JP2627547B2 - 内視鏡用測長具 - Google Patents

内視鏡用測長具

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JP2627547B2 JP63235782A JP23578288A JP2627547B2 JP 2627547 B2 JP2627547 B2 JP 2627547B2 JP 63235782 A JP63235782 A JP 63235782A JP 23578288 A JP23578288 A JP 23578288A JP 2627547 B2 JP2627547 B2 JP 2627547B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿通されて、
体腔内患部等の寸法を測定する物差として用いられる内
視鏡用測長具に関する。
[従来の技術] この種の内視鏡用測長具は、古くは、目盛を付した目
盛部材をL字状に屈伸するようにしたものであった。し
かし、このタイプのものは目盛部材が一方向に伸びるた
め、目盛部材が視野内の観察し易い方向に突出された場
合でないと使用することができない欠点があった。しか
も、その突出方向を調整するのは現実的に不可能と言っ
てよいほど至難の業であった。
そこで従来は、例えば実公昭62−23441号公報に示さ
れるように、弾性力によって双方向に展開する一対の開
き部材を可撓管内に出入り自在に設け、その開き部材間
に所定間隔の目盛を有する目盛部材を取り付けていた。
しかし、そのような内視鏡用測長具は、目盛部材が展
開する向き(傾き)が決まっているので、第8図に示さ
れるように、目標とする患部62に対して目盛部材61が斜
め方向から接近するような場合には、患部62の寸法を正
確に測定することができない欠点がある。
また、開き部材そのものを、双方向に確実に開くよう
にしっかりした強い構造にしなければならない。そし
て、測長時には、自己の弾性力に抗して可撓管内で閉じ
ている開き部材を、遠隔的に押し出さなけらばならない
ので、操作ワイヤの座屈や、作動不良がしばしば発生
し、使いづらい欠点があった。また、全体にしっかりし
た構造にする必要があるため、製造コストがかかって、
物差として使用するには非常に高価なものとなってい
た。
そこで発明者は、内視鏡の鉗子チャンネル内に挿脱自
在なチューブに、その先端から間隔をあけて径方向に第
1の切れ目を設けてその部分でチューブを屈伸自在に形
成すると共に、その第1の切れ目より先端側の部分に目
盛を付してその部分を測長部に形成し、上記第1の切れ
目より基部側に、上記測長部の長さより短い間隔をあけ
て、径方向に第2の切れ目を設けてその部分でチューブ
を屈伸自在に形成し、遠隔操作によってチューブの基端
部側から牽引操作される牽引ワイヤを上記第2の切れ目
からチューブ外に出して、その牽引ワイヤの先端を上記
測長部に係止した内視鏡用測長具を発明して、先に特許
出願した(特願昭63−199193号)。
この内視鏡用測長具は、内視鏡の鉗子チャンネルに挿
通する際には、チューブを全長にわたって真直にしてお
き、使用時には、牽引ワイヤを基部側へ牽引してチュー
ブを第1の切れ目で180度反転させ、この状態で、目標
とする患部等にチューブを押し付けると、チューブが第
2の切れ目で折れ曲って、測長部がT字状になって患部
に沿って密着し、患部の寸法を測定することができるよ
うにしたものである。
[発明が解決しようとする課題] しかし、その内視鏡用測長具にしても、内視鏡の観察
視野の中にT字状に押し出された測長部の向きによって
は、目盛が付された測長部を観察し難い場合がある。そ
のような場合、測長部を鉗子チャンネル内で回転させる
ことは極めて困難なので、観察視野に対する測長部の向
きを変えることができず、体腔内患部等の寸法を正確に
測定できないこととなる欠点があった。
この発明は、そのような従来の欠点を解消し、内視鏡
の観察視野に対して測長部の向きを任意に変えて、常に
正確な測長を行うことができる内視鏡用測長具を提供す
ることを目的とする。
[課題を解決するための手段] 上記の目的を達成するために、本発明の内視鏡用測長
具は、内視鏡の鉗子チャンネル内に挿脱自在なチューブ
に、その先端から間隔をあけて径方向に第1の切れ目を
設けてその部分でチューブを屈伸自在に形成すると共
に、その第1の切れ目より先端側の部分に目盛を付して
その部分を測長部に形成し、上記第1の切れ目より基部
側に、上記測長部の長さより短い間隔をあけて、径方向
に第2の切れ目を設けてその部分でチューブを屈伸自在
に形成し、遠隔操作によってチューブの基端部側から牽
引操作される牽引ワイヤを上記第2の切れ目からチュー
ブ外に出して、その牽引ワイヤの先端を上記測長部に係
止した内視鏡用測長具において、上記チューブを、チュ
ーブの先端側の部分であって上記第2の切れ目より基部
側寄りの位置で径方向に切断して、その切断部でチュー
ブを軸中心に回転自在に連結したことを特徴とする。
[作用] 測長具を内視鏡の鉗子チャンネルに挿通してその先端
を内視鏡の先端から突出させ、牽引ワイヤを引いて測長
部を患部に押しあてると、測長部がT字状になる。
そして、測長部の向きが観察に都合が悪い場合には、
内視鏡全体を回転させる。すると、測長具のチューブ1
は、切断部で軸中心に回転自在なので、切断部より基部
側(即ち、鉗子チャンネルに挿通されている側)の部分
は内視鏡と一体となって回転し、切断部より先側(即
ち、測長部側)の部分は、患部に押しあてられているの
で回転しない。したがって、内視鏡の観察視野内におい
てT字状の測長部の向きを変えることができる。
[実施例] 図面を参照して実施例を説明する。
第1図は本発明の第1の実施例の内視鏡用測長具を示
しており、1は、例えば四フッ化エチレン樹脂製の可撓
性チューブであり、例えば外径1.5ないし2.5mm、肉厚0.
2ないし0.5mm程度のものが用いられる。チューブの先端
1aから距離Lの位置において、チューブ1には、カミソ
リの刃などによって径方向に第1の切れ目2が切り込ま
れている。距離Lは、例えば10ないし50mm程度であり、
使用目的に応じた長さに設定すればよい。
チューブ1は、第1の切れ目2部分においては、僅か
なつながり代2aを残して切断されており、この部分で関
節のように自在に屈伸することができる。
チューブ1の第1の切れ目2より先端側の部分には、
目盛4が付されており、この部分が患部等の寸法を計測
する測長部5に形成されている。目盛4は、例えばチュ
ーブ1の外周に塗られた円周ラインであり、測長部5を
例えば3等分するように付されている。もちろん、目盛
4は使用目的に応じて狭い間隔又は広い間隔に設けるこ
とができ、色違いの目盛を付してもよい。
第1の切れ目2より基部側に、第1の切れ目2から距
離Mの位置に、チューブ1の径方向に第2の切れ目6が
切り込まれており、この部分でもチューブ1が屈伸自在
に形成されている。この距離Mは、測長部5の長さより
短ければよく、Lの半分程度にするのが最も好ましい。
この実施例では、第2の切れ目6は第1の切れ目2と間
隔をあけて180度反対の方向から切り込まれている。ま
た、第1の切れ目2と第2の切れ目6との間の部分のチ
ューブ1外周にも、測長部の目盛4と位置を合わせて目
盛14が付されている。
チューブの先端1aと第1及び第2の切れ目2,6の各々
の外周の角部は、滑らかな丸みのある面取り部1t,2t,6t
に形成されている。
チューブ1内には、チューブ1とほぼ同じ長さの操作
用芯線7が、チューブの基部1b側から進退自在に挿入さ
れている。この操作用芯線7には、ステンレス鋼線やコ
イルなどを用いることもできるが、直径0.2ないし1mm程
度の光学ファイバの単繊維を用いると、適当な可撓性と
腰の強さを有し、しかも曲りぐせがつきにくい。本実施
例では肉厚0.1mm程度の合成樹脂チューブが被覆された
光学ファイバの単繊維が用いられている。
操作用芯線7は、基部側でチューブ1から突出してお
り、そこに操作用つまみ8が取り付けられている。ま
た、操作用芯線7の先端側には、例えば金属パイプ製の
ストッパ9が、接着又はかしめなどにより固着されてい
る。そして、例えば直径0.03ないし0.2mm程度の柔軟で
細いてぐす糸(つり糸)製の牽引ワイヤ10の一端が、ス
トッパ9より手元側(基部側)において操作用芯線7に
結び付けられている。本実施例においては、操作用芯線
7を締め付けないように牽引ワイヤ10で輪を作って、そ
の中に操作用芯線7がゆるく挿通されている。
したがって、操作用芯線7を基端側へ引張ると、牽引
ワイヤ10の結び部10aがストッパ9に引っかかって、牽
引ワイヤ10が同方向に牽引される。尚、牽引ワイヤ10を
チューブ1内に基部側に至るまでひき通して、基部側か
ら牽引ワイヤ10を直接牽引するようにしてもよい。
牽引ワイヤ10は第2の切れ目6からチューブ1外に出
されている。牽引ワイヤ10の先端は、チューブ先端の測
長部5の中央部付近に穿設された通し孔11を通って、測
長部5内で抜け止め用のリング12に結びつけられてい
る。したがって、基部側で操作用つまみ8を引張ると、
操作用芯線7を介して牽引ワイヤ10が牽引され、チュー
ブの測長部5が牽引ワイヤ10によって第2の切れ目6へ
向って引き寄せられて、第1の切れ目2及び第2の切れ
目6が次第に折れ曲る。そして、測長部5がちょうど18
0度反転するように折れ曲ったとき、チューブ1に形成
されたくびれ部13にストッパ9の後端部がぶつかる。す
ると、それ以上操作用芯線7を引張ることができなくな
る。
チューブ1は、くびれ部13の近傍基部側寄りの位置で
径方向に切断されている。15はその切断部である。そし
て、第2図に示されるように、切断部15の両側で各々の
チューブ1の内面に接続パイプ16,17が接合されてお
り、その接続パイプ16,17どうしが互いに回転自在に嵌
合している。そして、内側になる接続パイプ16の端部16
aをかしめて広げることにより、両接続パイプ16,17が互
いに抜けないように回転自在に連結されている。したが
って、チューブ1は、上記の接続パイプ16,17を介し
て、切断部15で軸方向に回転自在に連結されている。
尚、この実施例においては、切断部15をくびれ部13よ
り基部側寄りの位置に形成してあるが、本発明は必ずし
もこれに限定されるものではなく、切断部15は、チュー
ブの先端側の部分であって第2の切れ目より基部側寄り
の部分に形成してあればよい。ただし本実施例のよう
に、チューブ1内でストッパ9などがスライドする構造
をとった場合には、そのスライド範囲を避けた部分に切
断部15を形成した方がよい。
第3図ないし第6図は上記実施例の内視鏡用測長具
を、操作手順に従って図示している。尚、これらの図に
おいてチューブ1の壁部は、線で略示されている。
まず最初は、第3図に示されるように、操作用芯線7
を、チューブの測長部5内に達する位置まで差し込んで
おく。この状態では第1及び第2の切れ目2,6を操作用
芯線7が通過しているので、チューブ1はその各切れ目
2,6で折れ曲らない。したがって、この状態でこの測長
具を、内視鏡の鉗子チャンネル30内に容易に挿通するこ
とができる。この場合、チューブの先端1aと第1及び第
2の切れ目2,6の各々の外周の角部は、すべて滑らかな
面取り部1t,2t,6tに形成されているので、これらの部分
は鉗子チャンネル30にスムーズに挿脱され、内視鏡側の
部材に引っかかることがない。
内視鏡用測長具の先端が内視鏡の先端部31から突出さ
れたら、手元側の操作つまみ8を引張る。すると、第4
図に示されるように、第1の切れ目2が180度折れ曲っ
て、測長部5が180度後方に向きを変える。
次いで第4図の状態から、目標とする患部32にチュー
ブの先端(この場合には第1の切れ目2)を押し付ける
と、第5図に示されるようにチューブが第2の切れ目6
で折れ曲って、チューブの先端がT字状になり、目盛4
によって患部の大きさを読みとることができる。このよ
うに測長具を患部32などに押し付ける場合、チューブの
先端1aと第1及び第2の切れ目2,6の各々の外周の角部
がすべて滑らかな面取り部1t,2t,6tに形成されているの
で、粘膜面を傷つけるようなことがない。
また、患部に対してチューブ1が斜め方向から接近す
るような場合には、第5図の2点鎖線で示されるよう
に、目標とする患部にチューブの先端を押し付けるだけ
で、測長部5が患部に沿って密着するように第2の切れ
目6が折れ曲る。したがって、患部に対してチューブが
どのように傾いた方向から接近している状態であって
も、測長部5を患部に密着させて、測長を行うことがで
きる。
第6図に示されるように、T字状になった測長部5
の、観察視野20に対する向きが悪く、測長部5の観察に
不都合がある場合には、内視鏡35全体が回転させる。通
常は、図示されていない手元側の内視鏡操作部を回転さ
せればよい。
すると、大部分が鉗子チャンネル内に挿通されている
チューブ1の切断部15より基部側の部分Aは、内視鏡35
と一体となって回転する。しかし、チューブ先端の測長
部5は患部32に押し付けられているので、チューブ1の
切断部15より先側の部分Bは、内視鏡35と共には回転し
ない。この時、操作用芯線7は内視鏡35と共に回転する
が、牽引ワイヤ10の結び部10aは輪になって、その中に
操作用芯線7がゆるく挿通されているので、牽引ワイヤ
10はねじられない。
このようにして、内視鏡35全体を回転させたとき、測
長具先端の測長部5は回転しないので、観察視野20内に
おいてT字状の測長部5の向きが変わり、測長部5を観
察視野内で明瞭に観察できる位置に誘導することができ
る。
第7図は、第1の切れ目22と第2の切れ目26とを90度
異なる方向から切り込んだ形成した第2の実施例の使用
状態を示している。この場合には、測長部5がチューブ
1の側部に並列に折れ曲るので、目盛の視認がより容易
である。
尚、現実の使用においては、上述の第1の実施例のよ
うに、第1の切れ目2と第2の切れ目6とを180度異な
る方向から切り込んで形成したものであっても、チュー
ブ1を患部にほんの少しだけ強く押し付けることによ
り、第2の切れ目6がねじれるので、測長部5がチュー
ブの側部に並んで、第7図と同じ状態となる。したがっ
て、第1と第2の切れ目の方向は、実質的にはどのよう
な向きに形成してもよく、好ましくは、第1と第2の切
れ目の向きが異なっていればよい。
尚、本発明の内視鏡用測長具は内視鏡の鉗子チャンネ
ルから抜去する操作も極めて容易である。使用後は、単
にチューブ1を鉗子チャンネルから引き抜くだけで、チ
ューブ先端の折れ曲った部分が、内視鏡側の部材に引っ
かかること無く、鉗子チャンネルに沿って自然に真直の
状態に戻りながら抜ける。したがって、使用後は測長部
を元の状態に戻すような一切の操作を必要としない。
[発明の効果] 本発明の内視鏡用測長具によれば、目標とする患部等
に対して斜め方向から接近するような場合であっても、
測長部を目標部位に簡単に密着させて、寸法を測定する
ことができ、使用時及び抜去時ともに極めて簡単な操作
しか必要としない。しかも、T字状の測長部の観察視野
に対する向きを自由に変えることができるので、測長部
を観察視野内の観察し易い位置に誘導して、正確な測長
を容易に行うことができる優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例の一部を切除して示す斜
視図、第2図はその実施例のチューブの切断部付近の拡
大断面図、第3図ないし第6図はその実施例の使用状態
を示す部分側面図、第7図は本発明の第2の実施例の部
分斜視図、第8図は従来の内視鏡用測長具の使用状態を
示す部分側面図である。 1……チューブ、1t……面取り部、2,22……第1の切れ
目、2t……面取り部、4……目盛、5……測長部、6,26
……第2の切れ目、6t……面取り部、7……操作用芯
線、9……ストッパ、10……牽引ワイヤ、15……切断
部、16,17……接続パイプ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内視鏡の鉗子チャンネル内に挿脱自在なチ
    ューブに、その先端から間隔をあけて径方向に第1の切
    れ目を設けてその部分でチューブを屈伸自在に形成する
    と共に、その第1の切れ目より先端側の部分に目盛を付
    してその部分を測長部に形成し、上記第1の切れ目より
    基部側に、上記測長部の長さより短い間隔をあけて、径
    方向に第2の切れ目を設けてその部分でチューブを屈伸
    自在に形成し、遠隔操作によってチューブの基端部側か
    ら牽引操作される牽引ワイヤを上記第2の切れ目からチ
    ューブ外に出して、その牽引ワイヤの先端を上記測長部
    に係止した内視鏡用測長具において、 上記チューブを、チューブの先端側の部分であって上記
    第2の切れ目より基部側寄りの位置で径方向に切断し
    て、その切断部でチューブを軸中心に回転自在に連結し
    たことを特徴とする内視鏡用測長具。
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