JP2627080B2 - 自動潜水情報管理装置 - Google Patents

自動潜水情報管理装置

Info

Publication number
JP2627080B2
JP2627080B2 JP63332017A JP33201788A JP2627080B2 JP 2627080 B2 JP2627080 B2 JP 2627080B2 JP 63332017 A JP63332017 A JP 63332017A JP 33201788 A JP33201788 A JP 33201788A JP 2627080 B2 JP2627080 B2 JP 2627080B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
time
decompression
inert gas
diving
partial pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP63332017A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02179594A (ja
Inventor
新太郎 山崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ueda Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Ueda Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ueda Japan Radio Co Ltd filed Critical Ueda Japan Radio Co Ltd
Priority to JP63332017A priority Critical patent/JP2627080B2/ja
Publication of JPH02179594A publication Critical patent/JPH02179594A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2627080B2 publication Critical patent/JP2627080B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B63SHIPS OR OTHER WATERBORNE VESSELS; RELATED EQUIPMENT
    • B63CLAUNCHING, HAULING-OUT, OR DRY-DOCKING OF VESSELS; LIFE-SAVING IN WATER; EQUIPMENT FOR DWELLING OR WORKING UNDER WATER; MEANS FOR SALVAGING OR SEARCHING FOR UNDERWATER OBJECTS
    • B63C11/00Equipment for dwelling or working underwater; Means for searching for underwater objects
    • B63C11/02Divers' equipment
    • B63C2011/021Diving computers, i.e. portable computers specially adapted for divers, e.g. wrist worn, watertight electronic devices for detecting or calculating scuba diving parameters

Landscapes

  • Electric Clocks (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はダイバー及び高気圧作業者の作業環境を監視
する事によりダイバー及び高気圧作業者に対して各種の
警報を発すると共に、作業環境を記録する自動潜水情報
管理装置に関する。
(従来の技術) 従来のこの種の装置は、水深計、タイマーをデジタル
化し、従来からの潜水テーブルをROM等の記憶媒体に置
き換え、論理回路等によりROM化された潜水テーブルを
参照して結果を表示するもので、テーブル参照の処理方
法については種々の方法が開発されて来た。
しかし、潜水テーブルを参照する構造では水深及び潜
水時間に連続性がなく、段階的な処理しか行えず、不必
要な安全限界を考慮することとなるためかえって空気の
量に制限のあるスキューバダイバーの安全が損われると
いうことがある。また、安全性の改善のためテーブルグ
ループを詳細に、かつ水深パラメータを増加させると記
憶媒体が増加してしまうという問題がある。
このような背景のもとに本出願人は特願昭62−191372
により(イ)過去の潜水、現在の水深、現在までの潜水
時間に応じてダイバーに対し最適の指示を与える手段、
(ロ)ダイバーの作業環境データを記録する手段、
(ハ)記録データを光通信によりワイヤレスで装置から
外部のコンピュータに伝送する手段を備えた潜水情報管
理装置の技術を開示した。
(発明が解決しようとする問題点) この技術により上記の問題はかなり解決されたが、こ
の装置は基本的に潜水グループテーブルに依存してお
り、限界水深、限界時間をそれに拠り表示し、この表示
を水深や水温の測定結果で更新して所定値に達すると警
報を発するものである。
しかし乍ら上記の技術は潜水に伴う人体の各組織(血
液、筋肉、骨等)が吸収する空気や不活性ガスとの関係
については段階的なテーブルデータを利用しているに過
ぎず、時々刻々と変化する人体と空気や不活性ガスとの
関係に直接触れてない点で不充分な点があった。
(課題を解決するための手段) 本発明はこれらの課題を解決する為(イ)一定のサン
プリング周期の区間に於ける最大水深値により各ハーフ
タイム組織(各組織(血液等)が或る圧力の下で吸収す
る不活性ガスの量がその飽和量の半分に到達する時間に
より区別した組織(以下同様))に於ける現在の空気又
は不活性ガスの分圧値を計算し、この分圧値を評価する
事によりダイバーに対して最適の指示を与える手段、
(ロ)また、ダイバーに対する指示を水深値、潜水時間
に対して連続的に行う手段、(ハ)内蔵の水温計によっ
て、現在の水深における無減圧限界時間、及び減圧潜水
時の減圧停止水深、減圧停止時間を補正する手段を実現
したものである。即ち、無減圧潜水中又は減圧潜水中に
於て、常に限界水深や限界時間その他減圧時に必要なデ
ータの更新をハーフタイム組織に於ける空気又は不活性
ガスの分圧値に関連して行い、作業環境の変化やダイバ
ーの行動変化に速やかに対処して高度な作業安全性の確
保を図ったものである。以下実施例を図面により詳細に
説明する。
(実施例) 第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図は本実施
例に於ける表示部の概要図である。第1図に於て、100
は自動潜水情報管理装置、101は圧力センサ、102は圧力
センサインターフェース回路、103は温度センサ、104は
温度センサインターフェース回路、105はセットスイッ
チ、106はイベントスイッチ、107は水温補正ON/OFF選択
スイッチ、108はフィート/メートル選択ストラップ、1
10はA/Dコンバータ、120は1チップマイクロコンピュー
タ、130は外部データRAM、140はリアルタイムクロッ
ク、150はLCD表示部、160はセラミックブザー、170は記
録データ出力用LED、200は光信号受信回路、201は受光
素子、202は光信号/RS−232C信号変換回路である。又1
チップマイクロコンピュータ120内で121は双方向性入出
力ポート、122は入力ポート、123はCPU、124はPROM,125
はPRAM、126はタイマーカウンタ、127は双方向性入出力
ポート、128は出力ポートである。第2図の150はLCD表
示部で151〜159は表示内容を示す。
本装置の動作は1チップマイクロコンピュータ120内P
ROM(プログラムROM)124に格納されているプログラム
により制御される。以下順を追って説明する。
(イ) 陸上での動作待受時間は、リアルタイムクロッ
ク140よりの一定周期準駆動パルス出力により圧力セン
サ101、圧力センサインターフェース回路102、A/Dコン
バータ110を間欠駆動させ、圧力センサ101に印加されて
いる圧力を監視すると共にセットスイッチ105の情報を
入力ポート122を介して入力する。
圧力センサ101を介して水圧ONを検出すると、動作待
受状態より、潜水計測状態に自動的に遷移する。
圧力センサ101を介して水圧ONが検出されず、セット
スイッチ105ONの情報を入力ポート122を介してCPU123が
検出すると、LCD表示部150の151に現在時刻を表示し次
の動作の準備状態に入る。
(ロ) セットスイッチ105が5秒以上ONされ続ける
と、年月日時刻修正モードに入り、LCD表示部150の153
の小数点り左2桁に西暦の下2桁を、153の小数点以下
1桁と154の左から1桁に月を、154の残2桁に日付を、
151に修正前の時刻を表示する。
イベントスイッチ106がONされると、入力ポート122を
介してCPU123に信号が入力され、イベントスイッチ106
がOFFされるまで西暦の下2桁を早送りする。
セットスイッチ105がONされると、表示されていた数
字を現在の年として設定し月の修正モードとなる。
同様の操作を繰り返す事により月,日,時,分の修正
を行う事が可能で、年月日時刻を修正後は151に修正し
た現在時刻のみを表示し、準備状態となる。
(ハ) セットスイッチ105が4秒以下のONの場合は、
潜水待受状態となり、LCD表示部150の151に現在の時刻
を表示し、152にBOTTOM「00:00」を点滅し、各センサー
インターフェース回路102,104を動作状態とする。温度
センサ103の出力電圧を温度センサインターフェース回
路104によりA/Dコンバータ110の入力規格に適合した電
圧に変換して温度測定データの結果をLCD表示部150の15
5に表示する。この表示の際は、電源投入時にフィート
/メートル選択ストラップ108の状態を、入力ポート122
を介してCPU123に入力された選択値に合わせ、フィート
選択時は華氏「゜F」、メートル選択時は「℃」の値で
表示する。
圧力センサ101に水圧が加わると水圧に応じた電気信
号が発生する。この信号をA/Dコンバータ110の入力規格
に適合した電圧に変換して水深を測定する。
この潜水待受状態時に後述する無減圧限界計算方法に
より算出した無減圧限界水深を、LIMITとしLCD表示部15
0の153に、無減圧限界水深に於ける無減圧限界時間を15
4に表示する。
無減圧限界計算に於ける水深の初期値は9mとし、イベ
ントスイッチ106の操作による9mの水深に一定の増加分
を積算し、計算した結果を再表示させれば作業を行うべ
き水域の無減圧限界を一見して知る事ができる。
(ニ) CPU123が圧力センサ101を介して水圧を検出す
る自動的に潜水計測状態に遷移する。
潜水計測状態に入ると、各ハーフタイム組織の空気分
圧値の計算を行う。
ハーフタイム組織が受け入れた圧力をPi、ハーフタイ
ム組織に供給された圧力をPaとすると、供給された圧力
によるハーフタイム組織が吸収する分圧比はPiとPaの圧
力差に比例する。この関係は(1)式となる事が知られ
ている。
0として、Paの圧力が供給されてからt時間後のハーフ
タイム組織が受け入れる圧力をPとすると、(1)式を
積分して (2)式の一般解は、 P=Pi+(Pa−Pi)(1−e-At) ……(3) となる。
ハーフタイム組織の条件(供給された圧力の飽和量の
半分の値となる時間を基準として人体の組織を区別す
る。)を加味すると、(3)式の定数Aはハーフタイム
組織のハーフタイムをHTとすると、 となる。(3)式に(4)式を代入すると、ハーフタイ
ム組織が受け入れる圧力Pは、 となる。
ハーフタイム組織の種類は5分,10分,20分,40分,120
分があるが、(5)式中の は、一定の定められたサンプリング期間をtsとすると定
数とする事ができる。
例えば注目するハーフタイム組織を120分、tsを1秒
とすると、 となる。
サンプリング期間中、各ハーフタイム組織について
(5)式を計算しても良いが、マイクロコンピュータの
使用を前提とするならば、上記手法による定数化をする
事により処理速度を向上させる事が可能である。
(5)式のPi,Paは絶対圧で、水面上は1.0、水深3mで
の値は1.3となる。
呼吸する気体を大気とすると、人体の血液、組織を形
作っている物質との間に化学的な反応を起こす事が無い
物質は窒素と他の不活性物質であり、大気中のこれらの
分圧は約79%でこの分圧は常に一定である。
大気使用の場合は、(5)式で求めた値をそのまま使
用しても、不活性物質の分圧は常に一定であるのでハー
フタイム組織の分圧は評価できるが、混合気体を使用す
る場合、(5)式で求めた値に混合気体中の不活性ガス
分圧を掛ける必要がある。
また(5)式のPaはサンプリング期間中の最大水深値
を使用しなければならない。
この手法により、現在の各ハーフタイム組織に於ける
空気又は不活性ガスの分圧値を計算する事ができる。
(ホ) 次に先に求めたハーフタイム組織に於ける空気
又は不活性ガスの分圧値により無減圧限界を計算する。
計算方法に2種あり、第1の計算方法はヘンプルマンの
理論より無減圧潜水限界は印加された圧力Pとその時間
tの間に、 Q=P×tk k,Q:定数……(6) の関係がある。
現在使用されている減圧表は、米国海軍、英国海軍が
作成したものを始めとし、各種のものがあるが、これら
の減圧表の無減圧潜水限界は(6)式により近似する事
ができ、Qとkの定数の設定によりそれぞれの特徴を出
している。
Pを水深値〔m〕とした場合、Qを113,kを0.43とす
ると米海軍のテーブルとほぼ一致する。
現在存在するテーブルはQが369〜113、kが0.43〜0.
71の範囲となている。
従って、水深Dに於ける無減圧潜水時間tL〔分〕は
(6)式より、 によって求める事ができる。
(7)式により、無減圧限界を規定すれば、1つのハ
ーフタイム組織に注目すれば良い。(7)式の水深Dに
於ける無減圧潜水限界時間tLにより、水深Dに於けるハ
ーフタイム組織の無減圧潜水限界の空気分圧値又は不活
性ガス分圧値を(5)式から求める事ができる。
水深D〔m〕に於ける無限圧潜水限界時間をtL(分)
とすると、無減圧潜水限界におけるハーフタイム組織の
空気又は不活性ガスの分圧値PLは、 の式により求める事ができる。
従って、現在の水深Dmに於けるハーフタイム組織の空
気又は不活性ガスの分圧値をPRとすると、水深Dmに於け
る無減圧限界時間tLIM分との関係は(5)式より 上記式を導く事ができ、無減圧限界時間tLIM〔分〕を
算出する事ができる。
(9)式中のHT/ln0.5は注目するハーフタイム組織を
決定すれば定数と置く事ができる。例えば120分のハー
フタイム組織とすると の定数とする事ができる。
マイクロコンピュータによる計算では(9)式を計算
する場合、定数を使用する事により処理速度を向上させ
る事が可能である。(9)式によって算出した無減圧潜
水限界時間をLCD表示部150の154に表示すると共に、一
定のサンプリング期間により逐次無減圧潜水限界時間を
更新する。
又、潜水計測状態に遷移してからの潜水時間をLCD150
の152にボトムタイムとして逐次表示する。
先の無限圧潜水限界に於けるハーフタイム組織の空気
又は不活性ガスの分圧値PLを同ハーフタイム組織の空気
又は不活性ガスの分圧値PRが越えてしまった場合、CPU1
23は出力ポート128を介して、セラミックブザー160を間
欠鳴動させ、ダイバーに無減圧限界を越えた事を知らせ
る。
第2の無減圧潜水限界の計算方法は各ハーフタイム組
織の空気分圧値値又は不活性ガス分圧値をそれぞれ評価
する方法である。
各ハーフタイム組織に於て安全に水面に居られる時の
空気分圧値又は不活性ガス分圧値がある。
5分ハーフタイム組織の値をM05、10分ハーフタイム
組織の値をM010、20分ハーフタイム組織の値をM020、40
分ハーフタイム組織の値をM040、80分ハーフタイムの値
をM080、120分ハーフタイム組織の値をM0120とすると、
アメリカ海軍の潜水テーブルの場合、それぞれのこの分
圧値は下記のようになっている。
M05=3.949(3.120) M010=3.341(2.639) M020=2.734(2.160) M040=2.126(1.680) M080=2.050(1.619) M0120=1.974(1.559) 括弧内は不活性ガスの場合の分圧値を示す。
(5)式により求めた各ハーフタイム組織に於ける現
在の空気又は不活性ガスの分圧値と、前記M05〜M0120
値を逐次評価する事により現在の水深に於ける無減圧限
界時間を求める事ができる。
120分ハーフタイム組織に於ける現在の空気分圧値をP
R120とすると、M0120−PR120の値が負になるまでは120
分ハーフタイム組織は無減圧である。
全てのハーフタイム組織に於いて、上記の方法により
評価をすれば、無減圧潜水中であるか減圧潜水中である
かがわかる。
全てのハーフタイム組織に於て、無減圧潜水中である
場合、現在の水深に於ける各ハーフタイム組織の無減圧
減圧時間を求める。
5分ハーフタイム組織の無減圧限界時間tLIM5は、現
在の水深をD、現在の空気又は不活性ガス分圧値をPR5
とすると(9)式より、 この式を計算する事により求める事ができる。
同様に10分,20分,40分,80分,120分のハーフタイム組
織に於ける無減圧限界時間tLIM10,tLIM20,tLIM40,t
LIM120を求め、tLIM5〜tLIM120の値を比較し最小の時間
を無減圧限界時間とすれば良い。
第1の計算方法と同様にLCD150の154にこの無減圧限
界時間を表示すると共に、一定のサンプリング期間によ
り逐次前記計算を行い、無減圧限界時間の表示を更新す
る。
又、無減圧限界を越えてしまった場合、CPU123は出力
ポート128を介してセラミックブザー160を間欠鳴動さ
せ、ダイバーに無減圧限界を越えた事を知らせる。
(ヘ) 無減圧限界を越えて減圧潜水状態になると、各
ハーフタイム組織に於ける最適減圧停止水深を計算す
る。
各ハーフタイム組織に於ける空気又は不活性ガスの分
圧値より、安全に浮上可能な水深Dは現在の分圧値を
M、安全に水面に居られる時の分圧値をM0とすると、 M=M0+a×D/10 ……(12) の関係がある事が知られている。
従って、各ハーフタイムに於ける現在の分圧値をPR5,
PR10,PR20,PR40,PR80,PR120とし、安全に浮上可能な水
深をD5,D10,D20,D40,D80,D120とすると(12)式より、 D5=(PR5−M05)/a5×10〔m〕 ……(13) D10=(PR10−M010)/a10×10〔m〕 …(14) D20=(PR20−M020)/a20×10〔m〕 …(15) D40=(PR40−M040)/a40×10〔m〕 …(16) D80=(PR80−M080)/a80×10〔m〕 …(17) D120=(PR120−M0120)/a120×10〔m〕 …(18) (13)〜(18)式を計算する事により、各ハーフタイ
ム組織に於ける安全に浮上可能な水深を求める事ができ
る。
a5〜a120は定数で、米海軍の潜水テーブルでは下記の
値となっている。
a5=2.278(1.800) a10=2.025(1.600) a20=1.898(1.499) a40=1.772(1.400) a80=1.645(1.300) a120=1.518(1.199) 括弧内は不活性ガスの場合の定数を示す。
求めたD2〜D120の値を定められた水深ステップに正規
化する事により減圧停止水深を求める事ができる。
正規化に際しては、正規化した減圧停止水深が、正規
化する前の安全に浮上可能な水深より深い事が条件とな
る。
正規化した減圧停止水深の最も深い水深が最適減圧停
止水深となる。
次に、最適減圧停止水深における減圧停止時間を計算
する。
最適減圧水深と同じ減圧停止水深を持つハーフタイム
組織について、最適減圧水深に於ける減圧停止水深を求
める為には先ず次のステップで減圧を行うが、その為ハ
ーフタイム組織の空気又は不活性ガスの分圧値をどの値
まで減圧しなければならないかを知る事が必要である。
現在の減圧停止水深をD〔m〕とし、減圧停止の為の
ステップを3〔m〕とすると、次の減圧停止水深D−3
〔m〕に浮上可能な空気又は不活性ガスの分圧値PDEC
(12)式より、 PDEC=M0+(a×(D−3)/10) ……(19) を計算する事により求める事ができる。
例えば現在の最適減圧水深を持つハーフタイム組織が
20分,40分の2種類とすると、20分ハーフタイム組織が
この減圧停止水深Dによる減圧を完了させる為には、 PDEC20=M020+a20×(D−3)/10 ……(20) 空気又は不活性ガスの分圧値をPDEC20まで減少させな
ければならない。
同様に40分のハーフタイム組織は、 PDEC40=M040+a40×(D−3)/10 ……(21) (21)式のPDEC40まで減少させなければならない。
従って、20分,40分のハーフタイム組織の分圧値をそ
れぞれPDEC20,PDEC40まで減圧水深に於て、減少させる
為に必要な停止時間tDEC20,tDEC40は(9)式より の式を得、この(22),(23)式を計算する事により求
める事ができる。
但し、PR20,PR40は20分,40分のハーフタイム組織に於
ける現在の空気又は不活性ガスの分圧値である。
このようにして、最適減圧水深を持つハーフタイム組
織につき前記計算を行って減圧停止時間を求め、この減
圧停止時間の最も長いものが最適減圧水深に於ける減圧
停止時間となる。
前記計算により求めた最適減圧水深と、減圧停止時間
をLCD表示部150の153,154にDECOMP RESSをONとして表示
する事によりダイバーに知らせる。
減圧潜水中は一定時間この計算を繰り返す事により、
ダイバーに対し現在の各ハーフタイム組織に於ける空気
又は不活性ガスの分圧値に応じた最適の減圧停止水深及
び減圧停止時間を連続的に知らす事ができる。
(ト) 減圧停止中はセラミックブザー160の鳴動を停
止させ、減圧停止が正確に行われている事をダイバーに
知らせる。また、浮上速度が緩やかで徐々に各ハーフタ
イム組織に於ける空気又は不活性ガスの分圧値がM0より
少なくなり、減圧が不必要になった場合、セラミックブ
ザー160の鳴動を停止すると共に、LCD表示部150の153,1
54を再度LIMITに戻し、無減圧限界表示を行う。
また減圧浮上中、水深が(13)式〜(18)式で求めた
安全に浮上可能な最大水深値よりも浅い水深にダイバー
が動いてしまった場合、セラミックブザー160を連続鳴
動させると共に、153,154に表示している最適減圧水深
と減圧停止時間を点滅表示する事により、ダイバーに対
して減圧停止異常である事を知らす。
(チ) 空気を用いた潜水の場合、窒素による窒素酔い
という潜水障害を引き起こす場合がある。この障害を引
き起こす要因として、低水温、酸素あるいは二酸化炭素
の異常レベル、早過ぎる潜降速度等がある。
現在、毎分22.5m以上の速度で潜降した場合、この症
害を起こす可能性が非常に高い事が知られている。
従って、潜降中は圧力センサ101の出力の増加率を監
視する事により、毎分18m以上の速度で潜降している場
合、セラミックブザー160を連続鳴動させると共に、LCD
表示部150の157に「MORE SLOWLY」の表示を行って、潜
降速度が速過ぎる事をダイバーに知らす。
(リ) 浮上に際しての浮上速度も潜水障害防止の面か
ら毎分10m以下の速度で浮上すれば良い事が知られてい
る。本装置は前記潜降中と同様な浮上速度監視を行う事
により毎分18m以上の速度で浮上した時、セラミックブ
ザー160を連続鳴動させると共に、LCD表示部150の157に
「MORE SLOWLY」の表示を行う事により浮上速度が速す
ぎる事をダイバーに知らす。
(ヌ) 水は身体からの体熱を空気と比べて約20倍の速
度で奪ってしまう。体温の低下を防止する為にダイバー
は潜水服を着用するが、ウェットスーツの場合は身体の
周囲に水の層を作ることにより保温効果を持たせてい
る。
しかし、水が入り込んで来る為に、低水温での体熱の
放熱を全く防ぐ事は不可能であり、低温は特に皮膚への
血液循環を妨げる為に皮膚のすぐ下に気泡が形成され易
くなり、潜水障害が発生し易くなる。
ドライスーツの使用時は頭部や手のみが水温の影響を
浮け、他は空気により保温効果を持たせている為、ウェ
ットスーツ使用時に比べて水温の影響を受け難い。
この為、本実施例に於てはユーザが選択可能なスイッ
チ107を設け、この水温補正ON/OFF選択スイッチ107の情
報を入力ポート122を介してCPU123に取り込む事によ
り、ダイバーの装備に対して水温補正を行うか否かの制
御機能を持たせている。
水温補正ONを選択した場合は、温度センサ103より温
度から電気信号に変換された温度情報が温度センサイン
ターフェース回路104により、A/Dコンバータ110の入力
条件に適合する電気信号に変換し、A/Dコンバータ110に
よりデジタル化された信号が双方向性入出力ポート121
を介してCPU123に入力される。
この温度情報が17℃以下の水温であった場合に限り、
(5)式で求めた各ハーフタイム組織の空気又は不活性
ガス分圧値に補正値を1回の潜水中につき1度加えて、
補正を行った後の無減圧限界計算、最適減圧停止水深及
び、この時の減圧停止時間の計算に反映させる事により
潜水障害からダイバーの身を守る。
従来のテーブル使用の際には低水温中の潜水では、深
度、時間とも1ランク上の数値を使用すれば対応できる
事が知られているが、現在存在している潜水情報管理装
置では全くこのような補正は行われていない。
米海軍のテーブルを使用した場合、この補正値は120
分ハーフタイム組織の場合+0.060〜+0.120の値である
事がわかる。
(ル) 圧力センサ101よりの信号により水圧ONを検出
し、潜水計測状態に遷移した時の年月日時刻をCPU123は
双方向性入出力ポート127を介しリアルタイムクロック1
40より入力し、外部データRAM130に記録すると共に、前
回潜水の浮上時刻よりの水面休息時間を記録する。
潜水計測状態中は、一定期間毎に期間内最大水深値と
水温データを同様に外部データRAM130に逐次記録し、こ
の動作は圧力センサ101の信号による水圧OFFが検出され
るまで続行する。
水圧OFFを検出したならば、この時の時刻を外部デー
タRAM130に浮上時刻として記録すると共に、水面休息状
態に入る。
(ヲ) 水面休息状態では(5)式により各ハーフタイ
ム組織に於ける空気又は不活性ガスの分圧値を一定周期
により計算する。水面に於ては分圧値は減少して行く。
この分圧値の減少に伴い、無減圧限界を前記同様に計
算し直し、浮上時刻からの水面休息時間をLCD表示部150
の152にINTERとして表示し、無減圧限界をLCD表示部150
の153,154に表示する。
水面休息状態は、120分ハーフタイム組織が1.0になる
まで継続されその後は動作待受状態に遷移する。
(5)式を用いて各ハーフタイム組織の空気又は不活
性ガスの分圧値を計算する為に水面休息状態からの反復
潜水は常に前回までの潜水条件が反影される。
(ワ) 本実施例では潜水計測状態中、年月日時刻修正
中以外の状態で過去の潜水データをLCD表示部150に表示
する。
イベントスイッチ106をONする事により、入力ポート1
22を介してCPU123がスイッチON情報を入力すると、外部
データRAM130に記録されている潜水データを検索し、最
新のデータからイベントスイッチ106のスイッチがONさ
れる度に過去のデータを逐次検索し、LCD表示部150の15
1に潜水開始時刻をENTER,152に潜水時間をBOTTOM,153,1
54に年月日データをDATE,156にその潜水の最大水深をMA
X DEPTHとして表示し、また155にその潜水の水温を表示
する。
このようにして過去の潜水履歴が簡単に理解される。
また、セットスイッチ105とイベントスイッチ106を同
時に押す事により、外部データRAM130に記録しているデ
ータを出力ポート128を介して記録データ出力用LED170
に出力する。
出力するデータの形式は、1200bps調歩同期式で7ビ
ットパリティービット無し、ストップヒット2ビットで
行う。
出力データは、潜水年月日、潜水開始時刻、浮上時
刻、及び前回潜水浮上時刻から潜水開始時刻までの水面
休息時間を出力した後一定期間ごとに記録した水深デー
タや水温データである。
この出力された光信号データは受光素子201により光
信号から電気信号に変換され、さらに光信号/RS−232C
信号変換回路202により、RS−232Cの規格に合った電気
信号に変換する。
このような動作により、RS−232Cの通信機能を持つパ
ーソナルコンピュータがあれば、本装置からのデータを
受け取る事ができ、データを受け取る為の専用機が無く
とも汎用のパーソナルコンピュータによりデータを処理
できる。
第3図に本装置を使用して汎用パーソナルコンピュー
タによりデータ処理を行い、X−Yプロッタに出力した
例を示す。同図に於て、縦軸は水深、水温、体内窒素ガ
ス圧力係数、横軸は経過時間である。
(カ) 潜水作業を行った後の飛行機搭乗の際には特別
な注意が必要である。
飛行機内の気圧が低くなる為、ハーフタイム組織の空
気又は不活性ガス圧により潜水障害を引き起こす事があ
る。
この為、本実施例では120分ハーフタイムに注目し、
この組織の空気分圧値が1.05になるまでLCD表示部150の
158に飛行機搭乗不可を表示し、搭乗による危険から回
避させる。
(ヨ) LCD表示部150の159では、電源電圧がA/Dコンバ
ータ110を介して送られ常に自己電源電圧が監視され
る。電圧が低下した時にはユーザーに電池交換時期が到
来した事を知らせる。
なお、タイマーカウンタ126は、プログラム制御に必
要なタイミングを作り出すもので、PRAM125はプログラ
ム制御の際データのワークエリアとして使用するもので
ある。プログラム上でリアルタイムロックが作成できる
場合にはこのリアルタイムクロック140は省略しても良
い。
また、M05からM0120、a5〜a120Q,Kの定数を変化させ
る事及び評価するハーフタイム組織の種類を増す事によ
り、より一層安全な潜水情報管理システムを構築する事
が可能である。また、本実施例では空気又は不活性ガス
の分圧値を気圧にて計算しているが、水面の絶対水深を
10mとし、空気又は不活性ガスの分圧値を絶対水深で評
価しても良い。
(発明の効果) 以上説明したような構成とソフトウェアの制御によ
り、各ハーフタイム組織の空気又は不活性ガス分圧値を
計算し、潜水作業時の水深、潜水時間により連続的にダ
イバーに対し最適な指示を与える事ができ、従来の段階
的な処理から発生するエラーを無くすことができる。
また、各ハーフタイム組織について個々に評価を行う
為、短くて深い潜水から長くて浅い潜水まで作業環境の
変化等に速やかに対応でき、かつ警報手段を有するので
ダイバーの安全性を一層高める事ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例の構成図、第2図は本実施例
に於ける表示部の概要図、第3図は本実施例の装置に於
けるデータ出力形態例を示す。 100……自動潜水情報管理装置、101……圧力センサ、10
2……圧力センサインターフェース回路、103……温度セ
ンサ、104……温度センサインターフェース回路、105…
…セットスイッチ、106……イベントスイッチ、107……
水温補正ON/OFF選択スイッチ、108……フィート/メー
トル選択ストラップ、110……A/Dコンバータ、120……
1チップマイクロコンピュータ、130……外部データRA
M、140……リアルタイムクロック、150……LCD表示部、
160……セラミックブザー、170……記録データ出力用LE
D、200……光信号受信回路、201……受光素子、202……
光信号/RS−232C信号変換回路。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】待機、水面休息、潜降、無減圧潜水、減圧
    潜水、浮上の各段階で潜水者に必要な表示と、警報を行
    う潜水情報管理装置に於いて、 サンプリング周期の区間に於ける最大水深値により各ハ
    ーフタイム組織(各組織(血液等)が或る圧力の下で吸
    収する不活性ガスの量がその飽和量の半分に到達する時
    間により区別した各組織(以下同様))に於ける現在の
    空気又は不活性ガスの分圧値を計算する手段と、 無減圧潜水時、現在の水深値と前記各ハーフタイム組織
    に於ける現在の空気又は不活性ガスの分圧値から現在の
    水深値における無減圧限界時間を逐次計算し表示する手
    段と、 無減圧潜水時、前記各ハーフタイム組織に於ける現在の
    空気又は不活性ガスの分圧値を評価し、無減圧限界を超
    過した時減圧潜水状態に遷移したと判定し警報を発する
    手段と、 減圧潜水時、前記各ハーフタイム組織に於ける空気又は
    不活性ガスの分圧値を評価して逐次最適の減圧停止水深
    と減圧停止時間を計算し表示する手段と、 減圧停止中、現在の水深値と前記各ハーフタイム組織に
    於ける空気又は不活性ガスの分圧値を監視し異常を検出
    した時警報を発する手段と、 潜降又は浮上中、速度を監視しそれが規定値を超過した
    時警報を発する手段と、 前記各ハーフタイム組織に於ける空気又は不活性ガスの
    分圧値を水温計測により補正する手段と を具備することを特徴とする自動潜水情報管理装置。
JP63332017A 1988-12-29 1988-12-29 自動潜水情報管理装置 Expired - Lifetime JP2627080B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63332017A JP2627080B2 (ja) 1988-12-29 1988-12-29 自動潜水情報管理装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP63332017A JP2627080B2 (ja) 1988-12-29 1988-12-29 自動潜水情報管理装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02179594A JPH02179594A (ja) 1990-07-12
JP2627080B2 true JP2627080B2 (ja) 1997-07-02

Family

ID=18250211

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63332017A Expired - Lifetime JP2627080B2 (ja) 1988-12-29 1988-12-29 自動潜水情報管理装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2627080B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6618059B1 (en) 1998-06-26 2003-09-09 Seiko Epson Corporation Diver's information display device
US6817359B2 (en) 2000-10-31 2004-11-16 Alexander Roger Deas Self-contained underwater re-breathing apparatus
AU2002222831A1 (en) * 2000-10-31 2002-05-15 Marat Vadimovich Evtukhov Integral life support system
JP3608555B2 (ja) 2002-03-08 2005-01-12 セイコーエプソン株式会社 ダイバーズ用情報処理装置、情報処理方法、プログラム及び記録媒体
CN102190077B (zh) * 2010-03-19 2014-12-03 中国人民解放军海军医学研究所 潜水减压方法及系统
CN108271720A (zh) * 2018-01-30 2018-07-13 天津海升水产养殖有限公司 一种三疣梭子蟹养殖方法及控制系统

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS60129687A (ja) * 1983-12-19 1985-07-10 Citizen Watch Co Ltd 減圧情報表示機能付携帯装置
JPS60229893A (ja) * 1984-04-27 1985-11-15 Buain:Kk 潜水管理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02179594A (ja) 1990-07-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5457284A (en) Interactive dive computer
US4876903A (en) Method and apparatus for determination and display of critical gas supply information
US7144198B2 (en) Diver information processing apparatus and method of controlling same
US4999606A (en) Dive parameter indicating assembly
JP2004101525A (ja) アナログ表示機構を有する電子ダイビング・ウォッチ
EP1806276A2 (en) Diving information processing device, and related control method, control program and program storage device
EP1134547B1 (en) Information processing device for diver
CN206813270U (zh) 潜水救生装置以及系统
JP2627080B2 (ja) 自動潜水情報管理装置
JPH09507184A (ja) 潜水監視装置及び方法
AU2009205366B2 (en) Safety device for underwater diving
US20030220762A1 (en) Data processing apparatus for divers and a data processing method, program, and recording program storing the same
JP3106317B2 (ja) 潜水作業用情報管理装置
JP3945499B2 (ja) ダイバーズ用情報処理装置、ダイバーズ用情報処理装置の制御方法、制御プログラム及び記録媒体
JP3520400B2 (ja) ダイバーズ用情報表示装置
US20030056786A1 (en) Variable limits setting dive computer
JP3520391B2 (ja) ダイバーズ用情報処理装置
JPH0427515B2 (ja)
JPH10338193A (ja) 個別安全情報報知装置
JP3473334B2 (ja) ダイバーズ用情報処理装置
JPH10316090A (ja) ダイバーズ用情報処理装置
JP3901145B2 (ja) ダイバーズ用の個別安全情報報知装置
JP2002116022A (ja) 水深計測装置及びダイバーズウォッチ
JP2003344570A (ja) ダイバーズ用情報処理装置
JPH0327437B2 (ja)