JP2628806B2 - 高強度非磁性低熱膨張合金およびその製造方法 - Google Patents
高強度非磁性低熱膨張合金およびその製造方法Info
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- JP2628806B2 JP2628806B2 JP3163510A JP16351091A JP2628806B2 JP 2628806 B2 JP2628806 B2 JP 2628806B2 JP 3163510 A JP3163510 A JP 3163510A JP 16351091 A JP16351091 A JP 16351091A JP 2628806 B2 JP2628806 B2 JP 2628806B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、0℃から100 ℃におけ
る平均熱膨張係数が7〜13×10-6/℃、0℃から300 ℃
における平均熱膨張係数が14〜17×10-6/℃で、かつ冷
間加工後再加熱した状態での引張強さが80 kgf/mm2 以
上であって透磁率が1.01以下である高強度非磁性低熱膨
張合金およびその製造方法に関する。
る平均熱膨張係数が7〜13×10-6/℃、0℃から300 ℃
における平均熱膨張係数が14〜17×10-6/℃で、かつ冷
間加工後再加熱した状態での引張強さが80 kgf/mm2 以
上であって透磁率が1.01以下である高強度非磁性低熱膨
張合金およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年,磁気浮上リニアモーターカーの構
造部材を初めとして、原子力産業や各種電気部材におい
て、その磁気損失を少なくするため非磁性材料が要求さ
れ、主にSUS304 を中心としたステンレス鋼が使用さ
れている。
造部材を初めとして、原子力産業や各種電気部材におい
て、その磁気損失を少なくするため非磁性材料が要求さ
れ、主にSUS304 を中心としたステンレス鋼が使用さ
れている。
【0003】しかしながら、該鋼材は引張強さが低く、
熱膨張係数も0〜100 ℃で約17×10-6と大きく、かつ冷
間加工により透磁率が上昇するという欠点を有する。
熱膨張係数も0〜100 ℃で約17×10-6と大きく、かつ冷
間加工により透磁率が上昇するという欠点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述の現状に
鑑み、反強磁性を示すオーステナイト相Fe−Mn合金
に着目し、長年研究を行って開発されたものであり、前
述リニアモーターカーの構造部材やその他に適合する材
料を適切に提供することに成功した。ここにおいて本発
明合金でいう非磁性とは冷間加工の状態においても透磁
率が1.01 以下を示すことであって、従来の非磁性鋼の
特性をはるかに凌駕するものである。
鑑み、反強磁性を示すオーステナイト相Fe−Mn合金
に着目し、長年研究を行って開発されたものであり、前
述リニアモーターカーの構造部材やその他に適合する材
料を適切に提供することに成功した。ここにおいて本発
明合金でいう非磁性とは冷間加工の状態においても透磁
率が1.01 以下を示すことであって、従来の非磁性鋼の
特性をはるかに凌駕するものである。
【0005】本発明の要旨は下記の通りである。 第1発明 重量比にてMn20〜33%、B0.001 〜1.0 %およびNi
0.001 〜5.0 %を含有し残部が実質的にFeおよび不可
避の不純物とからなることを特徴とする高強度非磁性低
熱膨張合金。
0.001 〜5.0 %を含有し残部が実質的にFeおよび不可
避の不純物とからなることを特徴とする高強度非磁性低
熱膨張合金。
【0006】第2発明 重量比にて主成分として、Mn20〜33%、B0.001 〜1.
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下およびCo,Cu,Zn,Cd,Al,G
a,In,Si,Ge,Sn,Pb,Sb,希土類元素
のそれぞれ4.0 %以下のうち少なくとも一種または二種
以上の全量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有し
てなることを特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金。
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下およびCo,Cu,Zn,Cd,Al,G
a,In,Si,Ge,Sn,Pb,Sb,希土類元素
のそれぞれ4.0 %以下のうち少なくとも一種または二種
以上の全量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有し
てなることを特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金。
【0007】第3発明 重量比にて主成分として、Mn20〜33%、B0.001 〜1.
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下のうち少なくとも一種または二種以上の全
量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有してなるこ
とを特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金。
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下のうち少なくとも一種または二種以上の全
量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有してなるこ
とを特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金。
【0008】第4発明 重量比にて主成分として、Mn20〜33%、B0.001 〜1.
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Co,
Cu,Zn,Cd,Al,Ga,In,Si,Ge,S
n,Pb,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以下のう
ち少なくとも一種または二種以上の全量0.001 〜5.0 %
をFeと置換する形で含有してなることを特徴とする高
強度非磁性低熱膨張合金。
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Co,
Cu,Zn,Cd,Al,Ga,In,Si,Ge,S
n,Pb,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以下のう
ち少なくとも一種または二種以上の全量0.001 〜5.0 %
をFeと置換する形で含有してなることを特徴とする高
強度非磁性低熱膨張合金。
【0009】第5発明 重量比にてMn20〜33%、B0.001 〜1.0 %およびNi
0.001 〜5.0 %を含有し残部が実質的にFeおよび不可
避の不純物とからなる合金を(a)500 ℃以上融点以下
の高温で1分間以上100 時間以下加熱して均質化処理を
施した後、焼入れするかあるいは毎秒1℃以下の速度で
徐冷して焼鈍を行う工程と、(b)上記焼入れ後あるい
は焼鈍後、10%以上の熱間加工または冷間加工を行う工
程と、(c)上記熱間加工または冷間加工後、200 ℃以
上融点以下の温度で1分間以上100 時間以下加熱し、つ
いで毎秒1℃以下の速度で徐冷する工程とよりなる処理
を施すことを特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金の製
造方法。
0.001 〜5.0 %を含有し残部が実質的にFeおよび不可
避の不純物とからなる合金を(a)500 ℃以上融点以下
の高温で1分間以上100 時間以下加熱して均質化処理を
施した後、焼入れするかあるいは毎秒1℃以下の速度で
徐冷して焼鈍を行う工程と、(b)上記焼入れ後あるい
は焼鈍後、10%以上の熱間加工または冷間加工を行う工
程と、(c)上記熱間加工または冷間加工後、200 ℃以
上融点以下の温度で1分間以上100 時間以下加熱し、つ
いで毎秒1℃以下の速度で徐冷する工程とよりなる処理
を施すことを特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金の製
造方法。
【0010】第6発明 重量比にて主成分として、Mn20〜33%、B0.001 〜1.
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下およびCo,Cu,Zn,Cd,Al,G
a,In,Si,Ge,Sn,Pb,Sb,希土類元素
のそれぞれ4.0 %以下のうち少なくとも一種または二種
以上の全量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有し
てなる合金を、(a)500 ℃以上融点以下の高温で1分
間以上100 時間以下加熱して均質化処理を施した後、焼
入れするかあるいは毎秒1℃以下の速度で徐冷して焼鈍
を行う工程と、(b)上記焼入れ後あるいは焼鈍後、10
%以上の熱間加工または冷間加工を行う工程と、(c)
上記熱間加工または冷間加工後、200 ℃以上融点以下の
温度で1分間以上100 時間以下加熱し、ついで毎秒1℃
以下の速度で徐冷する工程とよりなる処理を施すことを
特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金の製造方法。
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下およびCo,Cu,Zn,Cd,Al,G
a,In,Si,Ge,Sn,Pb,Sb,希土類元素
のそれぞれ4.0 %以下のうち少なくとも一種または二種
以上の全量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有し
てなる合金を、(a)500 ℃以上融点以下の高温で1分
間以上100 時間以下加熱して均質化処理を施した後、焼
入れするかあるいは毎秒1℃以下の速度で徐冷して焼鈍
を行う工程と、(b)上記焼入れ後あるいは焼鈍後、10
%以上の熱間加工または冷間加工を行う工程と、(c)
上記熱間加工または冷間加工後、200 ℃以上融点以下の
温度で1分間以上100 時間以下加熱し、ついで毎秒1℃
以下の速度で徐冷する工程とよりなる処理を施すことを
特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金の製造方法。
【0011】第7発明 重量比にて主成分として、Mn20〜33%、B0.001 〜1.
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下のうち少なくとも一種または二種以上全量
0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有してなる合金
を、(a)500 ℃以上融点以下の高温で1分間以上100
時間以下加熱して均質化処理を施した後、焼入れするか
あるいは毎秒1℃以下の速度で徐冷して焼鈍を行う工程
と、(b)上記焼入れ後あるいは焼鈍後、10%以上の熱
間加工または冷間加工を行う工程と、(c)上記熱間加
工または冷間加工後、200 ℃以上融点以下の温度で1分
間以上100 時間以下加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度
で徐冷する工程とよりなる処理を施すことを特徴とする
高強度非磁性低熱膨張合金の製造方法。
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下のうち少なくとも一種または二種以上全量
0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有してなる合金
を、(a)500 ℃以上融点以下の高温で1分間以上100
時間以下加熱して均質化処理を施した後、焼入れするか
あるいは毎秒1℃以下の速度で徐冷して焼鈍を行う工程
と、(b)上記焼入れ後あるいは焼鈍後、10%以上の熱
間加工または冷間加工を行う工程と、(c)上記熱間加
工または冷間加工後、200 ℃以上融点以下の温度で1分
間以上100 時間以下加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度
で徐冷する工程とよりなる処理を施すことを特徴とする
高強度非磁性低熱膨張合金の製造方法。
【0012】第8発明 重量比にて主成分として、Mn20〜33%、B0.001 〜1.
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Co,
Cu,Zn,Cd,Al,Ga,In,Si,Ge,S
n,Pb,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以下のう
ち少なくとも一種または二種以上の全量0.001 〜5.0 %
をFeと置換する形で含有してなる合金を、(a)500
℃以上融点以下の高温で1分間以上100 時間以下加熱し
て均質化処理を施した後、焼入れするかあるいは毎秒1
℃以下の速度で徐冷して焼鈍を行う工程と、(b)上記
焼入れ後あるいは焼鈍後、10%以上の熱間加工または冷
間加工を行う工程と、(c)上記熱間加工または冷間加
工後、200 ℃以上融点以下の温度で1分間以上100 時間
以下加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度で徐冷する工程
とよりなる処理を施すことを特徴とする高強度非磁性低
熱膨張合金の製造方法。
0 %およびNi0.001〜5.0 %を含有し残部Feおよび
不可避の不純物とからなる合金に副成分として、Co,
Cu,Zn,Cd,Al,Ga,In,Si,Ge,S
n,Pb,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以下のう
ち少なくとも一種または二種以上の全量0.001 〜5.0 %
をFeと置換する形で含有してなる合金を、(a)500
℃以上融点以下の高温で1分間以上100 時間以下加熱し
て均質化処理を施した後、焼入れするかあるいは毎秒1
℃以下の速度で徐冷して焼鈍を行う工程と、(b)上記
焼入れ後あるいは焼鈍後、10%以上の熱間加工または冷
間加工を行う工程と、(c)上記熱間加工または冷間加
工後、200 ℃以上融点以下の温度で1分間以上100 時間
以下加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度で徐冷する工程
とよりなる処理を施すことを特徴とする高強度非磁性低
熱膨張合金の製造方法。
【0013】
【作用】すなわち本発明においては、Mn20〜33%、B
0.001 〜1.0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含み、残部
実質的にFeおよび不可避の不純物とからなるか、ある
いはこれを主成分とし、さらに副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下、また他の副成分としてCo,Cu,Z
n,Cd,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,P
b,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以下、さらに前
記2群に含まれる副成分のうち任意の元素の合計5.0 %
以下の一種または二種以上の全量0.001 〜5.0%をFe
と置換する形で含有してなる合金について、簡易な熱処
理と加工により発揮し得ることを見出したもので、その
目的とするところはSUS304 などのステンレス鋼と比
較して機械的強度が高く、透磁率が冷間加工状態で1.01
以下と小さく、しかも熱膨張係数が0℃〜100 ℃におい
て7〜13×10-6/℃および0℃〜300 ℃において14〜17
×10-6/℃と小さい高強度非磁性低熱膨張合金として各
種用途に適合する新規な材料を提供することにある。
0.001 〜1.0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含み、残部
実質的にFeおよび不可避の不純物とからなるか、ある
いはこれを主成分とし、さらに副成分として、Ti,
Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞ
れ5.0 %以下、また他の副成分としてCo,Cu,Z
n,Cd,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,P
b,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以下、さらに前
記2群に含まれる副成分のうち任意の元素の合計5.0 %
以下の一種または二種以上の全量0.001 〜5.0%をFe
と置換する形で含有してなる合金について、簡易な熱処
理と加工により発揮し得ることを見出したもので、その
目的とするところはSUS304 などのステンレス鋼と比
較して機械的強度が高く、透磁率が冷間加工状態で1.01
以下と小さく、しかも熱膨張係数が0℃〜100 ℃におい
て7〜13×10-6/℃および0℃〜300 ℃において14〜17
×10-6/℃と小さい高強度非磁性低熱膨張合金として各
種用途に適合する新規な材料を提供することにある。
【0014】上述の簡易な熱処理と加工の方法は次の通
りである。(a)溶体化処理のため、500 ℃以上融点以
下の高温で1分間以上(例えば5分乃至100 時間)加熱
後、焼入れするかあるいは毎秒1℃以下の速度で徐冷し
て焼鈍を行う。(b)上記焼入れ後あるいは焼鈍後、10
%以上の熱間加工または冷間加工を行い、さらに200 ℃
以上融点以下の温度で1分間以上(例えば5分乃至100
時間)加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度で徐冷する。
りである。(a)溶体化処理のため、500 ℃以上融点以
下の高温で1分間以上(例えば5分乃至100 時間)加熱
後、焼入れするかあるいは毎秒1℃以下の速度で徐冷し
て焼鈍を行う。(b)上記焼入れ後あるいは焼鈍後、10
%以上の熱間加工または冷間加工を行い、さらに200 ℃
以上融点以下の温度で1分間以上(例えば5分乃至100
時間)加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度で徐冷する。
【0015】次に本発明合金の製造方法について説明す
る。まず上記組成範囲において適量のMn,B,Niお
よびFeのみかあるいはこれを主成分としてさらに副成
分を加え、不活性ガスを通じながら通常の溶解炉によっ
て溶解した後、脱酸剤としてのSi,Al,Caなどを
0.1 %以下添加して有害な不純物を除き充分に撹拌して
組成的に均一な溶融合金を造る。なお、ホウ素Bを使用
する場合、結晶質ホウ素Bのみならず非晶質ホウ素Bあ
るいはFerroボロンも有効に作用することは勿論で
ある。次にこれを鉄型に注入して鋳塊を造り、500 ℃以
上融点以下の温度で1分間以上(例えば5分乃至100 時
間)保持した後、焼入れするかあるいは毎秒1℃以下の
速度で徐冷する。さらにこれを常温あるいは常温以上融
点以下の温度において鍛造、圧延、引抜きあるいはスウ
ェージして用途に適合する形状に成型する。次にこれを
200 ℃以上融点以下の温度で1分間以上(例えば5分乃
至100 時間)加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度で徐冷
して製品とする。
る。まず上記組成範囲において適量のMn,B,Niお
よびFeのみかあるいはこれを主成分としてさらに副成
分を加え、不活性ガスを通じながら通常の溶解炉によっ
て溶解した後、脱酸剤としてのSi,Al,Caなどを
0.1 %以下添加して有害な不純物を除き充分に撹拌して
組成的に均一な溶融合金を造る。なお、ホウ素Bを使用
する場合、結晶質ホウ素Bのみならず非晶質ホウ素Bあ
るいはFerroボロンも有効に作用することは勿論で
ある。次にこれを鉄型に注入して鋳塊を造り、500 ℃以
上融点以下の温度で1分間以上(例えば5分乃至100 時
間)保持した後、焼入れするかあるいは毎秒1℃以下の
速度で徐冷する。さらにこれを常温あるいは常温以上融
点以下の温度において鍛造、圧延、引抜きあるいはスウ
ェージして用途に適合する形状に成型する。次にこれを
200 ℃以上融点以下の温度で1分間以上(例えば5分乃
至100 時間)加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度で徐冷
して製品とする。
【0016】次に本発明の実施例について述べる。 実施例1 表1に示す合金成分の全量(約2kg)をアルミナ坩堝中
で、Arガスを通じながら高周波誘導電気炉により溶解
した後、溶湯をよく撹拌し、鉄型に鋳込んで50×50 mm2
の角型鋳塊を得た。次にその一部を鍛造によって約20mm
の丸棒にし、1050℃で1時間加熱後100 ℃/時間の速度
で冷却した。それを常温で種々の加工率を施して丸棒と
し、それから長さ100 mmおよび15mmの丸棒2本を切りと
り、一方を冷間加工状態、他方を200 ℃,400 ℃,600
℃,800 ℃,900 ℃および1000℃で1時間加熱した後10
0 ℃/時間の速度で冷却して測定した。熱膨張係数は縦
型全膨張計(DL7000)により、透磁率は透磁率計によ
り200 Oe の磁界中常温で測定した。表2には、本発明
合金の測定値の一例と代表的な既知の非磁性合金2種と
を比較して示してある。この表から明らかな如く、本発
明合金はいずれも従来の非磁性合金に比し、0℃〜100
℃あるいは0℃〜300 ℃のいずれの温度範囲においても
熱膨張係数が小さく、かつ機械的強度が大きい。また透
磁率も極めて小さく、優れた非磁性合金であることがわ
かる。
で、Arガスを通じながら高周波誘導電気炉により溶解
した後、溶湯をよく撹拌し、鉄型に鋳込んで50×50 mm2
の角型鋳塊を得た。次にその一部を鍛造によって約20mm
の丸棒にし、1050℃で1時間加熱後100 ℃/時間の速度
で冷却した。それを常温で種々の加工率を施して丸棒と
し、それから長さ100 mmおよび15mmの丸棒2本を切りと
り、一方を冷間加工状態、他方を200 ℃,400 ℃,600
℃,800 ℃,900 ℃および1000℃で1時間加熱した後10
0 ℃/時間の速度で冷却して測定した。熱膨張係数は縦
型全膨張計(DL7000)により、透磁率は透磁率計によ
り200 Oe の磁界中常温で測定した。表2には、本発明
合金の測定値の一例と代表的な既知の非磁性合金2種と
を比較して示してある。この表から明らかな如く、本発
明合金はいずれも従来の非磁性合金に比し、0℃〜100
℃あるいは0℃〜300 ℃のいずれの温度範囲においても
熱膨張係数が小さく、かつ機械的強度が大きい。また透
磁率も極めて小さく、優れた非磁性合金であることがわ
かる。
【0017】実施例2 図1および図2には前記方法で作製したNo. 1合金につ
いて、それぞれ900 ℃で1時間焼鈍した状態からの冷間
加工率と熱膨張係数との関係および80%冷間加工状態の
ものを時効した時の時効温度と熱膨張係数との関係が示
してある。図に見るように本発明合金は冷間加工率を変
えることにより熱膨張係数を小さくすることができ、ま
たこの値は700 ℃程度までの時効によって殆んど変わら
ないことがわかる。これは本発明合金において基本組成
に含有されるBがNi,FeあるいはMnと共にFe
B,Fe2 B,Ni3 BあるいはMnB,Mn2 Bなど
の化合物を形成し、Fe−Mnの地に微細に分散される
結果、熱膨張が抑制され低熱膨張係数が得られるのであ
る。
いて、それぞれ900 ℃で1時間焼鈍した状態からの冷間
加工率と熱膨張係数との関係および80%冷間加工状態の
ものを時効した時の時効温度と熱膨張係数との関係が示
してある。図に見るように本発明合金は冷間加工率を変
えることにより熱膨張係数を小さくすることができ、ま
たこの値は700 ℃程度までの時効によって殆んど変わら
ないことがわかる。これは本発明合金において基本組成
に含有されるBがNi,FeあるいはMnと共にFe
B,Fe2 B,Ni3 BあるいはMnB,Mn2 Bなど
の化合物を形成し、Fe−Mnの地に微細に分散される
結果、熱膨張が抑制され低熱膨張係数が得られるのであ
る。
【0018】実施例3 図3および図4には前記方法で作製したNo. 1合金につ
いて、それぞれ80%冷間加工後、時効した場合の引張強
さおよびビッカース硬度と時効温度との関係、および80
%冷間加工後600 ℃で時効した場合の引張強さおよびビ
ッカース硬度と時効時間との関係を示す。引張強さおよ
びビッカース硬度は時効温度とともに上昇し、約600 ℃
付近に緩やかな極大を作る。また、例えば600 ℃で時効
する場合、その温度に約1分間保持すればその効果が現
われ始め、約60分間の保持で熱処理は殆んど完成するこ
とがわかる。
いて、それぞれ80%冷間加工後、時効した場合の引張強
さおよびビッカース硬度と時効温度との関係、および80
%冷間加工後600 ℃で時効した場合の引張強さおよびビ
ッカース硬度と時効時間との関係を示す。引張強さおよ
びビッカース硬度は時効温度とともに上昇し、約600 ℃
付近に緩やかな極大を作る。また、例えば600 ℃で時効
する場合、その温度に約1分間保持すればその効果が現
われ始め、約60分間の保持で熱処理は殆んど完成するこ
とがわかる。
【0019】実施例4 図5には表1に示した比較合金No. 101 と本発明合金N
o. 1およびNo. 4について80%冷間加工後600 ℃で1
時間時効した状態の熱膨張Δl/lと温度との関係が示
してある。図5に示す通り、比較合金は300 ℃の高温度
では伸びの勾配が極めて大きいが、本発明合金はいずれ
も小さく優れた低熱膨張合金であることがわかる。従っ
て本発明合金は常温および高温において使用するリニア
モーターカー用部材、測定機器あるいはその他の構造物
の部材として非常に好適である。本発明合金と比較合金
の組成と、これらの合金を80%冷間加工後、600 ℃、5
時間加熱し徐冷した状態の諸特性は表1と表2に示す通
りである。
o. 1およびNo. 4について80%冷間加工後600 ℃で1
時間時効した状態の熱膨張Δl/lと温度との関係が示
してある。図5に示す通り、比較合金は300 ℃の高温度
では伸びの勾配が極めて大きいが、本発明合金はいずれ
も小さく優れた低熱膨張合金であることがわかる。従っ
て本発明合金は常温および高温において使用するリニア
モーターカー用部材、測定機器あるいはその他の構造物
の部材として非常に好適である。本発明合金と比較合金
の組成と、これらの合金を80%冷間加工後、600 ℃、5
時間加熱し徐冷した状態の諸特性は表1と表2に示す通
りである。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】本発明の目的とする高強度性、非磁性、低
熱膨張性を得る反応機構は次の通りである。 (A)高強度性について;- 本発明合金の主成分Fe−Mn−B−Niのうち、Bが
0.001 〜1.0 %およびNiが0.001 〜5.0 %を含有され
ると、これらの元素がFe−Mn地中に溶け込んでFe
B,Fe2 B,Ni3 B,MnB,Mn2 B化合物を生
成させて機械的性質を向上する。 (B)非磁性について;- 本発明合金の主成分のうちMnが20〜33%含有される
と、反強磁性を安定化させるのに必須の元素となり、こ
れを越えると他の磁性が現れ反強磁性相が少なくなる。 (C)低熱膨張特性について;- 本発明合金の主成分Fe−Mn−B−Niのうち、Mn
が20〜33%の存在下でBが0.001 〜1.0 %およびNiが
0.001 〜5.0 %含有されれば、これらの元素がFe−M
n地中に溶け込んでFeB,Fe2 B,Ni3 B,Mn
B,Mn2 Bなどの微細な化合物が生成分散され、熱膨
張が抑制され低膨張合金が得られるのである。本発明合
金の組成を限定した理由を述べる。まず、Fe−Mn−
B−Ni4元合金において、Mn20〜33%、B0.001 〜
1.0 %、Ni0.001 〜5.0 %、残部Feと限定したの
は、その組成範囲外では熱膨張係数が本発明の目的とす
る、0℃から100 ℃で7〜13×10-6/℃および0℃から
300 ℃で14〜17×10-6/℃の範囲を越えるからである。
Mnは合金の反強磁性特性を安定化させるに必須の元素
であり、この範囲より少ないと強磁性相が出現し易くな
り、これを越えると反強磁性相が少なくなるからであ
る。また、BおよびNiはFe−Mn地中に溶け込んで
FeB,Fe2 B,Ni3 B,MnB,Mn2 B化合物
を生成させ、熱膨張係数を低下させかつ機械的強度を向
上させるに必須の元素であり、これより少ないと化合物
相が生成されず、これを越えると化合物相が過多になり
機械的強度を下げるからである。
熱膨張性を得る反応機構は次の通りである。 (A)高強度性について;- 本発明合金の主成分Fe−Mn−B−Niのうち、Bが
0.001 〜1.0 %およびNiが0.001 〜5.0 %を含有され
ると、これらの元素がFe−Mn地中に溶け込んでFe
B,Fe2 B,Ni3 B,MnB,Mn2 B化合物を生
成させて機械的性質を向上する。 (B)非磁性について;- 本発明合金の主成分のうちMnが20〜33%含有される
と、反強磁性を安定化させるのに必須の元素となり、こ
れを越えると他の磁性が現れ反強磁性相が少なくなる。 (C)低熱膨張特性について;- 本発明合金の主成分Fe−Mn−B−Niのうち、Mn
が20〜33%の存在下でBが0.001 〜1.0 %およびNiが
0.001 〜5.0 %含有されれば、これらの元素がFe−M
n地中に溶け込んでFeB,Fe2 B,Ni3 B,Mn
B,Mn2 Bなどの微細な化合物が生成分散され、熱膨
張が抑制され低膨張合金が得られるのである。本発明合
金の組成を限定した理由を述べる。まず、Fe−Mn−
B−Ni4元合金において、Mn20〜33%、B0.001 〜
1.0 %、Ni0.001 〜5.0 %、残部Feと限定したの
は、その組成範囲外では熱膨張係数が本発明の目的とす
る、0℃から100 ℃で7〜13×10-6/℃および0℃から
300 ℃で14〜17×10-6/℃の範囲を越えるからである。
Mnは合金の反強磁性特性を安定化させるに必須の元素
であり、この範囲より少ないと強磁性相が出現し易くな
り、これを越えると反強磁性相が少なくなるからであ
る。また、BおよびNiはFe−Mn地中に溶け込んで
FeB,Fe2 B,Ni3 B,MnB,Mn2 B化合物
を生成させ、熱膨張係数を低下させかつ機械的強度を向
上させるに必須の元素であり、これより少ないと化合物
相が生成されず、これを越えると化合物相が過多になり
機械的強度を下げるからである。
【0023】つぎに副成分をTi,Zr,Hf,V,N
b,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞれ5.0 %以下、C
o,Cu,Zn,Cd,Al,Ga,In,Si,G
e,Sn,Pb,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以
下、前記2群に含まれる副成分のうち任意の元素の合計
5.0 %以下の一種または二種以上の全量0.001 〜5.0 %
と限定したのは、これらの組成範囲外では熱膨張係数が
本発明の目的とする、0℃から100 ℃で7〜13×10-6/
℃および0℃から300 ℃で14〜17×10-6/℃の範囲を越
えるからである。また、これらの副成分は機械的強度と
耐食性の改善元素であり、切削などの機械加工性の改善
に有効に寄与する。尚、希土類元素は、Sc,Yおよび
ランタン系元素からなるものであり、その副成分添加の
効果は上述のように同一である。
b,Ta,Cr,Mo,Wのそれぞれ5.0 %以下、C
o,Cu,Zn,Cd,Al,Ga,In,Si,G
e,Sn,Pb,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以
下、前記2群に含まれる副成分のうち任意の元素の合計
5.0 %以下の一種または二種以上の全量0.001 〜5.0 %
と限定したのは、これらの組成範囲外では熱膨張係数が
本発明の目的とする、0℃から100 ℃で7〜13×10-6/
℃および0℃から300 ℃で14〜17×10-6/℃の範囲を越
えるからである。また、これらの副成分は機械的強度と
耐食性の改善元素であり、切削などの機械加工性の改善
に有効に寄与する。尚、希土類元素は、Sc,Yおよび
ランタン系元素からなるものであり、その副成分添加の
効果は上述のように同一である。
【図1】図1は本発明の代表的な合金の熱膨張係数と冷
間加工率との関係を示した図である。
間加工率との関係を示した図である。
【図2】図2は本発明の代表的な合金の80%冷間加工後
時効した場合の熱膨張係数と時効温度との関係を示した
図である。
時効した場合の熱膨張係数と時効温度との関係を示した
図である。
【図3】図3は本発明の代表的な合金を80%冷間加工後
時効した場合の引張強さとおよびビッカース硬度と時効
温度との関係を示した図である。
時効した場合の引張強さとおよびビッカース硬度と時効
温度との関係を示した図である。
【図4】図4は本発明の代表的な合金を80%冷間加工後
600 ℃で時効した場合の引張強さとおよびビッカース硬
度と時効時間との関係を示した図である。
600 ℃で時効した場合の引張強さとおよびビッカース硬
度と時効時間との関係を示した図である。
【図5】図5は本発明の代表的な合金を600 ℃で時効し
た状態と従来の非磁性合金の熱膨張曲線を比較した図で
ある。
た状態と従来の非磁性合金の熱膨張曲線を比較した図で
ある。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C22C 38/54 C22C 38/54
Claims (8)
- 【請求項1】 重量比にてMn20〜33%、B0.001 〜1.
0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含有し残部が実質的に
Feおよび不可避の不純物とからなることを特徴とする
高強度非磁性低熱膨張合金。 - 【請求項2】 重量比にて主成分として、Mn20〜33
%、B0.001 〜1.0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含有
し残部Feおよび不可避の不純物とからなる合金に副成
分として、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,Wのそれぞれ5.0 %以下およびCo,Cu,Z
n,Cd,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,P
b,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以下のうち少な
くとも一種または二種以上の全量0.001 〜5.0 %をFe
と置換する形で含有してなることを特徴とする高強度非
磁性低熱膨張合金。 - 【請求項3】 重量比にて主成分として、Mn20〜33
%、B0.001 〜1.0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含有
し残部Feおよび不可避の不純物とからなる合金に副成
分として、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,Wのそれぞれ5.0 %以下のうち少なくとも一種ま
たは二種以上の全量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形
で含有してなることを特徴とする高強度非磁性低熱膨張
合金。 - 【請求項4】 重量比にて主成分として、Mn20〜33
%、B0.001 〜1.0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含有
し残部Feおよび不可避の不純物とからなる合金に副成
分として、Co,Cu,Zn,Cd,Al,Ga,I
n,Si,Ge,Sn,Pb,Sb,希土類元素のそれ
ぞれ4.0 %以下のうち少なくとも一種または二種以上の
全量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有してなる
ことを特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金。 - 【請求項5】 重量比にてMn20〜33%、B0.001 〜1.
0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含有し残部が実質的に
Feおよび不可避の不純物とからなる合金を(a)500
℃以上融点以下の高温で1分間以上100 時間以下加熱し
て均質化処理を施した後、焼入れするかあるいは毎秒1
℃以下の速度で徐冷して焼鈍を行う工程と、(b)上記
焼入れ後あるいは焼鈍後、10%以上の熱間加工または冷
間加工を行う工程と、(c)上記熱間加工または冷間加
工後、200 ℃以上融点以下の温度で1分間以上100 時間
以下加熱し、ついで毎秒1℃以下の速度で徐冷する工程
とよりなる処理を施すことを特徴とする高強度非磁性低
熱膨張合金の製造方法。 - 【請求項6】 重量比にて主成分として、Mn20〜33
%、B0.001 〜1.0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含有
し残部Feおよび不可避の不純物とからなる合金に副成
分として、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,Wのそれぞれ5.0 %以下およびCo,Cu,Z
n,Cd,Al,Ga,In,Si,Ge,Sn,P
b,Sb,希土類元素のそれぞれ4.0 %以下のうち少な
くとも一種または二種以上の全量0.001 〜5.0 %をFe
と置換する形で含有してなる合金を、(a)500 ℃以上
融点以下の高温で1分間以上100 時間以下加熱して均質
化処理を施した後、焼入れするかあるいは毎秒1℃以下
の速度で徐冷して焼鈍を行う工程と、(b)上記焼入れ
後あるいは焼鈍後、10%以上の熱間加工または冷間加工
を行う工程と、(c)上記熱間加工または冷間加工後、
200 ℃以上融点以下の温度で1分間以上100 時間以下加
熱し、ついで毎秒1℃以下の速度で徐冷する工程とより
なる処理を施すことを特徴とする高強度非磁性低熱膨張
合金の製造方法。 - 【請求項7】 重量比にて主成分として、Mn20〜33
%、B0.001 〜1.0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含有
し残部Feおよび不可避の不純物とからなる合金に副成
分として、Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,
Mo,Wのそれぞれ5.0 %以下のうち少なくとも一種ま
たは二種以上全量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で
含有してなる合金を、(a)500 ℃以上融点以下の高温
で1分間以上100 時間以下加熱して均質化処理を施した
後、焼入れするかあるいは毎秒1℃以下の速度で徐冷し
て焼鈍を行う工程と、(b)上記焼入れ後あるいは焼鈍
後、10%以上の熱間加工または冷間加工を行う工程と、
(c)上記熱間加工または冷間加工後、200 ℃以上融点
以下の温度で1分間以上100 時間以下加熱し、ついで毎
秒1℃以下の速度で徐冷する工程とよりなる処理を施す
ことを特徴とする高強度非磁性低熱膨張合金の製造方
法。 - 【請求項8】 重量比にて主成分として、Mn20〜33
%、B0.001 〜1.0 %およびNi0.001 〜5.0 %を含有
し残部Feおよび不可避の不純物とからなる合金に副成
分として、Co,Cu,Zn,Cd,Al,Ga,I
n,Si,Ge,Sn,Pb,Sb,希土類元素のそれ
ぞれ4.0 %以下のうち少なくとも一種または二種以上の
全量0.001 〜5.0 %をFeと置換する形で含有してなる
合金を、(a)500 ℃以上融点以下の高温で1分間以上
100 時間以下加熱して均質化処理を施した後、焼入れす
るかあるいは毎秒1℃以下の速度で徐冷して焼鈍を行う
工程と、(b)上記焼入れ後あるいは焼鈍後、10%以上
の熱間加工または冷間加工を行う工程と、(c)上記熱
間加工または冷間加工後、200 ℃以上融点以下の温度で
1分間以上100 時間以下加熱し、ついで毎秒1℃以下の
速度で徐冷する工程とよりなる処理を施すことを特徴と
する高強度非磁性低熱膨張合金の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3163510A JP2628806B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 高強度非磁性低熱膨張合金およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3163510A JP2628806B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 高強度非磁性低熱膨張合金およびその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04362158A JPH04362158A (ja) | 1992-12-15 |
JP2628806B2 true JP2628806B2 (ja) | 1997-07-09 |
Family
ID=15775239
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3163510A Expired - Fee Related JP2628806B2 (ja) | 1991-06-07 | 1991-06-07 | 高強度非磁性低熱膨張合金およびその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2628806B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6459078B2 (ja) * | 2014-09-30 | 2019-02-06 | 公益財団法人電磁材料研究所 | Fe−Mn系恒弾性・不感磁性合金 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5585659A (en) * | 1978-12-25 | 1980-06-27 | Daido Steel Co Ltd | Free-cutting nonmagnetic high-manganese steel |
JPS55145154A (en) * | 1979-04-28 | 1980-11-12 | Daido Steel Co Ltd | Rail steel with low weld crack sensibility and thermal expansion coefficient |
-
1991
- 1991-06-07 JP JP3163510A patent/JP2628806B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04362158A (ja) | 1992-12-15 |
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