JP2634455B2 - ブリンク方法およびブリンク制御方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、中間調の表現が可能な表示装置に係り、特
に、ディザ法により擬似的に中間調を表現する表示装置
のブリンク方法およびブリンク制御装置に関する。

［従来の技術］ 従来の表示装置におけるブリンク（点滅）表示に関す
る技術としては、例えば、特開昭59−3475号に開示され
たものがある。この従来技術においては、ドット単位の
ブリンクの有無についてのデータを記憶するブリンク用
のリフレッシュメモリプレーンを設け、ドット毎に映像
信号をオン／オフすることにより、ブリンクを実現して
いる。

［発明が解決しようとする課題］ 上記従来技術では、ドット単位でブリンクが行える
が、ブリンク用のリフレッシュメモリから読出したデー
タにより映像信号をオン／オフするため、高速の論理回
路を必要とし、高精細のCRTにおいて実現しようとする
と、装置が高価になるという問題があった。また、ブリ
ンクの「滅」の期間に映像信号をオフする機能しか付加
されていないので、例えば背景色が白で、ブリンクさせ
るべき文字あるいは図形が黒（すなわち映像信号がオ
フ）の場合には、ブリンクの点滅で同じオフ状態しか出
ず、ブリンクしなくなるという問題があった。

このような従来の問題に対して、本出願人は、先に特
願昭63−24314号において、その解決手段を提案してい
る。この解決手段は、ブリンクの「点」状態の表示デー
タをドット毎に記憶するリフレッシュメモリと、ブリン
クの「滅」状態の表示データをドットごとに記憶するリ
フレッシュメモリとを設け、ブリンクさせない画像（文
字、記号、図形等）については両リフレッシュメモリに
同一の画像を書込むとともに、ブリンクさせようとする
画像については、両リフレッシュメモリに反転関係にあ
る画像を書込んで、両リフレッシュメモリの内容を交互
に切り換えて表示することにより、ブリンクを行うもの
である。

ところで、この先行技術を、ディザ法による擬似的な
中間調表示を行う表示装置に適用した場合に、以下のよ
うな新たな問題が生じた。第３図に、このような表示装
置のブロック図を示し、その問題について簡単に説明す
る。

第３図において、１は描画すべき画像の画素（ドッ
ト）単位の濃度を指定する濃度データおよびブリンクす
べき画像の書込み時に出力されるブリンクデータを生成
するグラフィックプロセッサ、２は複数のビットで表わ
される濃度データをディザ法に従って２値化した２値デ
ータを出力する２値化回路、３はこの２値データをブリ
ンクデータに応じて反転する排他的論理和（以下、EOR
という）ゲート、４はブリンクの「点」期間の画面に対
応する画像データ（２値データ）を記憶するリフレッシ
ュメモリ、５はブリンクの「滅」期間の画面に対応する
画像データを記憶するリフレッシュメモリ、６はブリン
ク周期発生用発振回路、７は両リフレッシュメモリ４、
５の出力を発振回路６の出力に従って切り換えるセレク
タ、８はこのセレクタ７から出力される画像データを表
示するCRTである。

この装置において、グラフィックプロセッサ１により
生成された中間調画像データは２値化回路２により２値
化されてリフレッシュメモリ４に書き込まれるととも
に、グラフイックプロセッサ１からのブリンクデータと
EORがとられてリフレッシュメモリ５に書込まれる。し
たがって、リフレッシュメモリ５に書込まれる２値化デ
ータは、EORゲート３において、ブリンクデータに応じ
て、反転されまたはそのまま通過する。両リフレッシュ
メモリ４、５の内容は、発振回路６の発振出力に従って
動作するセレクタ７により、周期的に例えば0.5秒ごと
に、交互に切換出力されて、CRT8に供給される。このよ
うにして、CRT8には、リフレッシュメモリ５に反転して
書込まれた画像についてのみ、ブリンクが行われること
になる。なお、ディザ処理による１セルは、複数の、例
えば４×４のドットにより構成され、明ドットの個数の
差により、中間調が表現される。

このような、ブリンクの「滅」期間に画素の白黒を反
転するこのブリンク方式では、第４図に示すように、中
間の濃度データにディザを掛けた場合、その２値画像を
反転しても白いドットと黒いドットの個数の割合は相変
わらず同程度なので、２値画像を周期的に反転してもブ
リンクが目立たないという問題があった。

したがって、本発明の目的は、ディザ法等の手法によ
り、擬似的に中間調を表現する表示装置において、画像
の濃度の如何にかかわらず、その画像のブリンクの視認
性を高めることができるブリンク方法、ブリンク制御装
置および表示装置を提供することにある。

本発明の他の目的は、既存のアプリケーションソフト
ウエアとの互換性を考慮したブリンク制御装置および表
示装置を提供することにある。

［課題を解決するための手段］ 上記目的を達成するために、本発明によるブリンク方
法は、ディザ法により中間調の表現を行う表示装置にお
けるブリンク方法であって、ブリンクの「滅」期間の画
像の濃度を指定し、該指定された濃度データにディザ処
理を施した２値データと、中間調画像データにディザ処
理を施した２値データとを、周期的に交互に表示するよ
うにしたものである。

本発明によるブリンク方法は、他の見地によれば、中
間調表現が可能な表示装置におけるブリンク方法であっ
て、描画時に、ブリンクの「点」期間の画像の濃度と、
「滅」期間の画像の濃度とを独立に指定し、両濃度のに
よりブリンクを行うことを特徴とするものである。

このブリンク方法において上記「滅」期間の画像の濃
度を指定する方法としては、ブリンク位置の「点」期間
の画像の濃度が、予め定められた閾値以上であれば最低
濃度とし、上記閾値より低ければ最高濃度とする。
「点」期間の画像の濃度が、予め定められた閾値と等し
い場合には、その「滅」期間の画像の濃度は、最低でも
最高でもよい。このブリンク方法は装置に自動的に濃度
を指定させる場合に適する。

本発明によるブリンク方法は、さらに他の見地によれ
ば、中間調表現が可能な表示装置におけるブリンク方法
であって、第１および第２の表示メモリを用意し、該第
１および第２の表示メモリには、ブリンク対象を除いて
同一の画像を書込むとともに、ブリンク対象については
濃度の異なる画像を書込み、上記第１および第２表示メ
モリの内容を周期的に交互に表示するようにしたもので
ある。

本発明によるブリンク方法は別の見地によれば、複数
個のドットからなるセル内の明ドットの個数の違いによ
り、擬似的に中間調表示を行う表示装置におけるブリン
ク方法であって、ブリンクを行おうとするセルについ
て、該当セルと明ドットの個数が異なるセルを用意し、
両セルを周期的に交互に表示することにより、ブリンク
を行うことを特徴とするものである。

また、本発明によるブリンク制御装置は、ブリンクの
「点」期間と「滅」期間とで異なる濃度の表示データを
交互に表示することによりブリンクを行うブリンク制御
装置であって、上記「滅」期間の濃度データを設定する
設定手段と、「点」期間の表示データを格納する第１表
示メモリおよび「滅」期間の表示データを格納する第２
表示メモリの両出力の一方を選択する選択手段と、該選
択手段の選択動作を周期的に切り換える切換制御手段と
を備えることを特徴とするものである。

このブリンク制御装置において、第１表示メモリに書
込む表示データを反転する反転手段と、該反転手段の出
力表示データと上記設定手段に設定された濃度データに
より指定された濃度の表示データのいずれか一方を上記
第２表示メモリに供給する第２の選択手段と、該第２の
選択手段の選択を制御する情報を設定するモード設定手
段とを設けるようにしてもよい。このモード設定手段
は、例えばレジスタであり、ソフトウエアにより設定値
を変更できるものである。

本発明による表示装置は、中間調表現が可能な表示装
置であって、ブリンクの「点」期間の表示データを格納
する第１の表示メモリと、ブリンクの「滅」期間の表示
データを格納する第２の表示メモリと、濃度データとし
ての描画データを発生する描画データ発生手段と、上記
「滅」期間の濃度データを設定する設定手段と、濃度デ
ータを２価データに変換する変換手段と、第１および第
２の表示メモリの出力を周期的に切り換える切換手段と
を備えることを特徴とするものである。

本発明による表示装置は、複数個のドットからなるセ
ル内の明ドットの個数の違いにより、擬似的に中間調表
示を行う表示装置において、 ブリンクを行おうとするセルについて、当該セルの
「点」期間のドットパターンとはドット数の異なるドッ
トパターンを「滅」期間のセルのドットパターンとする
第１のブリンクモードと、上記「点」期間のセルのドッ
トパターンの反転パターンを「滅」期間のセルのドット
パターンとする第２のブリンクモードとを備えたもので
ある。

［作用］ 本発明では、画像を反転させることによりブリンクを
行うのではなく、ブリンクの対象となる画像の濃度を変
化させることにより、ブリンクを行う。これによって、
画像の濃度が中間の場合にも上記先行技術のように、ブ
リンクが目立たないという問題が解決され、ブリンクの
視認性を向上させることができる。

ブリンクの「滅」期間の画像の濃度は、利用者が自由
に指定することができるので、ブリンクの強度を自由に
設定できる。文字やパターン等のブリンク対象の「滅」
期間の濃度を背景の濃度と等しくすることにより、ブリ
ンクの「滅」期間にその文字やパターンが消滅するよう
なブリンクを行わせることもできる。

また、「点」期間の画像の濃度に応じて、その「滅」
期間の濃度を装置が自動的に指定するようにすることも
可能である。

さらに、先行技術との互換性の考慮して、２つのブリ
ンクモードを設けることにより、利用者の選択により、
既存のアプリケーションソフトウエアをも変更なしに利
用可能となる。

［実施例］ 以下、本発明の位置実施例を第１図および第２図によ
り説明する。

第１図は本実施例に係る表示装置のブロック図であ
る。この図において、前述した第３図の機能ブロックに
対応するものには、同一の参照符号を付してある。

第１図において、新たに追加された機能ブロックのう
ち、10はブリンクの「滅」期間の画像の濃度データを設
定する濃度設定用レジスタ、11は複数ビットで表わされ
る濃度データを２値化する２値化回路、12はブリンク対
象の「滅」期間の２値データとしてブリンクの「点」期
間の２値データを反転したものを用いる第１のブリンク
モードと、ブリンク対象の「滅」期間の２値データとし
てレジスタ10に設定された画像の濃度にディザを掛けた
ものを用いる第２のブリンクモードとを切換えるデータ
を設定するレジスタ、13はブリンクデータとブリンクモ
ードデータの論理積をとるANDゲート、14はANDゲート13
の出力に従いEORゲート３の出力または２値化回路11の
出力のいずれかを選択するセレクタである。

次に、本実施例の動作を説明する。本実施例の動作
は、第３図に示した先行技術によるブリンク制御装置の
動作と類似しているので、主として異なる点について説
明する。

第３図の場合と同様、リフレッシュメモリ４へ書込ま
れる２値データは、グラフィクプロセッサ１が発生した
画像データ（濃度データ）に対して、２値化回路２によ
りディザ処理を施して得られた２値化データである。

リフレッシュメモリ５については、ブリンク対象につ
いてのみ、リフレッシュメモリ４と異なるデータが書込
まれ、その他の部分についてはリフレッシュメモリ４と
同一のデータが書込まれる。ただし、このリフレッシュ
メモリ５へ書込まれる２値データとしては、ブリンクモ
ードによりEORゲート３または２値化回路11のいずれか
の出力が選択される。いずれのモードを選択するかは、
レジスタ12に設定する値により決定される。EORゲート
３の出力を選択するブリンクモードを設けたのは、第３
図のブリンク方式と同じブリンク方式を提供し、既存の
アプリケーションソフトウエアをそのまま利用可能とす
るためである。

２値化回路11の出力を選択するブリンクモードでは、
レジスタ10に設定する濃度データを変更することによ
り、「滅」期間の画像の濃度を任意に選択できるので、
ブリンク対象の「点」期間の濃度と「滅」期間の濃度と
の濃度差を大きくして、視認しやすいブリンクを行わせ
ることができる。例えば、第２図に示すように、「点」
期間の濃度が中間の濃度であっても、「滅」期間の濃度
を低濃度（あるいは高濃度）とすることにより、濃度差
をもたせて、ブリンクの高価を明確にすることができ
る。

なお、本実施例では、レジスタ10に利用者が自由に濃
度データを設定する方式としたが、ブリンク対象の
「点」期間の画像濃度はその書込み時に判明しているの
で、その濃度と異なる濃度データを自動的に設定するよ
うにしてもよい。そのためには例えば、ブリンク対象の
「点」期間の画像濃度を閾値の濃度（中間の濃度）と比
較して、閾値の濃度以上であれば、最低の濃度データを
設定し、閾値の濃度未満であれば最高の濃度データを設
定すればよい。

［発明の効果］ 本発明によれば、中間調表現を行う表示装置におい
て、ブリンク対象の濃度の如何にかかわらず視認性の高
いブリンクを行わせることが可能になる。また、既存の
アプリケーションソフトウエアをそのまま利用すること
もできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による一実施例のブロック図、第２図は
本発明によるブリンクの説明図、第３図は先行技術によ
る表示装置のブロック図、第４図は第３図の表示装置に
よるブリンクの説明図である。 １……グラフィックプロセッサ、２……２値化回路、３
……EORゲート、4,5……リフレッシュメモリ、６……発
振回路、7,13……セレクタ、８……CRT、10,12……レジ
スタ、11……２値化回路、13……ANDゲート、14……セ
レクタ。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川口 仁 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所マイクロエレクトロ ニクス機器開発研究所内 (56)参考文献 特開 昭60−41091（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−231589（ＪＰ，Ａ)

Claims (8)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ディザ法により中間調の表現を行う表示装
   置におけるブリンク方法であって、 ブリンクの「滅」期間の画像の濃度を指定し、該指定さ
   れた濃度データにディザ処理を施した２値データと、中
   間調画像データにディザ処理を施した２値データとを、
   周期的に交互に表示することを特徴とするブリンク方
   法。
2. 【請求項２】ディザ法による中間調表現が可能な表示装
   置におけるブリンク方法であって、 描画時に、ブリンクの「点」期間の画像の濃度と、
   「滅」期間の画像の濃度とを独立に指定し、両濃度の画
   像にディザ処理を施した２値データによりブリンクを行
   うことを特徴とするブリンク方法。
3. 【請求項３】請求項２記載のブリンク方法において上記
   「滅」期間の画像の濃度を指定する方法であって、 ブリンク位置の「点」期間の画像の濃度が、予め定めら
   れた閾値以上であれば最低濃度とし、 上記閾値より低ければ最高濃度とすることを特徴とする
   ことを特徴とするブリンク濃度指定方法。
4. 【請求項４】ディザ法による中間調表現が可能な表示装
   置におけるブリンク方法であって、 第１および第２の表示メモリを用意し、該第１および第
   ２の表示メモリには、ブリンク対象を除いて同一の画像
   にディザ処理を施した２値データを書込むとともに、ブ
   リンク対象については濃度の異なる画像にディザ処理を
   施した２値データを書込み、上記第１および第２表示メ
   モリの内容を周期的に交互に表示することによりブリン
   クを行うブリンク方法。
5. 【請求項５】ブリンクの「点」期間と「滅」期間とで異
   なる濃度の表示データを交互に表示することによりブリ
   ンクを行うブリンク制御装置であって、 上記「滅」期間の濃度データを設定する設定手段と、 「点」期間の表示データにディザ処理を施した２値デー
   タを格納する第１表示メモリおよび「滅」期間の表示デ
   ータにディザ処理を施した２値データを格納する第２表
   示メモリの両出力の一方を選択する選択手段と、 該選択手段の選択動作を周期的に切り換える切換制御手
   段と を備えることを特徴とするブリンク制御装置。
6. 【請求項６】請求項５記載のブリンク制御装置におい
   て、 前記第１のメモリに書き込む２値データを反転する反転
   手段と、 該反転手段の出力２値データと上記設定手段に設定され
   た濃度データにディザ処理を施した２価データのいずれ
   か一方を上記第２表示メモリに供給する第２の選択手段
   と、 該第２の選択手段の選択を制御する情報を設定するモー
   ド設定手段とをさらに設けたことを特徴とするブリンク
   制御装置。
7. 【請求項７】ディザ法による中間調表示を行う表示装置
   であって、 上記「滅」期間の濃度データを設定する設定手段と、 「点」期間の表示データおよび「滅」期間の濃度データ
   にディザ処理を施して２値データに変換する手段と、 「点」期間の表示データを変換した２値データを格納す
   る第１表示メモリと、 「滅」期間の濃度データを変換した２値データを格納す
   る第２表示メモリと、 第１表示メモリと第２表示メモリの両出力の一方を選択
   する選択手段と、 該選択手段の選択動作を周期的に切り換える切換制御手
   段と を備えることを特徴とする表示装置。
8. 【請求項８】請求項７記載の表示装置であって、 上記「点」期間の表示データを反転する反転手段と、 該反転手段の出力表示データと「滅」期間の濃度データ
   を変換した２値データのいずれか一方を上記第２表示メ
   モリに供給する第２の選択手段と、 該第２の選択手段の選択を制御する情報を設定するモー
   ド設定手段とをさらに設けたことを特徴とする表示装
   置。