JP2631165B2 - X線電源装置 - Google Patents
X線電源装置Info
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- JP2631165B2 JP2631165B2 JP3159593A JP15959391A JP2631165B2 JP 2631165 B2 JP2631165 B2 JP 2631165B2 JP 3159593 A JP3159593 A JP 3159593A JP 15959391 A JP15959391 A JP 15959391A JP 2631165 B2 JP2631165 B2 JP 2631165B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高周波インバータを用
いたX線電源装置に関する。
いたX線電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,数kHz〜数十kHzの高周波イ
ンバータを用いた,例えば米国特許第4,720,84
4号,第4,400,822号,及び第4,117,3
34号等のようなX線電源装置が,高速応答性,低リプ
ル性の利点から実用化されている。図3に,従来のこの
種のX線電源装置の例を示す。蓄電池または整流器等の
直流電源1と,該直流電源1の直流電圧を高周波電圧に
変換する高周波インバータ2と,高電圧トランス3と,
高電圧ブリッジ整流器4とでX線電源装置が構成され
る。通常,高電圧トランス3及び高電圧ブリッジ整流器
4は,絶縁油で充填され,且つ接地された金属性の高電
圧タンク5内に収容されている。このX線電源装置の出
力は,正極及び負極出力端子から2本の高電圧ケーブル
6,7でX線管8のアノードAとカソードKに接続され
ている。高電圧ケーブルの外被導体6a,7aは,高電
圧タンク5のケースを通して接地されている。9は,高
電圧トランス3の2次巻線N2,N’2の中点の電流か
ら管電流を測定するための管電流検出回路である。X線
管8を動作させるためには,更にフィラメント電源が必
要であるが,本発明に直接関係がないので,説明を省略
する。
ンバータを用いた,例えば米国特許第4,720,84
4号,第4,400,822号,及び第4,117,3
34号等のようなX線電源装置が,高速応答性,低リプ
ル性の利点から実用化されている。図3に,従来のこの
種のX線電源装置の例を示す。蓄電池または整流器等の
直流電源1と,該直流電源1の直流電圧を高周波電圧に
変換する高周波インバータ2と,高電圧トランス3と,
高電圧ブリッジ整流器4とでX線電源装置が構成され
る。通常,高電圧トランス3及び高電圧ブリッジ整流器
4は,絶縁油で充填され,且つ接地された金属性の高電
圧タンク5内に収容されている。このX線電源装置の出
力は,正極及び負極出力端子から2本の高電圧ケーブル
6,7でX線管8のアノードAとカソードKに接続され
ている。高電圧ケーブルの外被導体6a,7aは,高電
圧タンク5のケースを通して接地されている。9は,高
電圧トランス3の2次巻線N2,N’2の中点の電流か
ら管電流を測定するための管電流検出回路である。X線
管8を動作させるためには,更にフィラメント電源が必
要であるが,本発明に直接関係がないので,説明を省略
する。
【0003】この回路の動作を説明すると,高周波イン
バータ2の高周波出力電圧は,高電圧トランス3の1次
巻線N1に供給される。高電圧トランス3の2つの2次
巻線N2,N’2は,同一巻数で,同一極性に直列接続
され,この直列接続点aはX線電源装置の出力の中性点
であり,接地されている。但し,2次巻線の一方の巻線
N’2には,管電流検出回路9が挿入されている。各2
次巻線N2,N’2で発生する電圧をEとすると,高電
圧ブリッジ整流器4の交流入力電圧は2Eであり,整流
電圧は2Eとなる。2次巻線N2,N’2の直列接続点
が接地されているため,電源装置の正極出力電圧は+
E,負極出力電圧は−Eである。これらの電圧は,正極
及び負極の高電圧ケーブル6,7により,X線管8のア
ノードAとカソードKに供給される。このように,2次
巻線N2,N’2の直列接続点を接地してアノード電圧
を+E,カソード電圧を−Eとしているのは,高電圧絶
縁構造を容易にするためである。また,このような高周
波方式のX線電源装置では,高電圧ケーブル6,7の芯
線と接地外被導体6a,7a間の静電容量がフィルタ作
用を持ち,X線管8のアノードA,カソードK間に印加
される電圧の高周波リプルを低減できる利点がある。
バータ2の高周波出力電圧は,高電圧トランス3の1次
巻線N1に供給される。高電圧トランス3の2つの2次
巻線N2,N’2は,同一巻数で,同一極性に直列接続
され,この直列接続点aはX線電源装置の出力の中性点
であり,接地されている。但し,2次巻線の一方の巻線
N’2には,管電流検出回路9が挿入されている。各2
次巻線N2,N’2で発生する電圧をEとすると,高電
圧ブリッジ整流器4の交流入力電圧は2Eであり,整流
電圧は2Eとなる。2次巻線N2,N’2の直列接続点
が接地されているため,電源装置の正極出力電圧は+
E,負極出力電圧は−Eである。これらの電圧は,正極
及び負極の高電圧ケーブル6,7により,X線管8のア
ノードAとカソードKに供給される。このように,2次
巻線N2,N’2の直列接続点を接地してアノード電圧
を+E,カソード電圧を−Eとしているのは,高電圧絶
縁構造を容易にするためである。また,このような高周
波方式のX線電源装置では,高電圧ケーブル6,7の芯
線と接地外被導体6a,7a間の静電容量がフィルタ作
用を持ち,X線管8のアノードA,カソードK間に印加
される電圧の高周波リプルを低減できる利点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしこの従来のX線
電源装置には,次のような欠点があった。 (1)高電圧ケーブルの静電容量が,単にリプル低減用
フィルタとしてしか利用されていない。 (2)管電流の検出を高電圧トランスの2次巻線の直列
接続点で行っているため,高電圧トランスの2次巻線の
対地分布容量の充放電電流も同時に検出してしまい,高
周波インバータの周波数が高くなる程,正確な管電流検
出が困難になる。
電源装置には,次のような欠点があった。 (1)高電圧ケーブルの静電容量が,単にリプル低減用
フィルタとしてしか利用されていない。 (2)管電流の検出を高電圧トランスの2次巻線の直列
接続点で行っているため,高電圧トランスの2次巻線の
対地分布容量の充放電電流も同時に検出してしまい,高
周波インバータの周波数が高くなる程,正確な管電流検
出が困難になる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は以上の欠点を除
去するために,高周波インバータを用い,正極及び負極
出力電圧の中性点が接地されたX線電源装置において,
上記高周波インバータにより駆動される1次巻線及び単
一の2次巻線からなる高電圧トランスと,直列接続さ
れ,その接続点が上記高電圧トランスの2次巻線の一端
に接続された第1及び第2のコンデンサと,正極出力端
子と接地間にカソード側を正極出力側にして同極性に直
列接続され,その接続点が上記第1のコンデンサの他端
に接続された第1及び第2のダイオードと,負極出力端
子と接地間にアノード側を負極出力側にして同極性に直
列接続され,その接続点が上記第2のコンデンサの他端
に接続された第3及び第4のダイオードと,上記正極出
力端子とX線管のアノード間に接続され,外被導体が接
地されている第1の高電圧ケーブルと,上記負極出力端
子とX線管のカソード間に接続され,外被導体が接地さ
れている第2の高電圧ケーブルと,上記第4のダイオー
ドのカソードと接地間,或いは上記第2のダイオードの
アノードと接地間に接続された管電流検出回路とからな
り,上記第1及び第2の高電圧ケーブルが略等しい長さ
を有することを特徴とするX線電源装置を提供するもの
である。
去するために,高周波インバータを用い,正極及び負極
出力電圧の中性点が接地されたX線電源装置において,
上記高周波インバータにより駆動される1次巻線及び単
一の2次巻線からなる高電圧トランスと,直列接続さ
れ,その接続点が上記高電圧トランスの2次巻線の一端
に接続された第1及び第2のコンデンサと,正極出力端
子と接地間にカソード側を正極出力側にして同極性に直
列接続され,その接続点が上記第1のコンデンサの他端
に接続された第1及び第2のダイオードと,負極出力端
子と接地間にアノード側を負極出力側にして同極性に直
列接続され,その接続点が上記第2のコンデンサの他端
に接続された第3及び第4のダイオードと,上記正極出
力端子とX線管のアノード間に接続され,外被導体が接
地されている第1の高電圧ケーブルと,上記負極出力端
子とX線管のカソード間に接続され,外被導体が接地さ
れている第2の高電圧ケーブルと,上記第4のダイオー
ドのカソードと接地間,或いは上記第2のダイオードの
アノードと接地間に接続された管電流検出回路とからな
り,上記第1及び第2の高電圧ケーブルが略等しい長さ
を有することを特徴とするX線電源装置を提供するもの
である。
【0006】
【実施例】図1は,本発明の一実施例を説明するための
図であり,図3と同一機能のものには同一符号を付し
た。同図において,高周波インバータ2は,FET10
〜13からなるブリッジで構成され,各FET10〜1
3は,パルストランス等で絶縁されたインバータ制御回
路14によりパルス幅制御または周波数制御等の任意の
制御方法で制御される。高周波インバータ2の出力は,
高電圧トランス3の1次巻線N1に供給される。この高
電圧トランス3の2次巻線N2は単一であり,巻き始め
端子が接地されている。巻き終わり高電圧端子は,直列
接続された第1のコンデンサ15及び第2のコンデンサ
16の接続点に接続されている。一方,正極出力端子と
接地間に同極性に直列接続された第1のダイオード17
及び第2のダイオード18がカソード側を正極出力側に
して接続され,第1のダイオード17及び第2のダイオ
ード18の接続点に上記第1のコンデンサ15の他端が
接続されている。また,負極出力端子と接地間にも同極
性に直列接続された第3のダイオード19及び第4のダ
イオード20がアノード側を負極出力側にして接続さ
れ,第3のダイオード19及び第4のダイオード20の
接続点に上記第2のコンデンサ16の他端が接続されて
いる。高電圧トランス3,コンデンサ15,16,及び
ダイオード17〜20は,絶縁油で充填され,且つ接地
された金属性の高電圧タンク5内に収容されている。第
4のダイオード20のカソードと接地間には,高電圧タ
ンク5の外で管電流検出回路9が接続されている。正極
出力とX線管8のアノードAは第1の高電圧ケーブル6
で,負極出力とX線管8のカソードKは第2の高電圧ケ
ーブル7で接続されており,これらの高電圧ケーブルは
ほぼ等しい長さを有する。第1の高電圧ケーブル6及び
第2の高電圧ケーブル7は,絶縁物を介して外被導体6
a,7aで被覆されており,外被導体6a,7aは高電
圧タンク5のケースを通して接地されている。6’,
7’はそれぞれ第1の高電圧ケーブル6及び第2の高電
圧ケーブル7の対地静電容量である。管電流検出回路9
は,第4のダイオード20のカソード電流が管電流に等
しいので,その電流を検出しており,検出電流を電圧に
変換する抵抗21,パルス成分を吸収するコンデンサ2
2,及びX線管8の短絡時等に発生する過大電流から管
電流検出回路9を保護する定電圧ダイオード23とから
なる。管電流検出回路9の出力は,電流・時間積(以下
mASという)制御回路24に伝達される。mAS制御
回路24は,積分器25及び比較器26からなる。
図であり,図3と同一機能のものには同一符号を付し
た。同図において,高周波インバータ2は,FET10
〜13からなるブリッジで構成され,各FET10〜1
3は,パルストランス等で絶縁されたインバータ制御回
路14によりパルス幅制御または周波数制御等の任意の
制御方法で制御される。高周波インバータ2の出力は,
高電圧トランス3の1次巻線N1に供給される。この高
電圧トランス3の2次巻線N2は単一であり,巻き始め
端子が接地されている。巻き終わり高電圧端子は,直列
接続された第1のコンデンサ15及び第2のコンデンサ
16の接続点に接続されている。一方,正極出力端子と
接地間に同極性に直列接続された第1のダイオード17
及び第2のダイオード18がカソード側を正極出力側に
して接続され,第1のダイオード17及び第2のダイオ
ード18の接続点に上記第1のコンデンサ15の他端が
接続されている。また,負極出力端子と接地間にも同極
性に直列接続された第3のダイオード19及び第4のダ
イオード20がアノード側を負極出力側にして接続さ
れ,第3のダイオード19及び第4のダイオード20の
接続点に上記第2のコンデンサ16の他端が接続されて
いる。高電圧トランス3,コンデンサ15,16,及び
ダイオード17〜20は,絶縁油で充填され,且つ接地
された金属性の高電圧タンク5内に収容されている。第
4のダイオード20のカソードと接地間には,高電圧タ
ンク5の外で管電流検出回路9が接続されている。正極
出力とX線管8のアノードAは第1の高電圧ケーブル6
で,負極出力とX線管8のカソードKは第2の高電圧ケ
ーブル7で接続されており,これらの高電圧ケーブルは
ほぼ等しい長さを有する。第1の高電圧ケーブル6及び
第2の高電圧ケーブル7は,絶縁物を介して外被導体6
a,7aで被覆されており,外被導体6a,7aは高電
圧タンク5のケースを通して接地されている。6’,
7’はそれぞれ第1の高電圧ケーブル6及び第2の高電
圧ケーブル7の対地静電容量である。管電流検出回路9
は,第4のダイオード20のカソード電流が管電流に等
しいので,その電流を検出しており,検出電流を電圧に
変換する抵抗21,パルス成分を吸収するコンデンサ2
2,及びX線管8の短絡時等に発生する過大電流から管
電流検出回路9を保護する定電圧ダイオード23とから
なる。管電流検出回路9の出力は,電流・時間積(以下
mASという)制御回路24に伝達される。mAS制御
回路24は,積分器25及び比較器26からなる。
【0007】この回路の動作を説明すると,直流電源1
から直流電圧を供給され,パルストランス等で絶縁され
たインバータ制御回路14によりFET10〜13がパ
ルス幅制御または周波数制御等の任意の制御方法で制御
されることにより発生する高周波インバータ2の高周波
出力電圧は,高電圧トランス3の1次巻線N1に供給さ
れる。ここで,一般的に用いられるX線用の第1の高電
圧ケーブル6及び第2の高電圧ケーブル7の対地静電容
量6’,7’を例えばm当たり100pFとすれば,ケ
ーブル長を各4mとして,第1の高電圧ケーブル6及び
第2の高電圧ケーブル7の対地静電容量6’,7’の値
はそれぞれ400pFとなる。高電圧トランス3の2次
巻線N2から第1の高電圧ケーブル6及び第2の高電圧
ケーブル7の対地静電容量6’,7’に至る回路構成
は,通常の電源回路に用いられる1段の半波倍電圧整流
回路を逆極性に対称接続したものとなる。従って,高電
圧トランス3の2次巻線N2に発生する電圧をEとすれ
ば,この2つの1段の倍電圧整流回路によって,高電圧
トランス3の2次巻線電圧Eは,+2E,−2Eに整流
され,X線管8に4Eの電圧を供給する。従って,2次
巻線電圧は,従来の1/2でよい。第1の高電圧ケーブ
ル6及び第2の高電圧ケーブル7の対地静電容量6’,
7’の中点は接地されているため,X線管8の各端子の
対地電位が管電圧の1/2であることにより,絶縁構造
上のメリットがある。つまり,例えば定格電圧125k
VのX線管を,正または負の片側接地で電源を構成する
と,125kVの絶縁構造が必要であるが,このような
中点接地であれば,62.5kVの絶縁構造でよい。絶
縁構造は,電圧の低減によって加速度的に容易となるの
で,電圧が1/2となる効果は大きい。また,X線管8
のアノード及びカソードに加わる対接地の高調波リプル
は,第1の高電圧ケーブル6及び第2の高電圧ケーブル
7の対地静電容量6’,7’のリプル電圧が高周波イン
バータ2の動作周波数と同じで,且つ互いに逆位相であ
ることから打ち消し合う。その結果,X線管8のアノー
ド・カソード間で見ると,リプル電圧は従来のブリッジ
整流の場合と同程度或いはそれ以下にすることができ
る。管電流検出回路9からの検出電圧は,mAS制御回
路24内の積分器25で積分され,mAS信号となる。
このmAS信号は,比較器26でmAS設定値と比較さ
れる。高周波インバータ2がオンして管電流が流れ始
め,mAS信号が上昇し,その設定値に達すると,イン
バータオフ信号が比較器26からインバータ制御回路1
4に伝達され,管電圧の供給を停止する。このようにし
て,X線爆射時間が自動的に決定される。尚,mAS制
御回路24の代わりに,管電流検出回路9により検出さ
れたX線管8の管電流を管電流設定値と比較し,その誤
差信号でX線管8のフィラメント電流を制御して管電流
を定電流制御することもできる。
から直流電圧を供給され,パルストランス等で絶縁され
たインバータ制御回路14によりFET10〜13がパ
ルス幅制御または周波数制御等の任意の制御方法で制御
されることにより発生する高周波インバータ2の高周波
出力電圧は,高電圧トランス3の1次巻線N1に供給さ
れる。ここで,一般的に用いられるX線用の第1の高電
圧ケーブル6及び第2の高電圧ケーブル7の対地静電容
量6’,7’を例えばm当たり100pFとすれば,ケ
ーブル長を各4mとして,第1の高電圧ケーブル6及び
第2の高電圧ケーブル7の対地静電容量6’,7’の値
はそれぞれ400pFとなる。高電圧トランス3の2次
巻線N2から第1の高電圧ケーブル6及び第2の高電圧
ケーブル7の対地静電容量6’,7’に至る回路構成
は,通常の電源回路に用いられる1段の半波倍電圧整流
回路を逆極性に対称接続したものとなる。従って,高電
圧トランス3の2次巻線N2に発生する電圧をEとすれ
ば,この2つの1段の倍電圧整流回路によって,高電圧
トランス3の2次巻線電圧Eは,+2E,−2Eに整流
され,X線管8に4Eの電圧を供給する。従って,2次
巻線電圧は,従来の1/2でよい。第1の高電圧ケーブ
ル6及び第2の高電圧ケーブル7の対地静電容量6’,
7’の中点は接地されているため,X線管8の各端子の
対地電位が管電圧の1/2であることにより,絶縁構造
上のメリットがある。つまり,例えば定格電圧125k
VのX線管を,正または負の片側接地で電源を構成する
と,125kVの絶縁構造が必要であるが,このような
中点接地であれば,62.5kVの絶縁構造でよい。絶
縁構造は,電圧の低減によって加速度的に容易となるの
で,電圧が1/2となる効果は大きい。また,X線管8
のアノード及びカソードに加わる対接地の高調波リプル
は,第1の高電圧ケーブル6及び第2の高電圧ケーブル
7の対地静電容量6’,7’のリプル電圧が高周波イン
バータ2の動作周波数と同じで,且つ互いに逆位相であ
ることから打ち消し合う。その結果,X線管8のアノー
ド・カソード間で見ると,リプル電圧は従来のブリッジ
整流の場合と同程度或いはそれ以下にすることができ
る。管電流検出回路9からの検出電圧は,mAS制御回
路24内の積分器25で積分され,mAS信号となる。
このmAS信号は,比較器26でmAS設定値と比較さ
れる。高周波インバータ2がオンして管電流が流れ始
め,mAS信号が上昇し,その設定値に達すると,イン
バータオフ信号が比較器26からインバータ制御回路1
4に伝達され,管電圧の供給を停止する。このようにし
て,X線爆射時間が自動的に決定される。尚,mAS制
御回路24の代わりに,管電流検出回路9により検出さ
れたX線管8の管電流を管電流設定値と比較し,その誤
差信号でX線管8のフィラメント電流を制御して管電流
を定電流制御することもできる。
【0008】図2は,本発明の他の一実施例を説明する
ための図である。図1の実施例が,第4のダイオード2
0のカソードと接地間に管電流検出回路9を接続して,
第4のダイオード20のカソード電流を検出しているの
に対して,この実施例は,第2のダイオード18のアノ
ードと接地間に管電流検出回路9を接続して,第2のダ
イオード18のアノード電流を検出するようにしたもの
である。尚,この場合は,検出電圧は接地に対して負極
性となる。第2のダイオード18のアノード電流もX線
管8の管電流に等しいので,この実施例においても図1
の実施例と同様に管電流検出回路9により,X線管8の
管電流を検出することができる。他は図1の実施例と同
様であり,同様の効果が得られる。
ための図である。図1の実施例が,第4のダイオード2
0のカソードと接地間に管電流検出回路9を接続して,
第4のダイオード20のカソード電流を検出しているの
に対して,この実施例は,第2のダイオード18のアノ
ードと接地間に管電流検出回路9を接続して,第2のダ
イオード18のアノード電流を検出するようにしたもの
である。尚,この場合は,検出電圧は接地に対して負極
性となる。第2のダイオード18のアノード電流もX線
管8の管電流に等しいので,この実施例においても図1
の実施例と同様に管電流検出回路9により,X線管8の
管電流を検出することができる。他は図1の実施例と同
様であり,同様の効果が得られる。
【0009】このようにこれらの実施例によれば,高電
圧ケーブル6,7の対地静電容量6’,7’を単にリプ
ル低減用フィルタとして利用するだけではなく,倍電圧
回路の構成要素としても利用しているので,高電圧発生
部の構成が単純化され,装置を小形化できると共に,経
済的である。また,これらの実施例においては,接地さ
れたダイオード20または18に流れる直流電流を検出
することによりX線管8の管電流を測定しているので,
従来のように高電圧トランス3の2次巻線の対地静電容
量の充放電電流が管電流検出回路9に流れないので,非
常に簡単な管電流検出回路9で以て管電流の正確な検出
が可能である。実験では,管電圧100kV,管電流1
00mAを出力するのに,20kHzの高周波インバー
タ2と,約25kVの2次巻線電圧を発生する高電圧ト
ランス3と,1000pF30kVの昇電圧用のコンデ
ンサ15,16と,耐電圧60kVの高電圧用のダイオ
ード4個17〜20と,正極用及び負極用各4mの高電
圧ケーブル6,7(各400pF)とにより,充分に実
用可能な出力特性を得ることができた。尚,これらの実
施例において,X線管電圧の高周波リプル電圧をさらに
低減する必要がある場合には,正極及び負極の出力端子
に高電圧ケーブル6,7の対地静電容量に対し比較的小
さい容量のコンデンサを付加してもよい。
圧ケーブル6,7の対地静電容量6’,7’を単にリプ
ル低減用フィルタとして利用するだけではなく,倍電圧
回路の構成要素としても利用しているので,高電圧発生
部の構成が単純化され,装置を小形化できると共に,経
済的である。また,これらの実施例においては,接地さ
れたダイオード20または18に流れる直流電流を検出
することによりX線管8の管電流を測定しているので,
従来のように高電圧トランス3の2次巻線の対地静電容
量の充放電電流が管電流検出回路9に流れないので,非
常に簡単な管電流検出回路9で以て管電流の正確な検出
が可能である。実験では,管電圧100kV,管電流1
00mAを出力するのに,20kHzの高周波インバー
タ2と,約25kVの2次巻線電圧を発生する高電圧ト
ランス3と,1000pF30kVの昇電圧用のコンデ
ンサ15,16と,耐電圧60kVの高電圧用のダイオ
ード4個17〜20と,正極用及び負極用各4mの高電
圧ケーブル6,7(各400pF)とにより,充分に実
用可能な出力特性を得ることができた。尚,これらの実
施例において,X線管電圧の高周波リプル電圧をさらに
低減する必要がある場合には,正極及び負極の出力端子
に高電圧ケーブル6,7の対地静電容量に対し比較的小
さい容量のコンデンサを付加してもよい。
【0010】
【発明の効果】本発明によれば,次のような効果が得ら
れる。 (1)高電圧ケーブルの対地静電容量を単にリプル低減
用フィルタとして利用するだけではなく,倍電圧回路の
構成要素としても利用しているので,高電圧発生部の構
成が単純化され,装置を小形化できると共に,経済的で
ある。 (2)接地されたダイオードに流れる直流電流を検出す
ることによりX線管の管電流を測定しているので,非常
に簡単な管電流検出回路で以て管電流の正確な検出が可
能である。
れる。 (1)高電圧ケーブルの対地静電容量を単にリプル低減
用フィルタとして利用するだけではなく,倍電圧回路の
構成要素としても利用しているので,高電圧発生部の構
成が単純化され,装置を小形化できると共に,経済的で
ある。 (2)接地されたダイオードに流れる直流電流を検出す
ることによりX線管の管電流を測定しているので,非常
に簡単な管電流検出回路で以て管電流の正確な検出が可
能である。
【図1】本発明の一実施例を説明するための図である。
【図2】本発明の他の一実施例を説明するための図であ
る。
る。
【図3】従来例を説明するための図である。
【符号の説明】 1…直流電源 2…高周波イン
バータ 3…高電圧トランス 4…高電圧ブリ
ッジ整流器 5…高電圧タンク 6…第1の高電
圧ケーブル 7…第2の高電圧ケーブル 6’…第1の高電圧ケーブル6の対地静電容量 7’…第2の高電圧ケーブル7の対地静電容量 8…X線管 9…管電流検出
回路 10〜13…FET 14…インバー
タ制御回路 15…第1のコンデンサ 16…第2のコ
ンデンサ 17…第1のダイオード 18…第2のダ
イオード 19…第3のダイオード 20…第4のダ
イオード 21…抵抗 22…コンデン
サ 23…定電圧ダイオード 24…mAS制
御回路 25…積分器 26…比較器
バータ 3…高電圧トランス 4…高電圧ブリ
ッジ整流器 5…高電圧タンク 6…第1の高電
圧ケーブル 7…第2の高電圧ケーブル 6’…第1の高電圧ケーブル6の対地静電容量 7’…第2の高電圧ケーブル7の対地静電容量 8…X線管 9…管電流検出
回路 10〜13…FET 14…インバー
タ制御回路 15…第1のコンデンサ 16…第2のコ
ンデンサ 17…第1のダイオード 18…第2のダ
イオード 19…第3のダイオード 20…第4のダ
イオード 21…抵抗 22…コンデン
サ 23…定電圧ダイオード 24…mAS制
御回路 25…積分器 26…比較器
Claims (3)
- 【請求項1】 高周波インバータを用い,正極及び負極
出力電圧の中性点が接地されたX線電源装置において, 上記高周波インバータにより駆動される1次巻線及び一
端が接地された単一の2次巻線からなる高電圧トランス
と, 直列接続され,その接続点が上記高電圧トランスの2次
巻線の他端に接続された第1及び第2のコンデンサと, 正極出力端子と接地間にカソード側を正極出力側にして
同極性に直列接続され,その接続点が上記第1のコンデ
ンサの他端に接続された第1及び第2のダイオードと, 負極出力端子と接地間にアノード側を負極出力側にして
同極性に直列接続され,その接続点が上記第2のコンデ
ンサの他端に接続された第3及び第4のダイオードと, 上記正極出力端子とX線管のアノード間に接続され,外
被導体が接地されていて対地静電容量を有する第1の高
電圧ケーブルと, 上記負極出力端子とX線管のカソード間に接続され,外
被導体が接地されていて対地静電容量を有する第2の高
電圧ケーブルとからなり,これら第1及び第2の高電圧
ケーブルが略等しい長さを有することを特徴とするX線
電源装置。 - 【請求項2】 上記第4のダイオードのカソードと接地
間に管電流検出回路が接続されていることを特徴とする
請求項1に記載のX線電源装置。 - 【請求項3】 上記第2のダイオードのアノードと接地
間に管電流検出回路が接続されていることを特徴とする
請求項1に記載のX線電源装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3159593A JP2631165B2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | X線電源装置 |
US07/737,746 US5187737A (en) | 1990-08-27 | 1991-07-30 | Power supply device for X-ray tube |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3159593A JP2631165B2 (ja) | 1991-06-04 | 1991-06-04 | X線電源装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04359677A JPH04359677A (ja) | 1992-12-11 |
JP2631165B2 true JP2631165B2 (ja) | 1997-07-16 |
Family
ID=15697097
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3159593A Expired - Fee Related JP2631165B2 (ja) | 1990-08-27 | 1991-06-04 | X線電源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2631165B2 (ja) |
Family Cites Families (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0665993B2 (ja) * | 1984-05-08 | 1994-08-24 | 株式会社日立メデイコ | X線装置の管電流検出回路 |
JPS6142900A (ja) * | 1984-08-01 | 1986-03-01 | Hitachi Medical Corp | X線発生装置 |
JPS6427198A (en) * | 1988-04-28 | 1989-01-30 | Toshiba Corp | X-ray equipment |
JPH03108298A (ja) * | 1989-09-22 | 1991-05-08 | Hitachi Medical Corp | インバータ式x線電源装置 |
-
1991
- 1991-06-04 JP JP3159593A patent/JP2631165B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04359677A (ja) | 1992-12-11 |
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Legal Events
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