JP2626130B2 - 扉開閉用リニアモータ - Google Patents

扉開閉用リニアモータ

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JP2626130B2
JP2626130B2 JP2043061A JP4306190A JP2626130B2 JP 2626130 B2 JP2626130 B2 JP 2626130B2 JP 2043061 A JP2043061 A JP 2043061A JP 4306190 A JP4306190 A JP 4306190A JP 2626130 B2 JP2626130 B2 JP 2626130B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、人が近寄ったことにより自動的に開閉す
る自動扉の引き扉式の扉に開閉のための駆動力を与える
リニアモータに関する。
〔従来の技術〕
自動扉の開閉のための駆動力として、従来、電動機を
使いチェーンで直線方向の動きに変えて駆動するものが
知られている。
第7図はこのような従来の電動機とチェーンとの駆動
方式による自動扉の立面図、第8図は第7図のA−A断
面図である。第7図は扉3が扉枠6の下部に取付けられ
たレール5の上に車輪4を介して載せられており、電動
機の回転力で駆動される歯車82と、この歯車82に取付け
られ左右の方向に移動するチェーン83と、このチェーン
83と扉3とを機械的に連結する連結金具84とによって構
成され、第8図は歯車82の軸が電動機81に直結され、歯
車82やチェーン83を隠すための隠し板61の外面に取付け
られて構成されている。第7図ではこの隠し板61を無い
ものとして図示してある。
電動機81が回転すると、歯車82が回転し、これによっ
てチェーン83が左方向又は右方向に移動する。この移動
に伴って連結金具84に連結されている扉3が移動する。
この扉の駆動方式では、電動機81を扉枠6の上部に収
納することができないために、図示のように外付けする
構成にしてある。この構成は駆動部に歯車82やチェーン
83などの可動機構を持つため、摩耗が生じることから保
守が容易でないという問題がある。
保守を容易にするために、リニアモータを使用して可
動部や摩耗部のない構成とする方式として円筒形リニア
インダクションモータによるものが知られている(山田
一編「リニアモータ応用ハンドブック」P.136,株式会社
工業調査会発行、昭和61年)。扉の開閉速度が遅いた
め、この方式ではリニアインダクションモータは力の割
りに大型で重いものとなる。また、扉側に設けられる電
機子への給電線も必要であるため、その保守が必要とな
る。
第9図は永久磁石界磁のリニア同期モータ(以下、LS
Mと略称する)を駆動に使用した自動扉の立面図、第10
図は第9図のB−B断面図であり、第7図,第8図と同
じ部材については同じ参照符号を付けることにより詳し
い説明を省略する。これらの図において、扉枠6の上部
枠の下面に継鉄22とコイル21とからなる電機子2を取付
け、扉3の上面に継鉄12とその上の永久磁石11とからな
る界磁を取付けてこれら電機子2と界磁1とからなるリ
ニア同期モータを構成したものである。
コイル21は単に長方形断面のコイルとして図示してあ
るが、継鉄22にスロットを設けてその中に亀形状又は波
形状に成形した導体を挿入する通常の回転機電機子やリ
ニアインダクションモータ(以下、LIMと略称する)の
一次側と同様の構成としてよいし、同期機の界磁極に使
用される長方形状のコイルを採用してもよい。これらの
図では、前者の構成ではコイル端部の突出が大きいこと
から扉枠6の中に収納するのが困難であるという要素が
あることから、後者の長方形コイルを並べて設けてコイ
ル21を構成したものとして図示してある。
永久磁石11はそれぞれが交互に方向を反転して上下方
向に磁束を発生するように配置してあり、そのピッチは
電機子の極ピッチに合わせてある。
電機子2のコイル21に交流を流して図の左方向又は右
方向への進行磁界を発生させる。扉3がこの進行磁界と
同じ速度である同期速度で移動ししかも永久磁石11と進
行磁界の位相とが一定の関係にあるとき、進行方向に一
致した推進力が働き、車輪4とレール5との摩擦抵抗な
どの抗力に打ち勝って前述の扉3の同期速度が維持され
る。LSMが発生する磁気力は速度には関係せず永久磁石1
1とコイル21が発生する磁束との積に比例するので、速
度の遅い扉の駆動力を得る方式に適したものである。一
方、扉3の速度が同期速度でないとき、特に静止してい
るときには、永久磁石11と進行磁界の位相の関係が周期
的に変化することから、磁気力は交番的に変化するもの
となり、単純に電機子2のコイル21を電源に投入したか
らといって扉3が進行磁界の移動方向に移動を始めるこ
とにはならない。このような現像は同期電動機一般に共
通することであり、第9図や第10図のLSM特有のもので
はない。
このようなことから、扉3が移動する方向にこのLSM
が有効な推進力を発生させるために、永久磁石11の位置
を検出して、その位置に対して所定の方向に推進力が発
生するようにコイル21に電流を流すという方式が一般に
採られる。
第9図,第10図のようなLSMを採用した自動扉は実際
には実用化されていないが、その理由の一つは前述のよ
うな位置検出とその結果に基づく電機子電源としての交
流電源の位相、周波数制御をするための制御装置が必須
になり、装置の価格が高くなることが一因になってい
る。なお、これらの図の構成では、永久磁石11と継鉄22
との間に磁気吸引力が働くが、この磁気吸引力は扉3を
持ち上げようとする力なので、その分だけ車輪4を介し
て8レール5にかかる扉3の重力が軽減されるので、摩
擦が低減するとともに車輪4とレール5の摩耗が少なく
なって寿命が伸びるという効果の生ずる構成になってい
る。
〔発明が解決しようとする課題〕
前述のように、従来の電動機でチェーンを駆動するこ
とによって扉を開閉する方式は保守性が悪いという問題
があり、この問題を解決するためにリニアモータの1種
であるLIMを採用すると大型でかつ重いものになるとい
う問題がある。保守性もよくかつ小型で軽量の駆動方式
にするためにLSMを採用すると、複雑な制御装置が必要
になって高価になるという問題がある。
この発明はこのような問題を解決し、保守性がよく、
小型軽量であり、かつ複雑な制御装置を必要としない扉
開閉用リニアモータを提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決するためにこの発明によれば、扉の上
面に永久磁石界磁を取付け、扉枠の上枠の下面に電機子
を前記扉の移動範囲の全距離にわたって取付けリニア同
期モータを構成する扉開閉用リニアモータにおいて、前
記電機子に固着し前記永久磁石に面を対向した良導体か
らなる制動板を設けてなるものとし、また、電機子のコ
イルが生起する磁束が扉の進行方向に直角に水平方向で
あり、このコイルを挟んで両側に永久磁石界磁を配置し
てなり、前記扉枠の上枠の下面に補助継鉄を設けてなる
ものとする。
〔作用〕
この発明の構成において、電機子に固着しかつ永久磁
石に面を対向した良導体からなる制動板を設けると、扉
とともに永久磁石が移動すると、その移動速度に応じて
制動板に渦電流が流れ、この渦電流によって扉に制動力
が働く。扉が停止の状態で電機子のコイルに所定の周波
数の交流電源を投入し電流を流し始めると、この電流の
流れ始める位相が適切なときには、電機子が生起する進
行磁界の進行方向に永久磁石に磁気力が働いて扉は進行
磁界の方向に加速される。進行磁界と同じ方向に加速さ
れることによって進行磁界と永久磁石との相対速度が小
さくなり、その結果、推進力が働く時間も長くなって結
果的に扉は進行磁界と同じ速度の同期速度を得て、以後
同じ方向に移動してゆく。一方、投入位相が適切でない
場合には、永久磁石には進行磁界とは反対方向に磁気力
が働いて扉は期待する方向とは反対側に加速される。こ
の加速によって扉が移動を開始すると、制動板に渦電流
が流れて制動力が生じることから、この移動は長続きせ
ず、後に続く時点で進行方向と同じ方向の磁気力が発生
するので、これによって前述の最初に進行方向に一致し
た磁気力が発生した場合と同じようにして進行磁界の進
行方向と同じ方向に扉が移動し始める。また、電機子の
コイルが生起する磁束が扉の進行方向に直角の水平方向
になるように配置し、このコイルを挟んで両側に永久磁
石界磁を配置した両側界磁の構成を採用すると電機子の
継鉄が省略できるが、永久磁石に磁気吸引力が発生しな
くなるので、扉枠の上枠の下面に補助継鉄を設けること
により、電機子と界磁とを上下方向に対向させる配置す
る構成の場合と同様に、この継鉄と永久磁石との間に磁
気吸引力が働いて扉の自重の一部を打ち消して車輪にか
かる重力を軽減させることができる。
〔実施例〕
以下この発明を実施例に基づいて説明する。第1図は
この発明の実施例を示す要部立面図、第2図は第1図の
C−C断面図であり、第9図,第10図と同じ部材につい
ては同じ参照符号を付けることにより詳しい説明を省略
する。これらの図において、電機子20のコイル21の界磁
1に対向する側に鋼板又はアルミ板などの良導体からな
る制動板23を設けてある。この制動板23にはコイル21が
生起する進行磁界が鎖交するので、この進行磁界によっ
て誘導される渦電流が流れ渦電流損が発生するが、進行
磁界の速度は小さいので実質的に問題になることはな
い。
扉3が速度を持つとその速度は永久磁石11の電機子20
に対する相対速度であるので、この永久磁石11が生起す
る磁束によって速度に比例する渦電流が制動板23に発生
する。この渦電流によってよく知られているように永久
磁石11の移動の方向と反対方向に働く抗力、言い換えれ
ば制動力が働く。この制動力は永久磁石11の速度の二乗
に比例する。
この発明では、制動板23を設けることにより、コイル
21への交流電源の任意の投入位相に対して常にコイル21
が生起する進行磁界の方向に扉3が加速され同期速度に
達することになるのであるが、この点について詳しく説
明する。
まず制動板23がない場合の現像について述べる。投入
位相が扉3を進行磁界と同じ方向に加速する正の推進力
が生ずる位相であり場合には、扉3は正の方向に加速さ
れて電機子2が生起する進行磁界との間の相対速度が減
少し正の推進力が加わっている時間が増大し正の方向へ
加速する時間も増大する。推進力が正の間に同期速度に
達してしまうと、扉3は進行磁界と同じ同期速度で移動
を継続する。最初の正の推進力の期間で同期速度に達し
なかった場合、正の推進力の後に発生する負の推進力に
よって減速されるが、減速される結果、負の推進力で減
速される時間も減少することから、前述の正の加速によ
って得られた速度が零になることはなく、次の正の推進
力の期間で更に加速され、結果的に同期速度に達するこ
とになる。
投入位相での推進力が負の場合、最初に負の方向に加
速されて進行磁界とは反対の方向に移動を開始するが、
以後の推進力は正負が反転する交番力となり、以後は扉
3の質量による慣性によって最初の加速による負の方向
の速度が維持されたままになる。その結果、進行磁界の
方向に扉3を移動させる筈だったのが反対方向に移動し
続けることになる。
制動板23を設けると、投入位相が正の推進力となる場
合は、前述の制動板23がない場合と同様である。ただ、
扉3の加速は制動板23と永久磁石11との相対速度の増大
となるので、制動力がブレーキとして働くことになるの
で、扉3が同期速度になってもこの制動力に相当する推
進力を必要とするという点が異なる。投入位相が負の推
進力となる場合は、負の方向へ加速されると制動板23に
よる制動力が働いて、負の方向の速度が減速される。こ
の後に正の方向の推進力が働くと更に減速されついには
正の方向に加速されることになり、以後は投入位相が正
の推進力となる場合と同様に同期速度に達するまでの正
の方向に加速される。このように、制動板23を設けるこ
とにより投入位相に関係なく正の方向に加速され同期速
度に達するようになる。
なお、この構成は第9図,第10図の従来技術のLSMと
同様、前述のように永久磁石11と継鉄22との間に働く磁
気吸引力による扉3の重量の軽減効果がそのまま働いて
いる。周波数は後述のようにせいぜい数Hz程度と低いの
で、制動板23に流れる渦電流による磁界の歪みは僅かで
実質的に無視できる程度である。
第3図,第4図は前述の現象を数値シミュレーション
した結果を示す波形図であり、第3図は制動板23が無い
場合、第4図はある場合であり、いずれの図も、横軸は
電源投入後の時間、縦軸は扉の推進力(F)、扉の速度
(v)、扉の移動距離(x)とする。
この数値シミュレーションの条件は次の通りである。
界磁1と扉3の重量;30kg、LSMの最大推力;200N、制動
板23の材質;銅、同厚さ;1mm、極ピッチ;50mm、電源周
波数;4Hz、投入位相角;135゜(推進力が正の最大値にな
る位相を基準にして)。
第3図において、推進力Fが負の最大値を生ずる時点
より僅かに早い時点で投入され、その結果、速度vは負
の方に増大する。推進力Fは正負の波形が同じ交番波形
であるが、この推進力Fの積分波形である速度vは投入
位相によってこの図のように平均値が負の値の脈流波形
になる。扉3の移動距離xは速度vの積分波形なので、
図示のように速度vの平均値に対応して波打ちながら負
の方向に略直線的に増大してゆく。数値シミュレーショ
ンの条件の中に扉3が移動することによって生ずる摩擦
抵抗などの制動力を考慮していないのでこのような波形
になる。この図の横軸の全幅は2秒程度と僅かの時間な
ので、実際の場合でもこの図と大差ないとしてよい。
第4図の制動板23を取付けた場合、移動距離xが殆ど
変わらない最初の僅かの期間では推進力Fや速度vは第
3図の場合と一致するが、速度vの比較から明らかなよ
うに制動力が働いて速度vが小さくなり、正の推進力が
働く次の半周期の間に正の方向の速度である同期速度に
まで加速される。同期速度の値は速度vの波形の右側の
一定値に収まったときの値であるが、この値になるまで
の途中で減衰振動が重畳している。この点は推進力Fの
波形でも同じであり、推進力Fの波形の右側の一定値に
なったときの値は、前述のように制動板23以外の制動力
は考慮していないので、制動板23による同期速度に対す
る制動力に一致している。
45゜間隔の異なる投入位相に対する数値シミュレーシ
ョン結果の比較によると、投入位相角が45゜のときが移
動距離xの立ち上がりが最も遅い結果になっているが、
いずれの場合も1秒以外の遅れ時間で正の方向に移動を
開始している。
前述のようにこの数値シミュレーションでは制動板23
を厚み1mmの銅板としたが、厚み寸法をもっと大きくす
ると制動力が増大するので同期速度に達するのが早くな
る傾向がある一方で、制動力を補償するためにLSMの最
大推進力を大きく設定する必要が生じてLSMの寸法,重
量が増大するという問題が生ずる。したがって、制動板
23の厚みは種々の条件を考慮した最適値を選択する必要
がある。なお、制動板23の材質は前述のような銅ではな
く、アルミでもよく、もっと固有抵抗の大きい金属でも
よい。ただし、銅板などの磁性体は電機子2と界磁1と
を磁気的に遮断することになるので適当ではない。
通常の同期電動機では起動トルクを得るのと、同期速
度を中心にして速度が振動するのを抑制する制動力を得
るのと兼ねて界磁に制動コイルが設けられるのが普通で
あり、この方式をこの実施例のLSMに適用すると制動板2
3を界磁1の方に取付けることに相当する。しかし、こ
のLSMでは永久磁石11の強力な起磁力を利用して小さい
電機子コイルの起磁力で必要な推進力を得るようにして
いるので、前述のように界磁1側に制動板23を取付ける
のは効果が殆どない。
第5図はこの発明の別の実施例を示す要部側断面図で
あり、扉枠6,隠し板61及び扉3は第2図と共通であり、
同じ機能のものに対してはインデックスAを付してあ
る。
この図において、電機子2Aのコイル21Aは図の水平方
向に磁束を発生させるように垂直に設けてあり、このコ
イル21Aを覆うように制動板23Aを設けてある。コイル21
Aと制動板23Aを挟んで左右の両側に対象に2つの永久磁
石11Aとこの永久磁石の背後に設けた継鉄121Aとからな
る界磁1Aを設けてある。界磁1Aは支持具31で扉31に固
定、支持されている。永久磁石11Aは第1図に示す永久
磁石11と同様に第5図の紙面に直角の方向に極性が反転
して並べて配置した複数個の永久磁石からなっている。
コイル21Aもコイル21に述べたと同じに紙面に直角の方
向に複数のコイルを並べてなっており、その構成の図示
を省略してある。この図の構成では、上下方向のコイル
21Aの寸法にかなりの制約があるので、通常の回転機の
電機子コイルに採用されているコイル構成ではなく、界
磁コイルに採用される長方形状コイルを採用するのが妥
当である。この図もその前提で示してある。この構成で
は、コイル21Aが生起した磁束は界磁1Aの継鉄12Aを通っ
て周回することができるので電機子の継鉄は不要な構成
である。この構成は第1図,第2図が界磁1と電流2と
が上下方向に対向した構成であるのに対して、左右対象
配置にした点が異なるだけでそれぞれの部材の作用,機
能は同じである。しかし、このような左右対象にしたた
めに第10図の永久磁石11と継鉄22との間に働いていた磁
気吸引力が永久磁石11Aには働かなくなる。補助継鉄22A
は永久磁石11Aとの間に磁気吸引力を働かせるために設
けたものでありこの図から明らかなようにコイル21Aが
生起した磁束を通すための継鉄ではない。
第6図はこの発明のもう一つ別の実施例を示す要部断
面図であり、コイル21Bと制動板23だけを図示してあ
り、第5図のコイル21Aと制動板23Aを除く他な部材は第
6図でも同じであり、その図示を省略してある。この図
において、制動板23Bは1枚の金属板で構成してあり、
この制動板23Bの左右両側に2つのコイルからなるコイ
ル21Bを対象に設けてある。このように、コイル21Bと制
動板23Bの相対位置を第5図の場合に対して反対にして
もその作用について基本的な差はない。
〔発明の効果〕
この発明は前述のように、電機子に固着しかつ永久磁
石に面を対向した制動板を設けると、扉とともに永久磁
石が移動することによってその速度に応じて制動板に渦
電流が流れて扉に制動力が働く。扉が停止の状態で電機
子に所定の周波数の交流電源を投入し電流を流し始める
と、投入位相が適切なときには、電機子が生起する進行
磁界の進行方向の推進力が働いて扉は進行磁界の方向に
加速される。進行磁界と同じ方向に加速されることによ
って信号磁界と永久磁石との相対速度が小さくなり、そ
の結果、推進力が働く時間も長くなって結果的に扉は進
行磁界と同じ速度の同期速度を得て、以後同じ方向に移
動してゆく。一方、投入位相が適切でない場合には、永
久磁石には進行磁界とは反対方向の推進力が働いて扉は
期待する方向とは反対側に加速される。しかし、扉が移
動し始めると制動板に渦電流が流れて制動力が生じるこ
とから、この移動は長続きせず、後に続く時点で進行方
向の磁気力が発生するので、これによって前述の最初に
進行方向に一致した磁気力が発生した場合と同じように
して進行磁界の進行方向に扉が移動し始める。このよう
に、保守性がよく小型軽量という特長を持つLSMに前述
の制動板を設けることにより、任意の位相で電源投入し
ても電機子が生起する進行磁界の方向に扉は移動するこ
とになるから、従来のLSMは永久磁石の位置を検出し、
更にこの位置検出の結果に基づいた交流電源の投入位相
や周波数の制御を行う制御装置が必要となるという欠点
があったのを、永久磁石の位置検出が不要となり、これ
に伴う複雑な制御装置も不要となるので、安価な扉開閉
用リニアモータとすることができる。
また、電機子が生起する磁束が扉の進行方向に直角の
水平方向になるように配置し、電機子を挟んで両側に永
久磁石界磁を配置した両側界磁の構成を採用とすると電
機子の継鉄が省略できるが、永久磁石に上向きの磁気吸
引力が発生しなくなるので、扉枠の上枠の下面に継鉄を
設けることにより、電機子と界磁とを上下方向に対向さ
せて配置する構成の場合と同様に、この継鉄と永久磁石
との間に磁気吸引力が働いて扉の自重の一部を受け消し
て車輪にかかる重力を軽減させることができる。補助継
鉄の寸法は他の要因に左右されず最適の磁気吸引力にな
るように決定することができるので、電機子と界磁を上
下方向に対向させた配置を採用すると磁気吸引力が過大
になって扉の重量よりも大きくなるような場合この両側
界磁に補助継鉄を設ける構成を採用することにより、適
性な扉開閉用リニアモータとすることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の実施例を示す要部立面図、第2図は
第1図のC−C断面図、第3図は制動板が無い場合の数
値シミュレーション結果の波形図、第4図は制動板が有
る場合の数値シミュレーション結果の波形図、第5図は
この発明の別の実施例を示す要部断面図、第6図はこの
発明のもう一つ別の実施例を示す要部断面図、第7図は
従来の電動機とチェーンとの駆動方式による自動扉の立
面図、第8図は第7図のA−A断面図、第9図は永久磁
石界磁のリニア同期モータ駆動による自動扉の立面図、
第10図は第9図のB−B断面図である。 1,1A:界磁、11,11A:永久磁石、12,12A:継鉄、2,2A,20:
電機子、21,21A,21B:コイル、22:継鉄、22A:補助継鉄、
23,23A,23B:制動板、3:扉、4:車輪、5:レール、6:扉
枠。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】扉の上面に永久磁石界磁を取付け、扉枠の
    上枠の下面に電機子を前記扉の移動範囲の全距離にわた
    って取付けリニア同期モータを構成する扉開閉用リニア
    モータにおいて、前記電機子に固着し前記永久磁石に面
    を対向した良導体からなる制動板を設けてなることを特
    徴とする扉開閉用リニアモータ。
  2. 【請求項2】電機子のコイルが生起する磁束が扉の進行
    方向に直角に水平方向であり、このコイルを挟んで両側
    に永久磁石界磁を配置してなり、前記扉枠の上枠の下面
    に補助継鉄を設けてなることを特徴とする請求項1記載
    の扉開閉用リニアモータ。
JP2043061A 1989-11-08 1990-02-23 扉開閉用リニアモータ Expired - Lifetime JP2626130B2 (ja)

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