JP2635210B2 - 大豆オリゴ糖の製造法 - Google Patents
大豆オリゴ糖の製造法Info
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Description
本発明は大豆ホエーからオリゴ糖を分離精製して大豆
オリゴ糖を製造する方法に関する。
オリゴ糖を製造する方法に関する。
大豆又は脱脂大豆から水抽出してオカラを除去した残
りの豆乳からさらに大豆蛋白を分離すると大豆ホエーが
得られる。 大豆ホエーから大豆オリゴ糖を製造する方法として例
えば特公平1−45354には、大豆ホエーを塩化カルシウ
ム存在下に水酸化カルシウムで中和するとともに加熱
し、生じた沈澱物を除去し膜分離して大豆オリゴ糖を得
る方法が開示されている。 又、特開昭62−155082には、脱脂大豆をアルコール溶
液で抽出して大豆オリゴ糖を含む物質を得る方法が開示
されている。 しかし、いずれの方法も大豆オリゴ糖の精製が充分で
ない欠点を有している。
りの豆乳からさらに大豆蛋白を分離すると大豆ホエーが
得られる。 大豆ホエーから大豆オリゴ糖を製造する方法として例
えば特公平1−45354には、大豆ホエーを塩化カルシウ
ム存在下に水酸化カルシウムで中和するとともに加熱
し、生じた沈澱物を除去し膜分離して大豆オリゴ糖を得
る方法が開示されている。 又、特開昭62−155082には、脱脂大豆をアルコール溶
液で抽出して大豆オリゴ糖を含む物質を得る方法が開示
されている。 しかし、いずれの方法も大豆オリゴ糖の精製が充分で
ない欠点を有している。
本発明者等は大豆ホエー中の大豆蛋白を除去する為に
加熱処理を検討した。確かに、加熱により変性して不溶
化する成分は遠心分離等で除去できるが未変性成分は除
去が困難であったり、経時的に濁りが生じたりする。そ
こで、たんに加熱を強くすると糖が分解したり、又膜に
より強制的に濁りを除去しようとすると時間がかかった
り膜の目詰まりが生ずる等の問題がある。 本発明者等は糖の分解が極めて少なく蛋白質を効率液
的に除去できる実用的なオリゴ糖の精製を目的として研
究を進めた。
加熱処理を検討した。確かに、加熱により変性して不溶
化する成分は遠心分離等で除去できるが未変性成分は除
去が困難であったり、経時的に濁りが生じたりする。そ
こで、たんに加熱を強くすると糖が分解したり、又膜に
より強制的に濁りを除去しようとすると時間がかかった
り膜の目詰まりが生ずる等の問題がある。 本発明者等は糖の分解が極めて少なく蛋白質を効率液
的に除去できる実用的なオリゴ糖の精製を目的として研
究を進めた。
本発明者等は前記目的を達成すべく鋭意研究の結果、
大豆ホエーを加熱した後リン酸pH3以下に調整して生じ
る沈澱を除去すれば目的とする大豆オリゴ糖が高収率で
得られる知見を得て本発明を完成するに到った。 即ち、本発明は、大豆ホエー溶液を70〜110℃にて加
熱処理し、リン酸を用いてpH3以下に調整し、生じた沈
澱物を除去することを特徴とする大豆オリゴ糖の製造法
である。 本発明に用いる大豆ホエーは(a)大豆又は脱脂大豆
から得られた豆乳に酸又はアルカリ土類金属を加え蛋白
を凝固させて除去した水溶液もしくはこの濃縮液でも、
(b)大豆又は脱脂大豆から50〜80%のアルコール溶液
を用いて抽出した水溶液でもよい。 本発明において、70℃〜110℃(好ましくは80〜100
℃)で5〜30分間加熱することが重要である。 加熱が充分でないと次のリン酸処理と組み合わせても
変性蛋白質の凝集が不十分で蛋白質の除去は充分でな
く、あまり加熱しすぎるとオリゴ糖が単糖にまで分解さ
れてオリゴ糖の含有比率が低下しビフィズス菌以外の菌
でも資化できるようになりその有効性が低下するので好
ましくない。 本発明において、加熱処理後、リン酸を用いてpH3以
下に調整することが重要なポイントである。 塩酸ではpH1.5以下にしないと沈澱除去効果がないが
リン酸ならpH3以下で効果がある。その理由は不明であ
る。 即ち、リン酸を用いて且つpH3以下となすことにより
前記加熱処理との組み合わせで生じる蛋白質の沈澱なら
公知の手段で分離でき、残る水溶液は濁りのない精製度
の高いオリゴ糖液とすることができる。 生じる沈澱の分離手段は遠心分離、濾過等公知の手段
を利用することができる。尚、濾過は膜濾過よりケイソ
ウ土濾過のほうが速く実用的である。 このようにして得られる清澄液はそのまま濃縮したり
乾燥して大豆オリゴ糖とすることもできるが、好ましく
は多孔性有機合成吸着材、活性炭等で処理したり更にイ
オン交換樹脂、電気透析処理又は逆浸透膜等による透析
処理等が適当である。
大豆ホエーを加熱した後リン酸pH3以下に調整して生じ
る沈澱を除去すれば目的とする大豆オリゴ糖が高収率で
得られる知見を得て本発明を完成するに到った。 即ち、本発明は、大豆ホエー溶液を70〜110℃にて加
熱処理し、リン酸を用いてpH3以下に調整し、生じた沈
澱物を除去することを特徴とする大豆オリゴ糖の製造法
である。 本発明に用いる大豆ホエーは(a)大豆又は脱脂大豆
から得られた豆乳に酸又はアルカリ土類金属を加え蛋白
を凝固させて除去した水溶液もしくはこの濃縮液でも、
(b)大豆又は脱脂大豆から50〜80%のアルコール溶液
を用いて抽出した水溶液でもよい。 本発明において、70℃〜110℃(好ましくは80〜100
℃)で5〜30分間加熱することが重要である。 加熱が充分でないと次のリン酸処理と組み合わせても
変性蛋白質の凝集が不十分で蛋白質の除去は充分でな
く、あまり加熱しすぎるとオリゴ糖が単糖にまで分解さ
れてオリゴ糖の含有比率が低下しビフィズス菌以外の菌
でも資化できるようになりその有効性が低下するので好
ましくない。 本発明において、加熱処理後、リン酸を用いてpH3以
下に調整することが重要なポイントである。 塩酸ではpH1.5以下にしないと沈澱除去効果がないが
リン酸ならpH3以下で効果がある。その理由は不明であ
る。 即ち、リン酸を用いて且つpH3以下となすことにより
前記加熱処理との組み合わせで生じる蛋白質の沈澱なら
公知の手段で分離でき、残る水溶液は濁りのない精製度
の高いオリゴ糖液とすることができる。 生じる沈澱の分離手段は遠心分離、濾過等公知の手段
を利用することができる。尚、濾過は膜濾過よりケイソ
ウ土濾過のほうが速く実用的である。 このようにして得られる清澄液はそのまま濃縮したり
乾燥して大豆オリゴ糖とすることもできるが、好ましく
は多孔性有機合成吸着材、活性炭等で処理したり更にイ
オン交換樹脂、電気透析処理又は逆浸透膜等による透析
処理等が適当である。
以下実施例により本発明の実施態様を説明する。 実施例1 分離大豆蛋白製造工程で得られた大豆ホエーを90℃で
10分間加熱し、冷却後リン酸を加えpHを3に調整した。 生じたコロイド状物質を遠心分離(2500RPM×15分)
して清澄液を得た。 この清澄液を多孔性有機合成吸着剤(ダイヤイオンHP
−20、三菱化成(株)製)に通し、更にイオン交換樹脂
(レバチット、Bayer社製)に通した後、減圧・濃縮
し、次いで活性炭処理して大豆オリゴ糖濃縮物を得た。 濃縮物の成分分析値は:水分42%、粗蛋白0.01%、灰
分0.03%、糖質58%であった。糖質の内訳は3単糖以上
40%、シュークロース55%、単糖類5%であった。 実施例2 実施例1と同様にしてリン酸を用いてpH3に調節する
処理工程を、リン酸又は塩酸とし、種々のpHにした後、
遠心分離して得られた液の濁り具合を見た。 遠心分離(3000RPM×10分)後の濁りを次表に示す。 又、このときの糖類の加水分解の程度を合わせ示す。 3単糖以上は糖類組成中の3単糖以上の糖類(ラフィ
ノース、スタキオース)の割合を示す。 以上よりpH1.5以下では糖の加水分解が起こり、リン
酸ではpH3.5以上で濁りが生じ、塩酸ではpH2以上で濁り
が生じた。 実施例3 大豆ホエーの加熱処理温度を変える他は実施例1と同
様にしてオリゴ糖溶液を得た。 加熱温度と得られらオリゴ糖溶液の濁り及び糖の分解
を次表に示す。 60℃以下では濁りが生じ、120以上では糖類の分解が
見られ、3単糖以上の割合は35%に減少した。
10分間加熱し、冷却後リン酸を加えpHを3に調整した。 生じたコロイド状物質を遠心分離(2500RPM×15分)
して清澄液を得た。 この清澄液を多孔性有機合成吸着剤(ダイヤイオンHP
−20、三菱化成(株)製)に通し、更にイオン交換樹脂
(レバチット、Bayer社製)に通した後、減圧・濃縮
し、次いで活性炭処理して大豆オリゴ糖濃縮物を得た。 濃縮物の成分分析値は:水分42%、粗蛋白0.01%、灰
分0.03%、糖質58%であった。糖質の内訳は3単糖以上
40%、シュークロース55%、単糖類5%であった。 実施例2 実施例1と同様にしてリン酸を用いてpH3に調節する
処理工程を、リン酸又は塩酸とし、種々のpHにした後、
遠心分離して得られた液の濁り具合を見た。 遠心分離(3000RPM×10分)後の濁りを次表に示す。 又、このときの糖類の加水分解の程度を合わせ示す。 3単糖以上は糖類組成中の3単糖以上の糖類(ラフィ
ノース、スタキオース)の割合を示す。 以上よりpH1.5以下では糖の加水分解が起こり、リン
酸ではpH3.5以上で濁りが生じ、塩酸ではpH2以上で濁り
が生じた。 実施例3 大豆ホエーの加熱処理温度を変える他は実施例1と同
様にしてオリゴ糖溶液を得た。 加熱温度と得られらオリゴ糖溶液の濁り及び糖の分解
を次表に示す。 60℃以下では濁りが生じ、120以上では糖類の分解が
見られ、3単糖以上の割合は35%に減少した。
以上説明したように、本発明により、純度の高い大豆
オリゴ糖が高収率で得られるようになったものである。
又、この大豆オリゴ糖はビフィヅス菌増殖促進物質とし
て、又低甘味剤として種々の食品に利用できるだけでな
く機能性素材として各種飲料等に用いることもできる。
オリゴ糖が高収率で得られるようになったものである。
又、この大豆オリゴ糖はビフィヅス菌増殖促進物質とし
て、又低甘味剤として種々の食品に利用できるだけでな
く機能性素材として各種飲料等に用いることもできる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12N 1/38 C12N 1/38 (C12N 1/38 C12R 1:01)
Claims (1)
- 【請求項1】大豆ホエー溶液を70〜110℃にて加熱処理
し、リン酸を用いてpH3以下に調整し、生じた沈澱物を
除去することを特徴とする大豆オリゴ糖の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2319531A JP2635210B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | 大豆オリゴ糖の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2319531A JP2635210B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | 大豆オリゴ糖の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04187695A JPH04187695A (ja) | 1992-07-06 |
JP2635210B2 true JP2635210B2 (ja) | 1997-07-30 |
Family
ID=18111283
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2319531A Expired - Fee Related JP2635210B2 (ja) | 1990-11-21 | 1990-11-21 | 大豆オリゴ糖の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2635210B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004104036A1 (ja) * | 2003-05-21 | 2004-12-02 | Fuji Oil Company, Limited | 大豆ホエー蛋白及び大豆ホエー蛋白分解物の製造法 |
CN105637095A (zh) | 2013-11-07 | 2016-06-01 | 东丽株式会社 | 精制大豆寡糖液的制造方法 |
-
1990
- 1990-11-21 JP JP2319531A patent/JP2635210B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04187695A (ja) | 1992-07-06 |
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Legal Events
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