JP2631900B2 - 乾式分析要素を用いた臨床検査方法 - Google Patents
乾式分析要素を用いた臨床検査方法Info
- Publication number
- JP2631900B2 JP2631900B2 JP2090562A JP9056290A JP2631900B2 JP 2631900 B2 JP2631900 B2 JP 2631900B2 JP 2090562 A JP2090562 A JP 2090562A JP 9056290 A JP9056290 A JP 9056290A JP 2631900 B2 JP2631900 B2 JP 2631900B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- dry
- analysis
- blood
- dry analytical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
Description
ケアに有効な臨床分析方法に関するものである。
薬類を乾燥状態で含み、これに液体試料を接触させるこ
とで試薬類との反応を起こし、その結果生ずる光学的変
化や電気的変化を測定することによって、前記特定成分
を定量的または半定量的に検出することができる。
に点着し、一定条件で(例えば37℃で5分)インキュベ
ート(加温)して反応させた後、直ちに光学的測定等を
行って、液体中の特定成分の濃度を算出するのが一般的
であった。最近では、インキュベート以降の操作を自動
的におこなう測定器が市販され、満足できる再現性と正
確度が得られている。
い。
ともある程度測定操作、技術に習熟した検査技師、医
師、看護婦などの管理下で操作される必要がある。従っ
て、このような装置の設置は病院、診療所、検査センタ
ーなど医療専門機関に限られているのが通例である。
れてきた。
察室などで簡単に血液検査や尿検査ができるようにとい
う要請は古くからあった。これらの要請に答えるものと
して、いわゆる試験紙型の分析要素と各種の測定器を組
み合わせた方式が開発され実用化されている。特に測定
器の簡易化については小型化が進み、電池で作動するポ
ータブルサイズのものもあり、測定操作も大巾に簡略化
されるようになった。
出反応を目視で判別するpH試験紙型のものもあり、尿検
査などで広く実施されるに至っている。
判定の為には、医師、看護婦など熟練者によるのが普通
である。また、判定精度も定性的あるいは半定量の領域
に止まるものであるので、集団検査や1次スクリーニン
グテストなどに使用されるに止まり、投薬などの治療に
必要な検査データは別に精密な機器を用いて再度測定し
直されるのが通例となっている。
幾度か血糖値を測定し、その結果を通院の際持参するこ
とができれば、治療に当たる医師が患者の状態をより正
確に把握することができる。しかし、半定量のできる程
度の装置なら家庭にも置けるようなものもあるが、精度
が低いので上記の目的には合わない。
どを背景とした医療費の高騰への対応として、在宅ケア
が提唱され、今後の医療制度の1つの核となるものとし
て実施の具体的方法が検討されている。
に医師による適切な監視、指導、管理下にあり、必要に
応じて適切な治療ができる点にある。例えば慢性患者や
高齢者の場合には、急激な病態変化がなければ安定した
生理的状態にあり、一定の治療を続けて、その治療効果
を継続的に監視し続けていることが最も大切なこととな
る。
であるけれども、各家庭に患者が分散した状態では実際
上は極めて難しく、通常は体温、体重の測定の他は看護
人による症状の観察記録、患者本人の痛みなどの訴えな
ど主観的な情報に止っている。
の日常管理も容易になり、治療もより迅速で、かつ適切
なものとなるので、その利益は測り知れない。また、患
者にとってみても、日常の病院が医師に報告され看られ
ているという安心感は大きく、回復までの精神的サポー
トとなることは容易に理解される。
請に応える1つの方法であるが、患者自身あるいは各家
庭にいる看護人、家族が正確な検査を行ない報告する為
には、測定に際しての技術的問題もさることながら、測
定器購入の為の経済的負担が大きな問題となる。
めて望ましいことであるが、簡易機器といえども測定器
具を携帯することには限界がある。
なくその指示に従って患者の血液検査が自宅で実施でき
れば、より迅速で、かつ適切な治療が可能となる。この
ことは往診に要する時間を考えれば全ての家庭に通ずる
ことであるが、特に交通の不便なところや、遠隔地、離
島、未開発地では医療に対して大きな進歩、利益をもた
らすものである。
た液体試料を乾式分析要素に点着した後、一定時間、一
定温度でインキュベートして反応を停止・定着させ、そ
の乾式分析要素を病院等の分析装置のある施設に持参、
または郵送等により送付して測定・分析することが考え
られる。
界条件、例えば湿度の変動により液体試料及び乾式分析
要素が変化してしまい、分析精度が著しく低下し、患者
の状態の正確な把握は到底望めない等の問題があった。
同一の条件で分析することができず、さらに、同一患者
であっても各分析が異なる条件でなされることになり、
各分析結果を正確に比較することができないものであっ
た。
液体試料の反応を停止・定着させた後から分析する前ま
での間、乾式分析要素が外気の影響、特に湿度の影響等
を受けないようにして、長期間に渡って一定の条件で保
存可能とする手段を提供することにあり、それによっ
て、在宅患者を医師が適切に監視、指導、管理できる体
制づくりに寄与することにある。
試料が点着された乾式分析要素を、その周囲を覆う囲い
の中に入れて25〜40℃の範囲の一定温度で一定時間イン
キューベートし、次いで反応に必要な水分を除去して定
着させ、これを実質的に水分と外気を遮断した状態で分
析機関へ移送することを特徴として構成されている。
を、この方法が有効に用いられる在宅ケアの臨床医学検
査方法において説明する。
ど通常の採血法によってもよいが、耳朶、指頭、カカト
などの毛細血管の微量を毛細管ピペットなど適当な採血
具を用いて採取してもよい。乾式分析要素はごく微量の
血液しか必要としないので、注射器による採血を必要と
しない特徴をもつ。また乾式分析要素を直接、血液滴か
ら形成されている耳朶、指頭などの傷口に接触させる方
法も適用できる。
るものである場合は、そのまま測定用液体試料とするこ
とができ、また、乾式分析要素が血漿や血清用のもので
ある場合は、採血後、遠心分離、静置などの方法により
血漿または血清を分離し、この血漿または血清を測定用
液体試料として利用する。
を容器に採取して直接検体とすることができる。
るいはこれらを拭きとった脱脂綿、ガーゼなどからの抽
出液を検体とすることができる。
による感染の有無などの判定を簡便、迅速に行なえる。
の薬液で希釈したり、静置分離などの処理含む化学的、
物理的前処理をすることもできる。
比較的大量にあるものは、一度、採血チューブ、試験
官、サンプルカップなど小型の容器に移した後、ピペッ
トなどのサンプリング用具で再び採取し乾式分析要素に
適用される。耳朶血、指頭血などは、血液採血部位から
直接サンプリング用具で採血、直接乾式分析要素に適用
することもできる。測定に必要な検体量は乾式分析要素
の種類にも依るが、通常1検査当り5〜50μ程度と極
めて少ないので耳朶血、指頭血から直接サンプリングす
る方法が特に有利である。
細管を一定の長さに切ったり、これに目盛りをつけたり
したものやプラスチック製のマイクロピペットなど使い
捨てタイプのものが最も適当であるが、注射器型のもの
や分析に使われる各種分析マイクロピペットも使える。
分析要素に供給する方式も目的によっては使える。その
場合には、注射器から直接、乾式分析要素に血液を点着
したり、適当量をガラス、プラスチックなどの細管に吸
い取って供給する。また、場合によっては紙、布片、綿
などに検体を一度浸み込ませ、そこからしぼり出して乾
式分析要素に供給したり、プラスチック、ガラス、紙、
木片、金属などの棒やこれら組み合わせたり、変形させ
たりして検体の一滴が乾式分析要素に供給できるように
したものを用いることもできる。いずれにしても測定精
度の向上の為には一定量を採取することが望ましいが、
定性、半定量でよい場合には必ずしも秤取する必要はな
く、いろいろな方法をとることができる。
予め乾式分析要素の中に組み込まれており、化学的変化
量として反応の生成物を蓄積し、これを目視測定器など
で判定、定量化する原理に基づくものであることが必要
である。なお、血色素量、ビリルビンなどのように被検
物質そのものが検出可能な状態にあるものは化学反応を
前提としない。この検出方法としては、光学的な濃度測
定の他、蛍光、発光、磁気など、どんな方法によっても
良い。また、一旦定着後、別の試薬を加えて検出をより
正確、確実な方法にすることもできる。このような乾式
分析要素としては、例えば、試験紙および多層化学分析
フィルムがある。
種のタイプのものを使用することができ、また検体を希
釈するタイプのものも使用できる。
質層を有する。この層の中に検出すべき成分と反応する
試薬の全てを含んでもよいし、一部を含んでもよい。1
層の多孔質層の異なる深さの層にそれぞれ試薬の一部を
含んでもよい。また別の無孔質の液体浸透性層に、上記
試薬の一部または全部を含んでもよい。多孔質または無
孔質の液体浸透性層を2つ以上有してもよい。
含む。相互作用組成物は、分析成分を含む液体試料が乾
式分析要素に接触したときに、分析物質または分析物質
の反応生成物もしくは分解生成物と、または互いに、相
互作用する1種またはそれ以上の活性成分を含む。乾式
分析要素中では、このような相互作用によって直接にま
たは間接に(他の反応を経て)分光光度法によって検出
され得る色素、蛍光物質党が生成、分解または不活性化
される。色素は、血液中の所要の特性成分と色素生成物
質との相互作用によって生成してもよいし、また非拡散
性色素からの拡散性色素の遊離によって生成してもよ
い。「相互作用」には、化学活性、酵素一基質複合体の
形成におけるような触媒活性、抗原一抗体反応における
ような免疫原活性、並びに染料の濃度が直接的また間接
的に特定の分析物質の存在または濃度を示すような検出
可能な色素等を遊離、形成または生成できるあらゆる化
学的または物理的相互作用が含まれる。
分、反応の種類、構成、測定波長等を問わないが、乾燥
状態でも光学的変化が保存中に大きくなるようなものは
本発明に不適当である。
析精度を高める上で好ましい。液体試料の点着と同時に
別の乾式分析要素に基準液を点着すると、分析精度をさ
らに高めることができる。
92,272号明細書に記載されたような、透明で水不浸透性
の支持体の上に、試薬の少なくとも一部を含む液体浸透
性層とさらに多孔質層が順次設けられた、一体化多層分
析スライドであることが好ましい。
同4,042,335号明細書、同4,066,403号明細書、同4,144,
306号明細書、同4,132,528号明細書、同4,258,001号明
細書、同4,357,363号明細書、同4,381,421号明細書等に
記載されたような構成をもつものでよい。
報、同62−138757号公報、同62−138758号公報に記載さ
れたような、複数の多孔質層を有するものでもよい。
に全部、または少なくとも一部の血球をろ過して除去す
る層を有することが好まいし。液体展開層がこの作用を
同時に有してもよく、米国特許第4,292,272号明細書に
記載された織物や特開昭60−222769号公報に記載された
編物のような繊維材料から成るものが有用である。
均気孔寸法を有する任意の適当な繊維もしくは非繊維材
料、またはそれらの混合物から構成される。液体展開層
はそれが液体接触している隣接する水浸透性層に面した
面において単位面積当たり均一の検体液を提供するもの
が好ましい。有用な液体展開層は、米国特許第4,292,27
2号明細書に記載された織物や特開昭60−222769号公報
に記載された編物のような繊維材料により構成できる。
また米国特許3,992,158号明細書に記載されている非繊
維等方性多孔質(例えばブラッシュポリマー)を用いて
構成することもできる。
め、特開昭60−222770号公報、特願昭61−122875号明細
書、61−122876号明細書、61−143754号公報明細書に記
載したような親水性高分子あるいは界面活性剤を含有し
てもよい。
に記載されたような遮光蔽層またはろ過層を有してもよ
い。
にろ過して除去する層を有してもよい。特開昭58−7016
3号公報、特開昭61−4959号公報、特願昭60−256408号
明細書、同60−279859号明細書、同60−279860号明細
書、61−279861号明細書等に記載されたような多孔性層
は好適である。
試薬層と検出層との間、または試薬層と液体展開層との
間に、光反射層を設けることができる。光反射層は、検
出層、試薬層等に生じた検出可能な変化(色変化、発色
等)を光透過性を有する支持体側から反射測光する際
に、展開層に点着供給された被検液の色、特に試料が全
血である場合のヘモグロビンの赤色、ビリルビンの黄色
等を遮蔽するとともに光反射層または背景層として機能
する。光反射層は、親水性ポリマーをバインダーとし
て、酸化チタン、硫酸バリウム等の光反射性微粒子が分
散された水浸透性の層とすることが好ましい。バインダ
ーとしてはゼラチン、ゼラチン誘導体、ポリアクリルア
ミド等が好ましい。ゼラチンのような硬化可能なポリマ
ーには硬膜剤を加えてもよい。
層等に酸化チタン等の光反射性粒子を含有させてもよ
い。
もよい。この支持体は、紙のように液体浸透性でもよい
し、プラスチックのように液体不浸透性でもよい。
に好ましい構成は以下の通りである。
るもの。
順に有するもの。
の順に有するもの。
開層をこの順に有するもの。
開層をこの順に有するもの。
の間に吸水層を設けてもよい。上記(1)ないし(3)
において試薬層と検出層または液体展開層の間に血球ろ
過またはその他のろ過層を設けてもよい。上記(3)な
いし(5)において光反射層と検出層、試薬層もしくは
液体展開層との間、試薬層と検出層との間、または試薬
層と液体展開層の間に、さらに血球ろ過層またはその他
のろ過層を設けてもよい。
はそれ以上の他の種々の任意の成分、例えば界面活性
剤、発色剤の溶剤、緩衝剤、結合剤、硬化剤を含むこと
ができる。これらの成分は通常添加されている量と同程
度添加されることができる。代表的な要素成分は、例え
ば米国特許3,992,158号明細書、同4,042,335号明細書、
同4,144,306号明細書、同4,132,528号明細書、同4,050,
898号明細書、同4,258,011号明細書、同4,275,152号明
細書、同4,292,272号明細書に記載されている。
在下に、光学的に検出し得る物質、例えば色素を生成し
得る組成物である。ロイコ色素の酸化によって色素を生
成する組成物(米国特許4,089,747号、特開昭59−19335
2号等に記載されたようなアリールイミダゾールロイコ
色素)、ジアゾニウム塩、酸化されたときに他の化合物
とカップリングにより色素を生成する化合物を含む組成
物(例えば4−アミノアンチピリン類と、フェノール類
またはナフトール類)、還元型補酵素と電子伝達剤の存
在下で色素を生成することのできる化合物から成るもの
等を用いることができる。
開昭59−193352号に記載されたようなトリアリールイミ
ダゾールロイコ色素、公知のトリアリールメタンロイコ
色素その他を挙げるのとができる。
成性組成物によって、色素が形成されてもよい。被酸化
性化合物の例としては、ベンジジン及びその同族体、p
−フェニレンジアミノ類、p−アミノフェノール類、ア
ミノアンチピリン、例えば4−アミノアンチピリンなど
を挙げることができる。
えば、p−ニトロフェノールのような有色物質を遊離し
うる自己顕色性基質(例えばパラニトロフェニルりん酸
エステル、パラニトロフェニルマルトペンタオース、γ
−グルタミルパラニトロアニリド)を、試薬層や展開層
に含むことができる。
8756号の明細書第18ページから第20ページに記載された
ものを用いることができる。
ーを結合剤とする実質的に均一な層に含ませてもよい。
親水性ポリマーとしては、例えば、ゼラチンおよびこれ
らの誘導体(例えばフタル化ゼラチン)、セルロース誘
導体(例えばヒドロキシプロピルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース)、アガロース、アクリルアミド重
合体、メタアクリルアミド重合体、アクリルアミドまた
はメタアクリルアミドと各種ビニル性モノマーとの共重
合体、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドンと
各種ビニル性モノマーとの共重合体等が利用できる。
もよい。被検成分の存在下に発色を生ずる試薬組成物を
多孔性層の少なくとも1つに含有させるには、試薬組成
物の適当な溶液または分散液を予め含浸または塗布した
多孔性展開層を、他の水浸透性層、例えば試薬層の上に
特開昭55−164356号記載のような方法で接着させる方法
が利用できる。
層、吸水層)の上に前記特開昭55−164356号記載のよう
な方法で接着させた後、試薬組成物の溶液または分散液
を多孔性層に塗布してもよい。
できる。塗布には、例えばディップ塗布、ドクター塗
布、ホッパー塗布、カーテン塗布を適宜選択して用い
る。
上の多孔性層のうち支持体に最も近い多孔性層に含んで
もよく、2以上の多孔性層に分けて含有させてもよい。
分子物質、イオン、高分子物質のいずれでもく、親水性
物質、疎水性物質のいずれでもよい。検出される成分が
酵素であってもよく、抗原あるいは抗体であってもよ
い。抗原や抗体は、酵素や蛍光性物質で標識されていて
もよく、他の高分子に結合していてもよい。抗原はハプ
テンであってもよい。
酸、ピルビン酸、グルコース、ガラクトース、中性脂
肪、コレステロール、ヘモグロビン、ビリルビン イオン:カルシウム、カリウム、ナトリウム、塩素オン 高分子:蛋白(アルブミン、グロブリン等)、核酸、リ
ポ蛋白 酵素:アミラーゼ、ホスファターゼ、リパーゼ、乳酸脱
水素酵素、クレアチンホスフォキナーゼ、アラニンアミ
ノトランスフェラーゼ、アスパラギンアミノトランスフ
ェラーゼ 4.インキュベーションと定着方法 乾式分析要素に検体液体試料を点着後、一定条件で反
応させ、生じた反応の変化量を長時間の保存でも変化し
ないように定着させ、郵送可能な状態にするものであ
る。
ュベーションすると点着量が通常5〜10μと少ないの
で水分の蒸発によって反応の停止にいたる。この反応の
停止に要する時間はスライド中に組み込まれた検出反応
によっても異なるが、主として加熱温度と周囲の湿度送
風条件によって異なる。本発明では常に一定条件で反応
を完結させ、定量性のあるデータを保証する必要がある
ので、周囲の環境条件、即ち冬期(低温低湿時)と夏期
(高温多湿時)に左右されることなく、いつも同じよう
にインキュベーションをできる方法でなければならな
い。
結果が得られるが、この場合には、乾燥条件の補正の為
には予め濃度の求められているいわゆるコントロールを
用いる必要があった。また、平面上の熱板を用いる方法
も有効であるが、この場合にも周囲の湿度や風量の影響
を受けることが分った。
要素の周囲が覆われた囲の中におかれた状態で行なわれ
る。こうすることにより周囲の温、湿度に依存せず一定
のインキュベーションが得られる。この方法を利用して
温度を変化させて乾燥による反応の停止時間の関係を調
べたところ、反応は温度が高いとごく短時間に停止して
しまうし、温度が低いといつまでも停止しないので実用
的に最適な領域があることが分った。インキュベーショ
ン温度は25〜40℃が適当であり、とくに35〜40℃がよい
結果を与えた。この時の反応停止時間は3分〜10分であ
った。つまりインキュベーションと水分の蒸散を分ける
ことなく同時に進行させても再現性のある結果が得られ
た。
る蒸発を利用した方法の他、脱水剤と接触させる方法、
展開層など水分量の多い層を色素生成層から機械的に剥
離してしまう方法などがある 脱水剤としてはシリカゲル、ポリエチレングリコー
ル、五酸化燐など通常知られている脱水の外、アルコー
ル、アセトンなど水と混和して気圧を高くし、蒸散を速
める方法も有効である。
合わせた方法が最も有効である。
ておく方法、赤外線を照射する方法、電磁加熱を利用す
る方法、温風の送風などがある。
るが、簡便な方法は、インキュベーションを囲に解放し
て加熱を続行する方法である。定着はインキュベーショ
ンの終了と同時に達成されることもある。
して反応結果に影響を与えないようにする。
乾式分析要素を、水分除去手段が設けられた袋に密封す
る方法がある。
フィルムまたはシートであることが好ましく、例えば、
セロフアン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の透明もしくは
不透明のフィルム、これらを相互にラミネートしたフィ
ルム、これらにアルミ箔をラミネートしたフィルム等が
挙げられる。
ので、例えば、シリカゲル、塩化カルシウム、ゼオライ
ト等を用いたモレキユラーシーブ材料、五酸化燐等の脱
水剤がある。
応結果に影響を与える物質を除去することが好ましく、
還元剤や脱酸素剤を同時に封入しておくことは効果的で
ある。
状態で設けたり、シート状に成形した状態で設けたり、
袋の内面に直接コーティング等で設けたりしてもよい。
状態にする他の例としては、乾式分析要素とほぼ同一の
形状及び容積の空間を有する金属製等の密閉容器を用
い、この容器の空間に乾式分析要素を入れて容器を密閉
する方法がある。さらに、乾式分析要素を酸素遮断性の
優れたプラスチックの袋に入れた後、内部の空気をしご
き出した状態で密封したり、同様のプラスチック袋に乾
式分析要素を収納し、この袋内を減圧して略真空状態で
密封する方法がある。
院、診療所、検査センター等へ送られる。
を投射し、その反射光を比色測光して特定成分の定量分
析を行なうものが用いられる。
分析要素に点着した液体試料の反応を停止・定着させた
後、実質的に水分と外気を遮断した状態で、例えば分析
装置のある病院等の施設へ移送して分析する。したがっ
て、乾式分析要素は、どのような状況下にあったもので
も、最終的に常に同じ環境下に置かれることとなる。
発明の方法を適用して乾式分析要素に点着した液体試料
を分析する手順を示す図、第2図は乾式分析要素化学分
析スライドの断面斜視図、第3図は実施例1における乾
式分析要素の保存日数とグルコース濃度との関係を示す
図、第4図は実施例3における乾式分析要素の保存期間
とグルコース濃度との関係を示す図である。
析スライドに点着する採血点着器、2は、そ化学分析ス
ライドを一定時間・一定温度で加温するインキュベー
タ、3は、化学分析スライドを収納するインキュベータ
2に形成されたスライド収納部、4は、スライド収納部
3を密閉するカバー、5は、化学分析スライド1を密封
して水分と外気を遮断するポリエチレンの袋、6は、小
さい袋に充填した状態で袋5に封入される水分除去手段
としてのシリカゲル等の乾燥剤、7は、病院等に設置し
て臨床化学分析を行う自動分析装置を示している。
析スライドを示している。この化学分析スライド8は、
多層分析要素9及びスライド枠10により構成されてい
る。多層分析要素9は、透明フィルム層の上に試薬層、
反射層及び展開層が順次設けられており、スライド枠10
は、上部に点着用開口11が形成されるとともに、下部に
比色測定用開口12が形成されている。
に示す手順で臨床検査する方法について説明する。
採取点着器1により採取した血液を、インキュベータ2
のスライド収納部3に収納した化学分析スライド8に点
着させる。
バー4を密着させて、スライド収納部3を密封する。こ
の状態で化学分析スライド8を37℃で6分間インキュベ
ートして呈色反応を充分に行なわせる。
この状態で化学分析スライド8を37℃で10分間加熱して
化学分析スライド8中に含まれる水分を除去・乾燥する
ことにより、スライド中の化学反応を停止・定着させ
る。
着した化学分析スライド8を、袋5にシリカゲル等の乾
燥剤6と共に密封し、病院、診療所、検査センター等へ
郵送する。
学分析スライド5を分析する。
5は、外気にさらされることなく、乾燥剤6により乾燥
された空気を内包する袋5に密封された状態で届けられ
るので、点着した血液及び化学分析スライド8自体の変
質は最小限に抑制されている。これにより、患者は家庭
に居ながらにして、病院で自動分析装置7を用いて検査
した場合と大差のない分析精度で血液等の臨床化学分析
を受けることが可能となる。
明の方法を適用した実施例1〜4について説明する。
ムグルコーススライド(富士写真フイルム株式会社製)
を用い、液体試料としてモントロールVIIIおよびモント
ロールIXを点着した。そして、インキュベータとして第
1図に示したインキュベータ2を用い、37℃で6分間イ
ンキュベーションを行って反応を停止させた。
とともに3cm×4cmのファスナー付のポリエチレンの袋に
入れ、室温で放置した。
学濃度の変化を調べた。その結果、12日間に渡って実質
的な変化は全く見られなかった。詳細な結果を表−1に
示す。
た精度管理液を用いたときの値である。縦軸はFDC−100
0の読み取り値を示す。
濃度の変化を調べたが、濃度変化は見られなかった。
送して分析を行なっても充分信頼のある結果が得られる
ことは明らかである。
計60枚のスライドを用いて繰り返し、操作や測定日によ
る誤差の程度を調べた。結果を表−2に示す。
0.93、CV=2.57であった。また、=95.5mg/plのと
き、SD=5.66、CV=5.93であった。
性があることを示している。
血糖用スライド(富士写真フイルム社製)を用い、液体
試料としてヒトの静脈血を用いて、実施例2と同様の実
験を行った。37℃10分間のインキュベーションを行った
ときの化学分析スライドの保存日数とグルコース濃度と
の関係を5分後、10分後、15分後、1日後、12日後につ
いて調べた。結果をグラフにして第4図に示す。12日後
においても、濃度変化はほとんどみられず、きわめて良
好な保存状態であった。
高い、中間、低い、ということを意味する。
GGTスライド(富士写真フィルム社製)を用い、液体試
料としてモントロールVIIIおよびIX(アメリカンデイド
社精コントロール血清)を用い、実施例3と同様の実験
を行った。結果を表−3に示す。
Hbスライド(富士写真フィルム社製)を用い、実施例3
と同様の実験を行った。結果を表−4に示す。
床検査方法は、液体試料を点着した乾式分析要素を、液
体試料の反応を停止・定着させ、これを実質的に水分と
外気を遮断した状態で分析機関に移送するので、液体試
料及び乾式分析要素が外気の影響、特に湿度の影響を受
けることを防止することができる。
し、化学反応を停止・定着させた化学分析スライドを病
院等の分析装置のある施設に持参し、または送付する
際、点着した液体試料及び乾式分析要素自体の変質等を
防止することができる。これにより、医師は患者に乾式
分析要素の持参または送付を電話で指示するだけで、精
度の高い分析結果を得て、より適確でかつ迅速な治療等
を行なうことができ、在宅ケアによる医療制度の確立に
貢献することができる。
明の方法を適用して化学分析スライドに点着した液体試
料を分析する過程を示す図、第2図は化学分析スライド
の断面斜視図、第3図は実施例1における化学分析スラ
イドの保存日数とグルコース濃度との関係を示す図、第
4図は実施例3における化学分析スライドの保存日数と
グルコース濃度との関係を示す図である。 2……インキュベータ 7……分析装置 8……乾式分析要素(化学分析スラド)
Claims (1)
- 【請求項1】液体試料が点着された乾式分析要素を、そ
の周囲を覆う囲いの中に入れて25〜40℃の範囲の一定温
度で一定時間インキュベートし、次いで反応に必要な水
分を除去して定着させ、これを実質的に水分と外気を遮
断した状態で分析機関へ移送することを特徴とする、乾
式分析を用いた臨床検査方法
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2090562A JP2631900B2 (ja) | 1990-04-05 | 1990-04-05 | 乾式分析要素を用いた臨床検査方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2090562A JP2631900B2 (ja) | 1990-04-05 | 1990-04-05 | 乾式分析要素を用いた臨床検査方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03289543A JPH03289543A (ja) | 1991-12-19 |
JP2631900B2 true JP2631900B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=14001866
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2090562A Expired - Lifetime JP2631900B2 (ja) | 1990-04-05 | 1990-04-05 | 乾式分析要素を用いた臨床検査方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2631900B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2665640B2 (ja) * | 1991-07-22 | 1997-10-22 | 富士写真フイルム株式会社 | 乾式分析要素を用いた測定方法及び乾式分析要素 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE3715938A1 (de) * | 1987-05-13 | 1988-11-24 | Boehringer Mannheim Gmbh | Behaelter fuer teststreifen |
JPH0238859A (ja) * | 1988-07-27 | 1990-02-08 | Terumo Corp | 試験具包装体 |
-
1990
- 1990-04-05 JP JP2090562A patent/JP2631900B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03289543A (ja) | 1991-12-19 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US6592815B1 (en) | Analytical test element with a narrowed capillary channel | |
US8460539B2 (en) | Hybrid strip | |
US11612356B2 (en) | On-diaper body fluid screening device and associated method | |
KR20040013003A (ko) | 혈액 표본의 측정 테스트 | |
JPH09503581A (ja) | 新規な使い捨て電子検定ディバイス | |
US9395373B2 (en) | Hybrid strip | |
US7820451B2 (en) | Analytical test element | |
JP2676108B2 (ja) | 血液滴または任意の生物媒質に由来する液からの物質の免疫酵素的検出装置 | |
JPS6038651A (ja) | 多目的試薬カ−ド及びその製造方法 | |
JP3476828B2 (ja) | フラクトサミンをアッセイするための多層試験デバイスおよび方法 | |
JP2665640B2 (ja) | 乾式分析要素を用いた測定方法及び乾式分析要素 | |
JP2611890B2 (ja) | 乾式分析要素を用いた測定方法及び乾式分析要素 | |
JPH0159536B2 (ja) | ||
EP1430303A1 (en) | Embossed test strip system | |
JP2631900B2 (ja) | 乾式分析要素を用いた臨床検査方法 | |
US20180355402A1 (en) | Diagnostic strip for determining the amount of sarcosine, creatinine and hydrogen peroxide in a biological or environmental sample | |
US20110287461A1 (en) | Enzymatic analytical membrane, test device and method | |
WO1994012879A1 (en) | Dry reagent three element analyte detection system | |
WO2000078998A1 (en) | Apparatus and method for determining substances contained in a body fluid | |
JP4470354B2 (ja) | 1〜100ulの試料のためのインビボ検査装置 | |
JPH05273207A (ja) | 全血分析要素及びそれを用いた測定方法 | |
JPS61225651A (ja) | 多層分析素子およびそれを用いた生体由来の試料分析法 | |
US20040229347A1 (en) | Embossed test strip system | |
JPH01107136A (ja) | 液体分析方法 | |
JPS63241352A (ja) | 多層分析素子およびそれを用いた生体由来の試料分析法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
S111 | Request for change of ownership or part of ownership |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080425 Year of fee payment: 11 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090425 Year of fee payment: 12 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100425 Year of fee payment: 13 |
|
EXPY | Cancellation because of completion of term |