JP2629044B2 - メタクリルアミドの取得方法 - Google Patents

メタクリルアミドの取得方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はメタクリルアミド(以下MADと略記する)の
取得方法に関する。さらに詳しくは、アセトンシアンヒ
ドリンを硫酸と加熱し、アミド化して得られるメタクリ
ルアミド硫酸塩(以下MAD塩と略記する)を、水および
メタクリル酸メチル(以下MMAと略記する)の存在下に
アンモニアで中和して生成するMADをMMA中に熱時抽出し
たのち、該MMA溶液を冷却してMADを析出させ取得する方
法に関する。
(従来の技術) MADの製造方法としては多くの方法が知られているが
最も安価にかつ容易に得る方法は、アセトンシアンヒド
リンと硫酸との反応から得られるMAD塩をアンモニアに
より中和して得る方法である(特公昭44-26094号、特公
昭47-35885号)。
しかしながら従来の硫酸アンモニウムの飽和水溶液系
からMADを析出させる方法で得られるMADは、水溶媒を使
用して再結晶しても着色は避けられずこれらの繊維改質
剤、紙加工剤分野においては十分に使用できるものの感
光性樹脂、風防ガラス、写真フィルムなどの分野におけ
る樹脂改質剤としての用途には、さらに何らかの精製を
施さなければ実質的に使用できない。特に、MAD塩を製
造する際に重合防止剤としてフェノチアジンの使用が有
効であるが(特公昭38-8964号)、この場合反応液のMAD
塩が赤褐色に着色しそのために中和後析出したMADも著
しく着色し、水による再結晶で白色のMADを得ることは
困難である(特開昭58-96050号)。
MADの着色を防止する方法として、MAD塩を合成する際
にフェノチアジン以外の重合防止剤を使用する試み(特
開昭58-96050号)、粗MADを少量の水で洗浄する方法
(特公昭44-26094号、特開昭57-122052号)、MAD塩をア
ンモニアで調和する際の中和度を80〜95%の範囲に保つ
方法(特公昭47-35885号)、粗MADを昇華または蒸留精
製する方法(特公昭39-17911号)などが提案されてい
る。これらの方法は重合防止効果が不十分であったり、
MADの取得率が低下したり、設備上および操作上多くの
問題点がある。
MAD塩をアンモニアで中和するに際しては、膨大な熱
量を発生する。反応系の温度上昇はMADの重合や副反応
を促進するのみならず操業の安全性の面からも好ましく
ないため、速やかに除熱冷却する必要がある。ところが
生成するMADは非常に水に溶解し易く、水中への溶解ロ
スを抑えるためには、使用できる水の量を生成する硫酸
アンモニウムを飽和溶解させるに足りる量とすることが
望ましい。このような条件下ではMADが固体として析出
しスラリー液を形成しているため除熱が非常に困難とな
る。また、スラリー液のために配管へのスケーリングや
ポンプトラブルの原因ともなる。特開昭58-43941号ては
酸素含有不活性ガスを同伴せしめて減圧下に水を断熱蒸
発させることにより除熱する方法が提案されているが、
減圧設備の付加が必要となるとともに安定した操業を維
持することが困難である。
(発明が解決しようとする課題) 本発明は上記問題点を解決するためになされたもので
あり、本発明の第一の目的はMAD塩から着色の少ないMAD
を取得することにある。
本発明の他の目的はMADの重合およびMADの水中への溶
解ロスによる取得率の低下を抑えることにある。
本発明のさらに他の目的は膨大な中和発熱を伴う反応
を、メカニカルトラブルの多いスラリー系で行うことな
く溶液系で行ない、熱除去を容易にすることにある。
(課題を解決するための手段) 上記目的を達成して着色の少いMADを製造するために
は、MAD塩からMADを取得する段階において着色成分を十
分に除去しておく必要があることが判明した。このこと
は粗MADを洗浄、再結晶、昇華、蒸留等の手段に委ねて
再精製するとしても必要なことである。
また、中和時の重合を防止するとともにメカニカルト
ラブルの原因を排除して効率よく除熱するためには、中
和反応の過程においてMADの固体を析出させることなく
溶解系で取扱うことが必要であることが判明した。
本発明者らはこれらの問題点を解決するための手段に
ついて研究を重ねた結果、MADを硫酸アンモニウムの水
溶液系から析出させる場合、本来水溶性の着色成分も硫
酸アンモニウムによる塩析効果のためにMAD結晶中に包
含され、着色の少いMADが得られないこと、従ってMADの
結晶析出は硫酸アンモニウムの共存しない系から行う必
要があることを見出し本発明に到達した。
すなわち本発明はMAD塩をアンモニアで中和してMADを
取得するに際し、水およびMMAの存在下に、40〜85℃に
おいてアンモニアで中和し、次いで2液層から成る中和
反応液から油層(MMA層)を分取したのち冷却して、析
出するMADを分離することを特徴とするMADの取得方法で
ある。
本発明において使用するMAD塩は一般にアセトンシア
ンヒドリン1モルに対して1.2〜2.0モルの硫酸を用い
て、アミド化温度120〜180℃の反応条件で製造された反
応生成物である。
また、使用するアンモニアはガス状のものでも水溶液
のものでもよく、その使用量は好ましくは使用したMAD
塩中の全硫酸量を完全に中和するに必要な量であり、該
量の0.8〜1.05倍量の範囲で許容できる。アンモニアは
当量以上に使用する必要はなく、過度に使用することは
MADの重合や副反応の原因となるため好ましくない。ま
た使用量が少い場合はMADの取得率が低下し着色も増加
する。
本発明において使用する水の量は、好ましくは生成す
る硫酸アンモニウムを、油層を分液する条件下におい
て、水層中に飽和溶解させるに必要な量である。水を硫
酸アンモニウムの上記飽和溶解量以上に用いると、MAD
が水中へ溶解する量が増加しMADの取得率が低下する。
逆に水の使用量が少な過ぎると硫酸アンモニウムが析出
してくるため、MAD中に硫酸アンモニウムが含まれるこ
とになり好ましくない。通常は飽和溶解させるに必要な
量の1〜1.5倍量の範囲で使用することが望ましい。分
液条件において硫酸アンモニウムを飽和溶解させるに必
要な水量は、実際に取扱う原料および処理条件等によっ
て変わるため厳密には規定できないが、水に対する硫酸
アンモニウムの飽和溶解度(第1表)を目安とすること
ができる。
本発明において使用するMMAの量は、好ましくは油層
を分液する条件下において、生成するMADを油層中に飽
和溶解させるに必要な量である。その使用量がMADを飽
和溶解させるに必要な量以上であっても差支えはない。
逆に使用量が飽和溶解量以下の場合はMADの取得率が低
下するため好ましくない。通常は分液条件下においては
飽和溶解させるに必要な量の1〜4倍量の範囲で使用す
ることが望ましい。分液条件下においてMADを飽和溶解
させるに必要なMMAの量は、原料のMAD塩、アンモニアの
使用量、分液条件下における油層中への水の溶解量、分
液した水層の組成等によって影響を受けるため一概には
規定できない。MMA100gおよび水24gから成る混合液中へ
は第2表に示す量のMADが溶解して均一な飽和溶解を形
成する。
なお、30℃におけるMMA100g中へのMADの飽和溶解量は4.
2gである。
本発明における中和反応温度および分液操作温度は40
〜85℃、好ましくは50〜70℃である。反応および分液温
度が85℃以上ではMADの重合や副反応が起り易くなり着
色も濃くなる。分液温度が40℃以下ではMADのMMA層中へ
の溶解度が小さくなり、MADの取得率が低下するため多
量のMMAを使用する必要がある。
次に本発明の実施態様の1例について説明する。MAD
塩は予め分液条件下に必要とする水の一部または全量と
MMAの全量で希釈し、所定の中和温度を保ちながらアン
モニア水またはアンモニアガスで中和する。この時原料
のMAD塩中には通常は既にフェノチアジン等の重合防止
剤が十分に添加されている。また空気または酸素の導通
下に中和を行うこともMADの重合防止には有効である。
中和反応によって生成したMADおよび硫酸アンモニウ
ムは、MMAまたは水中へ溶解し2液層を形成するため固
体の析出がなく、膨大な中和熱の除熱冷却が容易になり
固体の器壁への付着もない。またMADとともに重合防止
剤も溶液中に均一に溶解しているため、MADの重合も起
らない。この段階では硫酸アンモニウムによる塩析効果
のため着色成分もMADとともに油層中に抽出される。
次に熱時に油層を分液分取し撹拌しながら冷却すると
MADが固体として析出してくる。この時油層中にMADとと
もに溶解していた水は冷却およびMADの析出により再び
分離し2液相を形成する。そのようにして油層中に抽出
された着色成分は、今度は硫酸アンモニウムによる塩析
作用を受けないため大部分が分離した水層中へ移行濃縮
除去され、得られたMADの結晶の着色は従来法に比べて
大巾に改善される。
MADの結晶は過したのち必要ならば常法に従って再
精製に付される。一方母液は2層に分液し着色成分は水
層中に濃縮されるため油層のMMAの着色は非常に薄く、
そのまま次回の抽出溶剤としてリサイクル使用できる。
本発明において排出される水層中には、硫酸アンモニ
ウムの他に回収されなかったMADと、少量のMMAが含まれ
ている。この廃水層はいわゆるアセトンシアンヒドリン
法MMA製造工程に付することにより、硫酸アンモニウム
およびMMAとして有効に回収することができるが、本発
明において使用する抽出溶剤はMMAそのものであり、こ
のプロセスを何ら阻害するものとはならない。
このように本発明は(1)MADの水層への溶解ロスが
硫酸アンモニウムの塩析効果によって抑えられること、
(2)MADのMMA層中への溶解度の温度依存性が大きいこ
と、(3)MMA層中には高温では適量の水が溶解し低温
では水層を分液し、また硫酸アンモニウムはほとんど溶
解しないこと、(4)着分成分は硫酸アンモニウムの存
在しない系では水層中に抽出され易いこと、(5)中和
反応条件下においてはMADおよび硫酸アンモニウムはMMA
層または水層中へ溶解し、スラリー形成がないこと、
(6)MMAの使用は廃水層の処理に対して何ら有害要因
とはならないこと、等の特徴が見事に組合わされてなし
とげられたものである。
(実施例) 以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明す
る。
実施例1 アセトンシアンヒドリンに対して1.5倍モル量の硫酸
を使用し、160℃でMAD塩を製造した(MAD含有率34
%)。
上記MAD塩200gを水125gで希釈し、さらにMMA85gを添
加した。この溶液に、撹拌しながら25%アンモニア水17
6gを60〜65℃で添加して中和反応を完結させた。反応液
を60℃で静置し分液させ、油層161gと水量419g(MAD含
有率1.6%、硫酸アンモニウム含有率40.2%)を得た。
該油層を撹拌しながら10℃に冷却してMADを晶析され
た。得られたMADのスラリー液を遠心過し結晶を10gの
MMAで洗浄後乾燥して淡黄色のMAD54gを得た(MAD取得率
79%)。MADを遠心過した後の液はMMA層76g(MAD含
有率6.0%)と水層26g(MAD含有率7.6%、硫酸アンモニ
ウム含有率3.3%)に分れた。
なお、上記MAD単離方法において、MMAを使用すること
なく同様の操作を実施したところ、中和段階でMADが析
出するためスラリー状態での除熱効率が悪く、またMAD
の結晶が容器器壁に付着した。得られたMADは茶色に着
色した。
実施例2 アセトンシアンヒドリンに対して1.25倍モル量の硫酸
を使用し、160℃でMAD塩を製造した(MAD含有率37.8
%)。
上記MAD塩200gを実施例1と同様にしてて水170gおよ
びMMA100gで希釈し、65〜70℃で25%アンモニア水163g
を用いて中和した。反応液を60℃で分液し油層195gと水
層436g(MAD含有2.0%、硫酸アンモニウム含有率34.5
%)を得た。該油層を10℃に冷却し、晶析したMADを遠
心過しMMA10gで洗浄後乾燥して淡黄色のMAD51gを得た
(MAD取得率67%)。一方MADを別した液はMMA層106
g(MAD含有率6.2%)と水層34g(MAD含有率7.9%、硫酸
アンモニウム含有率5.6%)に分れた。この回収MMAをリ
サイクル使用して上記と同様に次回の中和操作を行った
ところ、MMA中に溶解しているMADが回収されるため、MA
D回収率は75%に向上した。
実施例3 実施例2においてMAD塩の希釈水量を115gとし、分液
温度を50℃とする以外は実施例2と同様に行ったとこ
ろ、58gのMADを得た(MAD取得率76%)。
(発明の効果) 本発明によれば、MAD塩をアンモニアで中和してMADを
取得するにあたり、着色を防止し、重合や副反応を起す
ことなく効果的に中和発熱を除去できるため、着色の少
いMADを高い回収率で取得することができる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】メタクリルアミド硫酸塩をアンモニアで中
    和してメタクリルアミドを取得するに際し、水およびメ
    タクリル酸メチルの存在下に、40〜85℃においてアンモ
    ニアで中和し、次いで2液層から成る中和反応液から油
    層(メタクリル酸メチル層)を分取したのち冷却して、
    析出するメタクリルアミドを分離することを特徴とする
    メタクリルアミドの取得方法。
  2. 【請求項2】水およびメタクリル酸メチルの使用量が、
    油層を分液する条件下において、それぞれ、生成する硫
    酸アンモニウムを水層中に飽和溶解させるに必要な量の
    1〜1.5倍量、および生成するメタクリルアミドを油層
    中に飽和溶解させるに必要な量の1〜4倍量である請求
    項1記載のメタクリルアミドの取得方法。
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