JP2627813B2 - プログラム制御自動加工装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は自動車用大型部品の平面研削加工に利用す
る。本発明は自動車用大型部品の搬入、両面研削加工、
搬出を自動的に行うプログラム制御自動加工装置に関す
る。

〔概要〕

本発明は自動車用大型部品の研削加工を行うプログラ
ム制御自動加工装置において、 治具上に基準面を有するスキッドパッドを設け、この
スキッドパッドの基準面に被加工物を滑り込ませて固定
することにより、 基準面上の切粉やごみを自動的に取り除けるように
し、搬入、搬出、および上下両面の研削加工の全工程を
自動化できるようにしたものである。

〔従来の技術〕

従来、自動車用大型部品の平面研削は、第６図に示す
ように、作業者が切粉やごみを取り除くためにマグネッ
トチャック21の上面を加工終了の都度吹き取り、吊り具
22を用いて被加工物２をコンベア23aからマグネットチ
ャック21上に移動させ、磁力により固定して上面の研削
加工を行い、さらに被加工物２をコンベア23a上に取り
出して反転し上面同様に下面の加工を行いコンベア23c
に移動させていた。

〔発明が解決しようとする課題〕

このような従来の加工方法では、被加工物の取り付け
にマグネットチャックを用いているので上面に残されて
いる切粉やゴミを作業者の手によって加工終了の都度て
いねいに吹き取らなければならず、またカバーを備えた
テーブルが左右に大きく動くためにコンベアと加工装置
間に所定の距離を必要とし、さらに二個掛け作業を使用
すると装置が大型化するなどの問題があり、自動化を実
現することができなかった。

本発明はこのような背景のもとに行われたもので、高
い加工精度を維持するとともに、被加工物の搬入から搬
出までの全工程を自動化できる加工装置を提供すること
を目的とする。

〔課題を解決するための手段〕

本発明は、平面（XY）方向に移動するテーブルと、こ
のテーブルの上に取付けられ、被加工物を載置する治具
と、前記テーブルに取付けられ、この治具上に載置され
た被加工物の前記テーブルに対する位置を固定または解
放する固定手段と、工具を保持し駆動する工具駆動手段
とを備え、前記テーブルの移動、前記固定手段の固定ま
たは解放の設定、前記工具駆動手段の移動および回転駆
動を制御するプログラム制御回路を備えたプログラム制
御自動加工装置において、前記治具と被加工物との間に
基準面を有するスキッドパッドが挿間され、横（Ｘ）方
向から到来する被加工物を受けこのスキッドパッドの上
面に被加工物を滑り込ませて載置し、加工済の被加工物
をこのスキッドパッドの上面から取り出すローダが前記
テーブルの縦（Ｙ）方向位置に配置され、前記プログラ
ム制御回路にはこのローダを制御する手段を含むことを
特徴とする。

前記ローダは、台座に取付けられたリフトアップシリ
ンダと、このシリンダの昇降端に取付けられたラック
と、このラックと噛合するピニオンが取付けられた第一
スライダと、このピニオンに噛合する第二スライダとを
備え、この第二スライダの上面が前記スキッドパッドの
上面とほぼ等しい高さに設定可能であり、前記ローダの
横（Ｘ）方向位置に、このローダから被加工物を受けて
その表裏を反転させ、このローダに戻す自動反転装置が
配置され、前記プログラム制御回路には、この自動反転
装置を制御する手段を含み、前記工具駆動手段は、前記
スキッドパッド上に載置された被加工物の種類を検出す
る検出手段を備え、前記プログラム制御回路は、この検
出手段を制御しその検出出力により載置された被加工物
を識別する手段を含むことができる。

〔作用〕

コンベアから到来する被加工物をローダの第二スライ
ダが受け取り、リフトアップシリンダを第二スライダの
上面、すなわち第二スライダに載置された被加工物の下
面がスキッドパッドの上面とほぼ等しい高さになるまで
上昇させる。上昇端に達したときに第一スライダをＹ
（＋）方向に前進させ加工装置のカバーの直前で停止さ
せ、さらにカバー上部に位置する第二スライダを前進さ
せ、スキッドパッドの上面（基準面）に被加工物を滑り
込ませる。

この滑り込み動作によりスキッドパッドの基準面上の
切粉やごみが取り除かれ、被加工物は突き当て面で位置
決めされて所定の位置に載置される。載置された被加工
物は固定手段により固定された後検出手段によって機種
が検出される、その検出出力によりプログラムが選択さ
れ上面が加工される。

上面加工が終了すると固定が解除されてローダの第一
スライダが被加工物を受け取り第二スライダとともに原
位置に戻される。次いでリフトダウンにより被加工物は
自動反転装置に移され、反転されて再びローダに戻さ
れ、上面加工と同様の工程を経て下面加工が行われる。

これにより、被加工物を載置するときにスキッドパッ
ドの基準面上の切粉やごみを自動的に取り除くことがで
き、またローダを二段スライドさせることによって高さ
方向、およびコンベアとテーブル間の間隔による制約を
解消し全工程を完全に自動化することができる。

〔実施例〕

次に、本発明実施例を図面に基づいて説明する。第１
図は本発明実施例の要部の構成を示す図、第２図（ａ）
および（ｂ）は本発明実施例におけるローダによる被加
工物の取付け、および取外し動作を示す図、第３図は本
発明実施例のスキッドパッドおよびローダの位置関係を
示す斜視図、第４図は本発明実施例における検出手段の
取付け状態を示す図、第５図（ａ）は本発明実施例の全
体構成を示す図、同図（ｂ）は本発明実施例における作
業の流れを示す流れ図である。

本発明実施例は、平面（XY）方向に移動するテーブル
１と、このテーブル１の上に取付けられ、被加工物２を
載置する治具３と、テーブル１に取付けられ、この治具
３上に載置された被加工物２のテーブル１に対する位置
を固定または解放する固定手段４と、研削砥石５を保持
し回転駆動するとともに垂直（Ｚ）方向に上下する工具
駆動手段６と、テーブル１の移動、固定手段４の固定ま
たは解放の設定、工具駆動手段６の移動および回転駆動
を制御する図外のプログラム制御回路とを備え、さら
に、本発明の特徴として、治具３と被加工物２との間に
基準面を有するスキッドパッド７が挿間され、横（Ｘ）
方向から到来する被加工物２を受けこのスキッドパッド
７の上面に被加工物２を滑り込ませて載置し、加工済の
被加工物２をこのスキッドパッド７の上面から取り出す
ローダ８がテーブル１の縦（Ｙ）方向位置に配置され、
プログラム制御回路にはこのローダ８を制御する手段を
含み、ローダ８には、台座９に取付けられたリフトアッ
プシリンダ10と、このリフトアップシリンダ10の昇降端
に取付けられたラック11aと、このラック11aと噛合する
ピニオン12が取付けられた第一スライダ13と、このピニ
オン12に噛合するラック11bが設けられた第二スライダ1
4とを備え、この第二スライダ14の上面がスキッドパッ
ド７の上面とほぼ等しい高さに設定可能であり、ローダ
８の横（Ｘ）方向位置に、ローダ８から被加工物２を受
けてその表裏を反転させ、ローダ８に戻す自動反転装置
15が配置され、プログラム制御回路には、この自動反転
装置を制御する手段を含み、工具駆動手段６には、第３
図に示すようにスキッドパッド７上に載置された被加工
物２の種類を検出する検出手段16を備え、プログラム制
御回路には、この検出手段16を制御しその検出出力によ
り載置された被加工物２を識別する手段を含む。

次に、このように構成された本発明実施例の動作につ
いて説明する。

第５図（ａ）に示すようにコンベア23a上をＸ（−）
方向から被加工物（本実施例の場合シリンダヘッド）２
が固定コンベア23b上に移動すると、まず、ローダ８の
リフトアップシリンダ10が第２図（ａ）に示すの方向
に上昇して被加工物２をその底面がスキッドパッド７の
上面とほぼ等しい高さになるまで押し上げ停止する。次
に、第一スライダ13がピニオン12により駆動力を受け第
２図（ａ）に示すの方向、すなわちＹ（＋）方向に前
進しカバー17の直前で停止し、次いで、第二スライダ14
がカバー17の上部を通過してさらに前進する。

このとき、第二スライダ14のリフトバー14aは第３図
に示すようにスキッドパッド７相互間の空間を前進し、
同時に被加工物２のＹ（＋）方向の端部がスキッドパッ
ド７の上面（基準面）を滑りながら移動して切粉やゴミ
を排除し突き当て面で位置決めされる。

第二スライダ14が所定の位置に達したときに、リフト
アップシリンダ10は、第２図（ａ）に示すの方向に下
降し、リフトバー14aの底面が治具３の上面に接する直
前で停止する。このリフトバー14aの下降により被下降
物２は切粉やごみが取り除かれた基準面上に載置され
る。

被加工物２の載置が終了すると、第二スライダ14がピ
ニオン12の駆動により第２図（ａ）に示すの方向、す
なわちＹ（−）方向に後退し、さらに第一スライダ13が
後退して停止する。

一方、載置された被加工物２は複数の固定手段４によ
り固定され、第４図に示すように工具駆動手段６が下降
し、工具駆動手段６に備えられた検出手段16が被加工物
２の所定の位置にタッチして機種を検出し、検出出力を
図外のプログラム制御回路に出力する。プログラム制御
回路はこの検出出力により載置された被加工物２の機種
を識別し、あらかじめ定められた加工プログラムを選択
して所定の加工を行う。

加工が終了すると被加工物２を固定していた固定手段
４が解除され、第一スライダ13および第二スライダ14が
第２図（ｂ）に示すの方向に前進し、次いで、リフト
アップシリンダ10が同図に示すの方向に上昇して被加
工物２をリフトバー14a上に受け、第一スライダ13およ
び第二スライダ14が同図に示すの方向に後退し、リフ
トアップシリンダ10が同図に示すの方向に下降して被
加工物２を固定コンベア23b上に載置する。

固定コンベア23b上に載置された被加工物２は図外の
移動手段によって自動反転装置15に移され、自動反転が
行われて再度固定コンベア23b上に戻される。

固定コンベア23b上に移された被加工物２は前述した
上面の加工と同様に第５図（ａ）および（ｂ）に示す工
程を経てコンベア23cに移される。

第５図（ｂ）に示す本実施例に係る工程のすべての制
御は図外のプログラム制御回路によって行われる。

〔発明の効果〕

以上説明したように本発明によれば、マグネットチャ
ックに代えてスキッドパッドを設けその上面を基準面と
して被加工物を滑り込ませ切粉やごみを自動的に排除で
きるようにすることにより、被加工物の搬入、上下両面
の反転加工、および搬出までのすべての工程を自動化す
ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明実施例の要部の構成を示す図。 第２図は本発明実施例におけるローダによる被加工物の
取付け、および取外し動作を示す図。 第３図は本発明実施例のスキッドパッドおよびローダの
位置関係を示す斜視図。 第４図は本発明実施例における検出手段の取付け状態を
示す図。 第５図（ａ）は本発明実施例の全体構成を示す図。 第５図（ｂ）は本発明実施例における作業の流れを示す
流れ図。 第６図は従来例を説明する斜視図。 １……テーブル、２……被加工物、３……治具、４……
固定手段、５……研削砥石、６……工具駆動手段、７…
…スキッドパッド、８……ローダ、９……台座、10……
リフトアップシリンダ、11a、11b……ラック、12……ピ
ニオン、13……第一スライダ、14……第二スライダ、14
a……リフトバー、15……自動反転装置、16……検出手
段、17……カバー、21……マグネットチャック、22……
吊り具、23a、23c……コンベア、23b……固定コンベ
ア、100……プログラム制御自動加工装置（自動平面研
削盤）。

Claims (3)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平面（XY）方向に移動するテーブルと、 このテーブルの上に取付けられ、被加工物を載置する治
   具と、 前記テーブルに取付けられ、この治具上に載置された被
   加工物の前記テーブルに対する位置を固定または解放す
   る固定手段と、 工具を保持し駆動する工具駆動手段と を備え、 前記テーブルの移動、前記固定手段の固定または解放の
   設定、前記工具駆動手段の移動および回転駆動を制御す
   るプログラム制御回路を備えた プログラム制御自動加工装置において、 前記治具と被加工物との間に基準面を有するスキッドパ
   ッドが挿間され、 横（Ｘ）方向から到来する被加工物を受けこのスキッド
   パッドの上面に被加工物を滑り込ませて載置し、加工済
   の被加工物をこのスキッドパッドの上面から取り出すロ
   ーダが前記テーブルの縦（Ｙ）方向位置に配置され、 前記プログラムは制御回路にはこのローダを制御する手
   段を含み、 前記ローダは、台座に取付けられたリフトアップシリン
   ダと、このシリンダの昇降端に取付けられたラックと、
   このラックと噛合するピニオンが取付けられた第一スラ
   イダと、このピニオンに噛合する第二スライダとを備
   え、この第二スライダの上面が前記スキッドパッドの上
   面とほぼ等しい高さに設定可能である ことを特徴とするプログラム制御自動加工装置。
2. 【請求項２】前記ローダの横（Ｘ）方向位置に、このロ
   ーダから被加工物を受けてその表裏を反転させ、このロ
   ーダに戻す自動反転装置が配置され、 前記プログラム制御回路は、この自動反転装置を制御す
   る手段を含む 請求項１記載のプログラム制御自動加工装置。
3. 【請求項３】前記工具駆動手段は、前記スキッドパッド
   上に載置された被加工物の種類を検出する検出手段を備
   え、前記プログラム制御回路は、この検出手段を制御し
   その検出出力により載置された被加工物を識別する手段
   を含む請求項１記載のプログラム制御自動加工装置。