JP2626692B2 - 新規変異株 - Google Patents

新規変異株

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JP2626692B2 JP21031587A JP21031587A JP2626692B2 JP 2626692 B2 JP2626692 B2 JP 2626692B2 JP 21031587 A JP21031587 A JP 21031587A JP 21031587 A JP21031587 A JP 21031587A JP 2626692 B2 JP2626692 B2 JP 2626692B2
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隆文 春見
圭二 貝沼
博明 石塚
勝雄 若生
嶽 川口
恒郎 小田
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農林水産省食品総合研究所長
日研化学株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、オーレオバシディウム属に属する新規な人
工変異株であるオーレオバシディウムsp.SN−γ96株に
関する。
〔従来の技術〕
微生物を用いてエリスリトールを製造する方法は公知
であり、例えば特開昭60−110295号公報にはモニリエラ
属に属する微生物を用いる方法が記載されており、特開
昭61−31091号公報にはオーレオバシディウム属に属す
る微生物を用いる方法が記載されている。
これらの方法は原料糖からのエリスリトールへの変換
率が高く、微生物の耐糖性も比較的高いという点で優れ
ているが、これらの微生物は培養時に泡の発生が著し
く、消泡剤を多量に使用してもこれを有効に抑えられな
いという欠点があった。なお、上記の特開昭61−110295
号等においてはキサンタンガムなどを用いて泡の抑制を
試みているが効果は必ずしも十分でない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明者らは、エリスリトール生産能の高い工業的利
用可能な菌株について広範な探索を行い、オーレオバシ
ディウムsp.SN−124A株(FERM BP−1429)を見出し、先
に特許を出願した。
このSN−124A株は、エリスリトールへの変換能が非常
に高く、増殖力も非常に旺盛であるという特徴がある
が、耐糖性が十分でなく、その上培養の際の泡の発生も
かなり激しいという欠点があった。
〔課題を解決するための手段〕
そこで、本発明者らは上記オーレオバシディウムsp.S
N−124A株から耐糖性,起泡性の改善された変異株を誘
導、分離するべく種々検討した結果、紫外線照射処理お
ほび突然変異誘起剤による処理を反復して適用した菌株
の中から耐糖性が高く、起泡性のない菌株を分離するこ
とに成功し、本発明に到達した。
即ち、本発明は糖濃度40%(W/V)以上の環境(培
地)で良好な発育と高いエリスリトール産生能を維持す
ることができ、且つ菌体が親水性,非凝集性であり、液
体培地中で好気的に培養するとき泡を実質的に生成しな
い新規変異株、オーレオバシディウムsp.SN−γ96株に
関する。
本発明の変異株は、親株であるオーレオバシディウム
sp.SN−124A株に周知の変異手段、即ち紫外線照射、γ
線照射および突然変異誘起剤による処理を反復適用した
結果得られたものであり、親株であるオーレオバシディ
ウムsp.SN−124A株に較べて耐糖性が高い点,変換率
(収率)が高い点および菌体が親水性に変化している点
で異なっている。
次に、本変異株および本変異株の造成に用いた親株
(野生株)の菌学的性質を示す。
〔A〕オーレオバシディウムsp.SN−124A株(野生株)
の菌学的性質 1)培地上の生育状況 a)顕微鏡的所見 栄養細胞の大きさ(*1) 4〜7×4〜15μ 栄養細胞の形状(*1) 菌糸および酵母様の単胞 、卵形等の形状を示す。
栄養細胞の増殖方法(*1) 菌糸および酵母様細胞の 多極出芽。
菌糸体(*2) 真性菌糸を形成し、先端 および側面に全分芽形分
生子を多数生ずる。
(註)*1 YM寒天培地に27℃、5日間培養。
*2 ポテトグルコース寒天によるスライド培
養。
b)寒天斜面(*3) 生育 良好 光沢 無し 色調 日数の経過に伴い、白色からうすい黒色 のコロニーに変化する。
(註)*3 YM寒天培地 c)液体培養(*4) 表面生育 厚い皮膜形成 濁度 透明 沈査 大 (註)*4 YM液体培地 2)子のう胞子の形成 ポテトグルコース寒天培地 形成せず コーンミール寒天培地 形成せず YM寒天培地 形成せず ニンジンエキス寒天培地 形成せず V8寒天培地 形成せず 3)生理学的性質 酸素要求性 好気的 生育温度 約40℃まで 最適生育温度 35〜37℃ 生育pH 2.5〜9.5 最適生育pH 4〜7 KNO3資化性(*5) 有り (NH4)2SO4資化性(*5) 有り 尿素の分解 有り ゼラチンの液化 無し カロチノイドの生成 無し 有機酸の生成 有り アルブチン 無し デンプン様物質の生成 無し ビタミンの要求性(*5) 有り グルコースの濃度(*6) 50% 生育++ 60% 生育++ 食塩濃度(*7) 2% 生育++ 6% 生育− (註)*5 Wickerhamの合成培地を用いるJ.Lodder
らの方法により判定した。
*6 寒天培地 *7 液体培地 4)糖の発酵性(*5) グルコース ++ ラクトース − ガラクトース − メリビオース − シュクロース ++ ラフィノース − マルトース + セロビオース − トレハロース − イヌリン − 5)糖、有機酸等の資化性 グルコース ++ D−キシロース ± ガラクトース − エリスリトール − D−アラビノース − L−アラビノース − D−リボース + シュクロース + L−ラムノース − マルトース + エタノール − セロビオース + サリシン − L−ソルボース − リビトール − ガラクチトール − グリセリン + トレハロース − ラクトース − メリビオース − D−マンニトール + ラフィノース − メレチトース − α−メチル−D−グルコシド − イヌリン ± イノシトール − 可溶性デンプン − DL−乳酸 − コハク酸 ± クエン酸 ± 〔B〕オーレオバシディウムsp.SN−γ96株(変異株)
の菌学的性質 オーレオバシディウムsp.SN−γ96株の菌学的性質
は、上記のオーレオバシディウムsp.SN−124A株(野生
株)の菌学的性質のうち、「糖、有機酸等の資化性」に
おいて下記第1表に示すような相違を有すること以外は
親株の菌学的性質と同一である。
上記説明からも明らかなように、本発明の変異株オー
レオバシディウムsp.SN−γ96株は野生株であるオーレ
オバシディウムsp.SN−124A株と極めて類似した菌学的
性質を有する。しかしながら、本変異株は後記試験例に
示すように耐糖性が高いことおよび菌体が親水性で培養
の際に泡を生成しない点で従来のオーレオバシディウム
に属する菌株と相違する。
即ち、オーレオバシディウムsp.SN−124A株(野生
株)は培地のグルコース濃度が33.5%以下の条件では3
7.0〜41.5%の比較的良好なエリスリトールへの変換率
を示すが、グルコース濃度が39.5%以上になると変換率
の急激な低下が認められ、グルコース濃度45%では約16
%に低下する。これに対して、本発明のオーレオバシデ
ィウムsp.SN−γ96株(変異株)は、培地のグルコース
濃度が60%を超えてもエリスリトールへの変換率はほと
んど低下が認められず、グルコース濃度75%でも尚32%
の変換率を維持している。更に、本発明のオーレオバシ
ディウムsp.SN−γ96株は菌体が親水性で培養の際に実
質的に泡の発生が認められない。
本発明者らは、本発明の変異株についての上記の特徴
から、本変異株はオーレオバシディウム属に属する新規
な変異株であると判断し、本変異株をオーレオバシディ
ウムsp.SN−γ96株と命名した。
本菌株は、工業技術院生命工学工業技術研究所にFERM
BP−1431として寄託されている。
次に、本発明の変異株の培養方法および該変異株を用
いるエリスリトールの製造方法について説明する。尚、
以下の説明中で用いる%は特にことわりのない限り、容
量(W/V)%である。本菌株の培養は炭素源,窒素源,
無機塩類等を含む液体培地を用いて好気的条件下に実施
される。
液体培地の炭素源としてはグルコース,フルクトー
ス,シュクロース等の糖質が使用される。糖質の使用量
(添加量)は培地量の10〜95%、好ましくは20〜70%で
ある。窒素源としては微生物により利用可能な窒素化合
物、例えば酵母エキス,ペプトン,麦芽エキス,カザミ
ノ酸,コーンスチープリカー等が使用される。
無機塩類としては、例えば硫酸第一鉄,塩化カリウ
ム,塩化ナトリウム,リン酸二水素カリウム,水酸化カ
ルシウム等の塩類が使用される。
尚、これらの炭素源,窒素源,無機塩類の他に、更に
必要に応じて、酵母の生育に必要な各種の有機物,無機
物あるいは通常用いられている消泡剤等を添加すること
ができる。
培養は、前記組成の液体培地に本変異株の菌体を直接
接種するか、または別に前培養によって得られる種培養
液を接種して行われる。この種菌培養液の調製は、例え
ば常法により斜面培養した菌をグルコース45.0%、コー
ンスチープリカー6.2%を含むpH4〜6の液体培地に1白
金耳接種して34〜36℃の温度で2〜4日間培養すること
により行われる。
培養温度は微生物が生育しうる範囲内、即ち30〜38℃
で行われるが、好ましくは35〜37℃の範囲である。な
お、培地のpHは4〜9、好ましくは4〜7の範囲で調整
される。
培養期間は使用する培地の種類および炭素源である糖
質の濃度により異なるが、通常4〜8日間程度である。
培養は培地の栄養源が最大限に利用され、かつ培養液
中のエリスリトールの生成量が最高に達した時点で培養
を終了させることができるように、培養液中のエリスリ
トール量をガスクロマトグラフィー,高速液体クロマト
グラフィー等の周知の方法によって測定しながら行うこ
とが望ましい。
培養液中に蓄積されたエリスリトールは、培養終了
後、常法によって培養液中から分離される。即ち、かか
る場合に当該分野において通常使用されている周知の手
段、例えば濾過,遠心分離,イオン交換または吸着クロ
マトグラフィー,溶媒抽出,蒸留,結晶化等の操作が必
要に応じて適宜組み合わせて用いられる。一例を挙げれ
ば、培養液から濾過,遠心分離等によって菌体を除去
し、次いでこの液を活性炭で処理して着色物質などを除
き、更にイオン交換樹脂により脱イオンしたのち、液を
濃縮してシロップとする。次いで、このシロップからエ
リスリトールを結晶化して分離する。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例および試験例等により詳しく説
明する。
試験例1(耐糖性試験) 酵母エキス2.0%および所定量(22.0〜83.3%)のグ
ルコースを含む液体培地100mlをそれぞれ500ml容の三角
フラスコに入れ、常法により滅菌を行ったのち、オーレ
オバシディウムsp.SN−γ96株(FERM BP−1431)または
同SN−124A株(FERM BP−1429)の斜面培養菌体を接種
し、それぞれ種菌培養を35℃で1〜5日間行う。
次に、所定量(22.0〜83.3%)のグルコースおよび酵
母エキス2.0%を含む液体培地2Lを3L容の発酵槽に入
れ、これに上記の対応する基質濃度の種菌培養液80mlを
加えて培養温度35℃、通気量2.0vvm、回転数(攪拌)10
00rpmの条件でそれぞれの培地のグルコースが完全に消
費されるまで(2〜14日間)培養する。
培養終了後、各培養液中のエリスリトール含量を高速
液体クロマトグラフィーで測定して、第2表の結果を得
た。
試験例2(発泡性,凝集性および親水性試験) 酵母エキス1.6%,グルコース40.0%を含む液体培地5
mlを試験管に入れ、常法により滅菌を行う。これにオー
レオバシディウムsp.SN−γ96株(FERM BP−1431)また
は同SN−124A株(FERM BP−1429)の斜面培養菌体を接
種し、30℃で5日間振盪培養して各培養液における泡の
生成状態および培養停止後の菌体の凝集状態を観察し
た。
培養中、SN−γ96株の培養液には発酵による泡の発生
が全くみられず、振盪による泡の生成がわずかにみられ
るのみであった。また、振盪停止後は泡が直ちに消失
し、菌体は培養液中に均一に懸濁した状態になってい
る。一方、SN−124A株の場合は、培養中に激しく生成し
た泡が培養停止後もほとんど消失することなく、その量
は培地量(高さ)の80%にも達しており、この泡は数時
間放置しても消失せず、菌体は凝集して底部および泡の
周辺に分離する。
更に、上記の培養液に培養液と同量のベンゼンを加え
て激しく攪拌後、約30分静置して菌体の状態を観察した
ところ、SN−γ96株の菌体は全て水層にとどまり、ベン
ゼン層への移行が認められなかったのに対して、SN−12
4A株の菌体は全てベンゼン層に移行して水層が透明とな
り、二つの菌体の親水性の相違が明瞭に観察された。
実施例1(変異株の造成) オーレオバシディウムsp.SN−124A株(FERM BP−142
9)をグルコース22.0%,酵母エキス0.5%を含む5.0ml
の液体培地に接種し、温度30℃で2日間振盪培養し、培
養物を得た。
次に、上記で得られた培養物を22.0%グルコース溶液
で100倍に希釈し、シャーレ中でゆるやかに攪拌しなが
ら30cmの距離から15Wの紫外線ランプ(東芝殺菌灯「GL1
5」)を40分間照射した。
終了後、シャーレ中の処理液をグルコース22.0%,酵
母エキス0.5%の寒天1.5%を含む寒天培地に塗布し、30
℃で4日間静置培養して生育した菌株を選抜した。
次に、上記処理で選抜した菌株をグルコース22.0%,
酵母エキス0.5%の液体培地に接種し、30℃で2日間振
盪培養して培養物を得た。
このようにして得た培養物を上記と同様にして希釈し
たのち、上記と同じ条件により再度20分間紫外線照射し
た。
照射後、処理液をグルコーシ33.5%,酵母エキス1.0
%,寒天1.5%を含む寒天培地に塗布し、30℃で4日間
静置培養し、生育した菌株を選抜した。
更に、上記より選抜した菌株をグルコース33.5%,酵
母エキス1.0%を含む液体倍地に接種し、30℃で2日間
振盪培養して培養物を得た。
次に、上記で得られた培養物から遠心分離により菌体
を分離し、更にこの菌体を2Mのグルコースを含む0.2M酢
酸緩衝液(pH5.0)で2回洗浄したのち、1×107cell/m
lとなるように菌体を緩衝液に懸濁し、1mg/ml濃度のN
−メチル−N′−ニトロ−N−ニトロソグアニジンによ
り30℃で30分間処理した。
終了後、常法により菌体を分離し、更に緩衝液で洗浄
したのち、グルコース40.0%,酵母エキス1.0%,寒天
1.5%を含む寒天培地に塗布して30℃で5日間静置培養
し、生育した菌株を選抜した。
次に、上記より選抜した菌株を酵母エキス1.6%,グ
ルコース40.0%からなる液体培地に接種し、30℃で2日
間振盪培養して培養物を得た。次いで、上記で得られた
培養物を1×107cell/mlに希釈したもの3mlをガラス製
の試験管に入れ、18cmの距離からγ線(60Co)を200kRa
d照射した。
終了後、処理菌体をグルコース45.0%,酵母エキス1.
6%,寒天1.5%を含む寒天培地に塗布し、30℃で5日間
静置培養して生育した菌体を選抜して変異株オーレオバ
シディウムsp.SN−γ96株(FERM BP−1431)を得た。
参考例1 (a)種菌培養液の調製 グルコース40.0%,酵母エキス1.6%,寒天1.5%から
なる斜面培地にオーレオバシディウムsp.SN−γ96株(F
ERM BP−1431)の菌体を塗布し、35℃で5日間静置培養
した。
次に、グルコース40.0%,酵母エキス1.6%を含む液
体培地(pH4.9)100mlを入れた500ml容量の三角フラス
コに上記斜面培養菌体を1白金耳植菌し、35℃で3日間
培養を行った。更に、この培養液9mlを上記と同様の液
体培地150mlを入れた500ml容量の三角フラスコに接種
し、35℃で3日間振盪培養して培養物を得た。
(b)本培養 グルコース40.0%およびコーンスチープリカー6.8%
を含む液体培地(グルコースおよびコーンスチープリカ
ーは予め別々に滅菌したものを使用)15Lを30L容量の発
酵槽に入れ、消泡剤(旭電化KK製「アデカノールLG−10
9」)300ppmを加え、水酸化ナトリウムを用いて培地のp
Hを4.2に調整した。これに上記(a)で調製したオーレ
オバシディウムsp.SN−γ96株の種菌培養液900mlを加
え、温度35℃,通気量1.0vvm,回転数400rpmで4日間培
養を行った。
培養終了後、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)に
より培養液の分析を行った結果、グルコースは完全に消
費されており、培養液中のエリスリトール含量は18.9%
(収率47.3%)、グリセリン含量は3.5%(収率8.8%)
であった。
次に、この培養液600mlを採り、遠心分離により菌体
を除去し、更に活性炭による脱色およびイオン交換樹脂
(IRA−140:IR−120=2:1)による脱塩を行った。次い
で、溶出液を糖濃度50%以上に濃縮したのち、徐冷して
結晶を析出させて分離し、更にこの結晶を水から再結晶
させて多面体様の白色結晶を得た。この結晶の融点は12
1.0℃で、爽やかな甘味を有していた。更に、この結晶
は液体クロマトグラフィー,ガスクロマトグラフィー,
旋光度および核磁気共鳴スペクトルの測定によりエリス
リトール(meso−エリスリトール)と同定された。
参考例2 グルコース50%およびコーンスチープリカー6.8%を
含む培地(培地材料は予め別々に滅菌したものを使用)
15Lを容量30Lの発酵槽に入れ、消泡剤300ppmを加え、水
酸化ナトリウムを用いて培地のpHを4.2に調整した。こ
れに参考例1(a)の方法に従って調製したオーレオバ
シディウムsp.SN−γ96株の種菌培養液90mlを加え、温
度35℃,通気量1.5vvm,回転数400rpmの条件で6日間培
養を行った。
培養終了後、培養液の分析をしたところ、グルコース
は完全に消費されており、培養液中のエリスリトール含
量は23.3%(収率46.5%)、グリセリン含量は4.5%
(収率9.0%)であった。
参考例3 グルコース60.2%、酵母エキス2.0%の液体培地(培
地材料は予め別々に滅菌したものを使用)2Lを3Lの発酵
槽に入れ、消泡剤200ppmを加えた。これに参考例1
(a)の方法に従って調製したオーレオバシディウムs
p.SN−γ96株の種菌培養液80mlを加え、温度35℃,通気
量2.5vvm,回転数1000rpmの条件で7日間培養を行った。
培養終了後、培養液の分析をしたところ、グルコース
は完全に消費されており、培養液中のエリスリトール含
量は28.8%(収率47.7%)、グリセリン含量は6.8%
(収率11.3%)であった。
参考例4 グルコース75.5%、酵母エキス2.0%を含む液体培地
(培地材料は予め別々に滅菌したものを使用)2Lを容量
3Lの発酵槽に入れ、消泡剤200ppmを加えた。これに参考
例1(a)の方法に従って調製したオーレオバシディウ
ムsp.SN−γ96株の種菌培養液80mlを加え、温度35℃,
通気量2.0vvm,回転数1000rpmの条件で11日間培養を行っ
た。
培養終了後、培養液の分析を行ったところ、グルコー
スは完全に消費されており、培養液中のエリスリトール
含量は24.5%(収率32.4%)、グリセリン含量は11.0%
(収率14.3%)であった。
参考例5 シュクロース50.0%およびコーンスチープリカー6.8
%を含む培地(培地材料は予め別々に滅菌したものを使
用)5Lを容量7Lの発酵槽に入れ、消泡剤300ppmを加え、
水酸化ナトリウムを用いて培地のpHを4.2に調整した。
これに参考例1(a)の方法に従って調製したオーレオ
バシディウムsp,SN−γ96株の種菌培養液300mlを加え、
温度35℃,通気量1.0vvm,回転数800rpmの条件で5日間
培養を行った。
培養終了後、培養液の分析を行った結果、シュクロー
スは完全に消費されており、培養液中のエリスリトール
含量は23.6%(収率47.2%)、グリセリン含量は5.0%
(収率10.0%)であった。
参考例6 シュクロース61.0%、酵母エキス2.0%の液体培地
(培地材料は予め別々に滅菌したものを使用)2Lを容量
3Lの発酵槽に入れ、消泡剤200ppmを加えた。これに参考
例1(a)の方法に従って調製したオーレオバシディウ
ムsp.SN−γ96株の種菌培養液80mlを加え、温度35℃,
通気量2.0vvm,回転数1000rpmの条件で6日間培養を行っ
た。
培養終了後、培養液の分析をしたところ、シュクロー
スは完全に消費されており、培養液中のエリスリトール
含量は24.6%(収率40.3%)、グリセリン含量は7.8%
(収率12.8%)であった。
参考例7 シュクロース93.3%、酵母エキス2.0%の液体培地
(培地材料は予め別々に滅菌したものを使用)2Lを容量
3Lの発酵槽に入れ、消泡剤200ppmを加えた。これに参考
例1(a)の方法に従って調製したオーレオバシディウ
ムsp.SN−γ96株の種菌培養液80mlを加え、温度35℃,
通気量2.0vvm,回転数1000rpmの条件で15日間培養を行っ
た。
培養終了後、培養液の分析をしたところ、シュクロー
スは完全に消費されており、培養液中のエリスリトール
含量は21.6%(収率23.0%)、グリセリン含量は4.9%
(収率5.3%)であった。
〔発明の効果〕
本発明の新規突然変異株オーレオバシディウムsp.SN
−γ96株は耐糖性が著しく高く、耐熱性に優れ、エリス
リトール産生能が高く、しかも培養の際に泡を実質的に
生じないので、工業的に使用する上で極めて有用であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:645) (72)発明者 石塚 博明 茨城県筑波郡谷田部町稲荷前17−12 沼 尻アパート208 (72)発明者 若生 勝雄 埼玉県行田市持田5−10−2 (72)発明者 川口 嶽 埼玉県行田市壱里山町21−6 (72)発明者 小田 恒郎 東京都秋川市下代継128 (56)参考文献 特開 昭60−110295(JP,A) 特開 昭61−31091(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】糖濃度40%(W/V)以上の環境(培地)中
    で良好な生育と高いエリスリトール生産能を維持するこ
    とができ、且つ菌体(細胞)が親水性、非凝集性であ
    り、液体培地中で好気的に培養するとき、泡が実質的に
    生成しない新規変異株オーレオバシディウムsp.SN−γ9
    6株(FERM BP−1431)。
JP21031587A 1987-08-26 1987-08-26 新規変異株 Expired - Lifetime JP2626692B2 (ja)

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