JP2629305B2 - 燃焼機器の安全装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、ガス・石油などの燃焼機器における安全装
置に関するものである。

従来の技術 近年、燃焼機器は小型化の傾向にあり、燃焼方式も変
化している。強制ファンによる強制燃焼方式も、強制フ
ァンがバーナおよび熱交換器の下流に位置した強制吸出
し方式から、強制ファンがバーナの上流側に位置する強
制押込方式へ移行しつつある。このような強制押込方式
における熱交換器等の破損が生じた場合の安全装置とし
ては熱交換器の１箇所ないし２箇所に温度ヒューズを備
えたものとなっている。

以下図面を参照しながら、上述した従来の燃焼機器の
安全装置の一例について説明する。

第３図は従来の燃焼機器の安全装置の構成を示すもの
である。第３図において、１は熱交換器、２はバーナ、
３は強制ファンでありバーナ２へ強制的に、必要な空気
を送風する。４は排気口、５は給気口であり、６はケー
シングである。７は熱交換器10、筒状のドラム1aの外周
の一部に近接して設けた温度ヒューズであり、８は温度
ヒューズ７の反対側に設けられた温度ヒューズである。

これら温度ヒューズ7,8は、最も劣化が早いと考えら
れる部位に設定する。９は制御回路であり、温度ヒュー
ズ７または８が動作するとその信号をうけて電磁弁11を
閉じて燃料供給を停止する機能を有するものである。10
は電源回路である。

また12は穴を示し、熱交換器１のドラム1aの一部が耐
久面で欠損した状態を代表的に示すものである。

以上のように構成された燃焼機器の安全装置につい
て、以下その動作について説明する。

熱交換器１のどこか一部に欠損が生ずると、穴12より
バーナ２の燃焼排気ガスが吹き出るようになる。機器が
使用状態においては、強制ファン３が回転し、バーナ２
へ強制的に空気を送風し、ガスと混合して燃焼させる
が、熱交換器１の内部は正圧力になっているため、排気
ガスが穴12よりケーシング６内に吹き出るのである。こ
のとき、温度ヒューズ７に排気ガスが当ると溶断する。
制御回路９がこの状態を検知し、電磁弁11を閉じ、ガス
の供給を停止するように動作するのである。

発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記のような構成では、熱交換器１の
どの部分が欠損するかは確定することが難しいので、確
実に安全装置を作動させるためには温度ヒューズ7,8の
数個では十分でなく、全周に設置するなど数多くの温度
ヒューズが必要となるのである。従来例の第３図では左
右２個の温度ヒューズ7,8を例として示したが、熱交換
器１の前後の面において、もし欠損が生じた場合は安全
装置は作動しないこともあり得るのである。したがっ
て、従来の方式においては、温度ヒューズが数多く必要
となり、コストアップになるばかりでなく、組立性の悪
化、サービス性の悪化となることと、ドラム1aの欠損の
場所が確実に予測することが出来ないので安全装置が作
動するまでに時間がかかりすぎるという課題を有してい
た。

本発明は上記課題に鑑み、数多くの温度ヒューズを必
要とせず、コストアップ、組立性の悪化、サービス性の
悪化などを生じない構成とし、確実にかつ早く安全装置
を作動させて燃料供給を停止し、欠損付近の温度上昇に
よる他部品の焼損をも最少限にできる燃焼機器の安全装
置を提供するものである。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明の燃焼機器の安全装
置は、空気をバーナに供給する強制ファンと、前記強制
ファンの上流または下流に温度検出手段を設けるととも
に、温度検出手段と連動して動作する燃料供給停止手段
と、給気口および排気口以外を閉塞した外装体を備え、
必要に応じては、熱交換器の異常により排気ガスが再給
気されたとき、温度検出手段における温度上昇傾向と正
常時の温度上昇傾向の差を検出・比較して燃料供給停止
手段を制御することができるように構成したものであ
る。

作用 本発明は上記した構成によって、熱交換器等に生じた
欠損による穴から吹き出した排気ガスが強制ファンによ
って再給気されるときの強制ファンを通る空気の温度の
異常を検出して早く燃料供給停止手段を停止作動させる
ようにするものである。

実施例 以下、本発明の一実施例の燃焼機器の安全装置につい
て、図面を参照しながら説明する。第１図は本発明の実
施例の燃焼機器の安全装置における断面図である。第１
図において、21は熱交換器、22はバーナ、23は強制ファ
ンである。24は排気口、25は給気口、26はこの給気口25
と排気口24以外は気密に閉塞したケーシングである。27
は熱交換器に生じた欠損による穴を示す。28は温度検出
手段であり、温度ヒューズ、サーモスタット、サーミス
タなどを使用する。29は電源回路、30は制御回路であ
り、温度検出手段28の変化を検出・比較回路31で判定し
て燃料供給停止手段（電磁弁など）32を閉止させる機能
を有する。なお33は機器全体の温度上昇検出用の温度ヒ
ューズを示している。

以上のように構成された燃焼機器の安全装置につい
て、以下第１図および第２図を用いてその動作を説明す
る。第２図は、燃焼機器が運転状態の立上り時における
強制ファン入口に給気される空気の温度変化を示すグラ
フであり、34は燃焼量最大時の温度上昇曲線、35は最小
絞り量における温度上昇曲線、36は異常時における温度
上昇曲線である。

熱交換器21の一部に欠損による穴27が生ずると排気ガ
スは矢印のようにケーシング26内に吹き出す。これは従
来例ですでに説明したように熱交換器21の内部が正圧力
になっているためである。排気ガスは強制ファン23によ
り、再給気されるのであるが、排気ガスは極めて高温で
あるために強制ファンの入口や出口付近は正常運転時と
比較すると運転立上り時の温度上昇曲線が異なってくる
のである。異常が生ずると第２図における36のような温
度上昇曲線になり経過時Ｔ当りの温度上昇値t3は正常運
転時のt1やt2よりも大きくなる。

この時の温度を温度検出手段28で検知し、検出・比較
回路31を通して、制御回路30へ連動させ、さらに、燃料
供給停止手段32を閉止させるようにすることができる。
もちろん温度検出手段28の絶対値で検出・比較して動作
させることも別の方法として可能である。

以上のように本実施例によれば、空気をバーナに供給
する強制ファンと、前記ファンの上流または下流に温度
検出手段を設けるとともに、温度検出手段と連動して動
作する燃料供給停止手段を設けることにより、温度ヒュ
ーズの数を減らすことができ、コストダウン、組立性の
向上、サービス性の向上が計れるばかりでなく、どんな
場所に欠損が生じても正確に、かつ早く異常を検出して
燃料供給を停止することができる。

発明の効果 以上のように本発明は、空気をバーナに供給する強制
ファンと前記強制ファンの上流または下流に温度検出手
段を設けるとともに、温度検出手段と連動して動作する
燃料供給停止手段と、給気口および排気口以外を閉塞し
た外装体を設けたものであるから、次のような効果を有
する。

（１）熱交換器等がどこかに欠損が生じ排気ガスが漏れ
ても、外装体内を迅速に循環し強制ファンによって吸入
され、かつ温度検出手段によって検出される。したがっ
て、正確に、かつ早く異常を検出して燃料供給を停止す
ることができる。

（２）温度ヒューズの数を少なくでき、コストダウン、
組立性の向上、サービス性の向上が計れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の実施例の燃焼機器の安全装置におけ
る断面図、第２図は正常時および異常時における本発明
の実施例における温度検出手段の温度上昇曲線図、第３
図は従来例の断面図である。 21……熱交換器、22……バーナ、23……強制ファン、27
……穴、28……温度検出手段、30……制御回路、32……
燃料供給停止手段。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】空気をバーナに供給する強制ファンと、前
   記強制ファンの上流または下流の近傍に設けた温度検出
   手段と、前記温度検出手段と連動して動作する燃料供給
   停止手段と、給気口および排気口以外を閉塞した外装体
   を備えたものにおいて、熱交換器等の異常により排気ガ
   スが外装体内に再給気されたとき、温度検出手段によっ
   て検出した温度上昇傾向と予め記憶した正常時の温度上
   昇傾向とを比較してその差がある一定値以上の傾向にな
   るとき、前記燃料供給停止手段を制御する燃焼機器の安
   全装置。