JP2635474B2 - コンタクトレンズ材料及びコンタクトレンズ - Google Patents

コンタクトレンズ材料及びコンタクトレンズ

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JP2635474B2 JP1536892A JP1536892A JP2635474B2 JP 2635474 B2 JP2635474 B2 JP 2635474B2 JP 1536892 A JP1536892 A JP 1536892A JP 1536892 A JP1536892 A JP 1536892A JP 2635474 B2 JP2635474 B2 JP 2635474B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はコンタクトレンズ材料及
びコンタクトレンズに関し、詳しくは、切削・研磨等の
機械加工に好適なコンタクトレンズ材料及びそのコンタ
クトレンズ材料より得られる含水性を有するコンタクト
レンズに関するものである。
【0002】
【背景技術】現在、一般的に使用されているコンタクト
レンズは、含水性コンタクトレンズと非含水性コンタク
トレンズとに大別される。
【0003】含水性コンタクトレンズの中で、高含水コ
ンタクトレンズは通常、含水率60%以上のレンズをい
うが、この高含水コンタクトレンズには機械的強度が不
足する、汚れ易い等の問題点がある。これに対し、含水
率60%未満のコンタクトレンズである低・中含水コン
タクトレンズには酸素透過性の不十分なものが多い。本
発明者らは、この種の高含水コンタクトレンズおよび低
・中含水コンタクトレンズとしてPCT/JP90/0
0973(国際出願日:1990年7月31日)に記載
の発明を提案した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明により得られ
る高含水コンタクトレンズはいずれも、前述した高含水
コンタクトレンズの有する問題点を完全に解決できてい
るとはいえなかった。また低・中含水コンタクトレンズ
を得るための共重合体はいずれも低硬度であり、切削・
研磨等の機械加工を容易に行うことができる程の優れた
硬度を有しているとはいえなかった。本発明は、上記問
題点を解決するためになされたものであり、本発明の目
的は、低・中含水性を有するコンタクトレンズを得るに
好適であり、かつ切削・研磨等の機械加工を行うことが
できる程の硬度を有するコンタクトレンズ材料及びその
材料から得られる低・中含水性のコンタクトレンズを提
供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するためになされたものであり、共重合に供するモノ
マー混合物100重量部中、 一般式
【化2】 (式中、R1 はCH3 、R2 はHまたはCH3 であっ
て、同一又は異なっていても良く、aは1〜9の整数、
mは1〜5の整数、nは4〜10の整数、pは8以上の
整数、qは0以上の整数であり、p+q=2n+1の関
係にある。)で示される少なくとも1種の含フッ素モノ
マー:35〜65重量部、及び少なくとも1種のアミド
基含有モノマー:30〜45重量部を必須成分として含
有し、更に必要に応じて他のモノマーを任意成分として
含有するモノマー混合物を共重合して得られる共重合体
からなることを特徴とするコンタクトレンズ材料および
このコンタクトレンズ材料を機械加工して得られる含水
性コンタクトレンズを要旨とするものである。
【0006】以下、本発明を詳細に説明する。各組成成
分の使用量は、本発明のコンタクトレンズ材料及びコン
タクトレンズを得るために重要である。本発明で得られ
る共重合体を構成する第1の必須成分である上記一般式
(I)で示される含フッ素モノマーは、共重合体に酸素
透過性を付与するとともに、含水率の上昇の防止に寄与
している。そのための使用量は35〜65重量部であ
る。35重量部未満の場合、高含水コンタクトレンズと
なることが多いため、汚れ易くまた機械的強度の不足も
生じ易い。そして、低・中含水コンタクトレンズとなっ
たとしても、実用的な酸素透過性は得られない。一方、
65重量部を超えて使用した場合、水和前の乾燥状態の
共重合体が有する硬度が低下するため、機械加工が難し
くなる。また、65重量部を超えて使用した場合、形状
回復性が低下することが多い。好ましくは、50〜63
重量部である。
【0007】一般式(I)において、Cn p q で示
されるフッ素含有炭化水素基は、コンタクトレンズの酸
素透過性を増大させることに関与している。nは4〜1
0の整数である。nが3以下の整数の場合、pは7以下
の整数となるため酸素透過性が不足し、nが11以上の
整数の場合、レンズに脆さが生じて好ましくないためで
ある。また、フッ素原子の数が多いほど酸素透過性が上
がるためpは8以上の整数が適当である。また、qは0
以上の整数であり、これはCn p q がパーフルオロ
アルキル基(q=0)以外にH原子を含有するフロロア
ルキル基であっても良いことを意味している。また、p
+q=2n+1は、Cn p q が不飽和結合を含まな
いことを示している。なお、Cn p q は直鎖状であ
ることが好ましい。 ン基のうち、オキシエチレン基−(−CH2 CH2
−)a −、オキシプロピレ 素モノマー及び得られた共重合体に親水性を付与するこ
とに寄与しており、本発明の他の必須成分であるアミド
基含有モノマーとの相溶性を向上させる働きも有してい
る。aは1〜9の整数が適当である。aが0ではアミド
基含有モノマーとの相溶性が悪いため、通常の塊状重合
により透明な重合体を得ることが難しくなるからであ
る。また、aが10以上の整数となると、モノマーを合
成する際、aに分布が生じるため純粋なものが得られに
くく、そのため重合後得られる共重合体の物性が安定し
にくくなる。より好ましくは、aは1〜5の整数であ
る。また、オキシエチレン−オキシプロピレン基の数、
すなわちa′は2〜9の整数が適当である。a′が1で
はオキシエチレン−オキシプロピレン基を構成せず、ま
た10以上の整数では前記と同様に、共重合体の物性が
安定しなくなるからである。好ましいa′は2〜5の整
数である。
【0008】−(−CH2 −)m −は、含フッ素モノマ
ーの加水分解等の問題を避け、安定な化合物として維持
するために必要である。安定性の発現のためにはmは1
〜5の整数が適当であり、更に好ましくは1又は2であ
る。一般式(I)で示される含フッ素モノマーの好まし
い具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】
【化5】
【0012】
【化6】
【0013】
【化7】
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】
【0016】
【化10】
【0017】
【化11】
【0018】
【化12】
【0019】
【化13】
【0020】
【化14】
【0021】
【化15】
【0022】
【化16】
【0023】
【化17】
【0024】
【化18】
【0025】
【化19】
【0026】
【化20】 上記一般式(I)の含フッ素モノマーは、R1 がCH3
であり、メタクリレートであるので、アクリレートより
も機械加工性が優れている。特に好ましいものは、パー
フルオロオクチルエチルオキシプロピレンメタクリレー
ト、パーフルオロオクチルエチルジオキシプロピレンメ
タクリレート、パーフルオロオクチルエチルオキシエチ
レンメタクリレート、パーフルオロオクチルエチルジオ
キシエチレンメタクリレートである。
【0027】本発明で得られる共重合体を構成する第2
の必須成分であるアミド基含有モノマーは、コンタクト
レンズ材料及びコンタクトレンズに含水性を付与し、レ
ンズ装用感の向上に寄与するものであって、30〜45
重量部使用される。30重量部未満の場合、水和前の共
重合体の硬度が不足するため、機械加工が難しい。ま
た、含水能が不足するため、水和する際の可塑化が不十
分となり、その結果、得られたコンタクトレンズが硬さ
あるいはこわさを有する装用感の悪いものとなる。45
重量部を超えて使用した場合、含水率が高くなり、含水
率55%を超える含水率を有するコンタクトレンズとな
るため、耐汚染性が低下し汚れ易いレンズとなってしま
う。また、モノマーの相溶性が低下して白濁の可能性が
高くなる。好ましくは、35〜43重量部である。
【0028】このアミド基含有モノマーとしては、例え
ばN,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドで代表され
るN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド及びモノ
アルキル(メタ)アクリルアミド等のアミド基含有モノ
マー類が挙げられる。中でも、含フッ素モノマー等の他
モノマーとの相溶性の点からN,N−ジメチルアクリル
アミド(DMAA)が特に好ましい。また、塊状重合に
より製造する場合、透明で良質な共重合体を得るには、
例えば、DMAAでは30〜45重量部が好ましい。
【0029】本発明のコンタクトレンズ材料及びコンタ
クトレンズを構成する共重合体では、その物性を更に良
好に改質するために、必要に応じて任意成分を適宜加え
て重合させることができる。
【0030】例えば、得られるコンタクトレンズの形状
保持性を向上させる目的で架橋性モノマーを添加するこ
とができる。この架橋性モノマーとしては、例えば、エ
チレンクリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレンクリ
コールジ(メタ)アリレート、アリル(メタ)アクリレ
ート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリアリル
イソチアヌレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、ジビニルベンゼン等が挙げられ、単独ま
たは2種以上を併用して用いられる。
【0031】架橋性モノマーの使用量は、共重合に供す
る全モノマー混合物(架橋性モノマーを含む)100重
量部中、0.01〜10重量部が好ましい。0.01重
量部未満では架橋効果が得られず、10重量部を超える
と共重合体がもろくなり好ましくない。
【0032】またコンタクトレンズの機械的物性等を向
上させるために、アルキル(メタ)アクリレート、前記
一般式(I)の含フッ素モノマー以外の含フッ素アルキ
ル(メタ)アクリレート、含シリコーン(メタ)アクリ
レート、脂環族又は芳香族(メタ)アクリレート等を添
加して共重合させることも可能である。
【0033】アルキル(メタ)アクリレートとしては、
例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)ア
クリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、is
o−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メ
タ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレー
ト、tert−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。これらを1種又は2種以上組み合わせて使用する
ことができる。
【0034】また、例えば、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2,3−ジヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート等の水酸基を1以上含むアルキル(メタ)ア
クリレートも使用可能である。
【0035】含シリコーン(メタ)アクリレートとして
は、例えばγ−(メタ)アクリロキシプロピルトリス
(トリメチルシロキシ)シラン、ペンタメチルジシロキ
サニルメチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル
テトラメチルジシロキサニルエチル(メタ)アクリレー
ト、トリフェニルジメチルジシロキサニルメチル(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、これらを1種又は2種
以上組み合わせて使用することができる。
【0036】前記一般式(I)の含フッ素モノマー以外
の含フッ素アルキル(メタ)アクリレートとしては、下
記一般式(II)のモノマーが挙げられる。
【0037】一般式
【化21】 (式中、R3 はHまたはCH3 であって、rは1〜4の
整数、sは1〜10、tは3以上の整数、uは0以上の
整数である。)一般式(II)において、好ましくは、s
が3〜10、tが6以上の整数で表されるモノマーであ
る。具体的には、ヘキサフルオロイソピロピル(メタ)
アクリレート、ヘキサフルオロブチル(メタ)アクリレ
ート、ヘプタフルオロプロピル−メチル(メタ)アクリ
レート、ノナフルオルブチル−メチル(メタ)アクリレ
ート、ノナフルオロブチル−エチル(メタ)アクリレー
ト、トリデカフルオロヘキシル−メチル(メタ)アクリ
レート、トリデカフルオロヘキシル−エチル(メタ)ア
クリレート、ヘプタデカフルオロオクチル−メチル(メ
タ)アクリレート、ヘプタデカフルオロオクチル−エチ
ル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)
アクリレートに代表される、フルオロアルキル(メタ)
アクリレートが挙げられる。
【0038】前記一般式(II)で表されるフルオロアル
キル(メタ)アクリレートを添加することにより、水和
前の共重合体の硬度をさらに上昇させて機械加工性を一
層向上させたり、あるいは水和膨潤後のコンタクトレン
ズの瞬時形状回復性を向上させたりすることも可能とな
る。ただし、その使用量は、前記一般式(I)の含フッ
素モノマーとの合計量が、35〜70重量部であること
が好ましいが、前述のアミド基含有モノマーとの相溶性
が低いため一般式(I)の含フッ素モノマーより多くて
はならない。
【0039】含水率55%以上の含水率を有するコンタ
クトレンズの場合レンズが汚れやすいという問題を生じ
ることがあり、また含水率25%未満では、機械加工が
容易に行える硬度を有する未水和共重合体を得ようとし
た場合、水和膨潤後のコンタクトレンズの柔軟性が不足
することがある。そのため本発明における含水率は、2
5〜55%の範囲が好ましい。
【0040】また、コンタクトレンズの製造方法につい
て現在迄に公知になっている数種の方法の中で、最も実
用的利点の大きい方法は、切削・研磨による方法である
が、その方法によりコンタクトレンズを容易に作製する
のに好適な硬度は、ロックウェル硬度(HR L)が少な
くとも60以上の場合とされる。
【0041】そして、コンタクトレンズの通常の終日装
用において、酸素透過係数15×10-11 cm3 (O2
・cm/(cm2 ・sec ・mmHg)以上の酸素透過性を有すれ
ば問題はない。本発明のコンタクトレンズは、少なくと
も15×10-11 cm3 (O2 )・cm/(cm2 ・sec ・mm
Hg)以上の酸素透過係数を有しており、終日装用に際し
て実用的に問題のない酸素透過性が得られている。
【0042】本発明のコンタクトレンズ材料及びコンタ
クトレンズの製造に際しては、先ず、上記の各組成成分
を混合してコモノマー溶液とした後、重合開始剤を添加
混合させ、この溶液を、金属、ガラスまたはプラスチッ
ク製の所望の形状をした重合容器(例:円筒形容器、試
験管、レンズ形状をした容器)内に注入し密封したの
ち、加熱または光による重合を行うことによって、レン
ズ材料ないし含水以前のレンズ形状物を得る。重合開始
剤としては、通常のラジカル発生剤であるベンゾイルパ
ーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、クメンハイ
ドロパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、
ビス−4−t−ブチルシクロヘキシルパーオキシジカー
ボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、
t−ブチルパーオキシ(2−エチルヘキサノエート)に
代表される有機過酸化物系重合開始剤、または2,2′
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾ
ビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチレート、1,1′−
アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、
2,2′−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイド
ロクロライド等のアゾ系重合開始剤、またはベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル等の光重合
開始剤の中から少くとも1種以上を使用する。重合開始
剤の添加量は、共重合に供する全モノマー混合物(この
混合物は重合開始剤を含まない)100重量部当たり
0.01〜3.0重量部が好ましい。加熱重合を行う場
合は、温度制御と撹拌可能な水槽または温風循環式乾燥
器中に密封した容器を静置し、室温から徐々に昇温して
重合を行う。光重合の場合は、透明性の大きい重合容器
を使用し、紫外線または可視光線を照射して重合する。
この際に加熱及び不活性ガスの気流下で重合するとさら
に良好である。熱重合と光重合のいずれにおいても、重
合歪を解消するため、重合完結後、重合容器中に入った
ままあるいは重合容器から取り出して80℃〜120℃
の加熱処理をしても良い。重合及び加熱処理終了後、室
温に冷却し、重合物を所望のレンズ形状に切削・研磨加
工した後、水和膨潤させて含水したコンタクトレンズを
得る。また、直接レンズ形状の重合物を得る場合には、
重合及び加熱処理後、水和膨潤させて含水したコンタク
トレンズを得ることも可能である。
【0043】
【実施例】以下に、実施例によって本発明を更に具体的
に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるも
のではない。なお、実施例及び比較例における各物性の
評価は次の方法で行なった。
【0044】(A)硬度(HR L) (株)明石製作所のロックウェル式硬度計を使用し、直
径15mm、肉厚6mmの平板で、Lスケール(以下、HR
Lと略す)にて測定した。
【0045】(B)ゲルの透明性(光線透過率) ゲルの透明性を評価する目的で、日立自記分光光度計U
−3210を用い、0.9%生理食塩水中、0.9%生
理食塩水によって飽和含水した厚さ0.2mmの含水試料
について測定し、光線透過率90%以上を透明体として
○で表示し、透過率90%未満で白濁したものを×で表
示した。
【0046】(C)含水率(重量%) =[(W1 −W2 )/W1 ]×100 W1 :飽和含水時の重量。 W2 :脱水時の重量。
【0047】(D)形状保持性・形状回復性 中心肉厚0.15mmの含水状態の平板を指でつまんで半
分に折ったときの形状回復性で評価した。 ○…良好(含水状態のヒドロキシエチルメタクリレート
重合体並みの形状回復性)である。 ×…折り目が残り、元の状態に戻らない。 ××…硬質でかつ脆いため割れた。
【0048】(E)耐汚染性 人工的脂質汚れとしてオレイン酸を選択し、含水状態の
平板をオレイン酸中へ撹拌しながら浸漬した後、水洗
し、肉眼にて平板表面のオレイン酸の残存の有無を観察
することにより脂質汚れに対する耐久性を評価した。 ○…水洗で容易に除去された。 ×…べっとりと付着し除去できない。
【0049】実施例1 パーフルオロオクチルエチルオキシプロピレンメタクリ
レート(以下、OPMA1と略す)60重量部、N,N
−ジメチルアクリルアミド(以下、DMAAと略す)3
9.5重量部、エチレングリコールジメタクリレート
(以下、EDMAと略す)0.5重量部、重合開始剤と
して、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)(以下、V−65と略す)を全モノマー混合
液(この混合液は重合開始剤を含まない)100重量部
当たり0.2重量部添加して溶解させた。得られた混合
液を成形型に注入し型を密封した後、熱風循環式乾燥器
中で40℃で25時間保持し、次に45℃まで15時
間、45℃から60℃まで10時間、60℃から80℃
まで8時間、80℃から100℃まで4時間かけて昇温
し100℃で8時間保持して重合を終了させた。その
後、室温まで冷却し、共重合体を型から取り出した。該
重合体は無色透明でロックウェル硬度(HR L)が76
の硬質材であった。これを通常の加工技術によりコンタ
クトレンズ形状に切削・研磨して、コンタクトレンズを
作製した。次いで、コンタクトレンズを0.9%生理的
食塩水中で80℃、6時間加熱して水和膨潤させた。
【0050】表1に示すとおり、含水ソフトコンタクト
レンズは含水率41%、形状保持性・瞬時形状回復性及
び耐汚染性に優れた、無色透明体であり、条件(イ)〜
(ト)、すなわち、 (イ)乾燥及び含水のいずれの状態でも透明である (ロ)実用的な酸素透過性を有する (ハ)軟質であり、レンズ形状にした場合でも形状保持
性と変形後の瞬時形状回復性を有する (ニ)タンパク質及び脂質等の涙液成分により汚染され
にくい (ホ)装用時、長時間にわたってレンズ表面の湿潤性を
保つことができる (ヘ)実用的な機械的強度を有する (ト)共重合体が切削・表面研磨によってもコンタクト
レンズを容易に製造出来得る硬度を有する 等の条件を全て満足した。
【0051】実施例2〜12 構成成分のみを本発明の限定範囲内で変化させ、他は、
実施例1と同様の方法によりコンタクトレンズ材料を作
製し、次にコンタクトレンズ形状に切削・研磨してコン
タクトレンズを作製した。得られたものの物性試験の結
果を表1および表2に示した。いずれの実施例で得られ
た含水前の共重合体も無色透明な硬質材であり、また、
コンタクトレンズ形状に切削・研磨した後の含水コンタ
クトレンズも上記条件(イ)〜(ト)の全てを満足し
た。
【0052】比較例1 OPMA1 75重量部、DMAA24.5重量部、ト
リエチレングリコールジメタクリレート(以下、3Gと
略す)0.5重量部、重合開始剤としてV−65を全モ
ノマー混合液(この混合液は重合開始剤を含まない)1
00重量部当たり0.2重量部添加して溶解した混合液
を用い、前記実施例1と同様の方法で共重合体を得た。
該重合体のロックウェル硬度(HR L)は−30で、本
発明の共重合体に比べて有意に柔軟であった。該共重合
体から切削・研磨によってコンタクトレンズの作製を試
みたが、レンズのエッジ不良及び研磨による傷の発生、
更には研磨圧により切削面の曲率が容易に崩れてしまう
ために光学面の形成が出来ず、コンタクトレンズとして
の機能をもたせるに至らなかった。その他の物性を表3
に示す。
【0053】比較例2 OPMA1に代り、パーフルオロオクチルエチルメタク
リレート(以下、17FMAと略す)を使用し、実施例
1と同様の混合比及び方法で共重合体を得た。得られた
共重合体の物性を表3に示す。得られた共重合体は乾燥
及び含水状態のいずれにおいても白濁していた。
【0054】比較例3〜4 OPMA1に代りシリコーン含有メタクリレートである
γ−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキ
シ)シランを高酸素透過性成分として使用し、実施例1
と同様な方法でコンタクトレンズ形状に加工し、飽和含
水させた。得られた共重合体の物性を表3に示す。いず
れの含水共重合体も脂質が付着し、一旦付着したオレイ
ン酸は界面活性剤を用いた水洗によっても容易に除去す
ることが出来なかった。特に比較例4の共重合体から成
る含水状態のコンタクトレンズ形状物について装用を試
みたが、装用直後レンズが曇り、実用に耐えられないと
判断された。また、いずれも、柔軟性と瞬時形状回復性
の両方を同時に備えるに至っていなかった。
【0055】比較例5〜8 各構成成分を表3中に示すとおり用い、実施例1と同様
の方法によりコンタクトレンズを作製した。比較例5の
コンタクトレンズの含水率は72%と高含水コンタクト
レンズであり、耐汚染性が劣るものであった。比較例6
および8の共重合体は白濁しており、形状保持性および
形状回復性も劣っていた。比較例7の共重合体は硬度
(HR L)が低いものであった。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】 モノマー略号の説明 OPMA1:パーフルオロオクチルエチルオキシプロピ
レンメタクリレート OPMA2:パーフルオロオクチルエチルジオキシプロ
ピレンメタクリレート OEMA1:パーフルオロオクチルエチルオキシエチレ
ンメタクリレート OEMA2:パーフルオロオクチルエチルジオキシエチ
レンメタクリレート DMAA:N,N−ジメチルアクリルアミド 17FMA:パーフルオロオクチルエチルメタクリレー
ト n−BMA:n−ブチルメタクリレート TSiMA:γ−メタクリロキシプロピルトリス(トリ
メチルシロキシ)シラン HEMA:2−ヒドロキシエチルメタクリレート MAA:メタクリル酸 6FMA:ヘキサフルオロイソプロピルメタクリレート EDMA:エチレングリコールジメタクリレート アリルMA:アリルメタクリレート TMPT:トリメチロールプロパントリメタクリレート 3G:トリエチレングリコールジメタクリレート
【0059】
【発明の効果】本発明によれば、低・中含水性を有する
コンタクトレンズを得るのに好適であり、かつ切削・研
磨等の機械加工を容易に行うことができる程の硬度を有
するコンタクトレンズ材料を得ることができる。
【0060】そして本発明の低・中含水性コンタクトレ
ンズは、各物性がいずれも実用的にバランスよく良好で
あり、製造工程上の利点の大きいコンタクトレンズ材料
から効率的に製造することが可能であるため、実用的意
義は大きい。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共重合に供するモノマー混合物100重
    量部中、 一般式 【化1】 (式中、R1 はCH3 、R2 はHまたはCH3 であっ
    て、同一又は異なっていても良く、aは1〜9の整数、
    mは1〜5の整数、nは4〜10の整数、pは8以上の
    整数、qは0以上の整数であり、p+q=2n+1の関
    係にある。)で示される少なくとも1種の含フッ素モノ
    マー:35〜65重量部、及び少なくとも1種のアミド
    基含有モノマー:30〜45重量部を必須成分として含
    有し、更に必要に応じて他のモノマーを任意成分として
    含有するモノマー混合物を共重合して得られる共重合体
    からなることを特徴とするコンタクトレンズ材料。
  2. 【請求項2】 任意成分が架橋性モノマーである、請求
    項1〜3のいずれか1項に記載のコンタクレンズ材料。
  3. 【請求項3】 任意成分がアルキル(メタ)アクリレー
    ト、一般式(I)の含フッ素モノマー以外の含フッ素ア
    ルキル(メタ)アクリレート、含シリコーン(メタ)ア
    クリレートおよび脂環族又は芳香族(メタ)アクリレー
    トからなる群から選択される少なくとも1種である、請
    求項1〜3のいずれか1項に記載のコンタクトレンズ材
    料。
  4. 【請求項4】 乾燥時の共重合体の硬度がロックウェル
    硬度(HR L)で60以上である、請求項1〜5のいず
    れか1項に記載のコンタクトレンズ材料。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のコ
    ンタクトレンズ材料を加工して得られる含水性コンタク
    トレンズ。
  6. 【請求項6】 水和膨潤後の含水率が25〜55%の含
    水性を有する、請求項5に記載のコンタクレンズ。
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