JPS6135909Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 野菜等の長期貯蔵に使用する冷蔵庫は、庫内温
度を野菜が凍結しない範囲でできるだけ０℃近く
に常に保てるものが望ましい。

ところで、２台の冷却器が、一方のものが冷却
運転している間に他方のものは、デフロストさせ
られるように運転させられる冷蔵倉庫では、両冷
却器の運転切換時、冷却運転に切り換えられた冷
却器はすでにデフロストされていて冷却能力が大
となつているので、その冷却器からは、それに或
る程度着霜するまで過冷却された空気が吹き出さ
れる。

ために、庫内は運転切換時に凍結点以下に冷え
過ぎて野菜等の貯蔵物を凍結させてしまうことが
ある。

また、一時的な負荷変動、たとえば冷蔵倉庫へ
の作業員の出入時における扉の開成によつて庫内
が昇温し、庫内温度が不安定になることがある。
本考案は、前記のような事態が発生するのを防止
できるようにした冷蔵倉庫に関し、以下実施例図
に基づいて本考案を詳述する。

図中１は本考案に係る冷蔵庫、２は庫内、３は
第１の冷却器、４は第２の冷却器であり、両冷却
器は交互に運転する。すなわち、第３図のタイミ
ングチヤート図に示されるように第１の冷却器３
が冷却運転している間に第２の冷却器４はデフロ
ストが行なわれ、デフロスト完了後の第２の冷却
器４は両冷却器の運転切換えがなされるまで停止
している。

所定時間経過後、両冷却器の切換がなされる
と、第２の冷却器の冷却運転が開始される反面霜
の付いた第１の冷却器３のデフロストが開始さ
れ、デフロスト完了後の第１の冷却器３は次の切
換がなされるまで停止する。以後両冷却器は以上
述べたような運転を交互に繰り返すことになる。

なお５，６は各々第１、第２の冷却器の冷却運
転に連動して働く送風機、７および８は第１、第
２の冷却器の空気入口に取り付けられた風圧式ダ
ンパー、９および１０は第１、第２の冷却器の空
気出口に取り付けられた風圧式ダンパーで、それ
ぞれ風圧によつて開く。したがつて冷却運転を行
つている冷却器のダンパーは開いているが、デフ
ロスト中で送風機が停止している冷却器のダンパ
ーはそれぞれ閉じており、冷却器の中のデフロス
トによつて昇温した空気は冷却器外に出ないよう
になつている。

１１は冷却器１２に続いて設けられた空気混合
室で、その天井部上面と冷蔵庫の天井下面間に、
前記庫内２と冷却器室１２の上部とを連通せしめ
るリターン空気通路１８を形成してあり、このリ
ターン空気通路１８には、通孔１９を有する抵抗
板２０を設けてある。

また、混合室１１の内部は、上部の反転通路１
３で連通する１次室１１Ａと２次室１１Ｂとに立
ち上がり仕切板１５にて画されており、前記各冷
却器の空気出口は１次室１１Ａ内の下部に臨んで
いる。

しかして２次室１１Ｂには、その内部に撹拌送
風用のフアン１６と適宜の蓄熱器２４を設けてあ
るとともに、庫内２からのリターン空気の一部を
取り入れるためのバイパス孔１４を天井にあけて
ある。また２次室の下部は庫内の床下グレーチン
グダクト２１へ連通せしめてあつて、このダクト
２１は、多数の吹出口１７を有する床板２２と冷
蔵庫の内底とで構成してある。こゝで、蓄熱器の
構造は任意であるが、例えば密閉コイルにブライ
ンを封入したコイル型熱交換器、あるいはハニカ
ム熱交換器、プレート熱交換器等を使用すればよ
い。

なお、庫内温度の制御は、前記混合２次室１１
Ｂ内に配設した温度センサ２５からの信号によ
り、冷却器のコイル出口に設けた比例制御弁を作
動せしめて冷媒流量を調節して行うようにしてあ
る。

本考案に係る冷蔵庫は上述した構造のもので次
にその作用効果について述べる。

第１、第２の各冷却器３，４は前述した如く交
互に冷却運転をし、一方が冷却している間に他方
のものはデフロストをし、デフロスト後は次の切
換運転まで停止し、またデフロストまたは停止し
ている冷却器は送風機が停止し、冷却器のダンパ
ーは閉じて、冷却器内の昇温した空気は庫内へ送
られない。

冷却運転している冷却器からの冷風は混合室１
１の１次室１１Ａへ吹き出され、同室の２次室を
経てダクト２１から庫内へ送り出され、庫内の空
気は混合室上方のリターン空気通路１８を経て冷
却運転中の冷却器に吸い込まれ、こゝで冷却され
て前述のごとく混合室の１次室１１Ａへ吹き出さ
れる。以下前記循環を繰り返す。

ところで本考案においては、混合室上方の前記
リターン空気通路１８に抵抗板２０を設け、かつ
混合室の天井板に、前記リターン空気通路１８に
おける抵抗板２０を境とする１次側通路と混合室
の２次室１１Ｂとを連通せしめるバイパス通孔１
４をあけてあるので、庫内からのリターン空気の
一部は前記バイパス通孔１４から混合２次室１１
Ｂに吸い込まれ、こゝで冷却器からの冷却空気と
送風機１６にて混合され、この場合、調温された
空気は次の蓄熱器２４を経てダクト２１から庫内
へ送り込まれる。

このことは、冷却器の切換運転時や倉庫への出
入のために扉を開いたときなどにおいて庫内の温
度変化が急激に行われるのを防止する効果があ
る。

すなわち、蓄熱器２４の蓄熱材は、冷却器の定
常運転中に２次混合室１１Ｂ内の空気と同温度に
なる。

ところで、冷却器の切換運転時には、すでにデ
フロストされて熱交換効率が良好となつている冷
却器から、これによつて過冷却されている空気が
噴き出されるが、この空気は混合室で庫内からの
昇温されているリターンの一部と混合し、調温さ
れる。この調温された空気は、さらに蓄熱器２４
の蓄熱材と熱交換して、定常運転時に近い温度と
なつてダクト２１へ送られる。したがつて、切換
運転時に過冷却された空気が庫内に送り込まれる
ことはなく、切換時における庫内の温度変化を可
及的小ならしめ得て、野菜等の貯蔵物を凍結させ
ることなく、安全に冷却、デフロストの切換運転
ができる。

また、倉庫への出入時等に扉あけると、負荷が
増大し、冷却器からは設定温度よりも高い温度の
空気が吹き出されるが、この空気は定常運転時の
温度に冷却されている蓄熱器２４によつて設定温
度近くまで冷却されてダクト２１へ送られること
となり、したがつて庫内の負荷変動が極力防止さ
れ、貯蔵物への温度変化による影響を可及的小な
らしめることができる。

なお、混合室の前記バイパス孔にはダンパー２
３を設けて、運転切換時から所要時間バイパス孔
を開口せしめるようにするばあいもある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る冷蔵庫の横断平面図、第
２図は第１図の−線縦断側面図、第３図は本
考案に係る冷蔵庫に使用する第１、第２の冷凍機
の運転状態を示すタイミングチヤート図である。 図中、１……冷蔵庫、２……庫内、３……第１
の冷却器、４……第２の冷却器、５，６……送風
機、７，８，９，１０……風圧式ダンパー、１１
……空気混合室、１２……冷却器室、１３……反
転通路部、１４……バイパス孔、１５……仕切
板、１６……送風機、１７……吹出孔、１８……
リターン空気通路、１９……通孔、２０……抵抗
板、２１……ダクト、２２……床板、２３……バ
イパス孔ダンパー、２４……蓄熱器、２５……温
度センサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 庫内の冷却器室内に、一方のものが冷却運転す
   る間に他方のものはデフロストを完了する複数の
   冷却器が配設され、前記冷却器からの冷却空気が
   庫内から冷却器へのリターン空気の一部がバイパ
   ス導入される混合室へ吹き出されて前記リターン
   空気の一部と混合して庫内へ送り出される冷蔵倉
   庫において、前記混合室内に適宜の蓄熱器を配設
   してなる冷蔵倉庫。