してい
るため、利用者の要求するデータ転送速度を満足するシ
ステムを容易に構築することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のデータ転送パス選択方法を実施する電
子計算機システムの一例の構成図、 第2図乃至第5図はユーザバッファから磁気ディスク装
置へのデータの書き込み時に選択されるデータ転送パス
の説明図および、 第6図乃至第10図は磁気ディスク装置からユーザバッフ
ァへのデータの読み込み時に選択されるデータ転送パス
の説明図である。 図において、 1……ユーザバッファ 2……バッファキャッシュメモリ 3……拡張記憶キャッシュ 4……磁気ディスク装置 5……バッファキャッシュ制御機構 6……拡張記憶キャッシュ制御機構 7……拡張記憶装置制御手段 8……磁気ディスク装置制御手段 9……データ転送パス選択制御手段 10……ファイルブロック制御手段 11……ファイル制御手段 12……統計情報格納テーブル 13……統計情報採取機構

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁気ディスク装置とユーザバッファとの間
    のデータ転送にバッファキャッシュメモリと拡張記憶キ
    ャッシュとを介在可能とした2段キャッシュ方式を採用
    し且つデータ転送要求時点の各種の統計情報に基づいて
    磁気ディスク装置とユーザバッファとの間の最適なデー
    タ転送パスを選択する電子計算機システムにおけるデー
    タ転送パス選択方法において、 統計情報の1つとして平均データ転送速度を採取し、ユ
    ーザバッファ上のデータを磁気ディスク装置に出力する
    データ転送要求時に、採取された平均データ転送速度が
    予め利用者から指定されたデータ転送速度に比べて極端
    に低いときは、ユーザバッファから直接に磁気ディスク
    装置に至る第1のデータ転送パス,ユーザバッファから
    バッファキャッシュメモリのみを経て磁気ディスク装置
    に至る第2のデータ転送パス,ユーザバッファからバッ
    ファキャッシュメモリおよび拡張記憶キャッシュを順次
    経て磁気ディスク装置に至るデータ転送パスであって拡
    張記憶キャッシュから磁気ディスク装置への書き込みは
    利用者プログラムと非同期に行われる第3のデータ転送
    パス,ユーザバッファから拡張記憶キャッシュのみを経
    て磁気ディスク装置に至るデータ転送パスであって拡張
    記憶キャッシュから磁気ディスク装置への書き込みは利
    用者プログラムと非同期に行われる第4のデータ転送パ
    スの合計4つのデータ転送パスのうち、第3または第4
    のデータ転送パスを選択することを特徴とするデータ転
    送パス選択方法。
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