JP2629419B2 - 密閉型回転式圧縮機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、密閉型回転式圧縮機に関するものである。

従来の技術 近年圧縮機の高信頼性、高効率化を達成するために、
密閉型回転式圧縮機の油分離装置は重要になってきてい
る。

以下図面を参照しながら上述した従来の密閉型回転式
圧縮機の油分離装置に関する一例について説明する。

第６図は、従来の密閉型圧縮機の油分離装置を示すも
のである。

第６図において、密閉容器１内にシリンダ２、ピスト
ン３、偏心部を有するシャフト４、高圧側と低圧側を分
離するブレード５、シャフト４を支える上部端板６、下
部端板７の圧縮要素８と、その上部に電動機要素９を構
成する回転子10、固定子11を有し、前記回転子９の上部
に回転板12が固定されている。前記圧縮機構部は、潤滑
油13で満たされている。

まず電動機要素８により回転運動を与えられたシャフ
ト４が偏心部のカム運動により冷媒ガスを圧縮し、吐出
孔14より密閉容器１内に放出され、密閉容器１と固定子
11の隙間15と回転子12と固定子11の隙間16を通り、吐出
管17より冷凍サイクル中へ冷媒ガスを送り出す。

しかし、この際にシャフト４の下部に設けられている
オイルポンプ18のヘッドによりシャフト４の穴19を通り
シャフト４上部まで押しあげられる潤滑油13とブレード
５の摺動運動や冷凍ガスが潤滑油13の表面をその流速に
より乱すことによって潤滑油13が冷媒ガスと共に、吐出
管17より冷凍サイクル中に放出される。

従来の油分離装置は、シャフト穴19から放出される潤
滑油13を分離する目的で取り付けられた回転板12が一般
的である。

発明が解決しようとする課題 しかし、上記の様な構成では、ブレード５による撹拌
や冷媒ガスの流速により舞い上がった潤滑油13を圧縮ガ
スが運んでいき吐出管17より放出される分に対しては、
何ら対策が講じられていないとう課題を有していた。

本発明は、上記理由による潤滑油13の冷凍サイクル中
への放出を最小限に少なくし密閉容器１内の潤滑油13の
減少を防ぎ、圧縮機の高信頼性化を図り、また冷凍サイ
クルの熱交換能力を向上させ、冷凍サイクルの効率向上
を提供するものである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために、本発明の密閉型回転式圧
縮機は、回転板の上部に、トンネル状の羽根を設け、吐
出管の密閉容器内側の開口端を回転板上面中心から前記
トンネル状の羽根の上端の範囲に位置するように配設さ
せたものである。

作用 本発明は、上記の構成によって、潤滑油13がブレード
の摺動や圧縮ガスの流速により舞い上がり、吐出管から
冷凍サイクルへ放出されるのを最小限にすることができ
るものである。

実施例 以下本発明の一実施例の密閉型回転圧縮機について、
図を参照しながら説明する。

第１図は、本発明の実施例における圧縮機の断面図で
あり、第２図は、圧縮機上部の拡大図、第３図は第２図
の矢視図Ａ−Ａ、そして第４図は本特許請求の範囲第２
項の一実施例の矢視図Ａ−Ａを示したものである。第５
図は回転板12、羽根20、吐出管17と冷媒ガスおよび潤滑
油13の流れを示したものである。その基本構成及び動作
原理については、第６図で説明した従来のものと実質的
に同一であるので、同一の参照番号を付すことにより説
明を省略する。

ただし、回転板12の上に、トンネル状の羽根20を設
け、さらに吐出管17の密閉容器１内側の開口端21を回転
板12の上面から羽根20の上端までの範囲に配設した構成
としたものである。

以上のように構成した圧縮機において、第５図に示す
とおりブレード５の撹拌や圧縮ガスの流速により舞い上
げられた潤滑油13は、回転板12の回転により羽根20の外
側にあるものは羽根20の回転により羽根の外側に流さ
れ、羽根の内側から吐出管へ流れようとする潤滑油は、
羽根の回転により、羽根の内壁に衝突し遠心力により羽
根の外側へ飛ばされる。

第４図に示すように、回転軸の上面から見た場合羽根
が回転方向と逆方向に回転軸の内側から外側に向い曲率
をもつ場合、上記の効果に加え回転子10の回転抵抗を下
げることができる。

発明の効果 以上説明したように、本発明の密閉型回転式圧縮機で
は、回転子の上部の回転板上にトンネル状の羽根を有
し、吐出管の開口端を回転板の上面から羽根内面の回転
軸方向に位置させることにより、圧縮ガス中に含まれる
潤滑油を分離し、圧縮ガスとともに冷凍サイクル中へ放
出する潤滑油を低減させ密閉容器内部の潤滑油量を安定
に保ち、圧縮機の信頼性を向上させ、冷凍サイクルの熱
交換能力の向上を図り冷凍サイクルの高効率化を可能と
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における圧縮機の縦断面図、
第２図は同圧縮機における上部空間の拡大図、第３図は
第２図のＡ−Ａ矢視図、第４図は本発明の他の実施例の
回転板の平面図、第５図は同回転板付近の潤滑油の流れ
を示す斜視図、第６図は従来の密閉型回転式圧縮機を示
す縦断面図である。 １……密閉容器、４……シャフト、８……圧縮要素、９
……電動機要素、10……回転子、12……回転板、13……
潤滑油、17……吐出管、20……羽根、21……開口端。

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】潤滑油を貯留した密閉容器内に、電動機要
   素を配設すると共に、この電動機要素に駆動される圧縮
   要素を前記潤滑油に浸して配設し、シャフトまたは電動
   機回転子上部に回転板を設け、さらに回転板にトンネル
   状の羽根を設けるとともに、吐出管の密閉容器側の開口
   端を回転板上面中心部より、前記トンネル状羽根部の上
   端までの間に配設したことを特徴とする密閉型回転式圧
   縮機。
2. 【請求項２】回転軸の上面から見た場合、羽根が回転軸
   の内側から外側に向かって回転方向と逆方向に曲率をも
   つ請求項１記載の密閉型回転式圧縮機。