JP2633891B2 - 圧粉磁心 - Google Patents

圧粉磁心

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、モータやトランス等の電気機器の磁心や、
コア付スロットレスモータの基板、防振材、スピーカの
ポールピース等に使用可能成な圧粉磁心に関する。
(従来の技術) 従来より、鉄や鉄合金若しくはフェライト等の強磁性
粉をエポキシ樹脂等のバインダー樹脂を用いて結合させ
所定形状に成形した圧粉磁心が良く知られている(例え
ば、特公昭47−22514号、特公昭50−14207号、特開昭49
−4197号等)。
この種の圧粉磁心は、通常、鉄や鉄合金若しくはフェ
ライト等の強磁性粉と、エポキシ樹脂等のバインダー樹
脂とを混合した後、金型内に充填し圧縮成形して形成さ
れるか、若しくは、強磁性粉にエポキシ樹脂等のバイン
ダー樹脂を被覆した後、金型内に充填し圧縮成形して形
成されている。
ところで、この種の圧粉磁心では、その磁気特性は成
形体中における強磁性粉の密度に依存し、強磁性粉とバ
インダー樹脂との配合比が磁気特性を大きく左右する。
このため、従来技術では、強磁性粉とバインダー樹脂と
を混合し圧縮成形して形成される圧粉磁心について、そ
の組成物の含有比率(配合比)を、成形体中に占めるバ
インダー樹脂及び強磁性粉の体積%若しくは重量%とし
て規定していた。
(発明が解決しようとする課題) ところで、成形後の圧粉磁心内のバインダー樹脂間に
は、通常、バインダー樹脂の溶媒等が揮発した後の空隙
が形成されるが、成形体中における、この空隙率の高低
によって、成形体全体の密度が変化し、成形体中の強磁
性粉密度が変わってしまうことがある。このため、空隙
率の高低によって圧粉磁心の磁気特性が当初の予定より
変化してしまい問題となる。しかるに、従来技術による
圧粉磁心では、空隙率に対する配慮がなされておらず、
配合比がバインダー樹脂と強磁性粉の成形体中における
含有率のみで規定されているため、バインダー樹脂量及
び強磁性粉量が一定であったとしても成形時の圧力等の
違いにより空隙率が変化してしまい圧粉磁心の磁気特性
に大きな影響を及ぼすことがあり問題となる。
例えば、バインダー樹脂の体積%を30vol%(体積
%)とし、成形圧力を変えて圧粉磁心を形成した場合
に、成形圧によって表1に示すように空隙率が変化して
しまい、結果として、成形体中における強磁性粉密度が
変化し、磁気特性が変化してしまう。
したがって、従来技術のように、バインダー樹脂と強
磁性粉との配合比にのみ着目して製造された圧粉磁心で
は、同配合比で形成された圧粉磁心でも空隙率の違いに
より磁気特性にばらつきが生じ、製品としての信頼性が
乏しくなるという欠点を有する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、圧
粉磁心の成形体中における強磁性粉、バインダー樹脂、
及び空隙の占有率を規定することにより、圧粉磁心の磁
気特性を明確化し、目的にかなった磁気特性を有する圧
粉磁心を常に安定して提供することを目的とする。
(課題の解決するための手段) 上記目的を達成するため、本発明では、強磁性粉をバ
インダー樹脂を用いて結合させ成形した圧粉磁心におい
て、成形体中における上記バインダー樹脂の占めるバイ
ンダー樹脂体積率(体積%)と、該バインダー樹脂間に
形成される空隙の占める空隙体積率(体積%)との和
が、7体積%以上で且つ50体積%以下となるように成形
されたことを特徴とする。
また、上記圧粉磁心において、成形体中のバインダー
樹脂間に形成される空隙に樹脂含浸を施したことを特徴
とする。
(作用) 本発明では、成形体中における上記バインダー樹脂の
占めるバインダー樹脂体積率(体積%)と、該バインダ
ー樹脂間に形成される空隙の占める空隙体積率(体積
%)との和を、7体積%以上で且つ50体積%以下となる
ように規定したことにより、全体積(強磁性粉+バイン
ダー樹脂+空隙)に占める強磁性粉の割合(密度)が明
確化され、目的にかなった磁気特性を得ることが可能と
なる。
(実 施 例) 以下、本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明す
る。
本発明では、強磁性粉をバインダー樹脂を用いて結合
させ成形した圧粉磁心において、成形体中における組成
物の含有比率を、強磁性粉とバインダー樹脂のみならず
バインダー樹脂間に形成される空隙をも考慮して、第2
図に示す如く規定する。
即ち、本発明では、圧粉磁心成形体中の組成比率を、
強磁性粉a(vol%),バインダー樹脂b(vol%),空
隙c(vol%)とした時、 a+b+c=100(vol%) と考え、空隙率c(vol%)をも考慮して圧粉磁心を形
成する。
第1図に圧粉磁心の製造工程の一例を示す。
尚、同図においては、強磁性粉として粒径500μm以
下の還元鉄粉、バインダー樹脂としてエポキシ樹脂を用
いた例を示し、配合比は、カップリング剤を含めてエポ
キシ樹脂を3重量%とし、残部を還元鉄粉とする。
所定の配合比で秤量された還元鉄粉とエポキシ樹脂
(カップリング剤含む)は、撹拌器内で約1時間混合・
撹拌され(S2)、その後、金型内に充填され、所定の圧
力(例えば2.6トン/cm2)で圧縮成形される(S3)。圧
縮成形後、成形体は150℃の温度下で1時間加熱硬化さ
れた後(S4)、自然冷却され、圧粉磁心が形成される
(S5)。
さて、このようにして製作された圧粉磁心について、
バインダー樹脂量と成形圧力と空隙率の関係を調査する
と、第3図に示す結果が得られた。同図より明らかなよ
うに、バインダー樹脂(エポキシ樹脂+カップリング
剤)の量を一定としても、成形圧力により空隙率が異な
ることは明らかである。
ところで、磁気的性質についてみると、バインダー樹
脂と空隙とは共に非磁性であるから、成形体中における
バインダー樹脂と空隙との和が占める割合が非磁性部分
の割合と考えられる。そこで、バインダー樹脂量と空隙
率との和を1つの非磁性要因の占める割合とし、この成
形体中におけるバインダー樹脂と空隙率が占める割合
(体積%)を種々変えて圧粉磁心を形成し、磁気特性を
測定したところ、第4図に示すようになった。
尚、第4図に示す磁気特性は、本願出願人が先に提出
した特願昭62−245385号「電磁駆動装置」に記載された
リニアモータの内ヨークとして圧粉磁心を適用した時の
モータ特性を持って、磁気特性の代用とした。
ここで、測定に適用されたリニアモータは第6図に示
すごとく構成されており、図中符号1は駆動コイル、符
号2は圧粉磁心からなるヨーク、符号3は外ヨーク、符
号4は永久磁石を夫々示しており、ホビンに巻かれた駆
動コイル1が内ヨーク2を囲繞してその軸方向に移動自
在に設けられ、内ヨーク2の両端部が外ヨーク3に結合
されて閉磁路が形成されている。そして、永久磁石4が
外ヨーク3の内面に固定されて駆動コイル2の外周面と
対向し、駆動コイル1は通電されることによって内ヨー
ク2に沿って移動する。
さて、磁気特性の測定に当って、第4図に示す磁気ギ
ャップ磁束密度は、第6図中の内ヨーク2と永久磁石4
間での磁気ギャップdにおける磁束密度を示し、永久磁
石4には、残留磁束密度Br 2600[G],保持力Hc 2450
[Oe]、寸法L58.5mm×W19mm×Xt6mmのものを使用し
た。また、内ヨーク2の寸法はL75mm×W19mm×t6.4mmと
し、磁気ギャップdは2.54mmとした。
また、駆動コイル1の伝達特性として、カットオフ周
波数fc、 fc=[(Rc+Rs)・l]/(2πμSN2) の測定を行なった。
ここで、上記カットオフ周波数について、第7図を参
照して簡単に説明する。
先ず、駆動コイルの伝達特性について考案する。
駆動コイルの直流抵抗をRc、自己インダクタンスLと
すると、駆動コイルのインピーダンスZcは であるので、第7図(a),(b)に示すように、ドラ
イブ電圧Vin(S)と電流検出抵抗Rs部の出力電圧Vout
(S)の伝達関数は、 となり、またRc≫Rsよりゲインは、 また、カットオフ周波数fcは、 fc=(Rc+Rs)/2πL [Hz] …(3) となる。
ここで、第7図(d)のように、コイルが空心のよう
な理想的状態にあれば、LとRcは常数として考えられ、
伝達特性は、(1)式の示すLの1次遅れ(位相回り90
゜)となる。
しかしながら、駆動コイルの空心部には、第6図に示
したように、磁気回路の内ヨーク2が磁心として入って
いるので、実際の等価回路は第7図(c)のようにな
り、0.85次(78゜)とか0.6次(54゜)となってしま
う。すなわち、コイルの伝達特性が理想系とならないの
は、コイル内に内ヨークが磁心として入っているためで
ある。
そこで、第7図(e)に示すように、コイル内に断面
積S,透磁率μの磁心が入っている場合を考察すると、コ
イルの巻巾l,巻数N、そして通電電流Iとして、コイル
の自己インダクタンスLは、 となる。
ここで、カットオフ周波数fcに注目して考えると、
(4)式を上記(3)式に代入して、 fc={(Rc+Rs)・l}/(2πμSN2) …(5) となる。すなわち、カットオフ周波数fcは、コイルの直
流抵抗+電流検出抵抗(Rc+Rs)とコイルの巻巾lに比
例し、ヨークの透磁率μ、断面積S、コイルの巻数Nの
2乗に反比例する。
ここで、(Rc+Rs),l,Sは第6図に示すリニアモータ
の仕様(電源、体格、推力特性等)で決定されるもの
で、設計上の自由度が少ないため固定して考えられる。
また、巻数Nについても固定して考える。したがってカ
ットオフ周波数fcはヨークの透磁率μの設計で決定され
る。尚、μを小さくするとカットオフ周波数fcが大きく
なり、S/N比が向上される。
さて、以上説明したように、カットオフ周波数fcはヨ
ーク(磁心)の透磁率μによって変化する。そこで、カ
ットオフ周波数fcの測定によって、ヨークの磁気特性の
代用とする。
尚、カットオフ周波数fcの測定に当っては、駆動コイ
ルの巻数Nを640ターン、巻巾l=0.022m、Rc+Rs=33.
6Ω(Rc…コイルの直流抵抗,Rs…電流検出抵抗)、S=
0.0064×0.019=1.2×10-4m(内ヨーク断面積)とし
た。
さて、第6図に示した構成からなるリニアモータの内
ヨークを圧粉磁心で形成した場合、先に述べたように、
圧粉磁心2のバインダー樹脂と空隙の和と、カットオフ
周波数及び磁気ギャップ磁束密度との関係は第4図に示
すようになる。
第4図から明らかなように、ギャップ磁束密度は、圧
粉磁心(内ヨーク)中におけるバインダー樹脂と空隙と
の和の割合が30vol%当りから急速に減少し、50vol%を
超えると半分以下の0.5kG以下となってしまい実質的に
使用不可となる。しまう。したがって、モータの磁心と
しての機能を果たすためには圧粉磁心(内ヨーク)にお
けるバインダー樹脂と空隙との和の割合は50vol%以下
である必要がある。
次にカットオフ周波数について見ると、圧粉磁心(内
ヨーク)中におけるバインダー樹脂と空隙との和の割合
が7vol%以下では周波数特性が悪化してしまい、実質的
に使用不可能となる。
従って、本発明においては、圧粉磁心の成形体中にお
けるバインダー樹脂の占めるバインダー樹脂体積率と、
そのバインダー樹脂間に形成される空隙の占める空隙体
積率との和が、7vol%以上で且つ50vol%以下となるよ
うに圧粉磁心を成形する。
ところで、本発明による圧粉磁心において使用される
強磁性粉としては、鉄、鉄合金及びフェライト等が使用
されるが、これら強磁性粉には、粒径が500μm以下の
ものを使用する。これは、粒径が500μm以上になる
と、渦電流が発生しやすくなり、周波数特性が悪化する
からであり、また、、モータの磁心として使用した際
に、万一磁粉が脱落した場合に、粒径が大きいと、機器
の可動部に磁粉がかみ込んでロックの原因となるこがあ
るからである。
また、圧粉磁心の成形体中におけるバインダー樹脂の
占めるバインダー樹脂体積率と、そのバインダー樹脂間
に形成される空隙の占める空隙体積率との和が、7vol%
以上で且つ50vol%以下と規定したが、バインダー樹脂
量が2vol%以下では、磁粉間の絶縁性が悪くなり、周波
数特性が悪化するため、バインダー樹脂量は2vol%以上
とする。また、バインダー樹脂量が30vol%でも使用可
能であるが、望ましくは30vol%以下に規定した方がギ
ャップ磁束密度の低下を抑えられる。
さらにまた、空隙率の成形体に占める割合は、30vol
%以上だと、成形体強度が不足するため、30vol%以下
にする。尚、通常の圧縮成形(熱間等方性プレス(HI
P),冷間等方性プレス(CIP))による成形方法では、
空隙率は5%以下のものは作れない。
従って、本発明による圧粉磁心においては、バインダ
ー樹脂の成形体に占める割合が2〜30vol%の範囲内に
あり、空隙の成形体に占める割合が5〜30vol%の範囲
内にあり、且つ、成形体中におけるバインダー樹脂の占
めるバインダー樹脂体積率と、そのバインダー樹脂間に
形成される空隙の占める空隙体積率との和が、7vol%以
上で且つ50vol%以下となるように規定する。
このように、本発明においては、圧粉磁心の成形体を
構成する非磁性要素(バインダー樹脂及び空隙)と磁性
要素(強磁性粉)の比率を明確化したので、使用上必要
な磁気特性を持った圧粉磁心を意図的に製作することが
できる。
また、非磁性要素のバインダー樹脂と空隙率の組合せ
を選択することにより磁気特性を自由に設定することも
可能となる。
ところで、本発明による圧粉磁心において、成形体中
の空隙率が上限値(30vol%)側にある場合には、成形
体強度が低下するという問題が生じる。
そこで、本発明では、圧縮成形後の成形体中のバイン
ダー樹脂間に形成される空隙に樹脂含浸を施し、成形体
の強度を大きくする。
ここで、上記含浸用の樹脂としては、例えば、液状エ
ポキシ樹脂が使用され、その作成方法としては、 ・エポキシ樹脂(エピコート828)100phr, ・硬化剤(エピキュアT)20phr, ・希釈剤(アセトン,トルエン等の溶剤)を適量, 混合して作成する。
第5図は上記成形体への樹脂含浸を含めた圧粉磁心の
製造工程の一例を示し、同図においては、バインダー樹
脂としてエポキシ樹脂、強磁性粉として粒径500μmの
還元鉄粉をを用いた例を示す。尚、配合比はエポキシ樹
脂(カップリング剤を含む)3重量%、還元鉄粉を97重
量%とした。
第5図において、所定の配合比で秤量された還元鉄粉
とエポキシ樹脂(カップリング剤を含む)は、撹拌機内
で約1時間撹拌・混合され(S2)、混合後、金型内に充
填され所定の圧縮圧(例えば、2トン/cm2)で圧縮成形
される(S3)。圧縮成形後、成形体は真空容器内で5×
10-2Torrの真空度の下でガス抜きされた後、その真空容
器内に充填された粘度8000cps(センチポイズ)のエポ
キシ樹脂溶液中に10分間浸漬され、成形体の空隙内にエ
ポキシ樹脂が含浸される(S4)。エポキシ樹脂含浸後の
成形体は真空容器内から取り出された後、150℃の温度
で約1時間加熱処理され硬化され(S5)、圧粉磁心が形
成される(S6)。
さて、このようにして形成された本発明による圧粉磁
心と、上記エポキシ樹脂溶液中に常温,常圧のもと30分
間浸漬されて形成された圧粉磁心と、含浸処理を全く施
さない圧粉磁心との強度を第8図に示す抗折試験法(3
点曲げ試験)を用いて測定したところ、次の結果が得ら
れた。
尚、第8図において、圧粉磁心の試験片2としては、
全長a=75mm。巾b=19mm,厚さh≒6.5mmのものを使用
し、また、支点6の直径5mm、支点6間距離はL=54mm
とした。
また、破壊荷重をF(kg)とすると、曲げ破壊強度
(抗折強度)σは σ=3FL/2bh (kg/mm2) より求められる。
さて、上記試験結果から明らかなように、抗折強度σ
は真空含浸処理品が最も強く、JIS K 7203プラスチック
にほぼ準ずる強度が得られた。
このように、本発明による圧粉磁心では、成形体の形
成後に真空含浸処理が施されるため、成形体中の空隙が
減少し、成形体強度が大きくなる。尚、真空含浸処理で
は、成形体中の全空隙の約90%に含浸樹脂が行き渡る
が、単に浸漬処理しただけのものでは、全空隙の約30%
程度にしか樹脂が含浸されないため、上記結果に示す如
く、抗折強度が真空含浸処理品と比べて弱くなる。
ここで、成形体への真空含浸に使用される含浸樹脂と
しては、上記エポキシ樹脂の他、アクリル樹脂、フェノ
ール樹脂等の熱硬化性樹脂が使用できる。
以上、説明したように、本発明による圧粉磁心では、
成形体中の空隙に樹脂を真空含浸したことにより、バイ
ンダー樹脂と含浸樹脂とを強固に結合することができ、
圧粉磁心の抗折強度を大幅に向上することができる。
また、本発明による圧粉磁心では樹脂含浸が施されて
いるため、モータの巻線コアとして使用する場合に、巻
線との絶縁性が保たれ、インシュレータや絶縁塗装等を
廃止することができる。
尚、本発明による圧粉磁心は、上記モータのコアの
他、コア付スロットレスモータの基板(その上に回路を
形成することも可)、ロータリートランスのコア(先端
に高透磁率材を蒸着する)、防振材、磁気遮蔽材として
の応用(CDプレーヤのシャーシ等)、スピーカのポール
ピースなど、種々の電気機器に使用可能である。
(発明の効果) 以上実施例に基づいて説明したように、本発明による
圧粉磁心においては、予め、成形体中におけるバインダ
ー樹脂の占めるバインダー樹脂体積率と、そのバインダ
ー樹脂間に形成される空隙の占める空隙体積率との和が
7vol%以上で且つ50vol%以下となるように規定し、圧
粉磁心の成形体を構成する非磁性要素(バインダー樹脂
及び空隙)と磁性要素(強磁性粉)の比率を明確化した
ので、使用上必要な磁気特性を持った圧粉磁心を意図的
に製作することができる。
また、非磁性要素のバインダー樹脂と空隙率の組合せ
を選択することにより磁気特性を自由に設定することも
可能となる。
さらにまた、成形体中の空隙に樹脂を真空含浸したこ
とにより、バインダー樹脂と含浸樹脂とを強固に結合す
ることができ、圧粉磁心の抗折強度を磁気特性を変える
ことなく大幅に向上することができ、且つ、電気絶縁性
をも大幅に向上することができる。
したがって、本発明によれば、所望の磁気特性を有
し、且つ、強度特性、絶縁性をも大幅に向上された圧粉
磁心を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明による圧粉磁心の製造工程の一例を示す
工程図、第2図は本発明による圧粉磁心の組成比率を示
す図、第3図は本発明による圧粉磁心の成形時における
圧縮圧力を一定とした時のバインダー樹脂量と空隙率と
の関係を示すグラフ、第4図は本発明による圧粉磁心の
バインダー樹脂量+空隙率と磁気特性との関係を示すグ
ラフ、第5図は本発明による圧粉磁心の別の製造工程の
一例を示す工程図、第6図は本発明による圧粉磁心の磁
気特性の測定に用いられるリニアモータの正面図、第7
図(a)〜(e)は第6図に示すリニアモータの駆動コ
イルにおけるカットオフ周波数の説明図に用いられる説
明図、第8図は圧粉磁心の抗折強度試験の一例を示す図
である。 1……駆動コイル、2……圧粉磁心、3……外ヨーク、
4……永久磁石、5……荷重、6……支点。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強磁性粉をバインダー樹脂を用いて結合さ
    せ成形した圧粉磁心において、成形体中における上記バ
    インダー樹脂の占めるバインダー樹脂体積率(体積%)
    と、該バインダー樹脂間に形成される空隙の占める空隙
    体積率(体積%)との和が、7体積%以上で且つ50体積
    %以下となるように成形されたことを特徴とする圧粉磁
    心。
  2. 【請求項2】請求項1記載の圧粉磁心において、成形体
    中のバインダー樹脂間に形成される空隙に樹脂含浸を施
    したことを特徴とする圧粉磁心。
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