JP2627808B2 - 履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装置及びその製造方法 - Google Patents

履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装置及びその製造方法

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JP2627808B2 JP2008524A JP852490A JP2627808B2 JP 2627808 B2 JP2627808 B2 JP 2627808B2 JP 2008524 A JP2008524 A JP 2008524A JP 852490 A JP852490 A JP 852490A JP 2627808 B2 JP2627808 B2 JP 2627808B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、荷重を支えるクッション装置に関し、より
詳細に云えば改良されたバリヤー材料を利用する改良さ
れたふくらまされたクッション装置に関し、この装置は
改良されたバリヤー材料を利用しこのバリヤー材料は、
窒素の拡散を選択的にコントロールし且つ、窒素ガスに
対して大きな分子構造をもち溶解性が小さいガス(以下
スーパーガスと云う。)の拡散を防止し、一方空気中に
含まれているその他のガスのコントロールされた拡散を
可能とさせる。
(関連出願) 本願は、「加圧可能なエンベロープと方法」について
1988年2月5日に出願された米国特許申請第07/147.131
号と、これと同日に出願された第07/452.070号とに関す
るものであり、この内容全部を本書の一部とする。
(従来技術とその問題点) 本出願は、1983年1月15日に発行された、発明の名称
を「履物の中底構造」とした米国特許第4.183.156号
と、1981年9月1日に発行れた、発明の名称を「製品及
び物体のためのエラストマークッション装置」とした米
国特許第4.287.250号と、1982年7月20日に発行され
た、発明の名称を「拡散ポンピング機構による自己膨張
装置」とした米国特許第4.340.626号とを含む私の先の
米国特許の改良である。
米国特許‘156号は、好ましくはヒートシールされ、
製造時に恒久的に膨張・加圧されたエラストマーフィル
ムのエンベロープから成る、履物用のクッション装置を
開示している。特許‘250号はもっと一般的で、他の種
類のクッション製品、即ち、クッション・アブソーバ、
包装ライナー、ヘルメット、ドアシール及び窓シール、
体操用マット、マットレス、個人の保護用パッド、等の
クッション製品に適用される。これらの以前の製品は、
開示されている物理的性質を持った熱可塑性エラストマ
ーフィルムを使用し、そこに開示されている新規な膨張
用ガス、即ち、「スーパーガス」で膨張させられて、長
期間比較的高圧を保つ。製品の有効な寿命の間本質的に
恒久的なふくらみを達成するこの方法は、私の以前の米
国特許‘626号に詳しく記載されている拡散ポンピング
という新規な方法も利用している。恒久的ふくらみの或
る形と、そのための技術は、履物に使用されるふくらま
せられた製品又はエアークッション素子が商売的に好評
を得るために重要である。例えば、 (1)全てのバルブシステムには、たとえ新しくてもあ
る程度の漏れがあり、汚れがあるときにはずっと大きい
漏れがある。ふくらまされる部分の容積は小さいので、
僅かの漏れでも圧力を許容できないほど低下させ、同時
にクッション作用、弾力性及び支持作用を低下させる。
(2)適切なクッション作用を行わせるには、エアーク
ッション又はふくらませた製品の加圧レベルを相当正確
にコントロールされたレベルに維持すること、即ち、所
望の圧力から数ポンドの範囲内に保つことが必要であ
る。
(3)普通、ユーザーは、気短かであり、装置内のふく
らます圧力を適切に維持するのに必要な時間を取らず又
骨折りをしない。
(4)バルブシステムを有するエアークッション又は製
品のコストは高くなる傾向がある。バルブのコストがか
かるだけでなくて、ユーザーはポンプと圧力計とを備え
なくてはならず、その両方とも高価である。
(5)ユーザーがエアークッションに圧力をかけすぎて
傷めたり破壊したりすることがしばしばある。
(6)加圧が不適切又は不十分であれば、ユーザーが負
傷する可能性がある。
(7)ユーザーが必要とするときにポンプや圧力計を使
用できないことがある。
(8)履物用のクッション部材等の、容積の小さなクッ
ション装置では、容積が非常に小さくて圧力が非常に高
いので、典型的なブルドン管圧力計で圧力の読みをとる
プロセスの間に圧力が2ないし5ポンド低下する。よっ
て、ユーザーは、読みをとる前に2ないし5ポンド余計
にふくらまさせるようにしなければならない。これは、
特に子供にはやりにくい作業である。サンドイッチの内
部にある種のバリヤー層を有する多層フィルムサンドイ
ッチから成るガスバリヤーのエンベロープを作る努力
は、溶接個所に隣接して、或いは曲げ応力の大きな領域
で層間剥離が生じるので、常に失敗する。
これらの装置では、拡散ポンピング作用を利用するこ
とが重要である。何故ならば、実用的な長時間使用でき
る加圧されたクッションを作るために、例えば良好な加
工性、良好なヒートシール特性、比較的高周期的な荷重
を繰り返し加えた際の優れた疲労抵抗、等の特別の物理
的特性を有すると共に、適当な引張り強さ、空気洩れ抵
抗、引き裂き強さ、及び弾性を持っている熱可塑性エラ
ストマーエンベロープフィルムを使用する必要があった
からである。これらの実用上の考慮事項は、フィルムの
バリヤーとしての特性(ふくらますガスの外方への拡散
に対する抵抗)より優先するものであるので、スーパー
ガスで膨張させ、内部圧力を設計限界内に維持するため
に空気による拡散ポンピング作用を利用する必要があっ
た。ふくらます圧力を保つには良好なバリヤー材料が望
ましいであろうが、そのような材料は必然的に結晶質の
構造を有し、特にヒートシール性、疲労抵抗性及び弾性
について非常に貧弱で許容できない物理的特性を持って
いる。従って、そういう材料をこのような用途に使うこ
とは出来なかった。換言すると、バリヤー材料を選択す
る際の考慮事項に一つは、スーパーガス等のような比較
的大きな分子直径のふくらますガスを膨張剤として使用
したこと、及び、フィルム材料は、スーパーガスを保留
するけれども空気中に存在するガス等の、より小さな分
子直径のガスの拡散を許す材料であったことである。空
気の組成は、窒素(78%)、酸素(20.9%)、二酸化炭
素(0.033%)、アルゴン(0.934%)、及び全体として
外気の約百万分の三十を成す他のガス(ネオン、ヘリウ
ム、クリブトン、キセノン、水素、メタン、及び亜酸化
窒素)である。
拡散ポンピングは私の先の米国特許‘626号に次のよ
うに記載されている。一対の選択的に気体を透過するエ
ラストマー・シートを溶接線に沿って、所望の間隔で相
互に密封して1個又は複数のチャンバを形成し、後にこ
の室をガス又はガスの混合物で大気圧以上の所定圧力に
ふくらます。選択されたガスの、チャンバの外部への該
透過性シートを通しての拡散速度は非常に低く、外気の
窒素、酸素、及びアルゴンの該シートを通しての該チャ
ンバ内への拡散速度は割合に高いので、空気中の窒素、
酸素及びアルゴンの分圧の、該チャンバ中のガスの分圧
への加算である拡散ポンピングによってチャンバ内の全
圧(ポテンシャルエネルギーレベル)が増大する結果と
なる。
膨張剤としてのスーパーガスによる拡散ポンピング
は、空気中のガス成分のエンベロープ中への拡散に依存
するので、内部圧力が安定状態に達するまでに或る時間
を要する。例えば、酸素ガスはエンベロープ内へ割合に
速やかに普通は約数時間で、拡散する。その結果、内圧
を約2.5psi上昇させる。次の数カ月間に亘って、窒素ガ
スがエンベロープ中に拡散し、その結果として圧力が約
12psiだけ次第に上昇する。
該フィルムのエラストマーとしての性質のために、第
2の効果が現れる。それは引張弛緩、所謂クリープであ
る。外形が安定状態に達する迄に、次第に圧力が増大す
ることによってエンベロープの容積が元の外形容積から
約20%増大する。正味の効果は、或る期間にわたって内
圧が約14psi上昇し、エンベロープの外形の容積が膨張
によって変化することである。実際問題として、この様
な外形の変形は、有効な製品を製造するためのコントー
ルされた製品技術により補正されてきた。それにもかか
わらず、この様な外形の変化は、外形が厳密にコントロ
ールされなければならないふくらませた製品の設計にハ
ンディを与えるものであった。
前記の特許において言及されている他の利点に加えて
クッション感覚を与える膨張製品を提供することが目的
であったことを考えると、ふくらませすぎると、クッシ
ョンよりは寧ろ固すぎる製品となる傾向があった。後に
内圧が上昇するのを補償するためにふくらませ方を少な
目とした場合には、クッションとして作用せずに「底を
つく」製品となった。
数カ月にわたって圧力が上昇する結果として、ふくら
ませすぎでない製品を提供するために、最初にスーパー
ガスと空気との混合物をエンベロープに満たし、斯くし
て最初に所望のクッション感覚を与えることを考えた。
しかし、これによって、クリープによる容積増大を解消
することは出来なかった。クッション感覚を与えるため
に所定量のスーパーガスと空気とを混合する必要がある
ので、製造プロセスが複雑となった。
私の先の拡散ポンピング技術によって達成された目的
は、大気中の空気を含む膨張ガスの分圧エネルギーを抽
出する、非常に丈夫で、信頼性が高く、疲労耐性があ
り、寿命の長い手段を開発し、完成させ、この潜在的な
エネルギーを色々な製品において有用な仕事を行うため
に使用し、或は変換することであった。
スーパーガスと、弾力性のある非結晶質フィルム材料
とを使用する拡散ポンピングは満足に機能したけれど
も、もっと良い製品が望まれる。例えば、数百万足の履
物が過去10年間以上に米国及び世界中でナイキシューカ
ンパニー(Nike shoe Company)により「AIR SOLE」そ
の他の商標で販売された。ナイキシューカンパニーのこ
れらの製品は、前記特許のうちの一件又は数件に従って
作られており、競合する履物製品に比べて実際的な利点
を持つガスで充填された寿命の長い部品の利点を持った
上昇の履物であると広く認められている。偶発的なパン
クを含むあらゆる原因による故障率は0.001%より低い
と考えられている。それでも、後述する様に、上記特許
発明の現在商業的に利用されている形には改良の余地が
ある。
酸素又は炭素ガスに対して本質的に不透過性のある種
のプラスチックを使用することも知られている。代表的
には、これらのプラスチックは、飲料産業のプラスチッ
クボトルに使われるポリカーボネート材料又はSARAN又
はPVDC又はポリエチレンテレフタレート(PET)であ
る。ポリカーボネートや、これと類似した完全に不透過
性のプラスチックの難点は、疲労に対する耐性が比較的
低く、高周波溶接を形成し難いことである。例えば、こ
れらの材料から成る製品を膨張させ加圧して強い曲げ疲
労を受けると、その部分は数分ないし数時間の使用後に
破損する。かかる材料を密封するためには、対面してい
るプラスチックを融点まで過熱してある程度流動させる
ことが一般に必要である。その結果として、これらの材
料では、所定の外形を保ち、熱融合により丈夫で良好な
溶接を得ることは、不可能ではないとしても、困難であ
る。これらの材料は、本質的に極性ではないので、一般
にはうまく高周波溶接することが出来ない。
疲労耐性が非常に高く、容易に溶接可能でヒートシー
ルが可能であり、且つ硬化可能なエラストマー材料を使
用し、加圧ガスとして空気その他のガス、例えば窒素、
炭酸ガス、アルゴン、キセノン、普通のフレオン冷媒ガ
スを使用すると、該加圧ガスは該材料中を速やかに拡散
する。この問題は、大気から部品中への酸素及び窒素ガ
スの逆拡散という利点を持っている先の拡散ポンピング
技術と、「スーパーガス」の使用とにより解決された。
或る期間にわたって、エラストマーのバリヤー材料のク
リープ特性から生ずる部品の容積の増大が殆ど完全に補
償された。しかし、「実用履物」とは対照的に、「フア
ッション履物」の場合の様に、部品を比較的低いふくら
まし圧力に加圧すると、外気の拡散ポンピングの結果、
製品の初期の加圧変動(増大)が許容できない程大きく
なった。この問題及びその他の問題は、本発明により解
決される。
(発明の概要) 従って、本発明の目的は、設計内圧でより長い耐用寿
命を有し、安定状態の内圧及び外形の両方を正確にコン
トロールすることの出来るふくらませたクッション装置
を提供することである。
本発明の他の目的は、外囲フィルムのクリープ特性を
ガスの外方への流れと緊密に調和させることにより、製
品の耐用寿命にわたって一定のふくらまし圧力を保てる
様にすることである。もう1つの他の目的は、拡散ポン
ピングの初期段階(6ないし24箇月)において外気の内
方への流れを遅らせることにより、ある種の装置の圧力
を過渡に高める傾向を減じ又外形において徐々にのぞま
しくない変化をもたらす傾向を減少させることである。
本発明の更に他の目的は、閉じこめるガスとして作用
する、入手の容易な、軽量の、安価なガスを使うことで
ある。
本発明の他の目的は、或る目的に優れていて且つ/又
は安価な、選択されたエンベロープのフィルムの使用を
可能にすることである。
更に他の目的は、空気又は窒素、或いはその組合せで
加圧することが出来、このようなクッション製品が反復
使用される耐用寿命の全期間にわたってふくらまされた
特性を維持する実用的なふくらまされたクッション装置
を提供することである。
従って、本発明は、所要の物理的性質を有すると共
に、窒素ガス及びスーパーガスに関して優れたバリヤー
特性を有する熱可塑性エラストマーフイルムの新規なエ
ンベロープを持つ荷重を支えるクッション装置(気体を
閉じこめた)に関する。これらのフィルムは、窒素及び
スーパーガス等のある種の閉じこめられたガスの、該エ
ンベロープを通しての外方への拡散速度と、他のガス
(即ち、空気中に存在する酸素、炭酸ガス、及びその他
の前述のガスのような動き得るガス)の、該加圧された
装置内への拡散ポンピングとを選択的にコントロールす
るように計画されている。
代表的には、本発明に従って使用することの出来るバ
リヤー材料は、好ましくは熱可塑性の、エラストマー性
で且つ本質的に極性を有し、後述する種々の形状の製品
を形成するために加工可能である。本発明のバリヤー材
料は、比較的長い有効寿命(例えば2年以上)にわたっ
てエンベロープ内に閉じこめられたガスを収容すること
が出来なければならない。例えば2年以上にわたって、
最初のふくらませたガス圧力の約20%以上を失ってはな
らない。このことは、実際上、最初に20ないし22psigの
安定状態の圧力にふくらまされた製品は約16ないし18ps
igの範囲の圧力を保持すべきことを意味する。
また、バリヤー材料はフレキシブルで、比較的柔軟で
且つしなやかであると共に、疲労耐性を有し、更に、普
通は高周波溶接により本質的に分子のクロスリンキング
により効果的なシールを形成することが出来なければな
らない。特に重要なのは、バリヤーフィルム材料が特に
約5ミルないし約50ミルの間のフィルム厚さ範囲で破損
せずに高い周期的荷重に耐える能力を持つことである。
結晶質のフィルム材料は疲労耐性を持たない傾向がある
が、バリヤーとしての性質は一般に極めて良い。バリヤ
ーフィルム材料のもう1つの重要な性質は、大量生産に
使用される技術により色々な形状に加工することが出来
なければならないことである。公知のこれらの大量生産
の技術の中には、数例をあげるだけでも、ブローモール
デイング、射出成形、流し込み成形、真空成形、回転成
形、トランスファー成形、及び圧力成形がある。これら
の加工法は、壁が本質的にフィルムの性質を持ってい
て、製品の色々な部分で異なる断面寸法を有し、全体と
して本質的にフィルムの性質を持った製品を作る結果と
なる。
エンベロープを形成するバリヤー材料の効果的な使用
に重要な上記の性質に加えて、該フィルムを通しての可
動ガスの拡散がコントロールされること、及びエンベロ
ープ内に閉じこめられたガスが保たれることという最高
に重要な性質がある。本発明により、バリヤーの性質が
改善されたので、スーパーガスが閉じこめるガスとして
使用し得るだけでなく、窒素ガスも閉じこめるガスとし
て使うことが出来る。主要な可動ガスは、バリヤー中の
比較的速く拡散する酸素と、空気中に存在する窒素以外
のガスとである。窒素ガスが閉じこめるガスとなる様な
バリヤー材料を与えることは事実上大きな効果がある。
例えば、窒素ガス又は窒素ガスと1種類以上のスーパ
ーガスとの混合ガスは空気で最初にエンベロープをふく
らますことが出来る。窒素又は窒素と1種類以上のスー
パーガスとの混合物で満たした場合には、閉じこめられ
るガスは本質的にエンベロープ内に保留されるので、圧
力増大は、主として酸素ガスの比較的速いエンベロープ
内への拡散による。この結果としての、最初のふくらま
せ圧力からの圧力増加分は2.5psi以下であり、エンベロ
ープの容積増大は比較的適度な量で、初期圧力に応じて
1ないし5%である。
ふくらませガスとして空気を使った場合には、酸素は
エンベロープ外へ拡散してゆき、窒素は閉じこめられた
ガスとして残留する。この場合、酸素がエンベロープ外
へ拡散してゆき、閉じこめられたガスが残留するので、
初期のふくらませた圧力から圧力が低下して安定状態の
圧力となる。例えば、最初に空気で26psigの圧力までふ
くらまされた場合には、バリヤーのエンベロープの壁の
両側での酸素ガスの分圧をバランスさせるために圧力が
約4psig低下する。この圧力により引張弛緩即ち、クリ
ープに関して安定状態が早目に達成され、内圧の増大が
最早ないのでクリープが減少又除去される。
よって、本発明を実施するにあたっては、前述したの
と実際上同じ望ましい性質を持っているが、窒素ガスに
対してバリヤーとなる追加の性質を有するバリヤー材料
を与えることが重要である。前記した様に、酸素に対し
てバリヤーとして作用するプラスチック材料、又は積層
され、或いは一緒に押し出された複数のプラスチック材
料の組合せは本質的に結晶質である傾向があり、本発明
に企図される、長期間にわたって比較的大きな周期的荷
重を受ける製品に必要とされる疲労耐性を欠いている傾
向がある。
所望のバリヤーの特性と、本発明に必要とされる他の
性質とを有するバリヤー材料は、基本的にエラストマー
性で本質的に極性を有し、且つ比較的柔軟で高い疲労耐
性を持っていると同時に、エンベロープを通しての窒素
ガス及びスーパーガスの拡散を防止するのに充分な結晶
としての性質を持っているものである。これらの結晶と
しての性質は、閉じこめられたガスの拡散を妨げる機械
的結晶質バリヤー又は分子結晶質バリヤーを含む幾種類
かの方法のいずれによっても与えることが出来、数種類
のその様なフィルム及びその他の種類の材料について詳
しく説明する。
よって、本発明は以前に参照された従来技術及び前記
特許に比べて幾つかの利点を持っている。
本発明は他の利点及び他の目的を多数持っており、そ
れらは種々の実施例を考慮することから明らかとなろ
う。このような形式は添付図面に示されており本明細書
の一部を形成する。これらの形式は、本発明の一般原理
を説明するために詳しく説明されるが、その詳細な記述
は制限的意味に解されるべきでない。
(実施例) 前記のものを除いて本発明の好ましい形を示す図面を
参照して、第1図は本発明の、ふくらまされた踵当て物
10を示す。
本願発明の目的のための言葉“当て物”とははきもの
の踵又は前足領域に位置する負荷を支えるクッション装
置として定義されている。図示されている様に、該踵当
て物は、ふくらまされた閉じこめられたガスの内包する
密封されたエンベロープの形を持っている。エンベロー
プの壁は、該壁を通しての可動ガスの拡散を許すが、閉
じこめられたガスの拡散を効果的に阻止するバリヤーフ
ィルム材料から成る。この形では、圧力を含むエンベロ
ープを成す極性を持った熱可塑性エラストマーフィルム
親の材料に埋設された結晶質のバリヤー材料により強化
されたバリヤーの性質が与えられている。内圧は、数ps
igから30psig以上までの広い範囲にわたる。この踵当て
物は、履物の発泡された中敷の中に完全に又は部分的に
包込まれ、又は中敷の中の予備成形された空洞内の定位
置に接着され、或いは履物の中底又は外底に完全に又は
部分的に包み込まれる。もちろん、履物技術で知られて
いるように、履物の当て物その他のクッション部材の他
の場所及び配置を使用することが出来る。
第1図に示されている形状の相対数(実際上数百万
足)の踵当て物が前記従来特許に従って製造され商業的
に使用された。しかし、これらの従来の当て物は、空気
ガスに対してバリヤーとして作用しない100%エラスト
マー材料で製造され、閉じこめられたガスは1種類以上
のスーパーガスであった。代表的には、従来の装置、ス
ーパーガスでふくらませた製品のエンベロープとして使
用することの出来る材料は、ポリウレタンエラストマー
材料、ポリエステルエラストマー、フルオロエラストマ
ー、塩化ビニルエラストマー等を含んでいた。ポリウレ
タンエラストマー材料は、ヒートシール特性が優れてお
り、曲げ疲労強度が良く、適当な弾性率を有し、引張強
さ及び引き裂き強さが良好で、耐摩耗性が良いので、商
業的材料として好まれた。勿論、これらの性質は、本発
明の改良されたバリヤー材料にもある。他の材料として
は、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PET9)、
ダクロン56等がある。
従来技術のスーパーガスによってふくらませた製品の
エンベロープ材料とは対照的に、本発明のエンベロープ
材料は相当量の結晶質材料を含み、従来技術のエンベロ
ープ材料と比べると流体及びガスの透過率が相対低い。
この結晶質材料は、タイプと混入方法に関わらず、ふく
らませるガスがフィルム中を外方へ拡散する流動経路の
大部分を効果的に遮断する。代表的な使用することの出
来る高度に結晶質の材料は、ポリエステル材料、ナイロ
ン材料、ポリプロピレン材料、グラファイト、ガラス、
ケブラー(Kevlar)、金属であり、実際上全ての結晶質
材料である。この種の材料は、本発明の製品に利用する
ことの出来るいろいろな形で入手出来る。例えば、糸状
繊維、フィラメント、切断された繊維、織物及びメッシ
ュ、或いは均一に分散された微粒子状又は小板状結晶質
材料、いろいろの種類の編んだ布、織った布、不織布、
伸縮性の織物、ホイスカー等の形で入手することが出来
る。使用可能な他の材料は、非晶質グラファイトの布、
フィラメント又はホイスカー;マイカ;アラミド又はケ
ブラーの布、フィラメント又はホイスカー;例えば鋼又
はアルミニウムなどの金属の布、フィラメント又はホイ
スカー;ナイロン又はポリエステル又はガラス又はPET
の布、フィラメント又はホイスカーである。種々の金属
及び合金をフィラメント、粉末、小板、布、ビード、微
小球体等の形で使用することが出来る。かかる材料は、
他の用途については強化プラスチック産業において周知
である。しかし、使用可能な材料の多くと材料の形と
は、フィルム強度にさほど貢献しないので、本発明にお
いて結晶質材料を使用する主な目的は材料の強化ではな
い。
第2図及び第3図の踵当て物12,14は各々順次により
多数のバリヤーの結晶質材料を含んでいる点を除いて、
第1図の踵当て物と同様である。バリヤー材料の間隔の
効果は第4図、第4A図、第5図及び第5A図により明確に
示されており、それらの図において、糸状バリヤー15が
親の熱可塑性エラストマーフイルム17に埋設されている
のが概略図示されている。図示されているように、材料
15はフィルムの向い合った面19,20間に配置されてい
る。この構成により、表面は主として且つ完全に親のエ
ラストマー材料であり、従ってこれを高周波溶接等によ
り容易にヒートシールして、密封されたエンベロープを
形成することが出来る。若し糸状バリヤー材料が表面に
存在すると、予備成形されたシートから形成されるエン
ベロープをシールするのが困難となろう。
第5図のバリヤー材料は、第4図のバリヤー材料(55
パーセント結晶質)に比べると、フィルム17内の繊維15
の間隔がより狭く、従って流動を阻止する能力がより高
い(70パーセント結晶質繊維)。従って、可動ガスの拡
散速度と拡散ポンピングとは、第4図の形の場合より第
5図の形の場合の方が低い。拡散速度を調節するため
に、繊維の直径と断面形状とを変えることも出来る。更
に、設計のために選択されるバリヤー材料のタイプは拡
散ポンピングの速度を左右することができる。例えば、
拡散はグラファイトスクリムではポリエステルスクリム
の場合より遅い。第4図、第4A図、第5図及び第5A図の
断面図から分かるように、エラストマー材料のなるべく
大きな部分を表面に位置させることにより最善のヒート
シール接合部又は溶接部をフィルムのシート同士の間に
作るために、結晶質材料をフィルムの外面の付近の、該
フィルム面より下方の位置に置くのが有利である。
結晶質繊維を1面のみから部分的に突出させることに
より本質的に2面のフィルムを提供することが出来るこ
とが分る。その場合、繊維が延び出していない方の面の
間をシールしなければならない。本発明においては、バ
リヤー材料は同じ表面をもつ材料であること、即ち、結
晶質材料は完全にフィルムに埋設されることが好まし
い。これにより、初めにシート材料からエンベロープを
形成する時にフィルム材料の適切な面同士が確実に接触
することを保証する必要がなくなる。
エラストマー材料が結晶質材料を充分に包囲させるこ
とにより両者を密接に接合させ、これにより、これらの
材料の、使用時の分離を防止することも重要である。か
かる分離は、この発明の開発計画の初期には実際に起こ
った。その場合、2種類のプラスチックを一緒に押出し
又は積層する方法を使って結晶質バリヤー材料をエラス
トマー材料と組合わさせる試みがなされた。第6A図及び
第6B図は、本発明の形を表すものではないが、不首尾に
終ったその試みの結果を示す。加圧ガスの一部はエラス
トマーフィルム25の内方の層を通して外方に拡散し、バ
リヤーフィルムの外側層26により阻止された。外側層26
に加わる圧力により二つの層は第6B図に示されている様
に分離し、バリヤー層28に示されたように外方に脹らん
で、破裂により、或いは大きな瘤を形成して、破損し
た。
従って、結晶質材料を親のエラストマー層中に深く沈
め或いは埋設する事によりこのアプローチを改良するこ
とが必要となった。最初に、熱可塑性材料を、基本的に
解放型のメッシュである10×10粗織ナイロンメッシュ
(各方向について1インチ当たりストラド10本)上に押
し出すことにより、MP−1790AEウレタン(ユニロイヤル
社(Uniroyal,Inc.)のXPR−396)として商業的に知ら
れているウレタン材料中に織物を埋設した。結果は極め
て良好であった。しかし、織物の弾性率は親の材料のそ
れより大きすぎた、即ち、該プラスチックフィルムは織
物より大きく伸びた。その結果として、ヒートシール及
びふくらます時に複合フィルムに皺がより、歪んだ。こ
の歪みにより、ふくらまされたエンベロープにストレス
が集中し、該部品の曲げ疲労による寿命が減少した。最
も大きなストレスのかかった部分、即ち、ヒートシール
された溶接部の付近に不労による破裂が生じた。
本発明の、布、織物又はメッシュを使うふくらまされ
たクッション製品については、1)結晶質繊維の物理的
特性(特に弾性率、応力−歪みの関係の勾配、及び降伏
応力)、2)結晶質素子自体の外形及び密度、3)エラ
ストマー材料内での繊維の配置(間隔及び方向)が、設
計内圧レベル(応力レベル)において、最大応力領域の
結晶質素子にその降伏点を超える応力がかかっている様
になっていることが重要である。この様な(弾性領域を
超えた)降伏は、ふくらませた製品を包むエンベロープ
全体にわたって荷重を再分配し、均一化する。繊維の約
20%に、降伏点を越える応力がかかるべきである。エラ
ストマー材料は、いずれも、降伏点を超えては働かな
い。
前述した初期試験の後に、クッション製品が開発さ
れ、試験に合格し、前記の設計特性の幾つかを達成して
いた。この場合、結晶質メッシュは小直径・低デニール
繊維の、目のつんだ繊維であった。設計圧力までふくら
まされたとき、メッシュの一部(溶接部周辺の大応力領
域付近)は降伏し、ある種の永久的歪みが生じた。この
製品は、極めて長い期間(約10年以上)にわたって所望
の空気圧を保持し、測定できる程度の圧力損失が無かっ
た。疲労耐性は良好で、該クッションのふくらまされた
形状は優秀で、エンベロープの不都合な歪みは無かっ
た。
第7図は本発明のもう1つの他の形を示し、この場
合、エラストマー材料30は、該主体のエラストマー全体
にほぼ均一に分布した小板の形の多数の結晶質素子32を
包含する。この実施例において該小板エラストマーポリ
マーと混合されて該ポリマーと共に押出又はブロー成形
された薄いフィルムないしシートとなる。該シートは0.
005ないし0.050インチの厚み範囲にある。このプロセス
中に、小板32は第7B図に示されている様に該フィルムの
表面と平行に並んで、より効果的にバリヤー配置を形成
している。
結晶質素子を親のフィルムに埋設する技術としては、
1)親の材料を織物又はメッシュ上に押し出す方法、
2)結晶質繊維から作られた布に親の材料をコートする
方法(普通は両側にコートする)、3)親のフィルムの
ポリマーをいろいろな形のバリヤー材料(即ち、薄片、
糸状繊維、切断した繊維、ホイスカー、小板、等)と混
合して押出成形又はブロー成形してフィルム又はシート
にする方法、及び4)エラストマーポリマーを結晶質材
料と親密に混和又は共重合させる方法がある。これらの
方法のうちの幾つかは既に説明したので、その他につい
ては以下に説明する。
この点において、本発明のふくらませた装置に対して
コントロールされた拡散の実際上の限界を探究すること
は重要である。この種の実用的用途を持った製品につい
ては、1)一方においては促進される拡散の最低速度
と、2)他方において疲労耐性、加工性及びヒートシー
ルの可能性等の物理的性質との適切且つ最適なバランス
が重要である。この様な妥協を達成する必要があるの
で、あらゆるガスの拡散を阻止する100%のバリヤーを
形成するように、結晶質材料密度を高めることは恐らく
実際的ではない。主な例外は酸素である。窒素及びスー
パーガスを含む他のガスは、ふくらませる装置を含むエ
ンベロープを通しての拡散を実際上阻止されることが出
来、且つバリヤーのエンベロープ材料の本質的に弾性的
で疲労に耐える特性を維持することが出来る。
酸素が外囲を通して拡散することが出来るという事実
は問題ではなくて、実際には、望ましい独特の長所であ
る。これは、本発明の重要で新規な概念である。例えば
窒素及び/又はスーパーガス又は空気の混合気で製品を
ふくらますことが出来る。窒素及び/又はスーパーガス
でふくらませた後、大気中の酸素は拡散ポンピング機構
によってエンベロープ内に拡散してゆくことが出来る。
斯くしてエンベロープ内に既に含まれている窒素及び/
又はスーパーガスの分圧に酸素の分圧が加わって、製品
の全圧が上昇する結果となる。大気中の酸素の分圧は約
2.5psia(海面上における全圧14.7psiaのうちの)であ
る。よって、エンベロープ内への酸素ガスの逆拡散によ
り、圧力は最大で約2.5psia上昇する。この圧力上昇
は、空気の全てのガス成分がエンベロープ内へ拡散する
場合のエンベロープの実質的なクリープ(その結果とし
て包んでいる内容積が増加するを相殺するのに役立つ。
そこで、本発明の新規な特徴は、エンベロープの複合材
料が窒素以外の空気中のガスに対して半透過性の膜であ
って、従って完全なガスバリヤーではないことである。
実用上の利点は、最初のふくらませた圧力に対する圧力
の最大増加即ち、最大変化は酸素の分圧であるので、製
品の容積及び寸法の最大変化は3%ないし5%であると
云う点にある。
コストが最も重要である場合には、膨張剤ガスを100
%窒素にすることが出来、この場合にもエンベロープ内
への酸素ガスの逆拡散の現象が同様に起こる。また場合
によっては窒素と2.5psiaの酸素との混合物を有益であ
る。100%の空気も使用することが出来る。この場合に
は、装置内の酸素の分圧が2.5psiaを上回れば、差の増
加分、即ちエンベロープ内の酸素の実際の分圧と2.5psi
aとの間の圧力損失、を相殺するために、装置を最初に
過度にふくらませなければならない。
履物、ショックアブリーバー、包装・輸送用のクッシ
ョン要素、ヘルメット、競技用の保護ギア/パッド、軍
用ブーツ、等に用いるふくらまされたエラストマー装置
における拡散ポンピングの速度を制御することには多く
の利点がある。一つの利点は、さもなければ実現できな
いであろう様な長時間にわたって製品を設計されたふく
らませ圧力に維持する能力である。例えば、現在作られ
ているふくらまされた履物部品は、全世界で販売されて
いるが、エステルをベースとするポリウレタンフィルム
から作られている。何故ならばエステルをベースとする
ポリウレタンフィルムは、エーテルをベースとするポリ
ウレタンフィルムよりもスーパーガスに対して低い透過
性を持っていて、よって履物において許容できる程度に
長い耐用年数を有するからである。しかし、エステルを
ベースとするフィルムには、エーテルをベースとするも
のよりも遥かに水分による悪影響を受ける(加水分解に
よる不安定性)という欠点がある。現在市販されている
履物においては、水分に対する保護は、ふくらまされた
部品を発泡中底に封入することにより達成されている。
この操作には経費がかかり、中底の泡は、複合製品の疲
労に対する寿命を増大させるけれども、ふくらませた製
品の有利なクッション特性及びエネルギー回収特性を低
下させる傾向があり、且つ、靴の重量を大幅に増大させ
る。エーテルをベースとするフィルム等のバリヤーフィ
ルムに結晶の性質を与えることにより、長い耐用年数を
持った履物に該フィルムを使うことが出来る様になり、
水分による劣化問題は大幅に解消される。
本発明の改良されたバリヤーフィルム材料の利点の他
の例は、「低温による割れ」の問題である。スーパーガ
スでふくらまされた従来技術による製品は、華氏約10゜
以下の低温にさらされると、エラストマーフィルムに疲
労による割れが生じて、ぺちゃんこになる傾向がある。
低温による割れの問題を軽減する特別なフィルム材料が
開発されなければならない。しかし、低温に適したフィ
ルム材料は、室温では加圧ガスに対して高い透過性を有
するようになる傾向がある。本発明により、結晶質部品
又は分子部分をエラストマーフィルムに加えることによ
り透過性は減少されるかも知れないが、低温割れの効果
を減少させる試みに起因する透過性の損失を回復して、
ガス透過性を一層高める結果ともなり得る。
透過性及び拡散ポンピングをコントロールする実際的
な利点の一つは、製品のクリープ特性を、閉じこめられ
たガスの保持及び可動ガスの拡散による圧力変化とマッ
チさせることに関連する。例えば、或る製品において
は、クッション装置に柔らかい感触を与えるために、弾
性率の低い或いは薄いゲージのフィルムを使うことが望
ましい。ゲージが小さいか、或いは弾性率が小さいと、
閉じこめられたガスがフィルムを通して拡散する傾向が
大きくなる。そのような損失を補償するために、装置を
僅かに過度にふくらますことが出来る。しかし、フィル
ムが薄く、或いは弾性率が小さいために、エンベロープ
は、厚いフィルム又は弾性率の高いフィルムの場合より
大幅に大きくなろうとする。この様に大きな膨大化引張
弛緩ないしクリープは、外形が所望の外形とは全く異な
る或いは時間の経過に従って変化してゆく製品をもたら
す。結晶質材料をフィルム材料に加えることにより、弾
性率が上昇すると共に閉じこめられたガスの流れが減少
し、製品を過度にふくらますことを必要とすること無く
ふくらませた圧力を維持して形状変化を比較的小さく抑
えることが出来る。
一方、エンベロープの拡大が極めて僅かである様な性
質を部品が持っているので、ふくらませの最初の3ない
し6カ月にわたって過度にふくらませる傾向を持った引
張型装置(前記出願の第11図、第11A図及び第11B図を見
よ)のようなタイプの製品がある。この製品の内容積は
他の製品の様には変化することが出来ないので、エラス
トマー性で非結晶質のエンベロープ内への空気の拡散は
過度の圧力を引き起こす。安定状態のふくらませ圧力を
達成するためにこれらの製品を3ないし12か月間格納し
ておくことも出来るが、それは商業的見地から実際的で
はない。引張型製品を形成するのに使われる材料に、結
晶質分子のセグメントを包含させ、ないしは添加すれ
ば、より安価な閉じこめるガスを使うことが出来ると共
に、より軽量で安価なエンベロープ材料を使うことが出
来る。以下の表は、2種類のスーパーガスと、本発明に
より実際上スーパーガスとして働くことの出来る安価な
閉じこめるガスとを比較するものである。
スーパーガスとしては分類されていないけれども、空
気と窒素とは、利用可能性、コスト及び重量の見地から
優れたふくらませ剤候補であるので、上の表に加えた。
これらのガスを充分に利用するために、エンベロープフ
ィルムの70重量パーセント以上の結晶質とすることが出
来る。よって、これに対応して熱可塑性の親の材料の重
量が減少される。しかし、酸素及び窒素は共に可動ガス
であるので、酸素及び窒素の拡散をコントロールするた
めに結晶質材料を極僅かの割合だけ使用することも本発
明の範囲内に属することが理解される。結晶質材料を高
価なエラストマー材料に加えることにより、例えば100
%エラストマー性のポリウレタンを使った場合と比べ
て、コストを相当節約して複合材料を製造することが出
来る。
エラストマー性の構成要素及び結晶質の構成要素又は
部分の両方から成る複合材料を使用する上記の概念の幾
つかを見えるようにする良い方法は、エラストマー材料
を、結晶質構成要素を係合させるマトリックスと考える
ことである。エラストマー材料は、良好な疲労耐性と弾
性率、伸び、加工性、及びヒートシール可能性という所
望の物理的特性を提供する。結晶質の構成要素により、
強化されたガス拡散バリヤーが与えられる。この様にし
て、複合構成のエラストマー特性が、該構造のエラスト
マー構成要素及び結晶質構成要素の間の境界まで存在す
る。斯くして、結晶質材料は著しく曲がる必要はなく、
疲労する応力に曝されない。ヒートシールの可能性は、
複合構造のエラストマー部分内で達成される。
次に、本発明による種々のふくらませた製品を示す第
8図ないし第16F図に注目されたい。第8図ないし第8E
図は、エンベロープ53が始めに形成された金型から除去
された踵ウェッジ50を示す。ウェッジ50は、頂壁56及び
底壁57に一体に形成された湾曲した後壁54を有し、頂壁
及び底壁は、クッション作用及び可撓性を高めるために
後壁より薄い。頂壁、底壁及び後壁と一体に側壁58、59
が形成されており、この側壁は、頂壁及び底壁より厚い
部分58a,59aを有する。図示されている様に、エンベロ
ープの厚い部分は移行部分により薄い部分に接合されて
いる。側壁の部分58b,59bは部分58a,58aより薄い。図に
示されている様に、後壁54は、強度を持たせ、足の後部
を支持させ、安定性を持たせるために、その外周面54a
に沿って僅かに角度をもたされている。クッション製品
の外観も又マーケティングについて重要な考慮すべき事
項である。金型から外される時、該ウェッジの前端部62
は開いている。エンベロープの材料は、前記の通り、エ
ラストマー材料及び結晶質材料の両方を含むものと了解
される。
第9図ないし第9D図に示されている様に、次の作業に
おいてエンベロープ50が加工されて多数のチャンバを形
成され、閉じこめるガスが充填され、シールされる。第
9図及び第9A図に見られるように、チャンバ61〜66は側
壁間に延在しており、側壁に沿って延在するチャンバ6
7,68(第9c図を見よ)に接合されている。色々なチャン
バは、隣接するチャンバ同士の間にウェブ70を設ける高
周波溶接によって形成される。しかし、従来技術では高
周波溶接が好まれているが、他の形のヒートシールを利
用することも出来るものと了解される。
また、或る場合には、(『ブロー形成』の場合のよう
に)別個の高周波溶接工程をやめることが望ましいこと
がある。これは、金型の側部をモールドする時に内方へ
移動させてウェブ70を形成することにより達成される。
斯くしてエンベロープ材料が半溶融状態で、粘性を持っ
ている時に、クッション装置の両側からエンベロープ材
料が形成され、互いに圧着される。材料が融合して冷え
るまで、清潔な、半溶融状態の、粘性を持った内側エラ
ストマー表面は加圧下に接触状態に保たれる。従って、
この工程は前記高周波溶接工程に代わるものである。ブ
ロー成形に使用される加圧ガス中にDow Silane X 16106
等の「結合剤」を蒸気として注入するなどの方法によ
り、接合されるべき面に下塗りをすれば、これらの溶接
点の信頼性を相当改善することが出来ることが分かっ
た。更に、ある種の非常に過酷な疲労が加わる用途のた
めに、隣接する親のフィルムの耐久性を上回る溶接部を
つくり出す二次の高周波溶接工程を製造工程に付加する
ことが出来る。
前端部も高周波溶接され、密封された前端部72が形成
され、部分72a,72bはトリミングされる。前記の様に閉
じこめるガスでふくらますために膨張管(図示せず)を
チャンバ66に取付け、ふくらませた後に、公知の技術で
知られているようにシールする。チャンバの全部を互い
に連通させて、履物用のふくらまされたクッション付の
踵ウェッジを提供することが出来る。しかし、チャンバ
の各々を独立したチャンバとし、異なる圧力レベルに加
圧することも出来る。最初ふくらませた後、数か月で、
酸素ガスが大気中から密封されたエンベロープ内に拡散
してゆき、圧力を約2.5psiだけ上昇させる。初期の圧力
レベルは、所望のクッションレベルによりほぼ決定され
る。一般には、最終安定状態の圧力は20ないし30psigで
十分である。或る場合には、最終安定状態圧力は初期圧
力より約2.5psi高いので、最初はもっと高い圧力又はも
っと低い圧力でふくらますことが望ましいこともある。
本発明の重要な利点の一つは、第9図の装置から明ら
かである。前記の通り、拡散ポンピング期間中、エンベ
ロープは実質的には膨張しない。エンベロープの全体の
寸法は、最初の寸法から約3ないし5%の範囲内の変化
を示すにとどまる。斯くしてこの部品の形状は最初ふく
らませた時から、拡散ポンピング期間及びこの製品の使
用寿命の期間を通して、ほぼ一定に保たれる。
第10図及び第10A図は、前記の踵ウェッジの変形を示
しており、ウェッジ75は本質的に3個の部分から成って
いて、第3部分78は前記の種類のフィルム材料であり、
シート78,80の部分にヒートシールされている。エラス
トマー材料の第3の、即ち、中間のシート78は、溶接前
に先に形成された部品のバリヤー部品79及び80の間に位
置する。この形では、幾つかの溶接部81,81a,82,83,84,
85は上側部分にあり、他の溶接部81,86,87,88は下側部
分にある。周辺部のチャンバもあり、全てのチャンバが
相互に連結されている。本発明のこの特別の形は、本発
明により製造することの出来る比較的複雑な部品及び製
品を示す。この部品を製造するには、溶接部81a,82,83,
84,85を順に予備形成するか、或いは3枚のシートのう
ちの2枚だけが互いに接合することとなる様に剥離剤を
適切な位置に導入することが必要である。
第11図ないし第11D図は、単一のチャンバを有し、引
張素子92を設けた引張型の踵ウェッジ90を示す。このタ
イプの製品の利点は、前記の先の出願に詳しく記載され
ている。これらの利点に加えて、本発明の引張型製品
は、先の引張型製品に別の長所を加えるものである。引
張素子92は、第1及び第2の表面部分94,95を有するナ
イロン又はポリエステルから成り、これら両者の間に引
張フィラメント96が延在している。使用することの出来
る代表的織物は、3次元の本縫いの又は織られた、或い
はダブルニードルバー・ラッセルニット製品である。外
側のエンベロープ98は、本書に記載した改良されたバリ
ヤー材料のいずれで作られても良く、離間した表面部分
94,95はエンベロープの頂壁及び底壁に付けられてい
る。前端99はシールされ、エンベロープは前記のいずれ
かの閉じこめられるガスで最初にふくらまされる。引張
素子92はふくらまされた製品の頂壁及び底壁をほぼ平行
な関係に維持する。拡散ポンピング中に、酸素ガスはエ
ンベロープを通して拡散して内圧を約2.5psiだけ上昇さ
せるが、頂壁及び底壁は平行なまま又は輪郭をつけられ
た通りである。以前に記載した引張製品に比べて本発明
の引張製品の優れている点は、クリープの効果が大幅に
コントロールされることである。この部品の寸法公差は
非常に安定していて、この製品は過度にふくらまされな
い。
この製品は、荷重を支える領域で上側及び下側のバリ
ヤー表面を互いに接合する非支持溶接部を滅損させず10
0%ニューマティックの支持を達成する点において、前
記の他の製品と比べて独特である。
この引張製品のふくらまされた際の寸法、形状は非常
に精密にコントロールされ、例えば100ないし200psigと
いう異常に高い圧力まで加圧されても、著しく膨張ない
し拡大することはない。同様に、拡散ポンピングも精密
にコントロールされる。従って、仕上げられた製品を、
高速の「ターンキー」の自動化された製造工程に容易に
適合させることが出来る。本製品は、従来秘術の製品で
可能であったよりも遥かに良く極端な製造環境に耐える
ことが出来る。更に、この引張製品は、従来技術の製品
に比べて、著しく長い寿命の全期間にわたって、クッシ
ョン作用、たわみ性、及び弾力性の所望の厳密なレベル
を保つことが出来る。
スーパーガス又は窒素が初期のふくらます閉じこめら
れたガスとして使用されたとすると、初期の圧力より約
2.5psiだけ高い安定状態の内圧に数か月達する。初期の
ふくらますガスとして空気を使用した場合には、前に記
載の通り、圧力は低下する傾向がある。重要なことは、
製品の形状又は寸法が著しく変化せず、割合に短い時間
で所望の安定状態のふくらまし圧力に達することであ
る。安定状態のふくらまし圧力は自動装置を用いて商業
的に履物を製造するのに重要である。
第12図ないし第12E図は、金型から外された時の本発
明による全長のふくらまされた靴底部材100を示す。後
壁102は、既に記述したように湾曲し傾斜していて、頂
壁103及び底壁105より幾分厚い。中間部分に沿った側壁
106,107は、第12D図にしめされている様に、前部よりも
厚い。更に、第12C図に示されている様に、足の内側の
側壁部分109は足の外側の側壁部分110より厚い。前端部
112は開いていて、構造全体は先細りでなくて、本来平
らである。第12E図に示されているように、開いている
端部112は、射出成形をする場合にマンドレルの後退を
可能にするために釣鐘の口の形状を持っている。しか
し、この部品がブロー成形される場合には、これは不要
である。
第13図及び第13A図は、複数のウェブ114により分離さ
れた複数の離間したチャンバ113を形成するヒートシー
ル工程を含む仕上げ工程を示す。前端部も、周辺がシー
ルされ、部分115a,115bはトリミングにより除去され、
丸い前端部が設けられる。次にエンベロープは前記の様
に閉じこめられるガスで最初に膨張され、充填部分はシ
ールされる。履物に組み付けられたとき、この完全な靴
底部材は、側壁を通してチャンバを見ることを可能にす
るものである。即ち、可視膨張クッションである。
これらの装置は、所望の配置に区画されることが出
来、独立した各チャンバを同じ又は異なる所望の圧力レ
ベルまで加圧することが出来ることが了解される。逆
に、幾つかの、又は全てのチャンバを狭い音波ベンチュ
リー管等の流動制限通路で結合することが出来る。
第14図ないし第14D図は、最初に射出成形又はブロー
成形により形成される完全靴底製品125を示す。概して
該製品は第13図のそれと同様であるが、側壁間に垂下部
分127があり、(第14A図参照)、該靴底が先細りの形態
を持っている点で異なる。この垂下部分は道路から離れ
て動いて、マンドレルの抜取を可能にする。該製品は、
初期形成後、第15図ないし第15D図に示されている様に
加工されてクッション装置となる。
完成した製品は膨張され、最も厚い部分130は踵部に
あり、最も薄い部分は前足部135であり、この前足部は
傾斜した移行部137により相互に接続されている。色々
な図面は、横に延在して周辺部のチャンバ140,141と連
通するウェブ139を伴う複数のチャンバ138も示してい
る。
第16図ないし第16F図は、ブロー成形又は真空成形技
術により、或いは、別々に形成されたシート材料から作
ることの出来る本発明の製品を示す。しかし乍ら好都合
なのはブロー成形である。製造方法に関わらず、本発明
のこの形のフィルム厚みは、他の形の最小フィルム厚み
と同様に、5ミルないし50ミルであるが、20ないし25ミ
ルの範囲内のフィルム厚みが好ましい。
全長がふくらまされた靴底150は、一般に横方向のチ
ャンバ151と、踵部の一般に縦方向のチャンバ153の両方
を有する。踵部分は前足部分156より厚く、この二つの
部分は先細りの移行部158で結合されている。既に述べ
たように、これらのチャンバは溶接バンド160により分
離されている。ある場合には、溶接部は比較的短い部分
162である(第16D図参照)。前足部の溶接部及びチャン
バがほぼ横方向に向けられているので可撓性が高められ
るが、踵部は同種の可撓性を必要としない。前足及び横
の可撓性を高めるために、図示の様に小直径端部が互い
に隣接している頭を切られた形の開口部の側壁曲ノッチ
165が設けられている。上記の両方の処置によって、靴
底中部の断面慣性モーメントを減少させ、ランニングの
爪先立ちの段階で靴を曲げやすくする。
本発明の他の形と同様に、このふくらませた製品は、
閉じこめられたガスに対しては改良されたバリヤーであ
って且つ前記の可動ガスに対しては透過性のバリヤーで
あるエンベロープから作られている。他の形の場合と同
様に、中間及び横の側面に周辺部のチャンバがあり、全
てのチャンバが相互に結合されている。
図示の色々な形は、その間を閉じこめられたガス及び
可動ガスが本質的に自由に流れることが出来る相互に連
通するチャンバを示しているが、流れを制限する通路で
色々なチャンバを部分的に結合させることが出来、或い
は、製品がチャンバから完全に独立していて異なる圧力
レベルにふくらまされているチャンバ及び第11図の引張
り製品における単一のチャンバのみをもつふくらまされ
たクッションから構成されていることが理解される。こ
れらの図面に記載された種々の製品は、主として運動及
びレジャー用の靴であるが履物製品の靴底中部として用
いられるよう設計されている。このような応用において
これらのふくらまされた製品はいくつかの異なった実施
例の中の何れの1つにも用いられる。即ち1)適当な靴
底中部のフォームの中に完全に包まれたもの、2)単に
ユニットの先端部分上のみが包まれて、足の下の快適さ
を増すために凹凸表面を満し且つ平らにするもの、3)
底の部分で包まれて、外側の靴底の取付けを助けるも
の、4)先端と底面部分で包まれているが、周辺側面を
美観と販売の理由で曝しているもの、5)第4)項と同
じであるが、ユニットの側面の中の単に選ばれた部分の
みを曝しているもの、6)モールドされた「足のベッ
ド」によって先端部分が包まれているもの、7)何等の
包みを用いないものである。
結晶質材料を親のエラストマーに添加する方法のほか
に、結晶の性質は他の技術により付与されることが出来
る。一つは、異なる材料を積層する方法であるが、構成
要素の剥離を防止するために慎重に実行されなければな
らない。たとえば、シールされた包装内に酸素ガスが入
り込むのを防止するために積層製品が包装用に使われて
きた。これらの包装用積層物は、ヒートシール性が貧弱
であり、或いは疲労荷重による割れに起因して急速に破
損するので、概して本発明に用いるには不十分である。
満足に働いた一つのプロセスは、ポリビニルビニリデ
ンクロライドコポリマーとウレタンエラストマーフィル
ムとの相互積層である。かかる材料から製造されたふく
らまされたクッションは、許容できるバリヤー特性を持
っていたが、この複合体は加圧下で剥離した。シレーン
X1−6106又はPAPI50等の中間接着剤を例えば、積層プロ
セス時に適切な時間−温度関係が観察され、結果が改善
され得ることが発見された。このような時間及び温度の
コントロールは、異なる材料同士を加圧下で凝結させる
ことの出来るコールドプレスと組み合わせて、加熱した
熱板プレスを使用することを必要とした。
結晶質材料のばらばらの微粒子を混合し、又はエラス
トマー材料を結晶質材料の構造素子に接合することによ
り、親のエラストマーフィルムの結晶質含有量を増やす
前記の方法の他に、他のアプローチもある。前記した一
つのアプローチは、分子スケールにある。このアプロー
チは、親のエラストマーポリマーを、例えばポリエチレ
ンテフタレート(PET)、アクリル共重合体、ポリビニ
リデンクロライド共重合体、ポリエステル共重合体エラ
ストマー、極薄の液晶の密集繊維状分子チエーン、ポリ
ウレタン−ナイロン混合物、及びその他のポリウレタン
混合物などのような高度に結晶質のポリマーと、混合或
いは共重合させることを含む。
他の方法は、ポリウレタンエラストマーフィルム材料
と組み合わせ、ポリエチレンテレフタレート(PET)の
非常に薄い可撓性の層の上に500オングストローム未満
の厚みに真空蒸着されたガラス;密集した繊維質分子チ
エンから成る、エラストマーマトリックス内の非常に薄
い液晶ポリマー層;ウレタンを伴うアクリルポリマー;
エラストマー性合金及び結晶質合金を使用し;BASF社(B
ASF Corp.)の「Elastollon」等の熱可塑性ウレタンに
ガラスを充填したもの;ガラス繊維を充填し、或いはガ
ラス繊維で強化した熱可塑性ウレタン;熱可塑性ポリウ
レタン及び熱可塑性エラストマーの固い結晶質部分のコ
ポリエステル;(1)柔らかいゴム質のポリマー部分と
固いガラス状結晶質PETポリマー部分とが交互に位置す
るブロックポリマーのような、ポリエーテルとエステル
との熱可塑性共重合体、(2)スチレン(結晶質)/ブ
タジエン(ゴム質)/スチレン(結晶質)/ブロックポ
リマーのような、固いガラス状結晶質い材料と組み合わ
された柔らかいゴム質構成素を適当な割合で有する熱可
塑性エラストマー;エチレン−プロピレン・ゴムと結晶
質ポリプロポキシレンとの混合物を含む熱過去性ポリオ
レフィンエラストマー;塩化ポリエチレン(結晶質)及
びエチレンビニルアセテート共重合体(EVA)(ゴム
質);クロロブチルゴム(ゴム質)及びポリプロピレン
(結晶質);ポリエーテル及びアミンの共重合体;ポリ
ウレタン及びナイロンのようなポリウレタンのハイパー
ブレンド;(1)ポリブタジェン、(2)ポリイソプロ
ペン、(3)エチレンブタジェン、(4)Kraton D及び
Kraton Gのようなエチレンプロピレンのような異なるエ
ラストマー中間体と組合わされたスチレンブロック共重
合体等の使用を含む。他の材料は、ポリエステル、レー
ヨン、ケブラー(Kevlar)、アクリル材料、いろいろな
種類のナイロン、ポリプロピレン、あらゆる種類のポリ
エステル、綿、ウール及びこれらの混合物を含む。
更に、拡散ポンピングをコントールするための改良さ
れたバリヤーの包みを達成する他のアプローチは、エラ
ストマー素子の1面又は両面上に薄い金属層を真空蒸着
する方法である。この種の金属層は、役立つためには、
厚みが僅かに百万分の数インチである必要がある。金属
の付着はフィルムの外面又は内面何れでも良いが、内面
の方が好ましい。また、2枚のエラストマーシートの間
のラミネートとして使うことが出来る。高周波接着技術
以外の普通の接着プロセスを使って対応するエラストマ
ー層間に良好な接着を得ることが出来る。
本発明の開発初期に、ふくらませる製品の拡散をコン
トールするために、結晶質材料及びエラストマー材料を
調合して混合物を作った。結晶性を分子の混合によって
与えようとするこれらの試みは完全には成功せず、得ら
れた製品は、本発明の実施に重要と思われる性質の幾つ
かを持っていなかった。例えば、ポリ塩化ビニルとエラ
ストマーウレタンとの混合物から得られた充填物は高周
波溶接のために良好な誘電特性と良好な疲労耐性を持っ
ていた。ガスの拡散率はウレタン単独のそれより低かっ
た。難点は引張弛緩即ち、クリープで、ふくらまされた
製品は圧力下で徐々に大きく脹らんで、遂には破裂し
た。この現象は、特に温暖な気候において顕著であっ
た。
ポリエチレンは良好なバリヤー材料であると考えられ
たが、ポリウレタンと混合されたときには潤滑剤として
作用した。ポリエチレンとエラストマーウレタンとの間
に滑り平面が存在した。明らかに、結晶質構成要素とエ
ラストマー性構成要素との間にクロスリンキングが不十
分であった。その結果として、引張弛緩に起因するコン
トロールできない過剰な伸びが生じた。後の試験によ
り、斯かる問題を防止し、圧力を維持するために拡散ポ
ンピングが重要となるふくらまされたクッションに使用
することの出来る材料を得るには、少なくとも10%のク
ロスリンキングが必要であることが締された。斯くし
て、今や、本発明に従って、使うことの出来る新しい材
料が得られる。
ポリウレタンは、最近10年間にナイキシューカンパニ
ー(Nike Shoe Company)が製造して世界中で販売した
数百万のふくらまされた製品に使用される熱可塑性エラ
ストマーフィルムとして優れたものであることが実証さ
れた。従って、これは、PETのような結晶質ポリマーと
混合又は共重合させるのに優れた物である。このポリウ
レタンの物性は次のとおりである。
ジュロメーター 80Aないし100A 引張強さ(psi) 7000ないし10,000 破断時の伸び 350 100%伸びでの弾性率(psi) 2000ないし3000 引き裂き強さ(lbs/inch 500 Taber摩網 4 誘電ヒートシール 優秀 曲げ疲労耐性 優秀 Taber ASTM D−1044 CS17ホイール、 荷重1000グラム、5000サイクル。
ASTM D−1044 ポリウレタンは、固い、高度の極性を持った或いは結
晶質の材料の部分(20%)に、普通の使用温度でゴム状
を呈する非晶質エラストマー材料(ポリエステル又はポ
リエーテル)の部分(80%)が結合している交互ブロッ
ク共重合体を持った熱可塑性エラストマーである。この
固い部分の柔らかい部分とはポリマーチェーンに沿って
交互に位置する。固いブロックは、一般にブタンジオー
ルでチェーンが延長された2、4−トルエンジイソシア
ネート及び2、6−トルエンジイソシアネートの混合物
から成る。熱せられると、この固い部分は溶融し、該材
料は流体となる。冷されると、該部分は再び硬化し、柔
らかい部分に結合して、熱可塑性ゴムに似た固体構造を
与える。これらのポリマーは溶解物において相分離又は
構造を保たないので、容易に処理することの出来るもの
である。柔らかいエラストマー部分は極性を持っている
ので、特に高周誘電ヒートシールにより極めて容易にヒ
ートシールすることが出来る。その優れた曲げ疲労性
は、研究室の耐久疲労機械による数万回の厳しい試験並
びに数千万足の競技用及びレジャー用の靴で証明されて
いる。
上記の必須の機械的特質を保ちながら、スーパーガス
及び窒素に対するフィルムの透過性を低下させるために
は、該ポリマーを他の極性を持ったポリマーと混合する
ことが必要である。特に興味があるのはポリエチレンテ
レフタレート(PET)ポリエステルとのブレンドであ
る。これはジメチルテレフタレートをエチレングリコー
ルと反応させて作る縮合ポリマーである。2軸配向PET
フィルムには広範な用途がある。PETの吸湿性は極めて
低いので、機械的性質は実際上湿度の影響を受けない。
新しい、一層強化されたグレードのPETでは、より大き
な耐衝撃性を得ることが出来る。これらの材料はPET/エ
ラストマー混合物に基づく。強化されたPETポリマーも
得られ、役に立つ。
結晶質素子と混合又は重合させることの出来る他の熱
可塑性エラストマーの親材料は「HYTRLE」(デュポン社
の商標)である。Hytrelは、普通の熱可塑性プラスチッ
ク技術によっても処理することが出来る。数種類の処方
が、融点、引張強さ、伸び、曲げ率、疲労耐性及び引裂
き強度について所要の物性を持っている。Hytrelは40か
ら80パーセントの硬い部分と60から20パーセントの軟い
部分とを有する。加水分解不安定性は問題であるが、こ
れはStiboxolの添加により、許容できるレベルまで小さ
くすることが出来る。より固いHytrelの処方は、優秀な
低いガス拡散速度を持っているが、空気クッション用と
しては固すぎる。より柔らかい処方(例えばHytrel 405
6)ではショア硬度計で40Dでは、良好な曲げ特性を持っ
てはいるが、低透過特性を欠いている。本応用において
概略を説明したアプローチを用い、結晶質ポリマーを混
合し又は結晶ポリマーと共重合させることにより、これ
を矯正することが出来る。
他の良好な熱可塑性親材料は「RITEFLEX」(セラニー
ズ社(Cellanese Corp.)の商品名)である。Riteflex
540とTieflex 547とは、40D及び47Dの硬さを持ってい
て、普通の射出成形装置及び押出装置で処理することの
出来る代表的候補である。これらの材料は30ないし40パ
ーセント結晶質である。溶融温度はHytrelより幾分低く
て、華氏380−420度の範囲である。
本発明は、この応用において親のエンベロープ材料と
して説明した熱可塑性エラストマーの処方に限定され
ず、広い意味でのこの種の材料を包含するものと了解さ
れる。熱可塑性材料は熱可塑性又は熱硬化性である。同
様の概念は、拡散ポンピング速度及び透過性の所望のコ
ントロールを達成するために、親ポリマーに混合又は共
重合される。より高度に結晶質の素子にも当てはまる。
本発明と従来の拡散ポンピング技術との差異、及び本
発明の利点をより良く理解するために、第17図ないし第
19図が参照される。第17図の曲線Aは、理想化された極
限の場合、即ち、一定の容積を持っていて(即ち、エン
ベロープの材料は伸びない)、該エンベロープ内で一定
の分圧を有するスーパーガス(フレオン116)で20psiに
ふくらまされたシールされたエンベロープの場合に生じ
る経時圧力変化を示す。図から分かるように、34.7psi
の圧力レベルで安定するまで内圧は上昇し続ける。この
圧力上昇は、外気からの窒素ガス(第17図の曲線C)及
び酸素ガス(同図の曲線D)の拡散ポピングに起因す
る。曲線Aは、曲線Aで表された初期の20psiの膨張に
曲線C及びDの和が加えられたものである。例えば、6
カ月後、充分な窒素ガスがエンベロープ内に拡散してい
て、10.8psiの窒素ガス分圧が生じている。同様に、酸
素ガスの分圧は3.0psiとなっている。6カ月後に初期圧
力にこれら二つの和が加えられて、曲線Aの33.9psiと
いう値となる。
しかし、第17図の曲線Aは、曲線C及びDと関連付け
られたとき従来の拡散ポンピング技術を説明する便利な
方法を提供する理想化された場合である。ふくらまされ
た荷重を支える装置の拡散ポンピングの実際の場合が第
17図の曲線Bに示されている。この曲線第17図の曲線B
は、‘626特許の第9図の曲線A及び、ポリウレタンフ
ィルムを使いF116スーパーガスで加圧される実際のAIR
SOLEの場合である。‘250特許の第13図と同じである。
理想化された曲線Aを実際の装置の曲線Bと比べると、
曲線Bの圧力は理想的な場合より相当低いことが分か
る。この圧力差は、フィルムの引張弛緩、又はその伸
び、及びスーパーガスのうちの若干の外方への拡散損失
に起因する。図から分かるように、曲線Bは、始めの4
ないし6カ月のふくらませた期間中に酸素ガス及び窒素
ガスが内方に拡散ポンピングされるにつれて、極めて速
く上昇する。
第18図は、本発明の製品について再び圧力対時間とし
てのデータを示す。曲線E,F,G,Hは、第17図の曲線A,B,
C,Dにそれぞれ対応する。曲線Eは、本発明に従って理
想化された場合である(容積が一定で、内部のスーパー
の分圧が一定)。曲線Cは該装置内に拡散ポンピングさ
れた窒素ガス分圧であり、一方曲線Hは、装置内に拡散
ポンピングされた酸素ガス分圧である。曲線G及びHを
曲線C及びDと比べると、本発明の改良されたバリヤー
フィルムでは、酸素ガス及び窒素ガスの内方への拡散は
比較的に緩さかに進行することが見られる。例えば、6
カ月後、窒素ガスの分圧はわずかに3.1psiであり、一方
酸素ガスの分圧は2.9psiである。窒素ガスは窒素ガスよ
り速く拡散ポンピングする。これらの分圧が初期膨張圧
力20psiに加わって曲線Eの全圧は26psiとなる。
再び、本発明の荷重を支える装置についての実際のデ
ータである曲線Fの圧力は、理想化された曲線Eより低
いことが見られる。しかし、本発明の実施の曲線と理想
化曲線との差異は、第17図のデータより小さい。その理
由は、本発明の改良されたバリヤーフィルム材料がスー
パーガスの通常は遅い外方への拡散を更に低下させ、本
発明の改良されたフィルム材料が引張弛緩を小さくした
からである。その結果として、本発明の製品のふくらま
された容積は、時間が経過しても割合一定に保たれる。
曲線E及びFの差異は、長時間にわたるスーパーガス圧
力の損失が非常にわずかであるので、主としてフィルム
の引張弛緩に起因する。
第19図は、第17図及び第18図のデータを重ね合わせ、
スケールを2.5年から14年に拡張して、本発明により改
善された圧力維持を示している。曲線B及びFを比較す
ると曲線Bの圧力は初めの4カ月後にやや急激に落ち始
めるが、この期間中は、圧力は実際にはエンベロープ内
への酸素ガス及び窒素ガスの急速な拡散ポンピング(曲
線C及びD)に起因して極めて急に上昇していたもので
あることが見られる。時間が経過するに従って圧力は下
がり続け、2.5年後には、圧力は最初のふくらませた圧
力の20psiまで下がっている。4年後、圧力は17psigま
で落ちていて、なお下がり続けている。
対照的に、本発明を表す曲線Fは、圧力低下を示さ
ず、実際には、約7年後に28psigの安定状態圧力に達し
て一定となるまで徐々に上昇し続けることを示してい
る。実際の二つの荷重を支える装置についての曲線B及
びFのデータを以下の様に表にして、本発明の利点を一
層効果的に示すことが出来る。
時間 曲線B(psi) 曲線B(psi) 改善率 1年 22.8 26.2 15% 2年 21.0 27.1 29% 3年 18.2 27.3 50% 5年 14.5 27.5 90% 7年 12.0 27.0 130% これらのデータは、本発明に従って得られる長期間の
圧力の改善に示している。長期試験は、グラフに示され
ているように、F116、空気及び窒素ガスを使用した新し
くて独特の長期にわたる結果を確証する。従って、より
少ない量のより安価なスーパーガスで、また限られた場
合には空気又は窒素による膨張で、許容出来る加圧を行
うことが出来る。
第19図の曲線Fは、本発明の改善されたバリヤー材料
の場合を表しており、この場合、酸素ガスが可動ガスで
あり、1年で3.1psiの完全な分圧に達し、窒素ガスは半
可動ガスで、12年で11.6psiの分圧に達する。曲線Fか
ら示されているように、本発明のエンベロープ内に非常
に長期に渡る恒久的膨張を得ることが可能である。しか
し、一つのあり得る欠点は、2、3で圧力が27psiまで
上昇することであり、これは初期膨張圧力より7psi高い
(約1/3高い)。これは、空気及びスーパーガスの混合
物で最初にふくらますことにより、又はより小さいスー
パーガス(即ち、より急速に拡散するスーパーガス)の
一つでふくらますことにより、軽減することが出来る。
本発明による一層良い好適な解決策は、最初に100%
窒素ガスでふくらますことである。第20図の曲線Kは、
最初に100%窒素ガスで加圧された本発明の製品につい
ての圧力一時間の関係を表す。曲線1は、エンベロープ
内への可動酸素ガスの分圧の逆拡散を示し、曲線Jはエ
ンベロープ内の窒素ガスの分圧である。曲線Kは曲線I
及びJの和である。図から分かるように、曲線Kの圧力
の「行き過ぎ」は初期膨張圧力の僅か10%であり、これ
は全く許容出来る値である。また、約5年半が経過する
までは、初期圧力は初期の20psi以下に下がらない。こ
れは優れた長期間不変の膨張であると考えられるもので
あり、利用可能な安価で無害なガスである窒素ガスで膨
張させることにより達成されるものである。
第21図は、先のグラフにおいて既に説明した従来の3
種類の拡散ポンピングを合成したものである。曲線Bは
スーパーガスでの従来の拡散ポンピングである。曲線F
は本発明による、スーパーガスと可動の酸素と閉じこめ
る窒素ガスを使う拡散ポンピングである。曲線Kが曲線
Fと同じであるが、初期のふくらましは、スーパーガス
の代わりに純粋な窒素ガスを使って20psiで行われる。
第22図ないし第24図は、前述の拡散現象をより良く理
解するために本発明の色々な構造を示す。第22図におい
て、結晶質素子は約1000倍に拡大されて示されており、
改良されたバリヤー層のエラストマー材料にしっかりと
接着されている。図示の形では、結晶質材料は、接着
剤、機械的又は分子的付着等のエラストマー材料にしっ
かりと接着された結晶質メッシュ又は繊維織物である。
小さな矢印は、バリヤー材料を通してのふくらまし媒体
の流れ(作動された拡散)又は外気の逆拡散を示す。作
動された拡散においては、ふくらますガスは初めにバリ
ヤーフィルムの外面上に凝縮し、次に該フィルムを通し
て液体状態で移動し、該フィルムの反対側に現れて、再
び蒸発してガスとなる。第22図に示されている様に、結
晶質素子は、実際上、バリヤーエンベロープを通しての
ふくらまし媒体の移動及び空気の内方への逆拡散とに対
して妨害物又は流れの制限を効果的に形成している。こ
のことは、ふくらます媒体が、結晶質材料を囲むエラス
トマー材料を通して移動し続けるときに、結晶質材料の
表面に衝突して、流れが結晶質素子のまわりにそらさ
れ、その後、流れが結晶質素子の隣接する部分同士の間
のせまい通路に密集させられ或いは絞り込まれることを
示す曲がった矢印で概略図示されている。第22図に示さ
れている形では、バリヤーフィルム断面の大部分が結晶
質材料で占められており、これにより、ふくらまし媒体
の流れをほぼゼロとすることが出来る。このことは、エ
ラストマー材料がスーパーガスの拡散に対して基本的に
は妥当な良いバリヤーであるという事実と相まって、相
当長時間にわたって非常に精密で安定したふくらましの
圧力を達成するために非常に効果的な拡散ポンピングの
コントロールメカニズムを構成し、著しく改良された優
秀な製品を提供する結果となった。
第23図に示されている形は第22図のそれと似ている
が、良好な機械的又は化学的結合を達成するのに必要な
温度、圧力及び時間を含む適切な接着又は結合処によっ
て第22図の場合のように結晶質素子がエラストマー材料
にしっかり付着させられてはおらず、結晶質素子はエラ
ストマー材料に単に埋め込まれている点が異なってい
る。第23図に示されている様に良好な結合が達成されて
いなければ、結晶質素子又は結晶質構造の周囲に空所が
存在する。これらの空所は、第23図において、説明の目
的で理想化された結晶素子の周囲の同心リング又は同心
空間として示されている。ふくらませる媒体の移動を示
す矢印は、空所内に移動して、該空所により作られた最
小抵抗の経路を通って非常に容易に且つ速やかに選択的
に輸送することを示してる。第22図の場合より矢印が長
いことは、結晶質材料の隣接する部分同士の間の狭い通
路での流れの密集・絞り込みの程度が低いのでふくらま
しの媒体の輸送が比較的に容易であることを示す。よっ
て、拡散ポンピングのコントロールのための効果的複合
構造を作るには、エラストマー材料と結晶質材料又は結
晶質素子との間に良好な結合を達成することが重要であ
る。これは、許容できる程度の長期曲げ疲労強さ及び寿
命を達成するためにも重要である。
第24図に示されている形は、50ないし200ミクロン以
上にわたる任意の直径を持った、壁の薄い中空ガラス球
マイクロビードの形の結晶質素子を含む。この様に色々
な直径を持ったビードは、均一な直径のものよりも、コ
ストの割に効果が大きいが、均一な直径のものも使うこ
とが出来る。第22図及び第23図の場合と同様に、改良さ
れた複合バリヤー材料を通してのふくらませ媒体の移動
は矢印で示されている。この図の倍率は約100.000倍で
ある。鈍化し歪んでいる矢印は、流れがビードの表面に
衝突し、ビードの周囲に偏向されて、隣接するビードと
ビードの間の流動制限通路に流入することを示す。この
結晶質ビードは、もっと大きくても良く、中空ではなく
て中実であっても良く、ガラスではなくて結晶質材料か
ら作っても良いことが理解される。
第25図は本発明の一つの形を示しており、この場合に
は、改良されたバリヤーフィルム200が、加圧されるエ
ンベロープを形成している。この形では、バリヤーフィ
ルムは結晶質−エラストマー複合バリヤー材料の形であ
り、母体材料202は、高度に歪められ、延ばされ、或い
は平らにされている固い結晶質部分又は窒素203の存在
によって結晶化度が高められている、非晶質エラストマ
ー材料である。これらの固い結晶質部分又は結晶質素子
は、好ましくは、母体材料全体にわたって均一に分布さ
れている。これは、適当なクロスリンキング及びグラフ
ト重合その他の重合技術により達成される。歪みは、結
晶形成中に材料を延ばしたり圧縮印したりすることによ
り達成することが出来る。この歪みは母体材料中の素子
203結晶構造に効果的に応力に加え、その結果として結
合エネルギー密度が増大し、結晶質素子は、歪められて
いない結晶質素子より遥かに効果的な結晶質拡散素子で
ある。側面204はエンベロープの内壁であり、側面205は
エンベロープの外側又は大気側である。
この形では、バリヤー材料は、可動ガスに対しては透
過性であり、選ばれた閉じこめられたガスに対しては半
透過性であり、スーパーガスに対してほぼ非透過性であ
る。図示のスケールは、電子顕微鏡下で見られるスケー
ルである。この場合にも、矢印はバリヤーフィルムを通
しての可動ガスの流れを示す。この形においては母体材
料は柔らかいエラストマー部分又は領域から成り、結晶
質部分又は領域は固い結晶質材料である。
今や当業者には明らかであろう様に、本発明の製品
は、履物に用いる場合に絞って説明をしたけれども、多
様な製品に使用することの出来るものである。例えば、
本発明の製品は、以上の詳細な開示から明らかである様
に、頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品、たとえ
ば競技用、軍用、建設用、産業用、オートバイ用、自転
車用その他のヘルメット;手袋又は保護用具;テニスの
ラケット、動力鋸用のハンドル及びグリップ;に使用す
ることが出来るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、例えば履物に使用される、包み込むエンベロ
ープの親のエラストマーフィルムに埋設された結晶質ス
クリム(SC21M)又はメッシュ材料を有する本発明のふ
くらまされた踵当て物の平面図である。 第2図は、第1図に類似の装置の平面図であるが、間隔
がより狭いスクリム結晶質材料を用いたものを示す。 第3図は、一層間隔の狭いスクリム結晶質材料を使用す
る第2図のものに類似した装置の平面図である。 第4図は、親のエンベロープフィルムに埋設された結晶
質糸状材料の概略平面図である。 第4A図は、第4図の線4A−4Aに沿ってとられた断面図で
ある。 第5図は、親のエンベロープフィルムに埋設された糸の
間の間隔がより狭い結晶質糸状材料の平面図である。 第5A図は、第5図の線5A−5Aに沿ってとられた断面図で
ある。 第6A図及び第6B図は、加圧されたクッション装置用のエ
ラストマーフィルムにバリヤーフィルムを積層しょうと
した、初期の不成功に終った試みを示す断面図である。 第7図は、親のエラストマー材料内に微粒子結晶質材料
を取り入れた本発明の他の形を示す概略平面図である。 第7A図は、第7図の線7A−7Aに沿う断面図である。 第8図は、金型から取り出された時の本発明の真空成
形、ブロー成形又は流し込み成形された踵当て物の平面
図である。 第8A図は、第8図の線8A−8Aに沿う断面図である。 第8B図は、第8図の線8B−8Bに沿う断面図である。 第8C図は、第8図の線8C−8Cに沿う断面図である。 第8D図は、第8図の線8D−8Dに沿って見た端面図であ
る。 第8E図は、第8図の線8E−8Eに沿って見た端面図であ
る。 第9図は、ヒートシール及びトリミングが完了した後の
第8図の踵当て物の完成した形の平面図である。 第9A図は、第9図の線9A−9Aに沿う断面図である。 第9B図は、第9図の線9B−9Bに沿う断面図である。 第9C図は、第9図の線9C−9Cに沿う断面図である。 第9D図は、第9図の線9D−9Dに沿って見た端面図であ
る。 第10図は、第9図のものに類似した踵当て物の平面図で
あるが、3部分の踵当て物を形成するためヒートシール
時に付加された第3のフィルムを示す。 第10A図は、第10図の線10A−10Aに沿う断面図である。 第11図は、最後の周囲のヒートシールに先立って引張部
材が組み付けられた、第8図に類似した踵当て物を示す
平面図である。 第11A図は、第11図の線11A−11Aに沿う断面図である。 第11B図は、第11図の線11B−11Bに沿う断面図である。 第11C図は、第11A図に示されている組立体の一部の部分
的な拡大断面図である。 第11D図は、第11図の線11D−11Dに沿って見た端面図で
ある。 第12図は、金型から取り出された時の本発明の全長の当
て物の平面図である。 第12A図は、第12図の線12A−12Aに沿う断面図である。 第12B図は、第12図の線12B−12Bに沿う断面図である。 第12C図は、第12図の線12C−12Cに沿う断面図である。 第12D図は、第12図の線12D−12Dに沿う断面図である。 第12E図は、第12図の左から見た図である。 第13図は、ヒートシール及びトリミングが完了した後
の、第12図の全長当て物の完成した形を示す平面図であ
る。 第13A図は、第13図の線13A−13Aに沿う断面図である。 第14図は、例えば射出成形又はブロー成形により製造す
ることの出来る本発明の製品の平面図であり、部品をマ
ンドレルから外し易くなる様に金型が改造されている。 第14A図は、第14図の線14A−14Aに沿う断面図である。 第14B図は、第14図の線14B−14Bに沿う断面図である。 第14C図は、第14図の線14C−14Cに沿って見た端面図で
ある。 第14D図は、第14図の線14D−14Dに沿って見た側面図で
ある。 第15図は、本発明に従って射出成形又はブロー成形によ
り作ることの出来る全長当て物の平面図であり、踵部分
と前足部分との間の厚みは可変であり、シャンク部分に
傾斜した移行部分がある。 第15A図は、第15図の線15A−15Aに沿う断面図である。 第15B図は、第15図の線15B−15Bに沿う断面図である。 第15C図は、第15図の線15C−15Cに沿う断面図である。 第15D図は、第15図の線15D−15Dに沿って見た側面図で
ある。 第16図は、本発明の全長当て物の他の形の平面図であ
り、これはブロー成形又は真空成形又は流し込み成形で
形成することの出来るものであり、高い踵部分と、横方
向の曲げのフレキシビリティを与える側面凹部とが設け
られている。 第16A図は、第16図の線16A−16Aに沿う断面図である。 第16B図は、第16図の線16B−16Bに沿う断面図である。 第16C図は、第16図の線16C−16Cに沿う断面図である。 第16D図は、第16図の線16D−16Dに沿う断面図である。 第16E図は、第16図の線16E−16Eに沿う側面図である。 第16F図は、横方向のフレキシビリティを与える側面凹
部の斜視図である。 第17図は、従来の拡散ポンピング技術の場合の経時圧力
変化を示すグラフである。 第18図は、本発明の拡散ポンピングの場合の経時圧力変
化を示すグラフである。 第19図は、比較のために第17図及び第18図のグラフを重
ね合わせたグラフである。 第20図は、本発明の拡散ポンピングの経時圧力変化を示
すグラフであり、この場合窒素ガスは閉じこめられたガ
スで、酸素ガスは可動である。 第21図は、第20図のデータと、第17図及び第18図のデー
タの一部とを重ね合わせたグラフである。 第22図は、本発明の改良されたバリヤーフィルムの拡大
された概略断面図であり、結晶質材料はエラストマー材
料にしっかり接着されている。 第23図は、第22図に似た図であり、この場合、結晶質材
料はエラストマー材料中に埋設されている。 第24図は、エラストマーフィルム内に小さくて薄い壁を
持った中空の球体を有する本発明の改良されたバリヤー
の拡大された概略断面図である。 第25図は、本発明により改良された加圧された装置の拡
大された概略断面図であり、この場合、ビリヤーフィル
ム材料は、結晶質−非晶質複合エラストマーバリヤー材
料から成っている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 3/26 B32B 3/26 A

Claims (56)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルム状材料によって離間した壁部分に
    より形成された少なくとも一つのチャンバを有するシー
    ルされたエンベロープから成り, 前記フィルム状材料は、可塑性で極性のあるエラストマ
    ーに結晶構造を持つ材料が組合わされた構造を備えてお
    り, 前記エンベロープは、初めに、少なくとも閉じこれられ
    るガスにより、所定圧力まで加圧され、この閉じこめら
    れたガスに対して前記フィルム状材料は、該材料を通し
    ての該閉じこめられたガスの拡散をさせないバリヤーと
    して作用し, 前記フィルム材料は、前記閉じこめられたガスを保持し
    て前記チャンバを少なくとも部分的に加圧された状態に
    保つと共に該材料を通しての可動ガスの拡散を許す性質
    を持っており,且つ 前記エンベロープの内圧は、該可動ガス及び閉じこめら
    れたガスの分圧の和であることを特徴とする履物又は
    頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用される
    クッション装置。
  2. 【請求項2】前記閉じこめられるガスは窒素ガスである
    ことを特徴とする請求項1に記載の履物又は頭、肩、ひ
    ざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション
    装置。
  3. 【請求項3】前記閉じこめられるガスは窒素ガスと少な
    くとも1種類の窒素ガスに対して大きな分子構造をもち
    溶解性が小さいガスを含むことを特徴とする請求項1に
    記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製
    品に使用されるクッション装置。
  4. 【請求項4】前記結晶構造は、前記フィルム状材料に包
    含されている結晶質材料により与えられることを特徴と
    する請求項1に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一
    部を防御する製品に使用されるクッション装置。
  5. 【請求項5】前記結晶質材料は繊維状材料であることを
    特徴とする請求項4に記載の荷重を支える加圧された履
    物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用
    されるクッション装置。
  6. 【請求項6】前記結晶質材料は結晶質小板材料であるこ
    とを特徴とする請求項4に記載の履物又は頭、肩、ひざ
    等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装
    置。
  7. 【請求項7】前記フィルム状材料はエラストマーポリウ
    レタンポリマーであることを特徴とする請求項1に記載
    の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に
    使用されるクッション装置。
  8. 【請求項8】前記クッション装置は踵当て物であること
    を特徴とする請求項7に記載の履物又は頭、肩、ひざ等
    身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装
    置。
  9. 【請求項9】前記クッション装置は底部材全長であるこ
    とを特徴とする請求項7に記載の履物又は頭、肩、ひざ
    等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装
    置。
  10. 【請求項10】前記クッション装置は履物の全長よりは
    短い長さの装置であることを特徴とする請求項7に記載
    の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に
    使用されるクッション装置。
  11. 【請求項11】前記結晶質材料は、結晶質の織物である
    ことを特徴とする請求項4に記載の履物又は頭、肩、ひ
    ざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション
    装置。
  12. 【請求項12】前記クッション装置は、少なくとも部分
    的に泡に包まれていることを特徴とする請求項7に記載
    の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に
    使用されるクッション装置。
  13. 【請求項13】前記のシールされたエンベロープは、フ
    イルム状材料の少なくとも2枚のシートからなっている
    ことを特徴とする請求項1に記載の履物又は頭、肩、ひ
    ざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション
    装置。
  14. 【請求項14】前記結晶質材料は、フィラメント、粉
    末、小板、布、ビード及び微小球体からなるグループか
    ら選択された形の金属又は合金であることを特徴とする
    請求項4に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を
    防御する製品に使用されるクッション装置。
  15. 【請求項15】前記結晶質材料は本縫された材料である
    ことを特徴とする請求項4に記載の履物又は頭、肩、ひ
    ざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション
    装置。
  16. 【請求項16】前記のシールされたエンベロープは、複
    数の別々にシールされたチャンバから成ることを特徴と
    する請求項4に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一
    部を防御する製品に使用されるクッション装置。
  17. 【請求項17】前記シールされたエンベロープは、少な
    くとも二つの相互に結合したチャンバから成ることを特
    徴とする請求項1に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体
    の一部を防御する製品に使用されるクッション装置。
  18. 【請求項18】前記エンベロープの内圧は大気圧より高
    いことを特徴とする請求項1に記載の履物又は頭、肩、
    ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッショ
    ン装置。
  19. 【請求項19】前記エンベロープは、少なくとも一つの
    周辺の継ぎ目を有することを特徴とする請求項1に記載
    の履物又は履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御す
    る製品に使用されるクッション装置。
  20. 【請求項20】前記結晶構造は、前記フィルム状材料の
    少なくとも一つの面に接合された結晶質材料により与え
    られることを特徴とする請求項1に記載の履物又は頭、
    肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッ
    ション装置。
  21. 【請求項21】前記結晶質材料は薄い金属層であること
    を特徴とする請求項20に記載の履物又は頭、肩、ひざ等
    身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装
    置。
  22. 【請求項22】前記結晶質材料は結晶質ポリマー材料で
    あることを特徴とする請求項4に記載の履物又は頭、
    肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッ
    ション装置。
  23. 【請求項23】前記フィルム状材料は、ポリマー材料の
    混合物であり、該ポリマー材料のうちの少なくとも一つ
    は結晶質材料であることを特徴とする請求項1に記載の
    履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使
    用されるクッション装置。
  24. 【請求項24】前記結晶構造はポリエチレンテレフタレ
    ートのポリマー材料により与えられることを特徴とする
    請求項1に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を
    防御する製品に使用されるクッション装置。
  25. 【請求項25】前記フィルム状材料は、少なくとも部分
    的には熱可塑性エラストマーから成ることを特徴とする
    請求項1に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を
    防御する製品に使用されるクッション装置。
  26. 【請求項26】前記フィルム状材料は、少なくとも部分
    的には熱可塑性ポリエステルエラストマーから成ること
    を特徴とする請求項1に記載の履物又は頭、肩、ひざ等
    身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装
    置。
  27. 【請求項27】前記可動ガスは、窒素ガス以外の少なく
    とも1種類の空気のガス成分を含むことを特徴とする請
    求項1に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防
    御する製品に使用されるクッション装置。
  28. 【請求項28】閉じこめられたガスは、空気又は窒素又
    は窒素に対し大きな分子構造をもち溶解性が小さいガス
    を含み、該可動ガスは酸素を含むことを特徴とする請求
    項1に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御
    する製品に使用されるクッション装置。
  29. 【請求項29】該閉じこめられたガスは窒素であり、該
    可動ガスは酸素を含むことを特徴とする請求項1に記載
    の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に
    使用されるクッション装置。
  30. 【請求項30】フィルム状材料の離間した壁部分から成
    る少なくとも一つのチャンバを有するエンベロープを設
    け, 前記フィルム状材料は、可塑性で極性があり且つエラス
    トマー性であり、さらに部分的な結晶構造を持つ材料が
    組合わされた構造を備えており, 始めに、少なくとも1種類のガスで前記エンベロープを
    所定圧力に加圧し、このガスに関して前記フィルム状材
    料は、該材料を通して前記1種類のガスの拡散をさせな
    いバリヤーとして作用し, 前記フィルム状材料は、前記1種類のガスを保留して前
    記チヤンバを少なくとも部分的に加圧状態に保つと共
    に、該材料を通しての可動ガスの拡散を許す性質を持っ
    ており, 前記エンベロープをシールして前記1種類のガスを内包
    させ,且つ 前記のシールされたエンベロープを外気に曝す工程とか
    ら成り、これにより前記外気中の可動ガスが前記のシー
    ルされたエンベロープ内に拡散して、前記エンベロープ
    の内圧が前記第1種類のガス及び該可動ガスの分圧の和
    となることを特徴とする履物又は頭、肩、ひざ等身体の
    一部を防御する製品に使用されるクッション装置の製造
    方法。
  31. 【請求項31】前記1種類のガスは窒素ガスであること
    を特徴とする請求項30に記載の履物又は頭、肩、ひざ等
    身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装置
    の製造方法。
  32. 【請求項32】前記1種類のガスは窒素ガス及び窒素ガ
    スに対して大きな分子構造をもち溶解性が小さいガスで
    あることを特徴とする請求項31に記載の履物又は頭、
    肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッ
    ション装置の製造方法。
  33. 【請求項33】前記エンベロープは、平らなシート状材
    料から形成されることを特徴とする請求項30に記載の履
    物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用
    されるクッション装置の製造方法。
  34. 【請求項34】前記エンベロープは、ブロー成形、射出
    成形、流し込み成形、真空成形、回転成形(rotor mold
    ing)、トランスファー成形、及び圧力成形のいずれか
    一つ又は組合わせにより成形されることを特徴とすれ請
    求項30に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防
    御する製品に使用されるクッション装置の製造方法。
  35. 【請求項35】前記エンベロープは熱可塑性材料から形
    成されることを特徴とする請求項30に記載の履物又は
    頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用される
    クッション装置の製造方法。
  36. 【請求項36】前記エンベロープは熱硬化性材料から形
    成されることを特徴とする請求項30に記載の履物又は
    頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用される
    クッション装置の製造方法。
  37. 【請求項37】前記エンベロープは、その壁の少なくと
    も一部を互いに溶接することによって形成され、 該壁の内面は、前記溶接前に下塗り剤で処理されること
    を特徴とする請求項30に記載の履物又は頭、肩、ひざ等
    身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装置
    の製造方法。
  38. 【請求項38】前記クッション装置は履物に組み付けら
    れることを特徴とする請求項30に記載の履物又は頭、
    肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッ
    ション装置の製造方法。
  39. 【請求項39】前記可動ガスは、窒素ガス以外の少なく
    とも1種類の空気中のガス成分を含むことを特徴とする
    請求項30に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を
    防御する製品に使用されるクッション装置の製造方法。
  40. 【請求項40】前記1種類のガスは、空気又は窒素又は
    窒素ガスに対して大きな分子構造をもち溶解性が小さい
    ガスはその混合物を含む閉じこめられるガスであり、前
    記可動ガスは酸素であることを特徴とする請求項30に記
    載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品
    に使用されるクッション装置の製造方法。
  41. 【請求項41】始めに加圧する工程は、大気圧より高い
    内圧まで加圧することを含むことを特徴とする請求項30
    に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する
    製品に使用されるクッション装置の製造方法。
  42. 【請求項42】前記フィルム状材料内に含まれている結
    晶質材料によりガス拡散特性が与えられることを特徴と
    する請求項30に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一
    部を防御する製品に使用されるクッション装置の製造方
    法。
  43. 【請求項43】前記結晶質材料は繊維状材料であること
    を特徴とする請求項42に記載の履物又は頭、肩、ひざ等
    身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装置
    の製造方法。
  44. 【請求項44】前記繊維状材料は本縫いされた材料であ
    ることを特徴とする請求項43に記載の履物又は頭、肩、
    ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッショ
    ン装置の製造方法。
  45. 【請求項45】前記結晶質材料は結晶質小板材料である
    ことを特徴とする請求項42に記載の履物又は頭、肩、ひ
    ざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション
    装置の製造方法。
  46. 【請求項46】前記結晶質材料は結晶質の織物であるこ
    とを特徴とする請求項42に記載の履物又は頭、肩、ひざ
    等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装
    置の製造方法。
  47. 【請求項47】前記結晶質材料は、フィラメント、粉
    末、小板、布、ビード及び微小球体から成るグループか
    ら選択された形の金属又は金属の合金であることを特徴
    とする請求項42に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の
    一部を防御する製品に使用されるクッション装置の製造
    方法。
  48. 【請求項48】エンベロープを設ける前記工程は、複数
    の別々のチャンバを前記エンベロープ内に形成すること
    と, 前記チャンバの各々を加圧し、その後これを密封するこ
    とを含むことを特徴とする請求項30に記載の履物又は
    頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用される
    クッション装置の製造方法。
  49. 【請求項49】前記結晶構造は、該フィルム状材料の少
    なくとも1面に接合された結晶質材料により与えられる
    ことを特徴とする請求項30に記載の履物又は頭、肩、ひ
    ざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション
    装置の製造方法。
  50. 【請求項50】前記結晶質材料は、薄い金属層であるこ
    とを特徴とする請求項49に記載の履物又は頭、肩、ひざ
    等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装
    置の製造方法。
  51. 【請求項51】前記結晶質材料は結晶質ポリマー材料で
    あることを特徴とする請求項49に記載の履物又は頭、
    肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッ
    ション装置の製造方法。
  52. 【請求項52】前記フィルム状材料はポリマー材料の混
    合物であり、該ポリマー材料のうちの少なくとも1種類
    は結晶質材料であることを特徴とする請求項30に記載の
    履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使
    用されるクッション装置の製造方法。
  53. 【請求項53】前記結晶構造は、ポリエチレンテレフタ
    レートのポリマー材料により与えられることを特徴とす
    る請求項30に記載の履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部
    を防御する製品に使用されるクッション装置の製造方
    法。
  54. 【請求項54】前記フィルム状材料はポリウレタン材料
    であることを特徴とする請求項30に記載の履物又は頭、
    肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッ
    ション装置の製造方法。
  55. 【請求項55】フィルム状材料の離間した壁部分により
    形成された少なくとも一つのチャンバを有するシールさ
    れたエンベロープから成り, 前記フィルム状材料は、結晶質−非晶質−極性のあるエ
    ラストマー複合バリヤー材料であり, 前記エンベロープは、初めに、少なくとも1種類のガス
    により所定圧力まで加圧され、このガスに対して前記フ
    ィルム状材料は、該材料を通しての閉じこめられたガス
    の拡散をさせないバリヤーとして作用し、 前記フィルム状材料は、前記の少なくとも1種類のガス
    を保留し前記チャンバを少なくとも部分的に加圧された
    状態に保つと共に、該材料を通しての可動ガスの拡散を
    許す能力により前記バリヤー材料の活性化された拡散バ
    リヤー特性を強化させるために前記エラストマー材料中
    に固い結晶質部分又は素子を有することを特徴としてお
    り, 前記エンベロープの内圧は、前記の少なくとも1種類の
    ガス及び前記閉じこめられたガスの分圧の和であること
    を特徴とする、履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防
    御する製品に使用されるクッション装置。
  56. 【請求項56】前記の固い結晶質部分又は素子は、前記
    バリヤー材料の活性化された拡散バリヤー特性を強化さ
    せるため製品が設計圧力までふくらまされた結果塑性変
    形していることを特徴とする請求項55に記載の履物又は
    頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用される
    クッション装置。
JP2008524A 1989-01-19 1990-01-19 履物又は頭、肩、ひざ等身体の一部を防御する製品に使用されるクッション装置及びその製造方法 Expired - Lifetime JP2627808B2 (ja)

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