JP2627142C - - Google Patents

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JP2627142C
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Nissui Seiyaku Co Ltd
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Nissui Seiyaku Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は、微生物の培養、検出、分離、同定等に有用な培地が容器内に分画さ
れた状態で注入されている分画培地に関する。 【0002】 【従来の技術】 微生物学的な検査、実験等においては、数多くの検体について微生物の培養、
検出、分離、同定等の作業を行なうのにシャーレ、培養ビン、培養管等の容器が
使用されている。この作業に一つの容器内に一種類の培地を注入したものを使用
することは、多数個の容器を必要とするため作業性に劣るので、省力化を図る目
的のために、一つの容器内に隔壁を設けて容器内部を複数の区画に分画して、各
々に分画された区画に培地を注入して、微生物学的な検査、実験が行なわれてい る。このような容器内の分画培地にエーゼ(釣菌子)等を用いて微生物を接種す
るのに、複数の培地間に隔壁が突出していると、エーゼの先端が引っ掛かり、接
種作業に支障をきたすので、培地表面と隔壁の上端部は同一水平面となるような
試みがなされていた。 【0003】 従来、例えば、培地の表面となる部分に平坦な封止体を隔壁頂端に密着させて
、シャーレの外側壁の隔壁近傍に設けた注入孔から培地を一つの分画室へ注入し
、その注入口から気泡を放出させ、次いでその注入孔を滅菌シール等で封止した
後、シャーレを適宜移動(回転)させて、別の空の分画室の注入孔に培地を注入
し、上記と同様な操作を行なって別の分画室へ培地の充填を完了させることによ
り、培地表面と隔壁の上端部が同一水平面となるように培地入分画シャーレを製
造していた。そして、そのシャーレ内の培地に接種を行なう際には、封止体を剥
離した後に、エーゼ等で微生物を接種していた(例えば、実公平5−36400
号公報参照)。また、同様に培地表面と隔壁の上端が同一水平面となるようにす
るため、分画シャーレ内への培地の充填時にシャーレの底部に設けた小孔から注
入する方法も提案されていた(例えば、特公平5−58705号公報参照)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、前記従来の、培地の表面となる部分に平坦な封止体を配置し、
シャーレの外側壁の注入孔から培地を注入した培地入分画シャーレの製造方法に
おいては、一つの分画室へ培地を注入し、注入孔を封止した後でないと、他の分
画室への注入が開始できないという不都合があった。また、前記従来の培地入分
画シャーレに微生物を接種する際には、シール等の平坦な封止体を各シャーレに
ついて一枚一枚剥離しなければならず、このため大量のシャーレに対し接種作業
を行なう際や、接種作業を機械によって行なう際には、この封止体の剥離作業と
いう余分な操作が伴っていた。また、前記従来の培地入分画シャーレは、培地表
面と隔壁頂端とが同じ高さであり、このような培地に対して微生物をエーゼ等に
より接種する際には、培地は寒天等の弾力性物質のために多少エーゼの先端の圧
力により窪んだ状態でエーゼが移動されるが、隔壁部分は、ガラス、プラスチッ ク等の剛性部材のため、エーゼがこの部分を通過する時は多少引っ掛かりやすい
という問題があった。 【0005】 一方、分画シャーレ内へ培地を充填するのにシャーレの底部に設けた分注孔か
ら注入する前記従来の方法においては、シャーレの底部が水平であるために、分
注孔周辺の培地に気泡が残留しやすいという欠点があった。 【0006】 そこで本発明は、微生物学的な検査、実験が省力化できる分画培地であって、
しかも、分画容器の各分画室への培地の注入を同時に行なうことが可能であり、
培地の表面には平坦な封止体が必要ではなく、したがって、微生物の接種時には
該封止体を剥離する作業がなく、微生物の接種時にエーゼ等の接種手段の移動が
スムーズに行なうことができ、さらに、培地内に気泡が残留する問題のない分画
培地を提供することを目的とする。 【0007】 【課題を解決するための手段】 前記した問題点を解決するために本発明の分画培地は、複数の区画に分画する
ための隔壁を内部に有する分画容器の各区画内に培地が注入されている分画培地
において、(1)該分画容器の全体形状は円状であり、(2)該分画容器内に収
容される培地表面の高さが前記隔壁の高さよりも高く、且つ培地は各区画内から
溢れ出ずに盛り上がるように注入されたものであり、(3)培地注入時に複数の
区画に区分するための着脱可能な仕切板は必要とせず、(4)該分画容器の隔壁
と培地との間の剥離を防止するために、分画容器内には剥離防止手段が設けられ
ており、(5)該剥離防止手段は、分画容器内の隔壁近傍の、隔壁から一定の間
隔を保って平行に設けられた、分画容器底面から凸状に隆起した帯状突起物、及
び/又は隔壁に設けられた突起物であることを特徴とする。 【0008】 【0009】 本発明において分画培地とは、内部に隔壁を有し複数の区画に分画されている
円状の分画容器内に培地が注入されている状態のものをいう。 【0010】 【作用】 本発明の分画培地によれば、分画容器内の培地表面の高さが、隔壁の高さより
も高いので、微生物をエーゼ等の接種手段により接種するために、隔壁をまたが
って各区画内の培地へ接種手段を移動させる場合において、接種手段の先端の押
圧により培地が多少窪んでも、剛性の隔壁に対して接種手段の先端の引っ掛かり
が少なく、その移動がスムーズに行える。また、一つの分画容器内の分画された
各区画内へ培地を注入する際には、その上部空間の任意の位置から注入すること
ができ、しかも各区画内へ同時に注入することができ、各区画内の培地に混入す
る気泡は上部の開放面から容易に排出される。 【0011】 本発明の分画培地によれば、分画容器内の隔壁近傍の底部及び/又は隔壁には
培地の剥離防止手段が設けられているので、隔壁の高さが低くても(従って、培
地と隔壁との接触面積が少なくても)この剥離防止手段により培地をしっかりと
隔壁に固定することができ、培地が収縮したとしても培地の隔壁からの剥離が防
止される。 【0012】 【実施例】 本発明の構成を実施例として示した図面に基づき具体的に説明する。図1は本
発明の分画培地の一実施例としての培地入分画シャーレ本体の斜視図であり、図
2はその上面図である。1はシャーレ本体、2はシャーレ内に突設され、シャー
レ内の空間を分画して隔てる隔壁、3は隔壁2によって分画されたシャーレ内の
一つの空間に注入された培地A、4はシャーレ内の培地Aとは別の分画された空
間に注入された培地B、5はシャーレ本体1の側壁である。このシャーレ本体1
に図示していないシャーレ蓋体が嵌合されて本実施例の培地入分画シャーレを構
成する。 【0013】 本実施例の培地入分画シャーレの隔壁2の高さは、側壁5の高さよりも低く、
且つ注入された培地3,4表面よりも低くなっている。したがって、培地をシャ ーレに注入するにあたって、培地の量は、隔壁2の高さよりも盛り上がるように
培地を注入することが重要である。このように、培地3,4の表面の高さを調整
することによって、微生物をエーゼ等の接種手段により接種する際に、隔壁2を
またがって各培地3,4へ接種手段を移動させても、接種手段の先端が隔壁2へ
引っ掛かかることが軽減され、その移動がスムーズとなる。 【0014】 シャーレ本体1の材質はガラス又はプラスチックのいずれも使用できる。分画
シャーレの全体形状は、円状である。分画シャーレの各区画は、2個、3個、4
個、それ以上の区画に分けることができる。図3は3分画されている円状シャー
レ、図4は4分画されている円状シャーレの一例である。各区画を分ける隔壁の
先端の形状は、図5にその断面を示すとおり角付であってもよいし、図6にその
断面を示すとおりR付であってもよいが、エーゼ等の使用時においては、角付の
方がややスムーズ感があった。また本実施例の培地入分画シャーレは、手作業の
微生物の接種だけではなく、機械的な接種手段であるスパイラルシステムに適用
した場合にもスムーズに行なえた。 【0015】 本実施例における培地入分画シャーレの隔壁2の高さは、前記のとおり培地3
,4表面よりも低いため、培地3,4と隔壁2との接触面積が少なくなる傾向に
ある。したがって、培地3,4と隔壁2との剥離を防止するために、シャーレ内
の隔壁2近傍の、隔壁2から一定の間隔を保って平行に設けられた、シャーレ底
面から凸状に隆起した帯状突起物、及び/又は隔壁部に設けられた突起物を本発
明は必須とする。図7は隔壁2付近の断面図であり、隔壁2の周辺に設けた剥離
防止手段6を表している。図8は本実施例における剥離防止手段6が形成された
培地入分画シャーレの一例の上面図を示し、図9は同じく図8とは別の例の剥離
防止手段6が形成された培地入分画シャーレの上面図である。 【0016】 図7、図8及び図9の剥離防止手段6は、隔壁2から一定の間隔を保って平行
に設けられ、シャーレ底面から凸状に隆起した帯状の突起物から形成されている
。この突起物は、複数本設けられてもよい。この突起物の高さは隔壁2の高さよ りも低く、好ましくは隔壁2の高さよりも1/9〜1/3程度がよく、その形状
は椀状のものがよい。図9の剥離防止手段6は、隔壁2の近傍及び分画シャーレ
の側壁5から一定の間隔を保って平行に設けられ、シャーレ底面から凸状に隆起
した帯状の突起物から形成されている。 【0017】 図10は剥離防止手段6である扇状の突起物が複数個、隔壁2の壁面に設けら
れた分画シャーレの隔壁近傍の斜視図であり、図11はその断面図であり、図1
2はその上面図である。また図13は一個の扇状の突起物が隔壁2の壁面の一側
に設けられた分画シャーレの隔壁近傍の斜視図であり、図14はその断面図であ
り、図15はその上面図である。このように、剥離防止手段6を分画シャーレ内
に設けることにより、培地が隔壁2から剥離することを防止し、剥がれ強度を強
くしている。 【0018】 【0019】 【発明の効果】 本発明の分画培地は、分画容器本体の上部開放面から培地の注入がなされるも
のであり、各分画室への培地の注入を同時に行なうことが可能であり、培地の表
面には平坦な封止体が必要ではなく、したがって、微生物の接種時には該封止体
を剥離する作業がなく、特に、機械的に大量の容器に微生物を接種する場合に有
利であり、微生物学的な検査、実験が省力化できる。 【0020】 本発明の分画培地は、培地表面が隔壁よりも盛り上がっているために、微生物
の接種時にエーゼ等の接種手段の引っ掛かりが少なく、その接種手段の移動をス
ムーズに行なうことができる。 【0021】 本発明の分画培地において、培地の各分画室への注入時にたとえ培地内に気泡
が混入したとしても、注入面は開放された空間であるので、気泡は容易に放出で
き、培地内の気泡の残留を防げることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施例のシャーレ本体の斜視図である。 【図2】 本発明の一実施例のシャーレ本体の上面図である。 【図3】 実施例の3分画されている円状シャーレの一例である。 【図4】 実施例の4分画されている円状シャーレの一例である。 【図5】 実施例の培地入分画シャーレの各区画を分ける隔壁の先端の形状を示し、その
先端が角付のものを示す。 【図6】 実施例の培地入分画シャーレの各区画を分ける隔壁の先端の形状を示し、その
先端がR付のものを示す。 【図7】 実施例の培地入分画シャーレの隔壁付近の断面図であり、隔壁の周辺に設けた
剥離防止手段を表している。 【図8】 実施例の培地入分画シャーレの剥離防止手段が形成された培地入分画シャーレ
の一例の上面図である。 【図9】 図8とは別の例の培地入分画シャーレの剥離防止手段が形成された培地入分画
シャーレの上面図である。 【図10】 扇状の突起物が複数個、隔壁の壁面に設けられた実施例の分画シャーレの隔壁
近傍の斜視図である。 【図11】 扇状の突起物が複数個、隔壁の壁面に設けられた実施例の分画シャーレの隔壁
近傍の断面図である。 【図12】 扇状の突起物が複数個、隔壁の壁面に設けられた実施例の分画シャーレの隔壁
近傍の上面図である。 【図13】 扇状の突起物が一個、隔壁の壁面に設けられた実施例の分画シャーレの隔壁近
傍の斜視図である。 【図14】 扇状の突起物が一個、隔壁の壁面に設けられた実施例の分画シャーレの隔壁近
傍の断面図である。 【図15】 扇状の突起物が一個、隔壁の壁面に設けられた実施例の分画シャーレの隔壁近
傍の上面図である。 【符号の説明】 1 シャーレ本体 2 隔壁 3 培地A 4 培地B 5 側壁 6 剥離防止手段

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 複数の区画に分画するための隔壁を内部に有する分画容器の各
    区画内に培地が注入されている分画培地において、 (1)該分画容器の全体形状は円状であり、 (2)該分画容器内に収容される培地表面の高さが前記隔壁の高さよりも高く
    、且つ培地は各区画内から溢れ出ずに盛り上がるように注入されたものであり、 (3)培地注入時に複数の区画に区分するための着脱可能な仕切板は必要とせ
    ず、 (4)該分画容器の隔壁と培地との間の剥離を防止するために、分画容器内に
    は剥離防止手段が設けられており、 (5)該剥離防止手段は、分画容器内の隔壁近傍の、隔壁から一定の間隔を保
    って平行に設けられた、分画容器底面から凸状に隆起した帯状突起物、及び/又
    は隔壁に設けられた突起物であることを特徴とする分画培地。

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