JP2633689B2 - 耐酸化性および耐摩耗性に優れた鉄系焼結合金 - Google Patents
耐酸化性および耐摩耗性に優れた鉄系焼結合金Info
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- JP2633689B2 JP2633689B2 JP1159027A JP15902789A JP2633689B2 JP 2633689 B2 JP2633689 B2 JP 2633689B2 JP 1159027 A JP1159027 A JP 1159027A JP 15902789 A JP15902789 A JP 15902789A JP 2633689 B2 JP2633689 B2 JP 2633689B2
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Description
(産業上の利用分野) この発明は、優れた耐酸化性と耐摩耗性とを兼ね備
え、例えばハウジング部材や摺動部材などの各種機械構
造物の素材として利用される耐酸化性および耐摩耗性に
優れた鉄系焼結合金に関するものである。 (従来の技術) 従来の耐酸化性,耐摩耗性鉄系焼結合金としては、オ
ーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、Nb,Ta,Hf,Ti,
Zrのうちの1種または2種以上を適宜含有させると共
に、Pb,B,Siのうちの1種または2種以上を少量含有さ
せ、必要に応じてMnやWを適量含有させ、基地中にCo−
Mo−Cr−Si系硬質粒子を分散させた鉄基の焼結合金など
があった(例えば、特開昭57−158355号公報、特開昭58
−25459号公報、特開昭58−130258号公報など)。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の耐酸化性,耐摩耗性
鉄系焼結合金にあっては、焼結体の理論密度に対する比
(すなわち、理論密度比)が88%未満と比較的小さなも
のになっていたため、800℃以上の高温域で使用した場
合には内部酸化を起こして膨張ないしは変形を生ずるこ
とがあるという問題点を有しており、このような問題点
を解決することが課題として残されていた。 (発明の目的) この発明は、このような従来の課題にかんがみてなさ
れたもので、焼結体の理論密度に対する比が大きく、80
0℃以上の高温域で使用したときでも内部酸化を生じが
たく、耐酸化性に優れているとともに、自分自身および
相手材の摩耗量が少なく耐摩耗性にも優れている鉄系焼
結合金を提供することを目的としているものである。
え、例えばハウジング部材や摺動部材などの各種機械構
造物の素材として利用される耐酸化性および耐摩耗性に
優れた鉄系焼結合金に関するものである。 (従来の技術) 従来の耐酸化性,耐摩耗性鉄系焼結合金としては、オ
ーステナイト系ステンレス鋼を基材とし、Nb,Ta,Hf,Ti,
Zrのうちの1種または2種以上を適宜含有させると共
に、Pb,B,Siのうちの1種または2種以上を少量含有さ
せ、必要に応じてMnやWを適量含有させ、基地中にCo−
Mo−Cr−Si系硬質粒子を分散させた鉄基の焼結合金など
があった(例えば、特開昭57−158355号公報、特開昭58
−25459号公報、特開昭58−130258号公報など)。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の耐酸化性,耐摩耗性
鉄系焼結合金にあっては、焼結体の理論密度に対する比
(すなわち、理論密度比)が88%未満と比較的小さなも
のになっていたため、800℃以上の高温域で使用した場
合には内部酸化を起こして膨張ないしは変形を生ずるこ
とがあるという問題点を有しており、このような問題点
を解決することが課題として残されていた。 (発明の目的) この発明は、このような従来の課題にかんがみてなさ
れたもので、焼結体の理論密度に対する比が大きく、80
0℃以上の高温域で使用したときでも内部酸化を生じが
たく、耐酸化性に優れているとともに、自分自身および
相手材の摩耗量が少なく耐摩耗性にも優れている鉄系焼
結合金を提供することを目的としているものである。
(課題を解決するための手段) この発明に係る耐酸化性および耐摩耗性に優れた鉄系
焼結合金は、重量比で、Ni:8〜25%、Cr:12〜27%、Co:
2〜20%、Mo:1〜10%、Si:0.1〜5%、B:1〜3%、残部
Feおよび不純物からなり、基地中に硼化物および重量比
で5〜30%、面積比で3〜25%のCo−Mo−Cr−Si系硬質
粒子が分散している構成としたことを特徴としており、
このような鉄系焼結合金の構成を前述した従来の課題を
解決するための手段としている。 次に、この発明に係る耐酸化性および耐摩耗性に優れ
た鉄系焼結合金の成分範囲(重量比)の限定理由につい
て説明する。 Ni:8〜25% Niはオーステナイト相を安定化し、高温強度や延性を
確保するほか、Crと共にとくに燃焼雰囲気中での高温耐
食性,高温耐酸化性を向上させる作用がある。そして、
これらの作用を十分に得るためには少なくとも8%を含
有させる必要があるが、25%を超えて含有させてもそれ
以上の効果は期待できないので、Ni含有量は8〜25%と
した。 Cr:12〜27% Crは基地に固溶し、Niと共にとくに燃焼雰囲気中での
高温耐食性,高温耐酸化性を向上させる作用がある。そ
して、このような作用を十分に得るためには少なくとも
12%含有させる必要があるが、27%を超えて含有させて
もそれ以上の効果は期待できないとともにσ相の析出に
よる脆化を起こす可能性があるため、Cr含有量は12〜27
%とした。 Co:2〜20% Coは7.5〜9.5%Cr−27〜30%Mo−2.2〜2.7%Si−Co系
硬質粒子の形で添加されており、耐摩耗性を確保するた
めには硬質粒子の量が重量比で少なくとも5%、面積比
で少なくとも3%分散していることが必要である。しか
し、重量比で30%を超え、面積比で25%を超えて分散し
ていてもそれ以上の効果は期待できず、かえって相手材
を攻撃する傾向にあるため、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子
の量は重量比で5〜30%、面積比で3〜25%分散してい
るようになすことが望ましい。そしてこの場合、硬質粒
子の重量比で5〜30%はCoの重量比で2〜20%に相当す
るもので、Co含有量は2〜20%とした。 Mo:1〜10% MoもCoと同様に7.5〜9.5%Cr−27〜30%Mo−2.2〜2.7
%Si−Co系硬質粒子の形で主に添加される。また、Moは
高温強度を向上する目的でも添加され、このような効果
を得るために1%以上含有させる。しかし、多量に含有
させると耐酸化性の低下および脆化の原因となるため、
硬質粒子と合わせて10%を上限とする必要があるので、
Mo含有量は1〜10%とした。 Si:0.1〜5% Siは耐酸化性が向上させるのに有効な元素であるが、
多量に含有させると脆化を起こすため、その上限を5%
とする必要がある。また、7.5〜9.5%Cr−27〜30%Mo−
2.2〜2.7%Si−Co系硬質粒子の形でも存在するため、Si
の下限は0.1%とする必要があり、Si含有量は0.1〜5%
とした。 B:1〜3% Bは焼結時に基地を構成する成分と共晶液相を生成
し、焼結体を高密度化することにより高温域での内部酸
化を防止して耐酸化性を向上させる作用があるととも
に、主にCr硼化物からなる硼化物を基地中に析出させて
耐摩耗性を向上させるのに寄与する。そして、良好なる
耐酸化性を得るためには焼結体の理論密度に対する比を
88%以上にする必要があるが、1220℃を超える温度で焼
結を行うと、添加したCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が基地
中に拡散して耐摩耗性を低下させるため、1220℃以下で
焼結を行いかつ88%以上の密度比を確保するためには少
なくとも1%の添加が必要である。しかし、3%を超え
て添加しても焼結温度を下げる効果は認められず、さら
に、生成する液相量の増加をまねき焼結体の寸法安定性
に悪影響を及ぼすため、上限を3%とする必要があり、
したがってB含有量は1〜3%とした。 この発明に係る耐酸化性および耐摩耗性に優れた鉄系
焼結合金は、上記した成分組成を有するものであり、す
ぐれた耐酸化性を得るためには密度比が88%以上となる
ようにすることが望ましく、このためには焼結時に基地
を構成する成分と共晶液相を生成して焼結体の高密度化
に寄与するB含有量を1%以上とするとがとくに望まし
い。そしてまた、すぐれた耐摩耗性を得るためにはCo−
Mo−Cr−Si系硬質粒子の割合が重量比で5〜30%、面積
比で3〜25%の範囲となるようにしておくことがとくに
望ましい。したがって、この発明による鉄系焼結合金の
密度比は88〜99%程度のものとなるようにしている。 (発明の作用) この発明に係る鉄系焼結合金は、上述した構成を有す
るものであり、オーステナイト系ステンレス鋼の基材に
Bを添加して液相焼結を行わせることにより焼結体の密
度比が88%以上となる高密度化をはかるとともに、硼化
物およびCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が液相焼結の際に消
失せずにそのままの形で基地中に適量分散したものとし
ているので、優れた耐酸化性と優れた耐摩耗性とを兼ね
備えた鉄系焼結合金となっている。 (実施例) 第1表に示す化学成分の鉄系焼結合金を同じく第1表
に示す焼結温度により焼結して製造し、得られた各鉄系
焼結合金の理論密度に対する比(密度比),酸化増量お
よび摩耗量を測定した。このとき、酸化増量の測定は、
直径13mm,高さ15mmの円柱状焼結体を900℃×200時間大
気中にて加熱保持したのちの重量増加を調べることによ
り行った。また、摩耗量の測定は、内径8.1mm,外径12.7
mm,高さ35mmの筒状焼結体にNi基耐熱合金よりなるシャ
フトを相手材として挿通し,温度:600℃,荷重:1kgf,ス
トローク数:600回/min,ストローク量:10mm,時間:30hrの
条件によりストローク運動させたのちの筒状焼結体およ
び相手材の摩耗量を調べることにより行った。これらの
結果を同じく第1表に示すと共に、密度比が88%となる
焼結温度とB添加量との関係を第1図に示し、摩耗量と
Co−Mo−Cr−Si系硬質粒子の添加量との関係を第2図に
示す。 第1表,第1図および第2図に示す結果より明らかな
ように、本発明実施例1〜6では高温での酸化増量が少
なく耐酸化性に著しく優れていると共に、自分自身(焼
結体)および相手材(シャフト)の摩耗量が少なく耐摩
耗性にも著しく優れていることが認められた。これに対
して、B含有しないと共にCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が
分散していない比較例1の場合は耐酸化性および耐摩耗
性の両方共が劣っており、また、Co−Mo−Cr−Si系硬質
粒子が分散しているもののBを含有量していない比較例
2の場合には耐摩耗性は比較的良好であるものの耐酸化
性に劣っていることが認められた。
焼結合金は、重量比で、Ni:8〜25%、Cr:12〜27%、Co:
2〜20%、Mo:1〜10%、Si:0.1〜5%、B:1〜3%、残部
Feおよび不純物からなり、基地中に硼化物および重量比
で5〜30%、面積比で3〜25%のCo−Mo−Cr−Si系硬質
粒子が分散している構成としたことを特徴としており、
このような鉄系焼結合金の構成を前述した従来の課題を
解決するための手段としている。 次に、この発明に係る耐酸化性および耐摩耗性に優れ
た鉄系焼結合金の成分範囲(重量比)の限定理由につい
て説明する。 Ni:8〜25% Niはオーステナイト相を安定化し、高温強度や延性を
確保するほか、Crと共にとくに燃焼雰囲気中での高温耐
食性,高温耐酸化性を向上させる作用がある。そして、
これらの作用を十分に得るためには少なくとも8%を含
有させる必要があるが、25%を超えて含有させてもそれ
以上の効果は期待できないので、Ni含有量は8〜25%と
した。 Cr:12〜27% Crは基地に固溶し、Niと共にとくに燃焼雰囲気中での
高温耐食性,高温耐酸化性を向上させる作用がある。そ
して、このような作用を十分に得るためには少なくとも
12%含有させる必要があるが、27%を超えて含有させて
もそれ以上の効果は期待できないとともにσ相の析出に
よる脆化を起こす可能性があるため、Cr含有量は12〜27
%とした。 Co:2〜20% Coは7.5〜9.5%Cr−27〜30%Mo−2.2〜2.7%Si−Co系
硬質粒子の形で添加されており、耐摩耗性を確保するた
めには硬質粒子の量が重量比で少なくとも5%、面積比
で少なくとも3%分散していることが必要である。しか
し、重量比で30%を超え、面積比で25%を超えて分散し
ていてもそれ以上の効果は期待できず、かえって相手材
を攻撃する傾向にあるため、Cr−Mo−Si−Co系硬質粒子
の量は重量比で5〜30%、面積比で3〜25%分散してい
るようになすことが望ましい。そしてこの場合、硬質粒
子の重量比で5〜30%はCoの重量比で2〜20%に相当す
るもので、Co含有量は2〜20%とした。 Mo:1〜10% MoもCoと同様に7.5〜9.5%Cr−27〜30%Mo−2.2〜2.7
%Si−Co系硬質粒子の形で主に添加される。また、Moは
高温強度を向上する目的でも添加され、このような効果
を得るために1%以上含有させる。しかし、多量に含有
させると耐酸化性の低下および脆化の原因となるため、
硬質粒子と合わせて10%を上限とする必要があるので、
Mo含有量は1〜10%とした。 Si:0.1〜5% Siは耐酸化性が向上させるのに有効な元素であるが、
多量に含有させると脆化を起こすため、その上限を5%
とする必要がある。また、7.5〜9.5%Cr−27〜30%Mo−
2.2〜2.7%Si−Co系硬質粒子の形でも存在するため、Si
の下限は0.1%とする必要があり、Si含有量は0.1〜5%
とした。 B:1〜3% Bは焼結時に基地を構成する成分と共晶液相を生成
し、焼結体を高密度化することにより高温域での内部酸
化を防止して耐酸化性を向上させる作用があるととも
に、主にCr硼化物からなる硼化物を基地中に析出させて
耐摩耗性を向上させるのに寄与する。そして、良好なる
耐酸化性を得るためには焼結体の理論密度に対する比を
88%以上にする必要があるが、1220℃を超える温度で焼
結を行うと、添加したCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が基地
中に拡散して耐摩耗性を低下させるため、1220℃以下で
焼結を行いかつ88%以上の密度比を確保するためには少
なくとも1%の添加が必要である。しかし、3%を超え
て添加しても焼結温度を下げる効果は認められず、さら
に、生成する液相量の増加をまねき焼結体の寸法安定性
に悪影響を及ぼすため、上限を3%とする必要があり、
したがってB含有量は1〜3%とした。 この発明に係る耐酸化性および耐摩耗性に優れた鉄系
焼結合金は、上記した成分組成を有するものであり、す
ぐれた耐酸化性を得るためには密度比が88%以上となる
ようにすることが望ましく、このためには焼結時に基地
を構成する成分と共晶液相を生成して焼結体の高密度化
に寄与するB含有量を1%以上とするとがとくに望まし
い。そしてまた、すぐれた耐摩耗性を得るためにはCo−
Mo−Cr−Si系硬質粒子の割合が重量比で5〜30%、面積
比で3〜25%の範囲となるようにしておくことがとくに
望ましい。したがって、この発明による鉄系焼結合金の
密度比は88〜99%程度のものとなるようにしている。 (発明の作用) この発明に係る鉄系焼結合金は、上述した構成を有す
るものであり、オーステナイト系ステンレス鋼の基材に
Bを添加して液相焼結を行わせることにより焼結体の密
度比が88%以上となる高密度化をはかるとともに、硼化
物およびCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が液相焼結の際に消
失せずにそのままの形で基地中に適量分散したものとし
ているので、優れた耐酸化性と優れた耐摩耗性とを兼ね
備えた鉄系焼結合金となっている。 (実施例) 第1表に示す化学成分の鉄系焼結合金を同じく第1表
に示す焼結温度により焼結して製造し、得られた各鉄系
焼結合金の理論密度に対する比(密度比),酸化増量お
よび摩耗量を測定した。このとき、酸化増量の測定は、
直径13mm,高さ15mmの円柱状焼結体を900℃×200時間大
気中にて加熱保持したのちの重量増加を調べることによ
り行った。また、摩耗量の測定は、内径8.1mm,外径12.7
mm,高さ35mmの筒状焼結体にNi基耐熱合金よりなるシャ
フトを相手材として挿通し,温度:600℃,荷重:1kgf,ス
トローク数:600回/min,ストローク量:10mm,時間:30hrの
条件によりストローク運動させたのちの筒状焼結体およ
び相手材の摩耗量を調べることにより行った。これらの
結果を同じく第1表に示すと共に、密度比が88%となる
焼結温度とB添加量との関係を第1図に示し、摩耗量と
Co−Mo−Cr−Si系硬質粒子の添加量との関係を第2図に
示す。 第1表,第1図および第2図に示す結果より明らかな
ように、本発明実施例1〜6では高温での酸化増量が少
なく耐酸化性に著しく優れていると共に、自分自身(焼
結体)および相手材(シャフト)の摩耗量が少なく耐摩
耗性にも著しく優れていることが認められた。これに対
して、B含有しないと共にCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が
分散していない比較例1の場合は耐酸化性および耐摩耗
性の両方共が劣っており、また、Co−Mo−Cr−Si系硬質
粒子が分散しているもののBを含有量していない比較例
2の場合には耐摩耗性は比較的良好であるものの耐酸化
性に劣っていることが認められた。
この発明に係る鉄系焼結合金は、重量比で、Ni:8〜25
%、Cr:12〜27%、Co:2〜20%、Mo:1〜10%、Si:0.1〜
5%、B:1〜3%、残部Feおよび不純物からなり、基地
中に硼化物および重量比で5〜30%、面積比で3〜25%
のCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が分散している構成を有す
るものであり、オーテナイト系ステンレス鋼の基材に1
%以上のBを添加して液相焼結を行わせることにより焼
結体の密度比が88%以上となる高密度化をはかることに
より耐酸化性の著しく優れたものになっていると共に、
硼化物およびCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が液相焼結の際
に消失せずにそのままの形で基地中に適量分散したもの
となっていることにより耐摩耗性にも著しく優れたもの
となっており、ハウジング部材や摺動部材などの各種機
械構造物の耐酸化性および耐摩耗性の向上およびそれに
基く耐用寿命の延長を実現することが可能であるという
著しくすぐれた効果がもたらされる。
%、Cr:12〜27%、Co:2〜20%、Mo:1〜10%、Si:0.1〜
5%、B:1〜3%、残部Feおよび不純物からなり、基地
中に硼化物および重量比で5〜30%、面積比で3〜25%
のCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が分散している構成を有す
るものであり、オーテナイト系ステンレス鋼の基材に1
%以上のBを添加して液相焼結を行わせることにより焼
結体の密度比が88%以上となる高密度化をはかることに
より耐酸化性の著しく優れたものになっていると共に、
硼化物およびCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子が液相焼結の際
に消失せずにそのままの形で基地中に適量分散したもの
となっていることにより耐摩耗性にも著しく優れたもの
となっており、ハウジング部材や摺動部材などの各種機
械構造物の耐酸化性および耐摩耗性の向上およびそれに
基く耐用寿命の延長を実現することが可能であるという
著しくすぐれた効果がもたらされる。
第1図はB添加量と密度比が88%となる焼結温度との関
係を示すグラフ、第2図はCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子の
添加量と摩耗量との関係を示すグラフである。
係を示すグラフ、第2図はCo−Mo−Cr−Si系硬質粒子の
添加量と摩耗量との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−297542(JP,A) 特開 昭57−158355(JP,A) 特開 昭58−213859(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】重量比で、Ni:8〜25%、Cr:12〜27%、Co:
2〜20%、Mo:1〜10%、Si:0.1〜5%、B:1〜3%、残部
Feおよび不純物からなり、基地中に硼化物および重量比
で5〜30%、面積比で3〜25%のCo−Mo−Cr−Si系硬質
粒子が分散していることを特徴とする耐酸化性および耐
摩耗性に優れた鉄系焼結合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1159027A JP2633689B2 (ja) | 1989-06-21 | 1989-06-21 | 耐酸化性および耐摩耗性に優れた鉄系焼結合金 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1159027A JP2633689B2 (ja) | 1989-06-21 | 1989-06-21 | 耐酸化性および耐摩耗性に優れた鉄系焼結合金 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0324249A JPH0324249A (ja) | 1991-02-01 |
JP2633689B2 true JP2633689B2 (ja) | 1997-07-23 |
Family
ID=15684657
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1159027A Expired - Lifetime JP2633689B2 (ja) | 1989-06-21 | 1989-06-21 | 耐酸化性および耐摩耗性に優れた鉄系焼結合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2633689B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2634103B2 (ja) * | 1991-07-12 | 1997-07-23 | 大同メタル工業 株式会社 | 高温用軸受合金およびその製造方法 |
US5290446A (en) * | 1992-06-10 | 1994-03-01 | Pall Corporation | Helical wrapped filter element |
Family Cites Families (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS57158355A (en) * | 1981-03-25 | 1982-09-30 | Mitsubishi Metal Corp | Sintered fe alloy with superior wear and corrosion resistance |
JPS58213859A (ja) * | 1982-06-04 | 1983-12-12 | Mitsubishi Metal Corp | 耐食性焼結材料 |
JPS63297542A (ja) * | 1987-05-28 | 1988-12-05 | Nissan Motor Co Ltd | 耐熱・耐摩耗性鉄基焼結合金 |
-
1989
- 1989-06-21 JP JP1159027A patent/JP2633689B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0324249A (ja) | 1991-02-01 |
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