JP2630420B2 - 脈動する液体流用の減衰素子 - Google Patents

脈動する液体流用の減衰素子

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、入口開口からケース内部へ延びる閉じた流
れ通路を待ち、自動車の内燃機関用燃料供給系に生ずる
圧力振動を平滑化及び減少するため、入口開口及び出口
開口を持つケースに組込まれる、脈動する液体流用の減
衰素子に関する。
〔従来の技術〕
脈動する液体流用のこのような減衰素子はドイツ連邦
共和国特許出願公開第3421007号明細書から公知であ
り、脈動又は騒音の減衰のため燃料導管フイルタのケー
スへ組込まれている。減衰素子はほぼらせん状に延びる
管の形の流れ通路を含み、この管はほぼ360゜の角にわ
たつて湾曲している。液体脈動の減少は、ここでは流れ
の転向により、また主として流れ通路の振動する壁が外
側に隣接する液体により減衰せしめられることによつて
行なわれる。この減衰素子は簡単にこじんまり構成され
るが、この減衰効果が限られているので、一連の使用事
例において振動減衰についての高度の要求に充分応じて
はいない。更に減衰素子は非常に長い個々の通路により
動作するので、減衰素子従つてフイルタにおける流通抵
抗の望ましくない増大のおこる可能性がある。
更にドイツ連邦共和国特許出願公告第2725787号明細
書から、ケース内に減衰素子を設けられた液体フイルタ
が公知であり、減衰手段としてばね荷重を受ける膜が設
けられて、流入する液体流に直接対向している。それに
より良好な減衰特性は得られるが、特にばねが密封され
てガスを満たされる空間内になければならないので、減
衰素子は比較的多額の費用を必要とする。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の課題は、充分な減衰特性を持つ簡単でこじん
まりした安価な減衰素子を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
この課題を解決するために本発明によれば、少なくと
も1つの第2の流れ通路が、第1の流れ通路に対して並
列に入口開口とケースの内部空間との間に接続され、流
れ通路がほぼ直線状に延びている。
〔発明の効果〕
本発明による減衰素子は、簡単かつこじんまりした構
造を維持しながら液体振動の効果的な減衰が可能とな
り、従つて自動車の内燃機関用の燃料供給系の騒音が著
しく減少せしめられる。液体振動の減少は、並列接続さ
れて直線状に延びる比較的短い複数の流れ通路により行
なわれ、これらの流れ通路は到来した脈動する液体流を
分割し、転向し、異なる流速及び容積流量を持つ部分流
に分解して、比較的小さい流通抵抗にもかかわらず、有
効な振動減少従つて騒音の減衰を可能にする。減衰素子
は安価に製造可能で、その場所を節約する構造により特
に導管フイルタ構造の液体フイルタに設けるのに適して
いる。
従属請求項にあげた手段により、請求項1に示した減
衰素子の有利な発展と改良が可能である。減衰素子が請
求項2ないし4による構成されていると、減衰素子の効
果が特に有利な影響を受ける。請求項5による構成は、
請求項1ないし4の特徴と共に、最適な減衰効果が得ら
れる特に有利な組合わせを生ずる。減衰素子が液体フイ
ルタに使用されていると、請求項8及び9による構成は
特に適切である。即ちその場所を節約する構造により、
減衰素子をフイルタケースとフイルタ素子との間に容易
に設けることができる。それ以外の有利な構成は、特に
簡単かつ安価な構造と有利な振動減少を助長する他の請
求項から生ずる。
〔実施例〕
第1図は液体フイルタ10の部分的縦断面を示し、この
フイルタのケース11は互いに対向する端面12及び13に入
口開口14及び出口開口15を持つている。
ケース11はその内部空間16にフイルタ素子17を収容
し、このフイルタ素子はここでは中心管18を持ち液体流
を軸線方向に通される巻きフイルタ素子として構成され
ている。内部空間16においてケース11の端面12とフイル
タ素子17の端面19との間に減衰素子21が設けられて、流
れに関して液体フイルタ10の入口側で入口開口14とフイ
ルタ素子17との間に接続されている。
減衰素子21はコツプ状蓋22を含み、この蓋の外周面23
には半径方向外方へ突出する4つの管片24ないし27が一
体に形成されている。4つの管片24ないし27は同じ半径
面内にあつて、それぞれ直線状に延びる貫通孔として構
成される流れ通路28ないし31を持つている。
第2図に更に示すように、4つの管片24ないし27は異
なる長さに構成され、その長さは第1の管片24から第4
の管片27まで反時計方向に均一に減少している。それに
応じて流れ通路の長さも第1の流れ通路28から第4の流
れ通路31へ均一に減少している。更に流れ通路28ないし
31の流通断面も異なるように選ばれ、第1の流れ通路28
が最大の断面を持ち、断面が第4の流れ通路31の最小断
面まで規則的に減少している。減衰素子21のコツプ状蓋
22は同時に中心管18用の密封閉鎖蓋として構成され、こ
うして入口開口14に近くで対向する入口室33を形成し、
この入口室から4つの流れ通路28ないし31が、ケース11
の端面12とフイルタ素子17の端面19との間に構成される
流入室34へ星状に通じている。ケース11と減衰素子21と
の間に設けられる密封環35は、入口室33を流入室34から
分離している。同時にこの密封環35は、振動が減衰素子
21からケース11へ伝わるのを少なくしている。
自動車の内燃機関用の燃料供給系の運転の際、浄化す
べき液体流は入口開口14から液体フイルタ10へ供給され
る。燃料は続いて減衰素子21及びフイルタ素子17を通
り、出口開口15を経て更に流れる。主として電気燃料ポ
ンプに基因して振動する脈動する液体流は、並列接続さ
れている4つの流れ通路28ないし31を通る際、液体振動
を著しく減少せしめられ、生ずる騒音もそれにより減少
する。その際流れ通路28ないし31は並列接続される絞り
のように動作して、圧力振動の減少を行なう。流れ通路
の数、位置、流さ及び断面の大きさを互いに整合させる
ことによつて、減衰素子21の振動減衰効果を特に有害な
振動数範囲へ有利に向けることができる。中心管18とケ
ース端面12との間に減衰素子21を構成しかつ支持するこ
とによつて、減衰素子21からケース11への有害な振動伝
達が大幅に抑制される。簡単かつ安価に構成される減衰
素子21は、その場所を節約する構造により、液体フイル
タ10の流入室34内へ簡単に収容される。
第3図は液体フイルタ42へ組込まれる第2の減衰素子
41の縦断面を示し、この減衰素子は第1図による構造に
対して次のように相違し、同じ部分には同じ符号を付け
てある。
この第2の減衰素子41はほぼスリーブ状の挿入部材43
を持ち、この挿入部材は中心管18の開放端へフランジ44
が当るまではめられている。挿入部材43の内側端面に
は、異なる長さの2つの管片45,46が一体に形成され
て、互いにかつ液体フイルタ42の縦軸線に対して平行に
延びている。
両方の管片45,46は挿入部材43と共に2つの流れ通路4
7,48を持ち、これらの流れ通路は、挿入部材43の他方の
端面で半径方向に延びる開口49を経て、液体フイルタ42
の流入室34に接続されている。第2の減衰素子41は、中
心管18内に設けられる隔壁51と共に、今や中心管18事態
の中に構成される入口室33を区画し、この入口室がケー
スに固定されて挿入部材43へ入り込む管片52を介して、
入口開口14に接続されている。
第2の減衰素子41を矢印Aの方向に見た第4図に示す
ように、両方の流れ通路47,48は管片52と同じ面内にあ
る。
運転中に到来した脈動する液体流は、管片52を経て直
ちに入口室33へ導かれ、この入口室からほぼ直線状に延
びる流れ通路47,48を経て流入室34へ流れる。到来する
液体振動は、転向を伴つて絞り作用する流れ通路47,48
を燃料が通る際、著しく減少せしめられる。液体振動が
絞られることなく入ることができる比較的大きい入口室
33の構成は、中心管18において騒音減衰作用を助長す
る。第2の減衰素子41は中心管18内で使用可能な空間を
特に有利に利用し、従つてフイルタ素子を巻きフイルタ
素子として構成されている液体フイルタに特に有利に適
している。
本発明の思想から逸脱することなく、図示した実施例
の変更がもちろん可能である。例えば並列接続される流
れ通路の数、その異なる長さ及びその流通断面を、その
つどの条件に合わせることができる。管片も周囲にわた
つて不均一に減衰素子に分布させることができる。管片
上に短いゴムホースをはめて、減衰効果を更に強めるこ
とも可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は減衰素子を組込まれた液体フイルタの一部を縦
断した図、第2図は第1図のII−II線による横断面図、
第3図は同様に液体フイルタに組込まれた第2の減衰素
子の縦断面図、第4図は第3図による減衰素子を矢印A
の方向に見た図である。 10,42……液体フイルタ、11……ケース、14……入口開
口、15……出口開口、16……内部空間、21,41……減衰
素子、28〜31,47,48……流れ通路。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】入口開口からケース内部へ延びる閉じた流
    れ通路を持ち、自動車の内燃機関用燃料供給系に生ずる
    圧力振動を平滑化及び減少するため、入口開口及び出口
    開口を持つケースに組込まれるものにおいて、少なくと
    も1つの第2の流れ通路(29,30;31;48)が、第1の流
    れ通路(28;47)に対して並列に入口開口(14)とケー
    ス(11)の内部空間(16)との間に接続され、流れ通路
    (28ないし31;47,48)がほぼ直線状に延びていることを
    特徴とする、脈動する液体流用の減衰素子。
  2. 【請求項2】4つの流れ通路(28ないし31)が設けられ
    ていることを特徴とする、請求項1に記載の減衰素子。
  3. 【請求項3】流れ通路(28ないし31;47,48)が互いに異
    なる長さであることを特徴とする、請求項1又は2に記
    載の減衰素子。
  4. 【請求項4】流れ通路(28ないし31;47,48)の断面が異
    なる大きさであり、最も大きい断面が最も長い流れ通路
    (28)に属していることを特徴とする、請求項1ないし
    3の1つに記載の減衰素子。
  5. 【請求項5】減衰素子がコツプ状蓋(22)を含み、その
    周面(23)から管片(24ないし27)が星状に外方へ突出
    し、それぞれ流れ通路(28ないし31)を持つていること
    を特徴とする、請求項1ないし4の1つに記載の減衰素
    子。
  6. 【請求項6】4つの管片(24ないし27)が設けられて、
    特に片持ち的に内部空間(16)へ突出していることを特
    徴とする、請求項5に記載の減衰素子。
  7. 【請求項7】減衰素子がスリーブ状挿入部材(43)を持
    ち、この挿入部材の一方の端面から互いにかつ挿入部材
    (43)の縦軸線に対して平行に延びる管片(45,46)が
    出て流れ通路(47,48)を持ち、これらの流れ通路が挿
    入部材の他方の端面で半径方向に延びる開口(49)に終
    つていることを特徴とする、請求項1ないし4の1つに
    記載の減衰素子。
  8. 【請求項8】ケース(11)が液体フイルタ(10)の一部
    であり、その互いに対向する端面(12,13)に入口開口
    (14)及び出口開口(15)が設けられ、このケースの内
    部にフイルタ素子(17)が収容されていることを特徴と
    する、請求項1ないし7の1つに記載の減衰素子。
  9. 【請求項9】減衰素子(21)の流れ通路(28ないし31)
    が、ケース(11)の端面(12)とフイルタ素子(17)の
    端面(19)との間に範囲特にケースの入口側(14)に設
    けられていることを特徴とする、請求項8に記載の減衰
    素子。
  10. 【請求項10】フイルタ素子(17)が軸線方向に液体流
    を通され、かつ中心管(18)を持つていることを特徴と
    する、請求項7ないし9の1つに記載の減衰素子。
  11. 【請求項11】減衰素子(21)が中心管(18)の閉鎖蓋
    (22)に一体化されていることを特徴とする、請求項10
    に記載の減衰素子。
  12. 【請求項12】減衰素子の軸線方向に延びる管片(45,4
    6)が中心管(18)へ入り込み、中心管(18)が管片(4
    5,46)から離れた所に隔壁(51)を持ち、この隔壁が減
    衰素子(41)と共に入口開口(14)に接続される入口室
    (33)を区画していることを特徴とする、請求項7又は
    10に記載の減衰素子。
  13. 【請求項13】減衰素子(21,41)が密閉環(35)を介
    してケース(11)に支えられていることを特徴とする、
    請求項1ないし12の1つに記載の減衰素子。
  14. 【請求項14】管片(24ないし27)の流れ通路を延長す
    る短いホース片が管片(24ないし27;45,46)上へはめら
    れていることを特徴とする、請求項6ないし13の1つに
    記載の減衰素子。
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