JP2630654B2 - 四輪操舵装置 - Google Patents

四輪操舵装置

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JP2630654B2
JP2630654B2 JP1219873A JP21987389A JP2630654B2 JP 2630654 B2 JP2630654 B2 JP 2630654B2 JP 1219873 A JP1219873 A JP 1219873A JP 21987389 A JP21987389 A JP 21987389A JP 2630654 B2 JP2630654 B2 JP 2630654B2
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友幸 城戸
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
この発明は、自動車に装備される四輪操舵装置に関す
る。
【従来の技術】 操縦安定性を向上させるために、従来より四輪操舵装
置が種々提案されており、たとえば、車速に応じて転舵
比(前輪の転舵角に対する後輪の転舵角の比)を変化さ
せるようにした車速感応型の四輪操舵装置や、ステアリ
ングホイールの回転を機械的に後輪転舵機構に伝達し、
ステアリングの操舵角に応じて転舵比を変化させるよう
にしたいわゆる擬似車速感応型の四輪操舵装置などは良
く知られているところである。 これらは、低速旋回時、あるいはステアリングの操舵
角が大きくなる場合に、後輪を前輪と逆方向にすなわち
逆位相に転舵させ、中・高速旋回時、あるいはステアリ
ングの操舵角が小さい場合に、後輪を前輪と同方向にす
なわち同位相に転舵させるように構成される。低速でU
ターン等の旋回が行われる場合には、比較的大きな転舵
角で転舵される前輪に対して後輪を逆位相に転舵させる
ことで、車両の回転半径を小さくして小回り性を向上さ
せる。一方、中・高速域でレーンチェンジ等が行われる
場合には、ステアリングの操舵角が比較的小さく、この
ときに、後輪を前輪に対し同位相に転舵させることで、
遠心力に起因した車両の横すべりを抑制して走行安定性
を高めつつ、方向変換をすみやかに行わせることができ
る。
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車においてはサスペンションの懸架特
性等がステアリング特性や操縦安定性に大きな影響を及
ぼすが、上記のような従来の一般的な四輪操舵装置の場
合、上記懸架特性の変動を考慮することなく後輪の転舵
角が設定される。 ところが、最近の自動車では、乗り心地の向上等を図
るために、サスペンションバネに非線形ばねを用いた
り、ウレタン製の非線形特性を呈する補助ばねをストラ
ットクッションなどに用いて、サスペンションに非線形
のばね特性を積極的にもたせることが多くなっている。
このような自動車の場合、サスペンションのばね特性
が、積載荷重等の大きさによって変動し、またその変動
の程度も大きい。そのため、四輪操舵装置において、後
輪の転舵角、特に後輪の同位相方向の転舵角を設定する
にあたり、懸架特性の変動を無視することができなくな
っている。 すなわち、ばね定数はサスペンションのロール剛性に
影響し、ばね定数が大きくなると、これに伴いロール剛
性も高くなる。たとえば、後部座席にも乗車したりトラ
ンクに荷物を積み込んだりして車両の重心位置が後車軸
側に偏り、後車軸側にかかる荷重が一定の大きさ以上に
なってリヤサスペンションのばね定数が大きくなると、
それに伴いリヤサスペンションのロール剛性も高くな
る。ところが、リヤサスペンションのロール剛性が高く
なると、中・高速域での旋回走行時における後輪の横す
べりが大きくなる。この場合、後輪の転舵量が通常時と
同じであると、後輪の転舵量が不足し、車両の横すべり
を適切に抑制することができなくなる。そのため、四輪
操舵をもってしても、十分な操縦安定性を確保すること
ができなくなってしまうのである。 なお、従来では、たとえば特開昭62−199569号公報に
記載された四輪操舵装置がある。同公報に記載された四
輪操舵装置は、車両のロール角を検出することによっ
て、このロール角が所定値以下のときには、後輪を前輪
に対して逆位相にして、車体の回転性能を高める一方、
上記ロール角が所定値を超えると、後輪を前輪に対して
同位相として、車体の安定性を高めるように構成されて
いる。 しかしながら、この従来の四輪操舵装置は、車両のロ
ール角に基づいて後輪の位相を制御する手段に過ぎない
ために、非線形のばね特性をもったリヤサスペションを
備えた車両、すなわち、車両への乗車人数や荷物の積み
込み量によってばね定数が変化し、ロール剛性が変化す
る車両については、実際のロール剛性に適切に対処し得
る後輪ステア制御が難しいものとなっていた。すなわ
ち、上記公報に記載の四輪操舵装置は、いわば車両のロ
ール剛性が一定であることを前提とした上で、ロール角
に基づいて後輪を制御するものであり、車両の実際のロ
ール剛性が変化する車両については適正な制御が困難と
なっていた。 本願発明は、以上のような事情の下で考え出されたも
のであって、サスペンションのロール剛性の変動に応じ
て、後輪の転舵角を常に最適な大きさに設定できるよう
に構成した四輪操舵装置を提供することにより、四輪操
舵による操縦安定性の向上の度合いをより高め、かつ常
に一定した操縦安定性を確保しうるようにすることをそ
の目的とする。
【問題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的
手段を講じている。 すなわち、本願発明は、所定の条件下において前輪に
加えて後輪を所定方向に所定量転舵する四輪操舵装置で
あって、非線形のばね特性を持ったリヤサスペンション
を備えると共に、リヤサスペンションにかかる荷重変位
量から少なくともリヤサスペンションのロール剛性を算
出するロール剛性検出手段と、リヤサスペンションのロ
ール剛性が高くなるにつれて後輪の転舵角を同位相側に
大きくなるように補正する転舵角補正手段とを備えたこ
とを特徴としている。 なお、一般的な自動車において、積載荷重の変動は、
主にリヤサスペンションのロール剛性を変動させるの
で、基本的には、リヤサスペンションのロール剛性のみ
検出すれば十分である。
【発明の作用および効果】
先に述べたように、サスペンションのロール剛性の変
動は、操縦安定性に影響を与える。たとえば、リヤサス
ペンションのロール剛性が高くなると、中・高速域での
旋回走行時における後輪の横すべりが大きくなる。この
場合、操縦安定性を確保するためには、後輪の同位相方
向の転舵量を通常より大きくする必要がある。 本願発明の四輪操舵装置では、リヤサスペンションに
かかる荷重変位量からリヤサスペンションのロール剛性
を算出し、このロール剛性が高くなるにつれて後輪の転
舵角を同位相側に大きくなるように補正することができ
る。 したがって、後輪の転舵角、とくに同位相方向の転舵
角を、実際のロール剛性の大きさに対応した最適な大き
さに設定することができるので、リヤサスペンションの
ばね特性が非線形の車両であっても、安定した操縦安定
性を確保できるという効果が得られる。
【実施例の説明】
以下、本願発明の実施例を図面を参照しつつ具体的に
説明する。 第3図には、本例の四輪操舵装置の全体構成を概略的
に示した。 前輪転舵機構1には、一般的なものを用いることがで
き、本例の場合、ラック・ピニオン式のステアリングギ
ヤを装備している。これは、ステアリングシャフト2を
介して伝達されるステアリングホイール3の回転が、ギ
ヤボックス4内でラック杆5の車幅方向の動きに変換さ
れ、さらに、このラック杆5の動きがタイロッド6,6お
よびナックルアーム7,7を介して前輪8,8に伝達されて、
前輪8,8が所定方向に転舵されるように構成されてい
る。 一方、後輪転舵機構9には、本例の場合、カム機構を
利用して構成したものが装備されている。この後輪転舵
機構9は、ボデーフロア下面(図示略)等に固定支持さ
れるハウジング10内に、車両前後方向に延びるカムシャ
フト11の後端部に取付けられたカム板12と、このカム板
12を挟んでその両側に配置された回転ローラ状のカムフ
ォロア13,13を中間部に支持し、かつハウジング10に車
幅方向スライド可能に支持されたスライドバー14とを備
える。 上記カムシャフト11には、遊星歯車機構等からなる減
速機構15を介して電動モータ16が連結されており、この
電動モータ16により、上記カム板12が回転駆動される。
一方、上記スライドバー14は、カムフォロア支持部14a
と、このカムフォロア支持部14aの両端から車幅方向に
延び、かつハウジング10にスライド可能に支持される左
右一対のスライド軸部14b,14bとを備え、上記各スライ
ド軸部14b,14bの先端にそれぞれ、ナックルアーム18を
介して後輪19に連結されたタイロッド17が連結されてい
る。そして、カム板12が回転させられると、そのカム面
によって上記一対のカムフォロワ13,13の一方が車幅方
向所定の方向に押動されるとともに、これと同方向にス
ライドバー14が動かされて、これにより後輪19,19が転
舵される。 なお、本例において、上記カム板12は、第4図に示す
ように、略おむすび形状を呈するプロファイルに形成さ
れている。カム板12の外周面には、第4図(a)に示す
ような中立状態から所定角度回転したときに、第4図
(b)に示すように一方のカムフォロワ13を車幅方向に
押動する第一カム面12aと、さらに回転したときに、第
4図(c)に示すように他方のカムフォロア13を車幅方
向に押動する第二カム面12bとが、左右対称に形成され
ている。したがって、たとえば第一カム面12aによって
カムフォロア13を押動して後輪19を転舵する場合、その
転舵方向を前輪8,8と同方向に設定すると、第二カム面1
2bによってカムフォロア13を押動して後輪19を転舵する
場合のその転舵方向は、前輪8と逆方向になる。すなわ
ち、カム板12の回転角度が小さい範囲では、後輪19を前
輪8に対し同位相に転舵させ、カム板12の回転角度が所
定量以上になると、後輪19を前輪8に対し逆位相に転舵
させることができる。また、カム板12は、各カム面12a,
12bの回動軸心Oからの距離が回転角位置によって徐々
に変化するようにして形成してあるので、同じカム面で
カムフォロア13を押動する場合でも、カム体12の回転角
を変えることにより、カムフォロア13の押動量、すなわ
ち後輪19の転舵量を変化させることができる。 以上のような構成を備える後輪転舵機構9はマイクロ
コンピュータによって構成される制御装置20によって制
御される。 本例の場合、制御装置20は、旋回時等に理論上発生す
る横G(車両の重心点に作用する横加速度)を車速およ
びステアリングの操舵角からリアルタイムで演算し、そ
の横Gの大きさに応じて後輪の転舵角を決定する。中・
高速域での旋回やレーンチェンジの際の車両の横すべり
の大きさは、遠心力の大きさに応じて時々刻々変化し、
また遠心力の大きさも、車速、およびステアリングの操
舵角すなわち車両の旋回半径に応じて時々刻々変化す
る。そこで、車速およびステアリングの操舵角から横G
をリアルタイムで演算して、それに応じて後輪の転舵角
をきめることにより、後輪の転舵角を常に車両の横すべ
りを抑制するのに最適な大きさに設定できるからであ
る。 そして、本願発明では、たとえば上記のように横Gの
大きさに応じてきめる後輪19の転舵角を、サスペンショ
ンのロール剛性の変動に応じて補正する。サスペンショ
ンに非線形のばね特性をもたせることが多い最近の自動
車においては、乗車人数や荷物の積載状況の変化に伴い
積載荷重が変動しそれが一定の大きさ以上になると、サ
スペンションのばね定数が大きくなり、その結果、ロー
ル剛性が高くなる。たとえば、リヤサスペンションのロ
ール剛性が高くなった場合、中・高速旋回走行時におい
て、後輪の横すべりが大きくなり、この場合には、後輪
の同位相方向の転舵角を通常時より大きくしないと、十
分な操縦安定性を確保できない。そこで、ロール剛性の
変動に応じて後輪の転舵角を補正することにより、後輪
の転舵角を常に最適な大きさに設定しうるように構成す
る。 なお、制御装置20には、第1図および第3図に示すよ
うに、車速センサ21、ステアリングの操舵角を検出する
ステアリングセンサ22、フロントサスペンション部およ
びリヤサスペンション部にそれぞれ設けられた車高セン
サ23a,23b、電動モータ16の回転位置検出器24、およ
び、変速機(図示略)のシフトポジションを検出するシ
フトポジションセンサ30からの信号が、制御のための情
報として入力される。 また、制御装置20には、実質的にプログラムにより実
現される次の各手段が形成されている。 その第一は、車速センサ21およびステアリングセンサ
22からの情報に基づいて、旋回時等に理論上発生する横
Gを演算する横G演算手段25である。 横Gは、前輪8の中立位置からの舵角(θ)と車速
(V)の関数として近似的に次式(1)で表すことがで
き、横G演算手段25は次式(1)を用いて旋回中に発生
する横Gをリアルタイムで演算する。 G=β・θ・(V2/l)/(1+α・V2) …(1) なお、lはホイールベースの大きさ、α,βは補正係
数である。また、前輪8の舵角(θ)は、ステアリング
の操舵角をオーバーオールステアリンギヤ比で除するこ
とにより求めることができる。 その第二は、上記横G演算手段25によって求められた
横Gの大きさに応じて、また、上記ステアリングセンサ
22およびシフトポジションセンサ30からの制御情報を受
けて、後輪19を転舵すべき方向およびその転舵量を決定
する後輪転舵角決定手段26である。 その第三は、後輪転舵角決定手段26から受けた後輪転
舵情報に基づいて、カム板12を回転させるべき方向およ
びその回転量を決定し、かつ上記回転位置検出器24から
のフィードバック信号を受けて、モータ駆動回路16aを
制御するモータ制御手段27であり、これは、後輪19を後
輪転舵角決定手段26によって決定された目標転舵角を転
舵させるように、電動モータ16の回転を制御する。 その第四は、上記車高センサ23a,23bの検出情報に基
づいて、前後のサスペンションの各ロール剛性を検出す
るロール剛性検出手段26である。 制御装置20には、たとえば第6図および第7図に示す
ような、前後の各サスペンションのばね特性線図のデー
タテーブルがメモリされており、このデータテーブルに
基づいて、上記車高センサ23a,23bの検出値から、ばね
のたわみ量を求め、さらにそのたわみ量におけるばね定
数を計算して、このばね定数からサスペンションのロー
ル剛性を演算する。 なお、ばね定数は、上記ばね特性線図における傾きで
ある。また、ロール剛性KRは、次の関係式より求めるこ
とができる。 KR=M/θ=K・D2/2 …(2) ここで、Mはローリングモーメント、θはロール
角、Kはばね定数、Dは左右のサスペンションバネの中
心間距離である(第5図参照)。なお、上記関係式
(2)は、車軸式サスペンションの場合の関係式であ
り、独立懸架式サスペンションの場合は、上記Dをホイ
ールトレッドに置き換える。 また、上記各車高センサ23a,23bは、積載荷重変動時
のサスペンションアームの上下方向の変位量やショック
アブソーバの弾性圧縮量等を検出する公知のものを使用
することができ、その検出結果から、前後車軸にかかる
各分担荷重を検出して、これにより、上記ばね特性線図
に基づいてばねのたわみ量を求めることができる。 なお、本例においては、このように車高センサの検出
結果から、ばね定数を算出して、このばね定数からロー
ル剛性を演算するようにしているが、ばねのたわみ量に
対応したロール剛性の値自体をメモリしておくようにし
てもよい。 さらに、その第五の手段は、上記ロール剛性の大きさ
に応じて、上記関係式(1)における補正係数βの値を
補正する転舵角補正手段29である。上記補正係数βの値
を変えることにより、後輪の転舵角をきめる基準となる
上記横Gの演算値を増減させることができるので、結果
的に、後輪19の転舵角をロール剛性の大きさに応じて増
減させることができる。たとえばフロントサスペンショ
ンのロール剛性が基準値であって、リヤサスペンション
のロール剛性が基準値より大きくなった場合には、上記
補正係数βをこれが基準値より大きくなるように所定の
割合で補正する。これにより、実際の横Gより大きな上
記横Gの演算値を得て、後輪の転舵角をプラス側に補正
することができる。また、フロントサスペンションのロ
ール剛性が基準値より大きく、一方リヤサスペンション
のロール剛性が基準値であるような場合には、上記補正
係数βをこれが基準値より小さくなるように補正して、
これにより、後輪の転舵角を小さくする。 なお、本例において、後輪転舵角決定手段26が上記横
Gの大きさに応じて決定する後輪転舵角は、使用頻度が
高い前席1名または2名乗車の状態でのロール剛性を基
準にして設定する。したがって、後部座席にも乗車した
りトランクに荷物を積み込んだりして車両の重心位置が
後方に偏り、その結果、後車軸にかかる荷重が一定の大
きさ以上になって、リヤサスペンションのばね定数およ
びロール剛性が大きくなった場合には、上述のように通
常時より大きな横Gの演算値を得ることができるように
構成することにより、後輪の転舵角をロール剛性の大き
さに対応した値に設定できる。 また、上記転舵角補正手段29は、後輪19が前輪8に対
し同位相に転舵されるときのみ機能するように構成すれ
ばよい。後輪19が逆位相方向に転舵される低速旋回時に
おいてはロール剛性の変動をあまり考慮する必要はな
く、ロール剛性の変動は、主に遠心力の影響を強く受け
る中・高速時での旋回走行に影響を与えるからである。 また、上記実施例では、後輪の転舵角をロール剛性の
変動に応じてより最適な大きさに設定できるように、フ
ロントサスペンションのロール剛性をも検出し、かつこ
のロール剛性の変動をも加味して、後輪の転舵角を補正
するようにしている。しかしながら、一般的な自動車に
おいては、乗車人数や荷物の積載状況の変化に伴う積載
荷重の変動を、主にリヤサスペンション側のばね定数お
よびロール剛性に影響するので、基本的には、リヤサス
ペンションのロール剛性の変動のみに応じて後輪の転舵
角を補正するようにすれば十分である。 次に、以上の構成を備える本例の四輪操舵装置におけ
る後輪の転舵制御の一例を、第2図のフローチャートを
参照しながら説明する。 イグニションスイッチを入れ、エンジンをかけると、
上記制御装置20のマイクロコンピュータがイニシャライ
ズされ、これにより、後輪19の制御に必要な信号の読み
取りが行われるわけであるが、本例の場合、ロール剛性
の検出および後輪転舵角の補正係数の決定は、変速機の
シフトレバーが前進段1速あるいはリバースレンジにシ
フトされるまでは行われない(S101、S102)。シフトポ
ジションがニュートラル等である場合には、まだ人が乗
り込んだり荷物が積み込まれたりすることがあるので、
最終的なロール剛性の変動を検出しうるように、エンジ
ンをかけた後シフトレバーが前進段1速(いわゆるオー
トマッチック車にあってはDレンジ)またはリバースレ
ンジにシフトされて発進するときに、ロール剛性の検出
を行うのである。 シフトポジションが前進段1速またはリバースになる
と(S102でYES)、上記前後の車高センサ23a,23bによ
り、車高検出、言い換えると前後車軸にかかる各分担荷
重の検出が行われ(S103)、その検出結果等に基づき、
ロール剛性検出手段28が、そのときの積載荷重に対応し
たロール剛性を算出する(S104)。そして、ロール剛性
の大きさに応じて、転舵角補正手段29が、上記の横Gの
演算式(1)における補正係数βの値を決定する(S10
5)。たとえば、積載荷重の変動によりリヤサスペンシ
ョンのばね定数およびロール剛性が大きくなった場合、
上記補正係数βを大きくして、実際に発生する横Gより
も大きな横Gの演算値を得る。すなわち、旋回時に大き
な横Gが発生すると擬制して、後輪の同位相方向の転舵
角を通常時より大きくする。これにより、後輪の転舵角
を、ロール剛性に応じた最適な大きさ、すなわち通常時
より大きくなる車両の横すべりを適切に抑制しうる大き
さに設定することができる。 走行時においては、車速情報およびステアリングの操
舵角情報(S106,S107)から、そして上記のようにして
決定された補正係数βに基づいて、旋回時等に発生する
横Gがリアルタイムで算出される(S108)。そして、こ
の横Gの大きさ等に応じて、後輪19が所定方向に所定量
転舵される。なお、上述したように、後輪21を転舵する
にあたっては、横Gの大きさ、ステアリングの操舵角、
および変速機のシフトポジションに基づいて、後輪転舵
角決定手段26が後輪19の転舵方向および転舵角を決定す
る。そして、これに基づき、モータ制御手段27が電動モ
ータ16の駆動を制御し、これにより、後輪19を所定方向
に所定量転舵させるように、上記カム板12が回転させら
れる。 横Gの大きさが0.1G以下であって(S109でYES,S110で
YES)、シフトポジションが前進段1速あるいはリバー
スであり(S111でYES)、かつステアリングの操舵角が
所定量(たとえば240゜)以上である場合には(S112でY
ES)、後輪19を前輪に対し逆位相に転舵する(S113)。
このように、横Gが小さく、また変速機のシフトポジシ
ョンが前進段1速またはリバースであり、かつステアリ
ングが比較的大きく切られる場合は、概して低速時にお
いてUターン等の旋回を行う場合であり、このときに後
輪19を逆位相方向に転舵させることにより、車両の回転
半径を小さくして小回り性を向上させることができる。
またこの場合、後輪19の転舵角をステアリングの操舵角
に応じて増減させる。そうすることにより、ドライバの
運転感覚と車両の挙動とを合致させて、ステアリングの
操舵フィーリングを向上させることができる。 一方、横Gの大きさがそれほど小さくもなくまたそれ
ほど大きくもない場合(S110でNO)、横Gの大きさは所
定値以下であるがシフトポジションが前進段1速および
リバース以外である場合(S111でNO)、および、横Gの
大きさが所定値以下であり、かつシフトポジションは前
進段1速あるいはリバースであるが、ステアリングの操
舵角が所定値よりも小さい場合(S112でNO)には、後輪
19は転舵しない(S114)。このような場合は、むしろ後
輪19を転舵しないほうが、操縦性が安定するからであ
る。 また、横Gの大きさが所定値より大きい場合は(S109
でNO)、後輪19は前輪に対し同位相に転舵される。横G
の大きさが比較的大きくなる場合は、概して中・高速域
においてレーンチェンジや旋回を行う場合であり、この
ときに後輪19を同位相方向に転舵させることにより、車
両の横すべりを抑制し、かつすみやかな方向転換を可能
として、操縦安定性を向上させることができる。なおこ
の場合、横Gの大きさに応じて(S115,S117,S119)、後
輪21の同位相方向の転舵量も制御される(S116,S118,S1
20,S121)。横Gが大きくなるほど車両の横すべりの傾
向も強くなるので、横Gの大きさに応じて後輪19の転舵
量を増減させる必要がある。また、このように後輪19を
同位相方向に転舵するにあたっては、上述したように、
その転舵角が、ロール剛性の変動に応じて補正される。
たとえば、積載荷重の変動によりリヤサスペンションの
ロール剛性が大きくなった場合には、これに応じて後輪
の同位相方向の転舵角が基準値よりも大きくなるように
補正される。これにより、中・高速旋回時において通常
時より大きくなる車両の横すべりを適切に抑制すること
ができる。 以上のように、本例では、後輪の転舵角を走行時に発
生する横Gの大きさに応じて決定するようにしているの
で、後輪の転舵角を走行状況に応じた最適な大きさに設
定することができるとともに、このように横Gの大きさ
に応じてきめる後輪の転舵角を、さらにロール剛性の変
動に応じて補正するようにしていることから、後輪の転
舵角を、ロール剛性の変動に影響されることなく、常に
車両の横すべりを適切に抑制しうる最適な大きさに設定
しうる。したがって、常に一定した操縦安定性を確保で
きるとともに、四輪操舵による操縦安定性の向上の度合
いを著しく高めることができる。 ところで、本願発明の範囲は、上述した実施例に限定
されるものではない。 たとえば、上記実施例では、横Gの演算式における補
正係数の値を変えることにより、後輪の転舵角をロール
剛性の変動に応じて増減させるようにしていたが、後輪
の転舵角自体を直接補正するようにしてもよいことはも
ちろんである。 さらに四輪操舵装置の構造が上記実施例で示したもの
に限定されるものでないこともいうまでもなく、たとえ
ば後輪転舵機構を油圧アクチューエータで駆動するタイ
プの四輪操舵装置にも本願発明は問題なく適用できる。
【図面の簡単な説明】 第1図は本願発明の実施例に係る四輪操舵装置の制御ブ
ロック図、第2図は実施例に係る四輪操舵装置の制御の
流れを説明するフローチャート、第3図は実施例に係る
四輪操舵装置の全体構成図、第4図は実施例に係る四輪
操舵装置の後輪転舵機構の構成部品であるカム板および
カムフォロアを第3図のIV矢視方向から見た図、第5図
は車軸式サスペンションを自動車の後方から見てこれを
模式的に示した図、第6図はフロントサスペンションに
おけるばね特性線図の一例、第7図はリヤサスペンショ
ンにおけるばね特性線図の一例である。 8……前輪、19……後輪、28……ロール剛性検出手段、
29……転舵角補正手段。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の条件下において前輪に加えて後輪を
    所定方向に所定量転舵する四輪操舵装置であって、 非線形のばね特性を持ったリヤサスペンションを備える
    と共に、リヤサスペンションにかかる荷重変位量から少
    なくともリヤサスペンションのロール剛性を算出するロ
    ール剛性検出手段と、リヤサスペンションのロール剛性
    が高くなるにつれて後輪の転舵角を同位相側に大きくな
    るように補正する転舵角補正手段とを備えたことを特徴
    とする、四輪操舵装置。
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