JP2628458B2 - 節水型給水口開閉器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本願発明は、水道蛇口等の給水口
に取りつけて使用される節水型給水口開閉器に関する。

【０００２】

【従来の技術】例えば、水道蛇口からの放水を用いて手
洗い、洗顔、洗い物等を行う場合、一般にツマミの回し
操作により放水を開始したら放水を継続したまま上記の
手洗い等を行うことが多く、相当量の水の無駄使いが行
われている。このような水の無駄使いは、渇水時の水使
用、浄化装置を通した浄化水の使用時において見逃すこ
とのできない大きな損失である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】本願第１発明は、水使
用が完了したら直ちに止水して無駄な放水を止めること
ができ、しかも従来の蛇口と同様に連続放水も行うこと
ができる節水型給水口開閉器を提供することを課題と
し、本願第２発明は、上記第１発明の課題に加え、スト
レート、シャワー等の複数種の放水に切換えることので
きる節水型給水口開閉器を提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題解決の手段とし
て、本願第１発明は、給水口に接続されるべき接続口を
一端に、放水口を下端にそれぞれ有するボディ内におい
て、上記接続口から放水口へ通じる流路に、開閉弁を該
流路を開通および遮断できるように回転自在に支持し、
上記開閉弁に、上記流路を遮断する回転方向へ常時付勢
する戻しバネを装備すると共に、上記開閉弁を上記流路
を全開通させる位置に弾性的に保持する弾性保持手段を
設け、上記ボディ外において上記開閉弁に、弁開閉レバ
ーの一端部を該開閉弁を回転できるように固定すると共
に、上記弁開閉レバーの他端部を上記放水口の下に揺動
自在に位置させたとき上記開閉弁が上記流路を遮断して
いるが、、上記放水口下に位置する弁開閉レバー他端部
を若干揺動させたとき上記開閉弁が上記流路を半開通さ
せる位置関係にある、節水型給水口開閉器を提案し、

【０００５】本願第２発明は、上記第１発明における開
閉弁を有する流路の出口に、複数の分岐流路を介して複
数種の放水口をそれぞれ接続し、上記複数の分岐流路の
分岐点に、上記複数種の放水口を上記流路出口に選択的
に切換接続させるべき切換弁を設け、上記ボディ外に、
上記切換弁を切換える切換操作部材を設けた、節水型給
水口開閉器を提案する。

【０００６】本願発明における上記「給水口」とは、水
道蛇口、浄水器の水供給口、貯水槽の水供給口等を含
む。

【０００７】また、上記「弾性保持手段」には、ストッ
プボール、開閉弁の丸軸に設けた弦月状切欠部に板バネ
を圧接させるもの、その他種々の構造のものが含まれ
る。

【０００８】上記第２発明における「複数種の放水口」
とは、ストレート放水口、シャワー放水口、細いシャワ
ーの放水口、太いシャワーの放水口等の放水口の複数で
ある。

【０００９】また、上記第２発明における「切換弁」に
は、直線移動型切換弁、回転型切換弁、揺動型切換弁等
種々のものが使用される。以下図面を参照して本願発明
の実施例について説明する。

【００１０】

【実施例】図１、２、３、４において、円柱状ボディ
（１）の上端部内に水道蛇口接続口（２）を、下端部内
に放水口金取付口（３）をそれぞれ凹設し、上記接続口
（２）の口端部には、蛇口固定リング（４）を上部キャ
ップ（５）の螺着により取りつけ、また上記取付口
（３）には、多数のシャワー放水口を有するシャワー口
金（６）を下部キャップ（７）の螺着により取りつけて
あり、これら接続口（２）と取付口（３）を開通する軸
心方向の流路（８）の中間に、円柱状の回転式開閉弁
（９）を軸心線と直交方向に向けて回転自在に支承して
ある。（１０）は水道蛇口、（１１）はゴムパッキング
である。

【００１１】上記開閉弁（９）は直径方向に貫通する弁
孔（１２）を有するもので、その一端部（１３）を上記
ボディ（１）内部に回転自在に嵌合すると共に、他端部
（１４）を上記ボディ（１）の外周面に露出している。
この開閉弁（９）を開閉するレバー（１５）は、その一
端部に二又状のアーム部（１６）、（１６）を突設し、
該両アーム部の一方（１６）の先端部を上記開閉弁
（９）の上記露出端面にネジ（１７）により固定し、他
方のアーム部（１６）の先端部内側面に短い筒軸部（１
８）を突設し、該筒軸部（１８）を、上記ボディ（１）
に螺着して突設された軸（１９）に回転自在に支持さ
せ、このように一端部を開閉弁（９）に取りつけた弁開
閉レバー（１５）を上記ボディ（１）の背後から下方へ
吊下し、その際レバー（１５）上端部に設けたストッパ
ー（２０）が上記ボディ（１）背面に当接すると、該レ
バー他端部（２１）が上記ボディ（１）のシャワー口金
（６）のほぼ中心下方に位置するようにしてある。

【００１２】ここで、上記レバー（１５）の他端部（２
１）が図１のように上記シャワー口金（６）の中心下方
に位置するときは図３のように上記開閉弁（９）が流路
（８）を遮断しているが、上記レバー他端部（２１）を
後方へ（図１右方へ）揺動させていくと、上記弁（９）
が図３反時計方向へ回転し、その弁孔（１２）が流路
（８）の入口に一部開口すると該流路（８）を半開通さ
せ、ついで弁孔（１２）が流路（８）入口に全開すると
該流路（８）を全開通させる位置関係にある。

【００１３】上記レバー（１５）の揺動後、その他端部
（２１）がシャワー口金（６）の中心下方に戻るよう
に、該レバー（１５）に常時付勢する手段として、上記
二又状アーム部の一方（１６）に突設された筒軸部（１
８）に戻しコイルバネ（２２）を巻装すると共に該バネ
（２２）の一端をアーム部（１６）に、他端をボディ
（１）にそれぞれ係止して、該バネ（２２）の弾性復元
力を図１、３においてレバー（１５）に時計方向への回
転力として加えている。

【００１４】上記弁（９）を上記戻しバネ（２２）に抗
して流路全開通位置に保持する手段として、本例ではボ
ディ（１）内部に上記弁（９）の外周面に開口する半径
方向のボール孔（２３）を設け、該孔（２３）内にスト
ップボール（２４）および該ボールを弁（９）がわへ弾
発するコイルバネ（２５）を内装すると共に、上記弁
（９）が流路全開通位置にあるときに上記ストップボー
ル（２４）に対向する弁外周面に半球状の係止穴（２
６）を設けてある。

【００１５】上例の作用は次のようである。予め水道蛇
口（１０）の弁を開いておき、弁開閉レバー（１５）の
他端部（２１）がシャワー口金（６）の中心下方に位置
する図１、３の状態において、今、手を洗うため該手を
シャワー口金（６）の下に延ばしつつ上記レバー（１
５）の他端部（２１）を後方（図１矢印方向）へ若干押
すと、開閉弁（９）が図３反時計方向に回転して流路
（８）を半開通させ、それにより水道蛇口（１０）の水
が流路（８）、弁孔（１２）を通ってシャワー口金
（６）の放水口から手に放出される。所要の手洗い後、
手をシャワー口金（６）下から離すと、レバー他端部
（２１）の押しも自動的に解除されるから、該レバー
（１５）が戻しバネ（２２）により図１、３時計方向に
揺動してレバー他端部（２１）を元のシャワー口金
（６）の中心下方に戻し、それにより開閉弁（９）が元
の流路（８）を遮断する位置に回転し、水の放水を自動
的に断つ。

【００１６】水を連続的に放水させたい場合は、上記弁
開閉レバー（１５）の他端部（２１）を大きく後方へ押
して開閉弁（９）をストップボール（２４）と係止する
まで回転させると、上記弁（９）が流路（８）を全開通
させた位置で戻しバネ（２２）に抗して停止し、それに
より放水を開始すると共に手をレバー（１５）から離し
ても放水を継続する。レバー他端部（２１）を元のシャ
ワー口金（６）中心下に引き戻せば、弁（９）がストッ
プボール（２４）との係止から離脱して流路（８）を遮
断する。なお、必要によっては図２に示すように上記弁
開閉レバー（１５）の二又状アーム部の一方（１６）か
らさらに弁開閉レバー（２７）を延出させてもよい。

【００１７】図５、６、７の別の節水型給水口開閉器
は、上記図１〜４の開閉器と実質的に同一のものに２種
の放水口を切換自在に付加したもので、ボディ（１ａ）
の放水口金取付口（３ａ）に、中心部に位置するストレ
ート口金（６ａ）およびその周囲に位置する環状のシャ
ワー口金（６ａ’）を取りつけると共に、各口金（６
ａ）、（６ａ’）内に、流路（８ａ）の出口から分岐す
る垂直分岐流路（２８ａ）および左右分岐流路（２９
ａ）、（２９ａ）をそれぞれ接続し、これらの分岐点に
直線移動型切換弁（３０ａ）を配設してある。上記切換
弁（３０ａ）は、図７に示すように上面を片流れの弧状
傾斜面とした平面矩形のピースで、その上面頂部にラッ
ク（３１ａ）を設けると共に、上面低部に、上記流路
（８ａ）出口と垂直分岐流路（２８ａ）を開通させるべ
き弁孔（３２ａ）、および上記流路（８ａ）出口と左右
分岐流路（２９ａ）、（２９ａ）を開通させるべき二又
状弁孔（３３ａ）を有するもので、この切換弁（３０
ａ）をボディ（１ａ）内の弁室（３４ａ）内に摺動自在
に挿入し、該切換弁の切換作動手段として、ボディ（１
ａ）内に上記切換弁のラック（３１ａ）とかみ合うピニ
オン（３５ａ）を回転自在に保持し、該ピニオン（３５
ａ）に突設された軸部（３６ａ）のボディ（１ａ）外へ
の突出端に切換レバー（３７ａ）をネジ（３８ａ）によ
り固定してある。上記切換レバー（３７ａ）の揺動によ
りピニオン（３５ａ）を所要角度回転させれば、それと
かみ合うラック（３１ａ）を介して切換弁（３０ａ）が
移動して、その弁孔（３２ａ）および（３３ａ）を上記
流路（８ａ）の出口に選択的に開口させ、それによりス
トレートとシャワーの切換放水を行う。他の節水構造は
図１〜４と実質的に同一である。ただし開閉弁（９ａ）
を全開通位置に保持するストップボールはボディ（１
ａ）の半径位置から適宜ずれた位置に配設してある。

【００１８】

【発明の効果】本願第１発明の節水型給水口開閉器によ
れば、洗うべきものを放水口の下につき出し、それに伴
いその位置にある弁開閉レバーの他端部を若干押せば、
放水口から放水され、洗うべきものを放水口の下から離
せば自動的に放水が遮断され、それにより無駄な放水を
除くことができると共に、必要により弁開閉レバーをさ
らに揺動させれば、開閉弁が弾性保持手段に保持され
て、手を弁開閉レバーから離しても放水を継続させるこ
とができるのである。

【００１９】本願第２発明の節水型給水口開閉器によれ
ば、上記第１発明の効果に加え、切換操作部材の切換操
作によりストレート放水、シャワー放水等複数種の放水
を選択使用することができるのである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本器の側面図である。

【図２】同上平面図である。

【図３】図２のＩＩＩ−ＩＩＩ線拡大断面図である。

【図４】図２の弁開通状態のＩＶ−ＩＶ線拡大断面図で
ある。

【図５】他の節水型給水口開閉器の縦断側面図である。

【図６】図５のＶＩ−ＶＩ線断面図である。

【図７】切換弁の拡大斜面図である。

【符号の説明】

１、１ａ ボディ ２、２ａ 水道蛇口接続口 ６、６ａ’ シャワー口金 ６ａ ストレート口金 ８、８ａ 流路 ９、９ａ 開閉弁 １０ 水道蛇口 １５、１５ａ 弁開閉レバー ２１ 弁開閉レバーの他端部 ２２ 戻しコイルバネ ２４ ストップボール ２８ａ 垂直分岐流路 ２９ａ 左右分岐流路 ３０ａ 切換弁 ３７ａ 切換レバー

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 給水口に接続されるべき接続口を一端
   に、放水口を下端にそれぞれ有するボディ内において、
   上記接続口から放水口へ通じる流路に、開閉弁を該流路
   を開通および遮断できるように回転自在に支持し、 上記ボディ外において上記開閉弁に弁開閉レバーの一端
   部を固定して他端部を該開閉弁を回転できるように揺動
   可能に延長すると共に、上記弁開閉レバーの他端部を上
   記放水口の下に位置させたとき上記開閉弁が上記流路を
   遮断し、上記レバー他端部を上記放水口の下から揺動さ
   せるに伴い上記開閉弁が上記流路を半開通ついで全開通
   させる位置関係におき、 上記弁開閉レバーに、その他端部が上記放水口の下に戻
   るように常時付勢する戻しバネを備え、 上記開閉弁を上記戻しバネに抗して上記流路を全開通す
   る位置に弾性的に保持する弾性保持手段を設けた、節水
   型給水口開閉器。
2. 【請求項２】 上記開閉弁を有する流路の出口に、複数
   の分岐流路を介して複数種の放水口をそれぞれ接続し、 上記複数の分岐流路の分岐点に、上記複数種の放水口を
   上記流路出口に選択的に切換接続させるべき切換弁を設
   け、 上記ボディ外に、上記切換弁を切換える切換操作部材を
   設けた、請求項１に記載の節水型給水口開閉器。