JP2626682B2 - 新規ペプチド及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤 - Google Patents
新規ペプチド及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤Info
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- JP2626682B2 JP2626682B2 JP63185467A JP18546788A JP2626682B2 JP 2626682 B2 JP2626682 B2 JP 2626682B2 JP 63185467 A JP63185467 A JP 63185467A JP 18546788 A JP18546788 A JP 18546788A JP 2626682 B2 JP2626682 B2 JP 2626682B2
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- Japan
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- pro
- peptide
- converting enzyme
- angiotensin converting
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- Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規オリゴペプチド及びそれを有効成分とす
るアンジオテンシン変換酵素阻害剤に関し、高血圧症の
治療または予防に有用であると期待される。
るアンジオテンシン変換酵素阻害剤に関し、高血圧症の
治療または予防に有用であると期待される。
高血圧症の発症にはレニン−アンジオテンシン系が深
いかかわりを有していることがよく知られているが、こ
のレニン−アンジオテンシン系にはアンジオテンシン変
換酵素(EC3.4.15.1,以下ACEとも言う)が重要な役割を
果たしている。この場合ACEは、肝で分泌されるアンジ
オテンシノーゲンが腎で産生される酵素レニンにより分
解されたアンジオテンシンI(Asp−Arg−Val−Try−Il
e−His−Pro−Phe−His−Leu)に対して作用し、このも
のをアンジオテンシンII(Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−H
is−Pro−Phe)に変換させる。そして、このアンジオテ
ンシンIIは血管壁平滑筋を収縮させて血圧を高め、さら
に副腎皮質に作用してアルドステロンの分泌を促進させ
るなどの作用を有する。また、血漿に存在する酵素カリ
クレインはキニノーゲンと呼ばれる蛋白質を分解し、血
管を拡張させ降圧させるブラジキニンを産生するが、こ
のブラジキニンはACEの作用により分解され、不活性化
されてしまう。このように、ACEは一方で昇圧性ペプチ
ド(アンジオテンシンII)を生じさせるとともに、他方
で降圧性ペプチド(ブラジキニン)を分解し、結果とし
て、血圧を上昇の方向に進める。したがってこの酵素活
性を抑制することによって血圧上昇を防ぐこと(降圧)
が可能である。
いかかわりを有していることがよく知られているが、こ
のレニン−アンジオテンシン系にはアンジオテンシン変
換酵素(EC3.4.15.1,以下ACEとも言う)が重要な役割を
果たしている。この場合ACEは、肝で分泌されるアンジ
オテンシノーゲンが腎で産生される酵素レニンにより分
解されたアンジオテンシンI(Asp−Arg−Val−Try−Il
e−His−Pro−Phe−His−Leu)に対して作用し、このも
のをアンジオテンシンII(Asp−Arg−Val−Tyr−Ile−H
is−Pro−Phe)に変換させる。そして、このアンジオテ
ンシンIIは血管壁平滑筋を収縮させて血圧を高め、さら
に副腎皮質に作用してアルドステロンの分泌を促進させ
るなどの作用を有する。また、血漿に存在する酵素カリ
クレインはキニノーゲンと呼ばれる蛋白質を分解し、血
管を拡張させ降圧させるブラジキニンを産生するが、こ
のブラジキニンはACEの作用により分解され、不活性化
されてしまう。このように、ACEは一方で昇圧性ペプチ
ド(アンジオテンシンII)を生じさせるとともに、他方
で降圧性ペプチド(ブラジキニン)を分解し、結果とし
て、血圧を上昇の方向に進める。したがってこの酵素活
性を抑制することによって血圧上昇を防ぐこと(降圧)
が可能である。
ACEの活性阻害物質としては蛇毒より得られた数種の
ペプチド性阻害剤を初めとして、カプトプリル(D−2
−メチル−3−メルカプトプロパノイルーL−プロリ
ン)などの合成物質が多数知られており、このうちカプ
トプリルは経口降圧剤として既に実用に供されている。
また、近年、微生物あるいは種々の食品中にもACE阻害
物質が見出され、降圧剤としての実用化が検討されてい
る。
ペプチド性阻害剤を初めとして、カプトプリル(D−2
−メチル−3−メルカプトプロパノイルーL−プロリ
ン)などの合成物質が多数知られており、このうちカプ
トプリルは経口降圧剤として既に実用に供されている。
また、近年、微生物あるいは種々の食品中にもACE阻害
物質が見出され、降圧剤としての実用化が検討されてい
る。
新規有用な血圧降下剤ひいてはアンジオテンシン変換
酵素阻害剤は常に求められている。
酵素阻害剤は常に求められている。
本発明は優れたアンジオテンシン変換酵素阻害作用な
らびに血圧降下作用を有する新規オリゴペプチド及びそ
の酸付加塩、及びかかるオリゴペプチドまたはその酸付
加塩を有効成分とする安全性が極めて高いアンジオテン
シン変換酵素阻害剤を提供することを目的とする。
らびに血圧降下作用を有する新規オリゴペプチド及びそ
の酸付加塩、及びかかるオリゴペプチドまたはその酸付
加塩を有効成分とする安全性が極めて高いアンジオテン
シン変換酵素阻害剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、多くのアンジオテンシン変換酵素阻害
ペプチドがそのカルボキシ末端にAla−Pro又はPro−Pro
構造を有することに着目し、特にPro−Proはアンジオテ
ンシン変換酵素により分解されず持続性の点で有利であ
ることに鑑み、Pro−Proを有する種々のペプチドを化学
合成した結果、下記ペプチドが、アンジオテンシン変換
酵素を阻害することを見出した。すなわち本発明は、新
規なアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドであるL−
Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L−Pro及びその酸
付加塩、及びL−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L
−Proまたはその酸付加塩を有効成分として含有するア
ンジオテンシン変換酵素阻害剤に関する。ここで酸付加
塩は、製薬上許容される酸(無機酸及び有機酸)付加
塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢
酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク
酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスル
ホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、
グルタミン酸塩等を包含する。
ペプチドがそのカルボキシ末端にAla−Pro又はPro−Pro
構造を有することに着目し、特にPro−Proはアンジオテ
ンシン変換酵素により分解されず持続性の点で有利であ
ることに鑑み、Pro−Proを有する種々のペプチドを化学
合成した結果、下記ペプチドが、アンジオテンシン変換
酵素を阻害することを見出した。すなわち本発明は、新
規なアンジオテンシン変換酵素阻害ペプチドであるL−
Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L−Pro及びその酸
付加塩、及びL−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L
−Proまたはその酸付加塩を有効成分として含有するア
ンジオテンシン変換酵素阻害剤に関する。ここで酸付加
塩は、製薬上許容される酸(無機酸及び有機酸)付加
塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酢
酸塩、安息香酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク
酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、メタンスル
ホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、アスパラギン酸塩、
グルタミン酸塩等を包含する。
本発明のL−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L−
Proは主として有機化学的な合成方法によりアミノ酸を
段階的に導入する方法によって製造される。また、加水
分解酵素の逆反応を利用したペプチド合成法、遺伝子工
学的方法、天然蛋白質の酵素加水分解法等によっても製
造することもできる。
Proは主として有機化学的な合成方法によりアミノ酸を
段階的に導入する方法によって製造される。また、加水
分解酵素の逆反応を利用したペプチド合成法、遺伝子工
学的方法、天然蛋白質の酵素加水分解法等によっても製
造することもできる。
有機化学的合成法としては液相法、固相法の2種があ
り、前者ではBoc(ターシャリーブチルオキシカルボニ
ル)基などで保護したアミノ酸をDMF(ジメチルホルム
アミド)に溶解し、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド)及びHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)
の存在下で一昼夜反応させ、カルボキシ末端側から順次
結合させる。また、後者ではアプライド・バイオシステ
ムズ社製ペプチド合成装置(430A型)などで、PAM(フ
ェニルアセタミドメチル)樹脂にアミノ酸を順次伸長さ
せ、フッ化水素などにより樹脂及び各種保護基を切断
し、目的とするオリゴペプチドを得る。
り、前者ではBoc(ターシャリーブチルオキシカルボニ
ル)基などで保護したアミノ酸をDMF(ジメチルホルム
アミド)に溶解し、DCC(ジシクロヘキシルカルボジイ
ミド)及びHOBt(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール)
の存在下で一昼夜反応させ、カルボキシ末端側から順次
結合させる。また、後者ではアプライド・バイオシステ
ムズ社製ペプチド合成装置(430A型)などで、PAM(フ
ェニルアセタミドメチル)樹脂にアミノ酸を順次伸長さ
せ、フッ化水素などにより樹脂及び各種保護基を切断
し、目的とするオリゴペプチドを得る。
本ペプチドの酸付加塩は常法により製造することがで
きる。
きる。
本ペプチド及びその酸付加塩はACE阻害作用を有し、
ヒトをはじめとする哺乳動物の高血圧症の治療、予防に
有効であると期待される。
ヒトをはじめとする哺乳動物の高血圧症の治療、予防に
有効であると期待される。
本ペプチド及びその酸付加塩はそのまま、または通常
少なくとも1つの製薬補助剤と製薬組成物にして使用す
る。
少なくとも1つの製薬補助剤と製薬組成物にして使用す
る。
本ペプチド及びその酸付加塩は非経口的(すなわち、
静脈注射、直腸投与等)または経口的に投与し、各投与
方法に適した形態に製剤することができる。
静脈注射、直腸投与等)または経口的に投与し、各投与
方法に適した形態に製剤することができる。
注射剤としての製剤形態は、通常滅菌水水溶液を包含
する。上記形態の製剤はまた緩衝剤pH調節剤(リン酸水
素ナトリウム、クエン酸等)、等張化剤(塩化ナトリウ
ム、グルコース等)、保存剤(パラオキシ安息香酸メチ
ル、P−ヒドロキシ安息香酸プロピル等)等の水以外の
他の製薬補助剤を含有することができる。該製剤は細菌
保持フィルターを通す濾過、組成物への殺菌剤の混入、
組成物の照射や加熱によって滅菌することができる。該
製剤はまた殺菌固体組成物として製造し、用時滅菌水等
に溶解して使用することもできる。
する。上記形態の製剤はまた緩衝剤pH調節剤(リン酸水
素ナトリウム、クエン酸等)、等張化剤(塩化ナトリウ
ム、グルコース等)、保存剤(パラオキシ安息香酸メチ
ル、P−ヒドロキシ安息香酸プロピル等)等の水以外の
他の製薬補助剤を含有することができる。該製剤は細菌
保持フィルターを通す濾過、組成物への殺菌剤の混入、
組成物の照射や加熱によって滅菌することができる。該
製剤はまた殺菌固体組成物として製造し、用時滅菌水等
に溶解して使用することもできる。
経口投与剤は胃腸器官による吸収に適した形に製剤す
る。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、粉末剤は常用
の製薬補助剤、例えば結合剤(シロップ、アラビアゴ
ム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニル
ピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等)、賦形
剤(ラクトース、シュガー、コーンスターチ、リン酸カ
ルシウム、ソルビット、グリシン等)、滑沢剤(ステア
リン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ等)、崩壊剤(ポテトスターチ、カルボキシ
メチルセルロース等)、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウ
ム等)を包含することができる。錠剤は常法によりコー
ティングすることができる。経口液剤は水溶液等にした
り、ドライプロダクトにすることができる。そのような
経口液剤は常用の添加剤例えば保存剤(p−ヒドロキシ
安息香酸メチルもしくはプロピル、ソルビン酸等)を包
含していてもよい。本ACE阻害剤中の本ペプチドまたは
その酸付加塩の量は種々かえることができるが、通常5
〜100%(w/w)、特に10〜60%(w/w)が適当である。
本ACE阻害剤の投与量は有効成分として10〜200mg/kg/da
yが適当である。なお、本ペプチドの急性毒性はLD50(I
CR系マウス、経口投与)>3g/kgである。
る。錠剤、カプセル剤、顆粒剤、細粒剤、粉末剤は常用
の製薬補助剤、例えば結合剤(シロップ、アラビアゴ
ム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニル
ピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等)、賦形
剤(ラクトース、シュガー、コーンスターチ、リン酸カ
ルシウム、ソルビット、グリシン等)、滑沢剤(ステア
リン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコー
ル、シリカ等)、崩壊剤(ポテトスターチ、カルボキシ
メチルセルロース等)、湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウ
ム等)を包含することができる。錠剤は常法によりコー
ティングすることができる。経口液剤は水溶液等にした
り、ドライプロダクトにすることができる。そのような
経口液剤は常用の添加剤例えば保存剤(p−ヒドロキシ
安息香酸メチルもしくはプロピル、ソルビン酸等)を包
含していてもよい。本ACE阻害剤中の本ペプチドまたは
その酸付加塩の量は種々かえることができるが、通常5
〜100%(w/w)、特に10〜60%(w/w)が適当である。
本ACE阻害剤の投与量は有効成分として10〜200mg/kg/da
yが適当である。なお、本ペプチドの急性毒性はLD50(I
CR系マウス、経口投与)>3g/kgである。
また、本ペプチドは多量に摂取しても生体に悪影響を
与えない利点を有することから、そのまま、または種々
の栄養分等を加えて、もしくは飲食品中に含有せしめて
血圧降下作用、高血圧予防の機能をもたせた機能性食
品、健康食品として食してもよい。すなわち、例えば各
種ビタミン類、ミネラル類等の栄養分を加えて、例えば
栄養ドリンク、豆乳、スープ等の液状の食品や各種形状
の固形食品、さらには粉末状としてそのままあるいは各
種食品へ添加して用いることもできる。かかる機能性食
品、健康食品としての本ACE阻害剤中の有効成分の含有
量、摂取量はそれぞれ上記製薬における含有量、投与量
と同様でよい。
与えない利点を有することから、そのまま、または種々
の栄養分等を加えて、もしくは飲食品中に含有せしめて
血圧降下作用、高血圧予防の機能をもたせた機能性食
品、健康食品として食してもよい。すなわち、例えば各
種ビタミン類、ミネラル類等の栄養分を加えて、例えば
栄養ドリンク、豆乳、スープ等の液状の食品や各種形状
の固形食品、さらには粉末状としてそのままあるいは各
種食品へ添加して用いることもできる。かかる機能性食
品、健康食品としての本ACE阻害剤中の有効成分の含有
量、摂取量はそれぞれ上記製薬における含有量、投与量
と同様でよい。
次に本発明を実施例により説明する。
実施例 1 L−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L
−Proの合成とACE阻害活性 a)L−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L−Proの
合成 アプライド・バイオシステムズ社製ペプチド合成装置
(430A型)に0.5ミリモルのBoc−L−Pro−O−CH2-PAM
樹脂及び各2ミリモルのBoc−L−Pro、Boc−L−Leu、
Boc−L−His(Tos)、Boc−L−Valを装填し、DCCによ
る無水対称法により、L−Val−L−His(Tos)−L−L
eu−L−Pro−L−Pro−OCH2PAMを合成した。なお、Tos
はトシル基を示す。次に、ペプチド研究所製フッ化水素
処理装置に上記合成ペプチド樹脂を導入し、アソニール
1.5mlを添加後、液体フッ化水素10mlを導入した。−20
℃30分、0℃30分の反応後、フッ化水素を減圧下に除去
し、ペプチドを無水エーテル、クロロホルムで交互に3
回洗浄し、2N酢酸60mlにペプチドを溶解させ、凍結乾燥
した。この方法によりL−Val−L−His−L−Leu−L
−Pro−L−Proの白色粉末130mgを得た。
−Proの合成とACE阻害活性 a)L−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L−Proの
合成 アプライド・バイオシステムズ社製ペプチド合成装置
(430A型)に0.5ミリモルのBoc−L−Pro−O−CH2-PAM
樹脂及び各2ミリモルのBoc−L−Pro、Boc−L−Leu、
Boc−L−His(Tos)、Boc−L−Valを装填し、DCCによ
る無水対称法により、L−Val−L−His(Tos)−L−L
eu−L−Pro−L−Pro−OCH2PAMを合成した。なお、Tos
はトシル基を示す。次に、ペプチド研究所製フッ化水素
処理装置に上記合成ペプチド樹脂を導入し、アソニール
1.5mlを添加後、液体フッ化水素10mlを導入した。−20
℃30分、0℃30分の反応後、フッ化水素を減圧下に除去
し、ペプチドを無水エーテル、クロロホルムで交互に3
回洗浄し、2N酢酸60mlにペプチドを溶解させ、凍結乾燥
した。この方法によりL−Val−L−His−L−Leu−L
−Pro−L−Proの白色粉末130mgを得た。
本ペプチドはHPLC(高速液体クロマトグラフィー)で
溶出時間1.8分の位置に単一のピークを示した。HPLCの
溶出条件を下記に示す。
溶出時間1.8分の位置に単一のピークを示した。HPLCの
溶出条件を下記に示す。
カラム:ウォーターズ社製ラジアルバックカートリッジ
C8 溶出液:燐酸緩衝液(10mMKH2PO4,50mMNa2SO4,pH2.
5):アセトニトリル=4:6 流 速:2ml/min 検 出:210nmの紫外部吸収 次に本ペプチドの各種分析値を示す。
C8 溶出液:燐酸緩衝液(10mMKH2PO4,50mMNa2SO4,pH2.
5):アセトニトリル=4:6 流 速:2ml/min 検 出:210nmの紫外部吸収 次に本ペプチドの各種分析値を示す。
アミノ酸分析: Val(1.00),His(0.97),Leu(1.18),Pro(1.95) ( )はValを1としたモル比。
分析は6N塩酸110℃24時間の加水分解後行った。
比施光度:▲〔α〕25 D▼=−155(C=0.34,H2O) 質量分析: 562(M+1)+ 日本電子H×110,FAB−MSにて測定 b)ACE阻害活性の測定 以上のようにして得た本ペプチドのACE阻害活性を以
下のごとく測定した。すなわちまず、5gのラビットラン
グアセトンパウダーを50mlの0.1Mホウ酸ナトリウム緩衝
液(pH8.3)に溶かし、40,000G、40分の条件下で遠心処
理し、その上澄液をさらにハイドロキシアパタイトで精
製し、1unit/mg proteinのアンジオテシン変換酵素液を
得た。
下のごとく測定した。すなわちまず、5gのラビットラン
グアセトンパウダーを50mlの0.1Mホウ酸ナトリウム緩衝
液(pH8.3)に溶かし、40,000G、40分の条件下で遠心処
理し、その上澄液をさらにハイドロキシアパタイトで精
製し、1unit/mg proteinのアンジオテシン変換酵素液を
得た。
本ペプチドの種々の濃度の水溶液をそれぞれ試験管に
0.03ml入れ、これに基質として、0.25mlのヒピリルヒス
チジルロイシン(最終濃度5mM、NaCl 300mM含む)を添
加し、ついで上記アンジオテンシン変換酵素液0.1mlを
加え、37℃で30分間反応させた。その後、1N塩酸0.25ml
を添加して反応を停止させた後、1.5mlの酢酸エチルを
加え、酢酸エチル中に抽出されたヒプリル酸の228nmで
の吸収値を測定し、これを酵素活性とした。なお、この
条件で本ペプチドを含まない場合の228nmの吸収値は0.3
5であった。
0.03ml入れ、これに基質として、0.25mlのヒピリルヒス
チジルロイシン(最終濃度5mM、NaCl 300mM含む)を添
加し、ついで上記アンジオテンシン変換酵素液0.1mlを
加え、37℃で30分間反応させた。その後、1N塩酸0.25ml
を添加して反応を停止させた後、1.5mlの酢酸エチルを
加え、酢酸エチル中に抽出されたヒプリル酸の228nmで
の吸収値を測定し、これを酵素活性とした。なお、この
条件で本ペプチドを含まない場合の228nmの吸収値は0.3
5であった。
このような実験を複数行い、阻害率を次の式より算出
した。
した。
A:阻害剤を含まない場合の228nm吸収値 B:阻害剤添加の場合の228nm吸収値 そして、阻害率50%のときの本ペプチドの濃度I50値
を求めたところ18μMであった。
を求めたところ18μMであった。
実施例 2 静脈注射剤 L−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L−Proを20
〜100倍(容積/重量)の滅菌生理食塩水に溶解し、無
菌的にフィルター(孔径0.45μm)で濾過した濾液を注
射剤とする。
〜100倍(容積/重量)の滅菌生理食塩水に溶解し、無
菌的にフィルター(孔径0.45μm)で濾過した濾液を注
射剤とする。
実施例 3 錠剤 L−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L−Pro 7 部 ヒドロキシプロピルセルロース 1 部 ラクトース 10.9部 ポテトスターチ 1 部 ステアリン酸マグネシウム 0.1部 ヒドロキシプロピルセルロース1部を含む60%エタノ
ール水溶液20部を調製し、本ペプチド7部およびラクト
ース10.9部を加えて十分に混練した後、減圧下で乾燥
し、得られた乾燥物にポテトスターチ1部およびステア
リン酸マグネシウム0.1部を加えて混和して、打錠機に
より製錠する。
ール水溶液20部を調製し、本ペプチド7部およびラクト
ース10.9部を加えて十分に混練した後、減圧下で乾燥
し、得られた乾燥物にポテトスターチ1部およびステア
リン酸マグネシウム0.1部を加えて混和して、打錠機に
より製錠する。
本新規ペプチドはACE阻害活性を有し、天然型アミノ
酸のみからなるので安全性が極めて高い。
酸のみからなるので安全性が極めて高い。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 123:00 (72)発明者 三吉 新介 千葉県船橋市日の出2丁目20番2号 昭 産日の出寮 (72)発明者 福井 史生 千葉県成田市中台1丁目2番117号 審査官 西川 和子 (56)参考文献 特開 平2−36127(JP,A)
Claims (2)
- 【請求項1】L−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L
−Pro及びその酸付加塩。 - 【請求項2】L−Val−L−His−L−Leu−L−Pro−L
−Proまたはその酸付加塩を有効成分として含有するア
ンジオテンシン変換酵素阻害剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63185467A JP2626682B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | 新規ペプチド及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63185467A JP2626682B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | 新規ペプチド及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0236195A JPH0236195A (ja) | 1990-02-06 |
JP2626682B2 true JP2626682B2 (ja) | 1997-07-02 |
Family
ID=16171290
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63185467A Expired - Lifetime JP2626682B2 (ja) | 1988-07-27 | 1988-07-27 | 新規ペプチド及びアンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2626682B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2805032B2 (ja) | 1988-07-27 | 1998-09-30 | 工業技術院長 | アンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
-
1988
- 1988-07-27 JP JP63185467A patent/JP2626682B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2805032B2 (ja) | 1988-07-27 | 1998-09-30 | 工業技術院長 | アンジオテンシン変換酵素阻害剤 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0236195A (ja) | 1990-02-06 |
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