JP2628581B2 - 車輪速度制御装置 - Google Patents

車輪速度制御装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、自動車等の車両の制動時に車輪がロック
するのを回避するためのアンチロックブレーキシステム
における車輪速度制御装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来のアンチロックブレーキシステムにあっては、車
輪の過大なスリップを各車輪のスリップ速度や車輪速度
の微分値から演算される制御変数の値と所定のしきい値
とを比較することにより検出し、その比較結果に基づい
てブレーキ圧を増減制御することにより車輪速度を制御
してロックを回避すると共に、ロック兆候から回復した
車輪については車輪挙動とは無関係にあらかじめ定めら
れた固定レートで加圧するということが行われている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところで上記のようなアンチロックブレーキシステム
におけるように、車輪のスリップ速度やその微分値に基
づいた制御変数と所定のしきい値とを比較することによ
りアンチロック制御を行うというやり方は、ロック兆候
の検知には有効であるが、車輪がロック兆候から回復
し、車輪速度が車体速度にほぼ等しくなった状態でブレ
ーキ力不足のために発生するスリップ速度過小の状態を
検知することが困難である。即ち、実車走行時、アンチ
ロック制御中に車体減速度が所望の値を下回り、車体振
動やピッチングが発生したり、制動距離が伸びるなどの
不都合が発生する。
そこで、上記のような不都合を解消するため、アンチ
ロックブレーキ制御中、車輪ロックから回復した後、車
輪速度が車体速度に十分近付いた状態において、ブレー
キ力の不足状態を車輪スリップ速度を用いて積分型演算
を行うことにより検知し、通常の加圧とは別に増圧レー
トの小さい小加圧を行うことができる。
しかしながら、上記のような積分型判断に基づき小加
圧を行うようにした車輪速度制御装置においても、例え
ば路面が滑り易い雪路から急に滑り難いアスファルト路
に移った場合等、路面の摩擦係数(μ)が所定の変動幅
以上に急激に大きくなると、これに的確に対処すること
ができない。則ち、アスファルト路で最適なブレーキ圧
は雪路で最適なブレーキ圧に対して非常に大きいが、こ
のように路面摩擦係数が急激に大きくなった時、車体減
速度が素早く立ち上がらず、路面の摩擦力を効率良く生
かすことが出来ず、制動距離が伸びるという問題があっ
た。
〔問題点を解決するための手段〕
上記の問題点を解決するためになされたこの発明は、
車輪速度の微分値及び車体速度と車輪速度との差である
スリップ速度に基づき演算された制御変数に基づいて加
圧、保持または減圧の指令を発ブレーキ圧コントローラ
を備えたアンチロックブレーキシステムにおける車輪速
度制御装置において、上記指令により車輪速度がロック
から回復し、制御変数が所定の基準値の範囲内にある
時、上記スリップ速度に基づきロック回復後のスリップ
速度の過不足分をスリップ速度が適正値により近付いて
いるか否かを表す評価指数値を積算する積分的な演算に
より算出し、その結果に基づいて上記の加圧とは別に増
圧レートの小さい小加圧の指令を発する積分型のブレー
キ圧コントローラを備え、路面の摩擦係数が所定の変動
幅以上に急激に大きくなった時、この摩擦係数の変動に
対応する時間しきい値を越える経過時間を検出して、摩
擦係数変動補正用の小加圧を実行するようにしたことを
特徴とする。
〔作用〕
上記の構成を有するこの発明の車輪速度制御装置によ
れば、主として微分型判断によって加圧、保持または減
圧を実行し、かつスリップ速度に基づく積分型判断によ
って小加圧を実行すると共に、路面摩擦係数が所定の変
動幅以上に急激に大きくなると、これを車輪挙動に基づ
き検出して、そのような急激な摩擦係数の増加に対応す
る小加圧を実行することによりブレーキ圧を素早く高
め、これによって滑り易い雪路から急に滑り難いアスフ
ァルト路に移った場合等における車体減速度不足を解消
して、最短の制動距離を確保することができる。
〔実施例〕
以下、この発明の車輪速度制御装置の実施例について
図面を参照しつつ説明する。
第1図にこの発明の車輪速度制御装置の一実施例の構
成を示す。図示実施例の車輪速度制御装置1は、各車輪
の速度を示す信号を発生する車輪速度センサ2iの出力Vi
(i=1,・・・・,4)に基づき各車輪の速度Vwiを演算
する車輪速演算手段11、上記車輪速センサ2iの出力Vi
基づき車体速度Vvを演算する車体速演算手段12、上記車
輪速度Vwiの微分出力Vdiを発生する車輪速微分手段13、
上記車輪速度Vwiと上記車体速度Vvとから各車輪のスリ
ップ速度Si(=Vv−Vwi)を演算するスリップ速度演算
手段14、上記車輪速微分手段の出力Vdiと上記スリップ
速度Siを入力して所定の制御変数Fi演算し、その演算結
果に基づき電磁弁(駆動回路を含む)等のブレーキ圧制
御アクチュエータ3に加圧、保持又は減圧の指令を発す
る主ブレーキ圧コントローラ15、及び上記車輪スリップ
速度Siに基づいてロック回復後のブレーキ圧不足分を積
分的に演算し、その結果に基づき上記の加圧とは別に増
圧レートの小さい小加圧の実行指令を上記ブレーキ圧制
御アクチュエータ3に発する積分型ブレーキ圧コントロ
ーラ16で構成されている。ブレーキ圧制御アクチュエー
タ3は、主ブレーキ圧コントローラ15及び積分型ブレー
キ圧コントローラ16の判断結果に基づき各車輪のブレー
キ4iのブレーキ圧の加圧、保持、減圧を行う。
積分型ブレーキ圧コントローラ16は、タイマー機能及
びカウンタ機能を備えており、主ブレーキ圧コントロー
ラ15により演算される制御変数が所定の範囲内にあると
き、所定の期間ΔTにわたり制御サイクルΔt毎に車輪
スリップ速度Siを所定のしきい値STHRと比較して、車輪
のブレーキ圧が適切レベルより低いと判断した場合、則
ちSi<STHRの時はその都度カウンタの内容(CTR)を1
カウント減じ(デクレメントし)、逆にブレーキ圧が適
切レベルであると判断した場合、即ちSTHR≦Siの時はそ
の都度カウンタの内容(CTR)を1カウント加算する
(デクレメントする)。そして、ΔT=n×Δt(nは
正の整数)とし、カウンタがn回操作(加減算)された
時点でCTR(カウンタ内容)の符号をチェックして、ブ
レーキ圧の小加圧を行うか否かの判断を下す。この場
合、0≦CTRであれば、積分型ブレーキ圧コントローラ1
6は小加圧の指令を出さず(保持判断)、CTR<0であれ
ば、ブレーキ圧制御アクチュエータ3に対し小加圧の実
行指令を発する。
この積分型ブレーキ圧コントローラ16は、さらに、例
えば左右前輪のブレーキ圧が共に所定時間にわたって減
圧されなかった時、路面の摩擦係数(μ)が所定変動幅
以上急激に大きくなったものと判断し、上記の小加圧と
は別に摩擦係数変動補正用の小加圧指令を発する。
次に、この実施例の車輪速度制御装置1の動作を第2
図及び第3図を参照しつつさらに詳細に説明する。
まず、ブレーキON後、主ブレーキ圧コントローラ15は
スリップ速度Si及び車輪速度微分値Vdiに基づく制御変
数Fiから車輪のロック兆候を検知すると、まずブレーキ
圧制御アクチュエータ3に減圧指令を発し、続いて保
持、加圧指令を発する。その結果、車輪速度Vwiは車体
速度Vvに近付き、ロックからの回復兆候を呈するが、主
ブレーキ圧コントローラ15はこのようなロック兆候ある
いは回復兆候を例えばFi=Si+Vdiで与えられる制御変
数Fiとその減圧判断用の第1しきい値FTHR1及び加圧判
断用の第2しきい値FTHR2(FTHR2<FTHR1)との比較に
より検出する。ただし、制御変数Fiは上記の式に限定さ
れるものではなく、必要に応じて任意の適宜の関数を用
いることができる。
そして、例えば制御変数FiがFTHR1以上の状態からF
THR2<Fi<FTHR1の範囲に入ったり、FTHR2以下の状態か
らFTHR2<Fi<FTHR1の範囲に入り、この範囲に保たれて
いる間等、所定の条件下にある時は、ブレーキ圧不足に
よるスリップ速度過小の可能性があると判断して、その
条件の発生時点で(例えばFiがFTHR1以上の状態やFTHR2
以下の状態から上記範囲に入った瞬間)積分型ブレーキ
圧コントローラ16が動作を開始する(タイマー機能及び
カウンタ機能が始動される)。この積分型ブレーキ圧コ
ントローラ16のタイマーは制御サイクルΔtを計時単位
とし、その制御サイクルΔt毎にスリップ速度Siが所定
のしきい値STHRに対して大きいか小さいかの比較を行っ
て、Si<STHRの時はカウンタの内容CTRをデクレメント
し、STHR≦Siの時はCTRをインクレメントする。そし
て、タイマーの内容ΔT=n・Δt(nは正の整数)で
表される所定期間ΔT毎に(カウンタがn回加減算動作
する毎に)、カウンタの内容CTRの符号チェックを行
い、小加圧を行うべきか否かの判断を行う。この場合、
積分型ブレーキ圧コントローラ16は、0≦CTRであれ
ば、ブレーキ圧保持判断(第2図に符号Yで示す)を下
し、CTR<0であれば、ブレーキ圧制御アクチュエータ
3に小加圧指令(第2図に符号Xで示す)を発する。
さらに、積分型ブレーキ圧コントローラ16は、左右の
前輪の制御変数F1,F2と減圧判断用第1しきい値FTHR1と
の比較に基づいて、左右の前輪のブレーキ圧が共に摩擦
係数変動判断用しきい値としての所定時間TJUMPにわた
って減圧されなかった時は、路面が雪路等の滑り易い路
面から滑り難いアスファルト路に移るなどにより、路面
摩擦係数が所定の変動幅以上急激に大きくなったものと
判断して、上記の小加圧とは別の摩擦係数変動補正用の
小加圧指令を発する。即ち、例えば第3図において、右
前輪及び左前輪の減圧終了後の経過時間を計数(タイム
カウント)するタイマーの内容T1,T2が共に上記の摩擦
係数変動判断用しきい値TJUMP以上となる時点τJUMP
達すると、摩擦係数変動補正用の小加圧指令を発する。
この小加圧はΔT毎に行われ、その加圧時間tAは所定の
基準小加圧時間tBに補正を加えることにより決定され
る。
上記の車輪速度制御装置1による制御動作は、例えば
第4図、第5図及び第6図に示すようなフローチャート
のプログラムを用いてマイクロコンピュータにより実施
することができるので、以下これについて説明する。
マイクロコンピュータは各制御サイクルΔtが開始さ
れる毎に(ステップ100)、車体速度Vv、車輪速度Vwi
車輪スリップ速度Si、車輪速度微分値Vdi、制御変数Fi
(例えばFi=Si+Vdi)を算出し(ステップ101)、ステ
ップ102で制御変数Fiとその減圧判断用の第1しきい値F
THR1とを比較する。この比較においてFTHR1≦Fiであれ
ば、タイマーがリセットされ(ステップ103)、第5図
の入口から出口までのステップを実行した後、ステ
ップ108のタイマーがリセットされているか否かの判断
に移る。ステップ102においてFTHR1≦Fiでなければ、ス
テップ104においてタイマーの内容Tiとそのアンチロッ
ク制御終了判断用しきい値TTHRとを比較し、TTHR≦Ti
あれば、Tiが最大値に達したか否かの判断に移る(ステ
ップ106)。
ステップ104においてTTHR≦Tiでなければ、即ちアン
チロック制御中ならば、ステップ105において制御変数F
iとその加圧判断用の第2しきい値FTHR2との比較、即ち
Fi≦FTHR2かどうかの判断を行う。そして、Fi≦FTHR2
あれば、やはりタイマーがリセットされ(ステップ10
3)、第5図の入口から出口までのステップを経て
ステップ108に進む。ステップ105の判断において、Fi
FTHR2でなければ、タイマーの内容Tiが最大値に達した
かどうかの判断に移行する(ステップ106)。この時Ti
が最大値に達していればそのまま、またTiが最大値に達
していなければ、ステップ107でTiを1タイムカウント
進めて(Δt毎)、第5図の入口から出口までのス
テップを実行後、ステップ108の判断に進む。以上の機
能はマイクロコンピュータによるこの発明の車輪速度制
御装置における積分型ブレーキ圧コントローラのタイマ
ー機能の動作である。
第5図のステップにおいては、制御サイクルΔt毎に
右前輪の減圧終了後の経過時間を計時するタイマー(右
前輪用タイマー)の内容T1と摩擦係数変動判断用しきい
値TJUMPが比較され(ステップ501)、TJUMP≦T1でなけ
れば、路面の摩擦係数が所定変動幅以上急激に大きくな
ったことを示すフラグJFLAGが通常の小加圧を指示する
0にセットされ(ステップ502)、第4図の入口へ戻
る。ステップ501の比較でTJUMP≦T1であれば、ステップ
503で左前輪用タイマーの内容T2についてTJUMP≦T2の比
較が行われ、TJUMP≦T2であればJFLAGが摩擦係数変動補
正用の小加圧を指示する1にセットされ(ステップ50
4)て、第4図の入口へ戻る。ステップ503でT2<T
JUMPの時は、ステップ502でJFLAGを0にセットして、第
4図の入口へ戻る。以上のステップはマイクロコンピ
ュータによるこの発明の車輪速度制御装置における積分
型ブレーキ圧コントローラの路面摩擦係数変動フラグ機
能の動作である。
次に、ステップ108ではタイマーがリセットされてい
るかどうか、即ちTi=0かどうかの判断を行い、リセッ
トされていれば、ステップ109でカウンタをリセットし
(内容CTR=0)、ステップ113のTTHR≦Tiかどうかの判
断に進む。ステップ108の判断においてTi=0でなけれ
ば、ステップ110においてSiとその所定のしきい値STHR
との比較を行う。この時、STHR≦Siであれば、カウンタ
をインクレメントし(内容CTRを1カウント加算する;
ステップ111)、逆に、Si<STHRの時は、カウンタをデ
クレメントして(CTRを1カウント減じる;ステップ11
2)、ステップ113に進む。以上のステップはマイクロコ
ンピュータによるこの発明の車輪速度制御装置の積分型
ブレーキ圧コントローラにおけるカウンタ機能の動作で
ある。
マイクロコンピュータは、ステップ113においてもT
THR≦Tiかどうかの判断を行い、TTHR≦Tiであればアン
チロック制御を終了したと判断して、ステップ114にお
いて通常の加圧指令を発する(ブレーキ圧制御命令Cを
加圧に設定する)。ステップ113の判断においてTi<T
THRの時は、さらにTi=0かどうかの判断を行い(ステ
ップ115)、Ti=0であればステップ121を経てステップ
122に進む。ステップ115においてTi=0でなければ、ス
テップ116においてTiがΔTの整数倍かどうかの判断を
行い、TiがΔTの整数倍であれば、プログラムは第6図
の入口から出口までのルーチンへ進む。ステップ11
6においてTiがΔTの整数倍でなければ、ステップ117に
おいて小加圧実行時間tAについてtA=0かどうかの判断
を行い、tA=0であればブレーキ圧制御命令Cを保持に
設定して(ステップ118)、ステップ121へ進む。ステッ
プ117においてtA=0でなければ、ステップ119において
小加圧時間tAから1タイムカウントを減じると共に、ブ
レーキ圧制御命令Cを小加圧(加圧実行)に設定し(ス
テップ120)、ステップ121へ進む。
第6図においては、上記のようにタイマーの内容Ti
ΔTの整数倍(ΔT=n・Δt)に達する毎に(ステッ
プ600)、ステップ601においてカウンタの内容CTRの符
号をチェックし、0≦CTRでなければ、ステップ602でブ
レーキ圧制御命令Cを加圧に設定した後、路面摩擦係数
フラグについてJFLAG=1かどうかの判断を行い(ステ
ップ603)、JFLAG=1でなければステップ604でtAを基
準小加圧時間tBに設定し、ステップ606でカウンタをリ
セットした後第4図の入口へ戻る。ステップ603でJ
FLAG=1の時は、ステップ605で加圧時間tAを基準小加
圧時間tBに所定の摩擦係数変動補正時間tJ1を加えて補
正することにより、tA=tB+tJ1と設定し、ステップ606
を経て第4図の入口へ戻る。
ステップ601において0≦CTRの時は、ステップ607で
やはりJFLAG=1かどうかの判断を行い、JFLAG=1でな
ければステップ608でブレーキ圧制御命令Cを保持に設
定した後、ステップ606を経て第4図の入口へ戻る。
また、JFLAG=1であれば、ステップ609でブレーキ圧制
御命令Cを加圧に設定し、かつステップ610で加圧時間t
Aを所定の摩擦係数変動補正用の特別加圧時間tJ2に設定
することにより、tA=tJ2とし、ステップ606を経て第4
図の入口へ戻る。
第4図のステップ121においては、タイマーの内容Ti
についてTi=0か否かの判断が行われ、Ti=0でなけれ
ば、制御サイクルの開始点に戻る(ステップ126)。ま
た、Ti=0であれば、制御変数Fiについて、FTHR1≦Fi
かどうかの判断を行い(ステップ122)、FTHR1≦Fiであ
れば、ステップ125においてブレーキ圧制御命令Cを減
圧に設定して制御サイクルの開始点に戻る(ステップ12
6)。
ステップ122の判断においてFi<FTRH1の時は、ステッ
プ123でFi≦FTHR2かどうかの判断を行い、Fi≦FTHR2
あればブレーキ圧制御命令Cを加圧に設定して(ステッ
プ114)制御サイクルの開始点に戻る。逆に、FTHR2<Fi
であれば、ブレーキ圧制御命令Cを保持に設定して(ス
テップ124)、制御サイクルの開始点に戻る。
〔発明の効果〕
以上詳細に説明したように、この発明の車輪速度制御
装置によれば、車輪が滑り易い雪路から急に滑り難いア
スファルト路に移った場合等、路面の摩擦係数が所定変
動幅以上急激に大きくなった時、これを検出して摩擦係
数変動補正のための小加圧を行うようにしたため、滑り
難い路面に移ると直ぐに車体減速度を素早く立ち上がら
せることができて、制動距離が伸びるのを的確に防ぐこ
とができ、アンチロックブレーキシステムの性能向上に
少なからぬ貢献をなし得ることは明らかである。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の車輪速度制御装置の一実施例のブロ
ック図、第2図及び第3図はその動作を説明するための
グラフ、第4図、第5図及び第6図はこの発明の車輪速
度制御装置をマイクロコンピュータにより実施する場合
のプログラムの一例を示すフローチャートである。 1……車輪速度制御装置、2i(i=1,・・・,4)……車
輪速センサ、3……ブレーキ圧制御アクチュエータ、4i
……ブレーキ、11……車輪速演算手段、12……車体速演
算手段、13……車輪速微分手段、14……スリップ速度演
算手段、15……主ブレーキ圧コントローラ、16……積分
型ブレーキ圧コントローラ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪速度の微分値及び車体速度と車輪速度
    との差であるスリップ速度に基づき演算された制御変数
    に基づいて加圧、保持または減圧の指令を発するブレー
    キ圧コントローラを具えたアンチロックブレーキシステ
    ムにおける車輪速度制御装置において、上記指令により
    車輪速度がロックから回復し制御変数が所定の基準値の
    範囲内にある時、上記スリップ速度に基づきロック回復
    後のスリップ速度の過不足分をスリップ速度が適正値に
    より近付いているか否かを表す評価指数値を積算する積
    分的な演算により算出し、その結果に基づいて上記の加
    圧とは別に増圧レートの小さい小加圧の指令を発する積
    分型のブレーキ圧コントローラを備え、路面の摩擦係数
    が所定の変動幅以上に急激に大きくなった時、この摩擦
    係数の変動に対応する時間しきい値を越える経過時間を
    検出して摩擦係数変動補正用の小加圧を実行するように
    したことを特徴とする車輪速度制御装置。
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