JP2635339B2 - 冷蔵庫等の温度制御装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、冷蔵庫等の特に冷蔵室側の温度制御装置に
関する。

従来の技術 従来のこの種の温度制御装置は、第３図のような構造
になっていた。

すなわち、冷却器１で冷やされた空気を主冷気循環用
送風機２により、冷気ダクト３を通じて、冷凍室４及び
冷蔵室５へ配分している。そして、冷凍室４の温度調節
は冷凍室４に取付けた温度調節器６により、圧縮機７の
運転をON-OFF制御し、調節している。また、主冷気循環
用送風機２の運転は、圧縮機７の運転に連動してON-OFF
制御するものである。

次に冷蔵室５の温度調節について説明する。８はダン
パー型温度調節器であり、温度検知部8aの温度に応じて
ダンパー部8bを開閉動作するものである。ダンパー部8b
は、冷気ダクト３の冷蔵室側開口部3aを開閉するように
取り付けられている。即ち、冷蔵室５の温度が上昇すれ
ば、これを温度検知部8aで検知し、ダンパー部8bの開度
を大きくして、冷蔵室５へ流入する冷気量を増やし冷却
するものである。反対に冷蔵室５の温度が所定値より下
降すれば、ダンパー部8bを閉じ勝手とし、流入冷気量を
制限するというように、冷蔵室５の温度に応じて、ダン
パー部8bを開閉し、流入冷気量を制御して、温度調節す
るものである。

発明が解決しようとする問題点 しかし、このような構造のものでは、ダンパー型温度
調節器８のダンパー部8bが氷結により動作不能となり冷
蔵室５を過冷却して、収容している食品を使用できない
状態まで凍らせてしまうという問題があった。これは下
記の理由による。

冷蔵室５内は一般にプラス３〜５℃に設定されてお
り、収容する食品の水分等により、比較的湿気の高い空
気である。又、冷気ダクト３内の空気は−20〜−25℃の
温度の低い比較的乾燥した空気である。従って冷気ダク
ト３の冷蔵室側開口部3aを開閉するように取り付けられ
ているダンパー型温度調節器８のダンパー部8bもよく冷
やされている為、冷蔵室５内の湿気が結露し易く、且つ
氷結し易い状態にある。冷蔵庫の使用状態により、ダン
パー部8bの動きが非常に少ない条件に遭遇した場合は、
特に氷結し易く、氷結によりダンパー部8bの開閉が不能
になるものである。

そこで、例えば特開昭62-125278号公報に示されるよ
うに、冷気ダクト自体の構造の組み合わせにより風路抵
抗体を構成し、氷結による温度調節不能という問題点を
解決しようとするものが、提案されている。

しかしながら、この場合、風路抵抗を変更するために
は、冷気ダクト自体の構造をしなければならないため、
冷蔵庫内箱の金型変更の設計作業をはじめ、広範な設計
作業を必要とし、変更設計作業に多大の時間を要すると
いう欠点があった。

本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、冷蔵
庫の使用状態に左右されて氷結等により動作不能になら
ず、しかも、冷気ダクトの部品兼用化を図ることによ
り、冷気ダクトの風路抵抗に関する変更設計を容易に行
える冷蔵庫等の温度調節装置を提供することを目的とす
る。

問題点を解決するための手段 この目的を達成するために本発明の冷蔵庫等の温度調
節装置は、風路抵抗体を設けた冷気ダクトと、前記冷気
ダクトの出口開口部に設置した冷気循環用送風機と、前
記冷気循環用送風機のON-OFFを制御する温度センサとを
有し、前記風路抵抗体が、前記冷気ダクトとは別部材で
構成したものである。

作用 この技術的手段による作用は次のようになる。すなわ
ち、冷気循環用送風機が停止している時は、ハニカム状
の風路抵抗体を設けた冷気ダクト内の冷気は、風路抵抗
により、前記冷気ダクトの出口開口部迄、到達する事な
く冷気ダクト内にたまっている。この為、冷気循環用送
風機前後の温度差は小さく、送風機には、水滴が付着し
にくい構造となっている。冷気循環用送風機が運転すれ
ば送風機の吸引力が、冷気ダクトに設けたハニカム状の
風路抵抗に打ち勝って、冷気ダクト内の冷気を冷蔵室内
に供給し、正常な冷却作用を行なうものである。

実施例 以下，本発明の一実施例を添付図面にもとづいて説明
する。第１図に於いて、11は冷却器であり、主冷気循環
用送風機12により冷気を冷気ダクト13を通して、冷凍室
14及び冷蔵室15へ送風し、各室を冷却するものである。
冷気ダクト13の冷蔵室側部分には、ハニカム状の風路抵
抗体16を設けている。第２図は、その外観を示してい
る。ハニカム状の風路抵抗体16には、上面16aから下面1
6bに貫通する通気穴16cが多数設けられている。通風抵
抗は、通気穴16cの面積又は，ハニカム状の抵抗体16の
長さ等を変更する事により、加減調節するものである。
冷気ダクト13の冷蔵室側の開口部13aには、冷気循環用
送風機17を設けてあり、本送風機が運転している時の
み、ハニカム状の風路抵抗体16で構成される風路抵抗に
打ち勝ち冷気を吐出する設定としている。18は温度セン
サであり、冷蔵室15の温度を検知し、冷気循環用送風機
17をON-OFF制御するものである。19は冷凍室温度調節器
であり、冷凍室14の温度により、圧縮機20をON-OFF制御
し所定の冷凍室温度を得るものである。

次に、この一実施例の構成における作用を説明する。
冷蔵室15が所定の温度以下の時は、温度センサ18の指令
により、冷気循環用送風機17は停止している為、冷気ダ
クト13を通じて送られてくる冷気は、ハニカム状の風路
抵抗体16で構成される風路抵抗により阻止され、冷気は
冷蔵室15へ供給されない。従って冷気循環用送風機17周
囲の温度は、冷蔵室内温度雰囲気に支配される為、温度
差が付かず、結露の心配もない。

冷蔵室15が所定温度以上の時は、温度センサ18の指令
により、冷気循環用送風機18は運転し、この吸引力によ
り、ハニカム状の風路抵抗体16で構成される風路抵抗に
打ち勝ち、冷気ダクト13で送られてくる冷気は、通気穴
16cを通って、冷蔵室15内へ送風され、通常の冷却作用
を行なうものである。

発明の効果 以上の様に本発明は、風路抵抗体を設けた冷気ダクト
と、前記冷気ダクトの出口開口部に設置した冷気循環用
送風機と、前記冷気循環用送風機のON-OFFを制御する温
度センサとを有し、前記風路抵抗体が、前記冷気ダクト
とは別部材で構成したものであるから、温度制御装置の
雰囲気空気の温度差を小さくでき、従来のダンパー型温
度調節器を使用していた如く、氷結による温度調節不能
という問題がなくなる。且つ、送風器を使用している為
に、冷蔵室内を均一にムラなく冷却できる。

また、風路抵抗を変更するために、冷気ダクトの構造
変更なしで、抵抗体の開口率等の変更により容易に風路
抵抗を調節できる為、ダクト抵抗の設計が簡単にできる
という効果を有するものである。

また、風路抵抗体の材料を選定することにより、脱臭
作用や抗菌作用を容易に付加できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の冷蔵庫の縦断面図、第２図
はハニカム状の通風抵抗体の斜視図、第３図は従来の冷
蔵庫の縦断面図である。 13……冷気ダクト、13a……開口部、16……ハニカム状
の風路抵抗体、17……冷気循環用送風機、18……温度セ
ンサ。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】風路抵抗体を設けた冷気ダクトと、前記冷
   気ダクトの出口開口部に設置した冷気循環用送風機と、
   前記冷気循環用送風機のON-OFFを制御する温度センサと
   を有し、前記風路抵抗体が、ハニカム状に形成され、か
   つ前記冷気ダクトとは別部材で構成された事を特徴とす
   る冷蔵庫等の温度制御装置。