JP2633756B2 - 給水加熱器の管板と水室鏡の溶接方法 - Google Patents

給水加熱器の管板と水室鏡の溶接方法

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JP2633756B2 JP30920091A JP30920091A JP2633756B2 JP 2633756 B2 JP2633756 B2 JP 2633756B2 JP 30920091 A JP30920091 A JP 30920091A JP 30920091 A JP30920091 A JP 30920091A JP 2633756 B2 JP2633756 B2 JP 2633756B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、給水加熱器等の熱交換
器に用いられる管板と半球で中空状の水室鏡を突合せ溶
接する給水加熱器の管板と水室鏡の溶接方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】一般に、給水加熱器等の熱交換器は、図
9に示すように、蒸気入口座1aを有し蒸気が流れる本
体胴1の開口を管板2で閉塞し、この管板2に給水入口
座3aと、給水出口座3b及びマンホール座3cを有す
る水室鏡3を溶接により取り付けて構成している。
【0003】給水入口座3aから水室鏡3に入った給水
は、本体胴1内のU字管4を流れて、蒸気と熱交換した
後、再び水室鏡3に戻って給水出口座3bから出る。
【0004】従来、給水加熱器の管板2と水室鏡3の突
合せ溶接部は、図10に示すように開先をコマ板5等を用
いてルートギャップ(開先の隙間)を4mmに合せていた
が、この合せ作業は、水室鏡3を天井クレーンで吊った
状態で行うことやコマ板5を溶接部の外周に8箇所以上
取り付ける必要があり、全外周を合せ、コマ板5を溶接
完了するまでに3〜4人がかりで半日(約4時間)以上
かかっていた。
【0005】この合せ作業で取り付けたコマ板5は、図
11に示すように、管板2と水室鏡3を初層TIG溶接6
と被覆アーク溶接7の下盛り溶接が完了した後、ガス切
断により切断して除去する。なお、除去後には母材面ま
で平らにグラインダー仕上げを行っている。以上のよう
なコマ板5の取付け溶接及び切断、その後のグラインダ
ー仕上げ作業は、管板2と水室鏡3の合せ作業において
最も大きなウェイトを占めている。
【0006】また、この溶接部の溶接方法は、図11に示
すように、初層TIG溶接6の後、被覆アーク溶接7を
2〜3層溶接し、更にその上からサブマージアーク溶接
8を行う等、片側溶接による溶接方法が適用されてい
た。
【0007】ところが、熱交換器等の圧力容器に適用さ
れる溶接に関する法律の改正により、予熱を行う場合
で、胴の内径が 900mmを越える突合せ溶接部において
は、胴の外側と内側から溶接を行う両側溶接での施工に
義務づけがなされた。このため、この突合せ溶接部の内
面(内側溶接)の溶接においては、図12に示すように、
水室鏡3のマンホール座3cから溶接作業者9が水室内
に入り、溶接用TIGトーチ10を用い手溶接によるTI
G溶接で、溶接を行っていた。図11に示す符号11は、こ
の手溶接によるTIG溶接部を示す。
【0008】水室内における溶接作業時の作業者の移動
は、被溶接物である管板2と水室鏡3をターニングロー
ラで回転させながら行う等、作業場所としては非常に悪
い条件下にあり、上記内側溶接は、この悪い条件下にお
ける溶接となっていた。
【0009】また、この溶接部は、溶接作業前に被溶接
部表面をガスバーナ12等で、 150℃以上に予熱する必要
がある。そこで、水室鏡3内の雰囲気温度としては、60
℃程度にまで温度が上昇する。したがって、耐熱防具等
を身に付けていても、普通の人間である限り、長時間に
わたる作業は作業者の安全面から考えても自ら限界があ
る。
【0010】さらに、水室鏡3内は、このように高い雰
囲気温度の状態にあるばかりでなく、半球面で、しかも
給水入口座3aが足元にあり、なおかつ狭い領域の作業
場所である等、作業環境としては最悪の場所となってお
り、しかも溶接作業者は、水室鏡3の内面に、はいつく
ばるような格好で溶接を行わなければならなかった。
【0011】このように、現状の開先合せ方法及び溶接
方法では、開先合せ時間の短縮や溶接作業時間の短縮及
び溶接作業者の安全確保等が望めず、より安全で能率的
な溶接方法への改善が求められていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、給水加熱器
の水室鏡3の重量は5TON 〜 12TONあり、溶接部の板厚
は50〜 160mmと非常に厚い。この水室鏡を管板に合せる
場合は、上記したように天井クレーンを使用して吊り上
げ、ワイヤーで吊り上げた状態でコマ板を水室鏡と管板
に溶接し、固定している。
【0013】しかしながら、この溶接部のルートギャッ
プは、4mmに合せる必要があるため、コマ板を管板と水
室鏡に仮付け溶接し、矢と言われる治工具を使いながら
位置合せを行い、この位置合せ完了後、コマ板を本溶接
していたが、このコマ板の合せ、溶接、下盛り溶接後の
コマ板の切断除去、この後に行う切断面のグラインダー
作業に膨大な時間を費やしていた。更に、上述したよう
な状況下での作業となるため、当然ながら作業者の危険
も伴っており、安全面でも慎重かつ注意を払う作業の一
つである。
【0014】また、管板と水室鏡の溶接部の内径は、13
00mm〜2200mmあり、外周長にすれば約4000〜7000mmに及
ぶ長い溶接部である。この長い溶接部を、前述したよう
な悪い作業環境下で溶接することは、溶接作業者の安全
確保や能率を向上して溶接作業時間の短縮化を図る上
で、良好な溶接方法とはいえず、この部分の開先合せ作
業及び溶接作業の機械化が強く要望されていた。
【0015】そこで、本発明の目的は、従来のコマ板を
使用して合せていた方法をターニングローラを使用した
方法に変更して作業能率を向上させ、また、管板と水室
鏡の内面での溶接作業を機械化し、安全かつ短時間で行
えるようにした給水加熱器の管板と水室鏡の溶接方法を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明は、開先を設けて
突合せ溶接する給水加熱器の管板と水室鏡の溶接方法に
おいて、管板を非開先側の面に係合する鍔を有し、かつ
互いに異方向に移動可能とした一対の第1のローラ上に
載置すると共に、水室鏡を開先面に係合する鍔を有し、
かつ互いに異方向に移動可能とした一対の第2ローラ
上に載置し、前記第1のローラと前記第2のローラを介
して管板と水室鏡の位置決め・開先合せをし、この後水
室鏡のマンホール座から挿入した自動溶接装置により内
面の突合せ溶接をするようにしたものである。
【0017】
【作用】管板と水室鏡の位置決め・開先合せを一対の
1のローラと一対の第2のローラ上に載置して行うか
ら、従来のように溶接前にコマ板を溶接し溶接後にこの
コマ板を切断除去する作業が不要となって、位置決め・
開先合せ作業を簡易化して作業能率を向上させると共に
所要時間も大幅に短縮する。また、水室鏡の内部に自動
溶接装置を挿入し溶接作業を行うから、作業者の安全を
確保すると共に作業能率を向上させることができる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を参照して説
明する。まず、本発明の一実施例に用いる装置について
説明する。図1は、装置の全体構成を示す正面図であ
る。同図において、20は水室鏡内面自動溶接装置、21は
給水加熱器の軸方向の中心下部に配設され、本体胴1の
一側(同図で右側)を回転自在に支持し、モータ(図示
しない)を内蔵している通常のターニングローラ、22は
このターニングローラ21と同一軸方向の中心下部に配設
され、水室鏡3のマンホール座3cを回転自在に支持す
る受けローラ、23はターニングローラ21と受けローラ22
の中間で、同一軸方向の中心下部に配設され、管板2と
水室鏡3を支持するターニングローラ、24は管板2の端
面に設置された倣いセンサである。
【0019】上記した水室鏡内面自動溶接装置20は、支
持台25と、この支持台25に上下方向と水平方向に移動可
能に支持されるマニプレータアーム26と、このマニプレ
ータアーム26の端部に装着される屈折機構27と、この屈
折機構27に装着される溶接ヘッド28と、制御盤29と、溶
接電源30で構成されている。
【0020】しかして、支持台25は、ベース31とこのベ
ース31に垂直に固定された支柱32で構成され、この支柱
32に図示しない連結部材を介して横断面が中空の角形状
に形成されたマニプレータアーム26を、上下方向と水平
方向に移動可能に支持している。
【0021】また、屈折機構27は、図2及び図3に示す
ようにマニプレータアーム26の端部に取付けられ、出力
軸33aの両端にそれぞれ一体に回転するように歯車34,
34を取付けたヘッド傾斜用モータ33と、マニプレータア
ーム26の端部に回転自在に支持された回転軸35の両端
に、それぞれ一体に回転するように取付けられ、歯車3
4,34とそれぞれ噛み合い、かつ上部を平面状に形成し
た傾斜用歯車36、36と、傾斜用歯車36、36の上部に一体
に取付けられたヘッドベース37で構成されている。
【0022】溶接ヘッド28は、ヘッドベース37に設けた
ガイドローラ38を介して、マニプレータアーム26の軸方
向に沿い移動することが可能に支持され、上面にラック
39を取付けたヘッド40と、ヘッドベース37に取付けら
れ、ラック39に噛み合う歯車41を出力軸42aに取付けた
上下移動用モータ42と、ヘッド40に連結板43を介してヘ
ッド40と平行状に取付けられ、上面にラック44を取付け
た枠体45と、この枠体45に移動可能に取付けられ、出力
軸(図示しない)にラック44と噛み合う歯車46を取付け
たトーチ上下用モータ47と、このトーチ上下用モータ47
の減速機構部47aに取付けられ、トーチ左右移動調整器
48に係合して左右方向(図2では上下方向)に移動可能
に取付けられた溶接トーチ49で構成されている。なお、
溶接トーチには、CCDカメラ50が取付けられている。
【0023】一方、ターニングローラ23は、図4及び図
5に示すように支持台51と、支持台51の上部に管板2の
長手方向と直交する方向に移動可能に支持されるブラケ
ット52a,52aにそれぞれ回転自在に支持される一対の
第1のローラ53a,53aと、支持台51の上部に水室鏡3
の長手方向と直交する方向に移動可能に支持されるブラ
ケット52b,52bにそれぞれ回転自在に支持される一対
の第2のローラ53b,53bと、ブラケット52a,52aの
下部にそれぞれ設けた受金54a,54aと、受金54a,54
aにねじ係合する移動用ねじ軸55aと、支持台51に取付
けられ、移動用ねじ軸55aを駆動するローラ移動用モー
タ56aと、ブラケット52b,52bの下部にそれぞれ設け
た受金54b,54bと、受金54b,54bにねじ係合する移
動用ねじ軸55bと、支持台51に取付けられ、移動用ねじ
軸55bを駆動するローラ移動用モータ56bで構成され
る。ここで、受金54a,54aは、一方が左ねじを有し、
他方が右ねじを有し、これに対応して移動用ねじ軸55a
も長手方向の中心から一方側を右ねじ、他方側を左ねじ
とする。同様に受金54b,54bも一方が右ねじを有し、
他方が左ねじを有し、移動用ねじ軸55bも長手方向の中
心から一方を右ねじ、他方を左ねじとする。また、一対
の第1のローラ53a,53a一対の第2のローラ53b
53bには、管板2と水室鏡3を確実に位置合せができる
ようにするため、鍔付き構造とする。さらに、受けロー
ラ22のローラ22aには溝が設けられ、水室鏡3のマンホ
ール座3cの入口端に取付けたストッパ57が入り、水室
鏡3の芯ずれを防止するようにしている。
【0024】次に、以上の構成による装置を用いた管板
2と水室鏡3の溶接方法について説明する。まず、管板
2と水室鏡3を開先合せするため、図1に示すように管
板2と水室鏡3をターニングローラ23上に乗せる。この
とき、管板2は本体胴1に取付けが完了した状態となっ
ているので、管板2は、ターニングローラ21とターニン
グローラ23の一対の第1のローラ53a,53a上にセット
される。また、水室鏡3はローラ受け22とターニングロ
ーラ23の一対の第2のローラ53b,53b上にセットされ
る。
【0025】図4では、管板2と水室鏡3の突き合せ溶
接部の開先形状は、ルートギャップをなくしたものを一
例として示しており、このようにすることで開先合せの
隙間設定をする必要がなく、位置確認も容易になる利点
がある。
【0026】管板2と水室鏡3の突き合せ溶接部の開先
合せは、ターニングローラ23の一対の第1のローラ53
a,53aと一対の第2のローラ53b,53bをそれぞれロ
ーラ移動用モータ56a,56bを回転させることにより、
管板2または水室鏡3を上下に移動させ、位置決めをす
る。ここで、ターニングローラ23は、上下したように本
体胴1を支えるターニングローラ21とマンホール座3c
を支えるローラ受け22の中心線上に配置しているため、
左右方向の調整は特に必要としない。しかしながら、水
室鏡3の大きさが変わる場合、ローラ間の幅を変えるた
めの調整が必要となる。
【0027】また、管板2と水室鏡3の開先は、長じ外
周長になるように加工されているので、上下の移動によ
る位置決めのみで合せることが可能であり、この調整は
ローラの幅を変えて行う。
【0028】以上のようにして管板2と水室鏡3の溶接
部の開先合せを終了した後、溶接作業を開始する。この
溶接作業は、内側からTIG溶接で行い、上記した水室
鏡内面自動溶接装置20を用いる。なお、溶接開始前に、
溶接する水室鏡3の大きさと、マンホール座3cの入口
部端面から水室鏡3内面の溶接開先部までの距離を製作
図面等で確認し、制御盤29に設けられている簡易NC装
置に数値を入力しておく。スタートする原点の位置は、
任意に設定することができる。
【0029】制御盤29に設けられている「溶接ヘッド挿
入」の押し釦スイッチ(図示しない)を押すと、作業が
開始され、簡易NC装置の制御により、マニプレータア
ーム26の先端がマンホール座3cの入り口部から水室鏡
3内の設定された位置まで挿入され、この後ヘッド傾斜
用モータ33が駆動され、屈折機構27を介して溶接ヘッド
28を図6に示すように水平状態から90°回転させる。こ
の後水室鏡3の大きさに応じてトーチ上下移動用モータ
42が駆動され、溶接トーチ49の位置決めが行われる。こ
こで、水室鏡3は、プラントの規模に応じて大きさが異
なり、その大きさは内径で1300〜2200mmとその範囲が広
いため、溶接トーチ49の位置決めはその都度変えること
が必要になる。
【0030】そこで、上下移動用モータ42で対応しきれ
ない大きさの水室鏡3の場合には、ラック44とそれに噛
み合う歯車46を、トーチ上下用モータ42の駆動により溶
接トーチ49を上下方向に移動させ、位置決めを行う。図
7は、溶接トーチ49を開先部に位置決めした状態を示し
ている。
【0031】溶接トーチ49は、TIG溶接用で電極先端
には、タングステン電極棒が取り付けられている。この
タングステン電極と開先面の隙間は、 1.5〜 2.0mmにな
るように位置決めされる。なお、この位置決め中は、溶
接トーチ49の上部に取り付けられているCCDカメラ50
により、位置決め状態が撮影され、制御盤29に設けられ
ているテレビモニター(図示しない)に写し出され、確
認できるようになっている。
【0032】以上により位置決めが完了すると、制御盤
29に設けられている「溶接開始」押し釦スイッチ(図示
しない)を押す。これにより、溶接が開始される。この
溶接中は、被溶接物である管板2と水室鏡3を回転させ
るが、これはターニングローラ21とターニングローラ23
一対の第2のローラ53b,53bを回転させることによ
り行う。溶接速度は、 100〜 200mm/min の範囲を使用
する。
【0033】また、溶接中に被溶接物である水室鏡3と
管板2が溶接線と直角方向に移動し、芯ずれを生ずる場
合がある。これを防止するため、水室鏡3のマンホール
座3cの入口端にストッパ57が取り付けられており、こ
のストッパ57が受けローラ22のローラ22aの溝に入り込
むようにしているが、 1.0〜 2.0mm程度の芯ずれを許容
できない場合がある。
【0034】そこで、芯ずれを完全に防止できるように
するため、倣いセンサ24が管板2の端面に設置されてお
り、常に開先部の芯ずれがないように溶接を行うことが
できる。つまり、溶接中、芯ずれが生じた場合は、倣い
センサ24からの信号でトーチ左右移動調整器48を駆動
し、管板2と水室鏡3の移動に対し、溶接トーチ49を迫
従させる。
【0035】一方、溶接トーチ49のタングステン電極と
開先面の隙間は、上記したように 1.5〜 2.0mmになるよ
うに位置決めされているが、溶接中は、溶接電源30側の
AVC(自動電圧調整装置)により、自動的にアーク長
がコントロールされるようになっている。
【0036】溶接完了後、制御盤29に設けられている
「溶接ヘッド後退」の押し釦スイッチ(図示しない)を
押すことにより、「溶接ヘッド挿入」の動作と逆の動作
で溶接ヘッド28が、水室鏡3の外に戻り始め、原点の位
置で自動停止し、内側の自動溶接作業が完了する。
【0037】この自動TIG溶接は、図8に示すように
溶接トーチ49と溶接ワイヤーガイド58、溶接ワイヤー59
を使用して行うもので、下盛り溶接60を完了させて、
内側の溶接作業を完了させるものである。
【0038】その後、表側の溶接を行うが、内側の下盛
り溶接60が完了した段階で、ターニングローラ23の移動
用モータ56a,56bを回転させ、管板2と水室鏡3から
一対の第1のローラ53a,53aと一対の第2のローラ53
b,53bを離し本体胴1側のターニングローラ21とマン
ホール3cの受けローラ22の2箇所受けとして行う。
【0039】表側の溶接は、サブマージアーク溶接8で
行うが、内側の下盛り溶接60と表側の溶接の境界に溶け
残り部が生じるため、サブマージアーク溶接の初層溶接
部となる8aは、通常の溶接電流より少し高く上げて溶
接する。2層以降の溶接は、通常のサブマージアーク溶
接で溶接し、表側の溶接を完了させる。
【0040】また、この溶接方法で行う場合、従来の初
層TIG溶接6、外側の下盛り溶接7がなくなるため、
開先の幅を狭く(狭開先)することができるため、溶接
時間の短縮化を図ることが可能となる。
【0041】従って、以上のように構成された実施例を
使用することにより、次に示すような効果を得ることが
できる。 (1) 開先合せ方法に鍔付きとしたローラを有するターニ
ングローラを用いるため、従来のコマ板の取付け、取外
し作業が皆無となり、段取り時間、溶接作業時間、グラ
インダー作業時間の大幅な削減とコマ板の材料費の削減
が実現できる。 (2) 水室鏡の中は、狭い領域でしかも雰囲気温度が約60
℃という悪い条件の作業場所であるが、この中へ作業者
が入って行う作業が皆無となり、作業者の安全が確保さ
れる。 (3) 溶接トーチの移動や位置決めは、簡易NC装置を用
いて行うため、簡単な押し釦操作で可能となり、溶接作
業の段取り時間が短縮できる。 (4) 狭開先にできるため、溶接時間が短縮できる。 (5) 自動溶接のため、溶接作業者の技量に左右されず、
常に安定した高品質の溶接部が得られる。 なお、以上説明した実施例では、内側の自動溶接装置を
TIG溶接で説明しているが、MIG,MAG溶接でも
実施できる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、給
水加熱器の管板と水室鏡の開先合せ作業がコマ板を使用
せずに簡単に行うことができ、また溶接作業者が水室内
に入ることなく、溶接作業が可能となるため、作業者の
安全が確保でき、さらに、段取り時間と溶接作業時間の
大巾な短縮及びグラインダー作業の削減を図り、常に安
定した高品質の溶接部が得られる給水加熱器の管板と水
室鏡の溶接方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に用いる装置の全体構成を示
す正面図。
【図2】本発明の一実施例に用いる装置の水室鏡内面自
動溶接装置の要部を示す正面図。
【図3】図2のA−A断面図。
【図4】本発明の一実施例に用いる装置のターニングロ
ーラの断面図。
【図5】図4に示すターニングローラの側面図。
【図6】図2に示す水室鏡内面自動溶接装置の溶接ヘッ
ドが90゜回動した状態を示す説明図。
【図7】図2に示す水室鏡内面自動溶接装置の溶接ヘッ
ドの溶接トーチを位置決めした状態を示す説明図。
【図8】本発明の一実施例における管板と水室鏡を突合
せ溶接した後の状態を切断して示す説明図。
【図9】本発明を適用する給水加熱器の構成を示す断面
図。
【図10】従来の溶接方法による給水加熱器の管板と水
室鏡の溶接前における合せ状態を示す説明図。
【図11】従来の溶接方法による給水加熱器の管板と水
室鏡の溶接部を切断して示す説明図。
【図12】従来の溶接方法による給水加熱器の管板と水
室鏡の内面における溶接作業を示す説明図。
【符号の説明】
1…本体胴、2…管板、3…水室鏡、3c…マンホール
座、20…水室鏡内面自動溶接装置、21,23…ターニング
ローラ、22…受けローラ、24…倣いセンサ、25,51…支
持台、26…マニプレータアーム、27…屈折機構、28…溶
接ヘッド、29…制御盤、30…溶接電源、49…溶接トー
チ、53a,53a…一対の第1のローラ、53b,53b…
対の第2のローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B23K 101:14

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開先を設けて突合せ溶接する給水加熱器
    の管板と水室鏡の溶接方法において、前記管板を非開先
    側の面に係合する鍔を有し、かつ互いに異方向に移動可
    能とした一対の第1ローラ上に載置すると共に、前記
    水室鏡を開先面に係合する鍔を有し、かつ互いに異方向
    に移動可能とした一対の第2のローラ上に載置し、前記
    第1のローラと前記第2のローラを介して前記管板と前
    記水室鏡の位置決め・開先合せをし、この後前記水
    のマンホール座から挿入した自動溶接装置により内面の
    突合せ溶接をするようにしたことを特徴とする給水加熱
    器の管板と水室鏡の溶接方法。
JP30920091A 1991-11-25 1991-11-25 給水加熱器の管板と水室鏡の溶接方法 Expired - Lifetime JP2633756B2 (ja)

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