JP2625448B2 - ゲートターンオフサイリスタの駆動回路 - Google Patents

ゲートターンオフサイリスタの駆動回路

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JP2625448B2 JP62284119A JP28411987A JP2625448B2 JP 2625448 B2 JP2625448 B2 JP 2625448B2 JP 62284119 A JP62284119 A JP 62284119A JP 28411987 A JP28411987 A JP 28411987A JP 2625448 B2 JP2625448 B2 JP 2625448B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、ゲートターンオフサイリスタ(以下GTOと
いう)の駆動回路に係り、特に、GTOのカソード側に負
荷が接続され、フローテイング状態で使用されるGTOの
駆動回路に関する。
〔従来の技術〕
GTOは、通常のサイリスタと同様に、そのPゲートに
電流が加えられるか、Nゲートから電流が引き抜かれる
ことによつてターンオフするが、通常のサイリスタと異
なり、Pゲートから電流を引き抜くことによつてターン
オフする。すなわち、GTOは、ターンオフ制御が可能で
ある点に特徴を有し、そのターンオフ駆動回路は、サイ
リスタの場合と全く同一である。個別素子におけるGTO
のターンオフ駆動回路は、Pゲートから電流を引き抜く
ために、専用のオフゲート用電源を有し、カソードから
ゲートに負のゲート電流を流してGTOをターンオフさせ
るように構成されるのが一般的である。しかし、この方
法は、駆動回路が複雑となり、かつ、負の電源を専用に
必要とするという問題点を有する。
このような問題点を解決したGTOのターンオフ駆動回
路の従来技術として、例えば、特開昭59−14355号公報
に記載された技術が知られている。この従来技術は、タ
ーンオフゲートであるPゲートとカソードとの間にトラ
ンジスタを接続してターンオフ駆動回路を構成するもの
である。
以下、この種従来技術を図面により説明する。
第2図(a),(b)は、GTOと、負荷との接続位置
の異なる従来技術による2種類のGTOのターンオフ駆動
回路を示す図、第3図はモータドライバスイツチ素子と
してGTOを使用した場合の従来技術によるGTOのターンオ
フ駆動回路を示す図である。これらの回路図には、GTO
のターンオフ駆動回路は、省略して図示していない。第
2図(a),(b)及び第3図において、1,2はGTO、3
は負荷、5,51,52はゲート抵抗、7は電流検出抵抗、8,8
1,82はターンオフパルス信号、10は接地電位、11,21は
アノード、12,22はNゲート、13,23はPゲート、14,24
はカソード、61,62は還流ダイオード、63はゼナーダイ
オード、VCCは負荷用電源、Q30、Q40はオフ用トランジ
スタである。
第2図(a)に示す回路は、負荷3がGTO1のアノード
11に接続され、GTO1のカソードが接地電位に接続され
て、負荷3に対する負荷電源VCCの印加で制御するもの
である。GTO1のターンオフ駆動回路は、GTO1のPゲート
13とカソード14の間に接続されたオフ用トランジスタQ
30とゲート抵抗5とオフ用トランジスタQ30のベースに
接続されたターンオフパルス信号8とにより構成され
る。このターンオフ駆動回路は、ターンオフパルス信号
8により、トランジスタQ30をオンとすることにより、G
TO1をオン状態からオフ状態に移行させることができ
る。トランジスタQ30のオン状態におけるコレクタ−エ
ミツタ間電圧VCEは、GTO1のオン状態におけるPゲート1
3−カソード14巻の電位VGKに対して、 VCE<VGK0.6〔V〕 ……(1) を満足させれば、Pゲート13から電流を引き抜くことが
できる。このため、オフ用トランジスタQ30は、飽和動
作させることが必要である。
一方、GTO1がオン状態のときのアノード11に流れる電
流をIAとし、GTO1がオフ状態に移行するときのPゲート
13から引き抜かれる最大ゲート電流をIGとした場合、タ
ーンオフゲインは次式で表わされる。
この第(2)式の値は、GTO1の構造、プロセス定数に
よつて変化する。そして、第(2)式で定まるゲート電
流IGが、トランジスタQ30のコレクタ電流ICとなる。ト
ランジスタQ30は、飽和動作を行うので、第(2)式の
最大ゲート電流IGが流されたときのトランジスタQ30
コレクタ−エミツタ飽和電圧VCESは、 VCES<0.6〔V〕 ……(3) を満足する必要がある。トランジスタQ30に充分なベー
ス電流を供給している場合、VCESは、ほとんどコレクタ
抵抗RCによつて決定される。コレクタ抵抗RCは、トラン
ジスタの幾何学的寸法に逆比例するので、VCESを小さく
するためには、Q30の寸法を大きくする必要がある。こ
のため、GTO1とそのターンオフ駆動回路であるトランジ
スタQ30を同一のシリコン基板上に集積化する場合、チ
ツプの大きさの増大を招くことになる。
このような、トランジスタQ30の寸法が大きくなるこ
とを防止する駆動回路が、前述した特開昭59−14355号
公報に示されており、この従来技術は、GTO1のカソード
14と接地電位10との間にダイオードまたは抵抗を挿入す
ることにより、カソード電位VKを上昇させるものであ
る。この場合、(3)式のVCESは、 VCES<VGK+VK0.6+VK ……(4) を満足すればよく、オフ用トランジスタQ30は、カソー
ド電位VKの上昇分だけ小型にできることになる。
第2図(b)に示す回路は、負荷3がGTO1のカソード
14と接地電位10との間に接続され、ターンオフ駆動用の
トランジスタQ40がGTO1のPゲート13と接地電位10との
間に接続されて構成されている。この回路において、GT
O1のカソード電位は、GTO1がオフの場合、ほとんど接地
電位10に等しく、GTO1がオンの場合、負荷用電源VCC
等しい電位となる。ターンオフ駆動回路となるトランジ
スタQ40は、ターンオフパルス信号8によつてオンとな
り、これによりGTO1をオフ状態に移行させることができ
る。このとき、トランジスタQ40のVECは、負荷用電源V
CCの電位から、ほぼVCESまで変化し、トランジスタQ40
は、能動状態から飽和状態へ変化する動作を行う。この
場合も、前述の第(2)式に示すGTO1のターンオフゲイ
ンは変化しないので、GTO1がオンからオフ状態へ変化し
ていく期間中、トランジスタQ40は、能動状態にあり充
分なゲート電流IGを引き抜くことが可能である。しか
し、GTO1がオフ状態に近づくに従つて、トランジスタQ
40のコレクタ電位が零に近づくので、ターンオフ駆動回
路のゲート電流引き抜き機構は、第2図(a)の場合と
同一になつてしまう。すなわち、トランジスタQ40にお
けるターンオフパルス信号8によるトランジスタQ40
ベースバイアス電流をIB、トランジスタQ40のエミツタ
接地電流増幅率hFEとするとき、ゲート電流IGは、 IG<hFE・IB ……(5) である必要がある。
しかし、負荷3が定電流負荷でない限り、GTO1がオフ
に移行するにつれ、カソード14の電位が低下する結果と
して、アノード電流IAも減少してくるので、トランジス
タQ40のコレクタ抵抗RCを第2図(a)の場合のトラン
ジスタQ30ほど小さくする必要はなく、トランジスタQ40
の幾何学的寸法をトランジスタQ30ほど大きくする必要
はない。
第3図は負荷がインダクタであり、それがモータ巻線
である場合のGTOのターンオフ駆動回路を示している。
第3図に示すように、モータ巻線であるインダクタL
を制御する回路は、インダクタLの両端に、スイツチと
してのGTOが配置されて構成される。スイツチがオフと
されたとき、インダクタLに蓄積されていたエネルギー
は、高電圧、大電流となつて放出されるため、スイツチ
としては、逆方向バイアスの安全動作領域(ASOとい
う)の広いことが要求される。GTOは、トランジスタよ
り広い逆バイアスASOを持つているので、インダクタ負
荷を制御するスイツチ素子として適している。
第3図において、インダクタLの下端L−1と接地電
位10との間に接続されているGTO1をオンとしておき、イ
ンダクタLの上端L−2と負荷用電源VCCの高電位側と
の間に接続されているGTO2をオン,オフ制御することに
より、インダクタLに流れる電流を一定に保つチヨツパ
制御法が、一般的に行われている。第3図における電流
検出抵抗7の高電位側、すなわち、GTO1のカソード14と
の接続点の電位は、図示されていないチヨツパ制御回路
に接続され、ターンオフパルス信号82を制御する。GTO2
がオフとなつたとき、インダクタLに蓄えられた電流の
通路は、インダクタLの下端L−1→GTO1→電流検出抵
抗7→接地電位10→還流ダイオード61→インダクタLの
上端L−2となる。なお、還流ダイオード62及びゼナー
ダイオード63は、GTO1及びGTO2がともにオフとなつたと
きに、インダクタLに蓄えられた電流を流す通路を構成
するものであつて、この場合の電流通路は、インダクタ
Lの下端L−1→還流ダイオード62→ゼナーダイオード
63→負荷用電源VCC→接地電位10→還流ダイオード61→
インダクタLの上端L−2となる。
いま、GTO1がオン状態であるとし、GTO2をオン状態か
らオフ状態に移行させるものとする。このとき、ターン
オフパルス信号82は、オフ用トランジスタQ40をオンさ
せるように、トランジスタQ40に印加され、これによつ
て、オンとなつたトランジスタQ40は、GTO2のPゲート2
3から電流を引き抜き、GTO2をオフ状態に移行させる。G
TO2が完全にオフとなつたとき、インダクタLに蓄えら
れた電流は、還流ダイオード61を通つて流れるので、還
流電流によるダイオード61の順方向電圧降下をVBEとす
ると、GTO2のカソード24の電位は、−VBEとなる。この
電圧は、GTO2のゲート抵抗52とPゲート23、カソード24
間のPN接合との2つの分路を通してトランジスタQ40
コレクタに伝えられる。このとき、トランジスタQ40
ベースにターンオフパルス信号82が印加されているの
で、トランジスタQ40は、逆トランジスタとして動作
し、エミツタ41からコレクタ42に向つて電流が流れる。
この電流は、GTO2のPゲート23に流れ込むので、GTO2
は、オン状態に移行しようとする。しかし、GTO2がオン
となり、そのカソード電位が正方向に上昇してくると、
再びトランジスタQ40がPゲート23から電流を引き抜き
始めるので、GTO2は、オンとはなり得ない。結局GTO2
は、トランジスタQ40が逆トランジスタとして動作し、G
TO2のPゲート23に電流を流し込むとき、Nベース22を
コレクタとするNPNトランジスタとして動作する。この
ように、GTO2は、完全にオフ状態に移行されず、トラン
ジスタQ40にターンオフパルス信号82が加えられている
間、GTO2のNPNトランジスタ動作により、インダクタL
に電流を流し、不必要な電力消費を生じさせてしまう。
なお、GTO1のオンからオフへの移行時には、このような
不都合な動作は生じない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前述したように、従来技術によるGTOの駆動回路は、
カソード側にモータ巻線等のインダクタ負荷が接続され
ているGTOのPゲートと接地電位との間に接続したオフ
用トランジスタをオンとして、Pゲートから電流を引き
抜いてGTOをターンオフするとき、インダクタ負荷に蓄
えられたエネルギーによる誘起電圧の影響によつて、オ
フ用トランジスタ及びGTOの動作が不安定になり、負荷
に不必要な電流が流れるという問題点があつた。
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決
し、そのカソード側に負荷が接続されたフローテイング
状態で使用されるGTOにおいて、そのカソード電位が負
に変化する場合でも、確実にGTOをターンオフさせるこ
とのできるGTOのターンオフ駆動回路を提供することに
ある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明によれば、前記目的は、GTOのターンオフ駆動
回路を、GTOのPゲートから電流を引き抜くトランジス
タと、Pゲートとカソード間をシヨートするトランジス
タとを組合せ、これらが自動的に切換えられるように構
成し、ターンオフ駆動電流を2段階または経時的に連続
して制御するようにすることにより達成される。
〔作用〕
GTOのPゲートから電流を引き抜くトランジスタをオ
ン状態とすると、このトランジスタにより、GTOのPゲ
ートから電流の引き抜きが行われ、GTOはオフ状態への
移行を開始する。GTOのオフ状態への移行が進行するとG
TOのカソード電位が低下し、やがてカソード電位が接地
電位以下に低下して、Pゲートから電流を引き抜くトラ
ンジスタが逆トランジスタとして動作し、GTOは、NPNト
ランジスタとして動作しようとする。
しかし、GTOのカソード電位が所定値まで低下する
と、Pゲートとカソード間をシヨートするトランジスタ
が自動的にオン状態に移行し、Pゲートからの引き抜き
電流は、より電位の低いカソードに向つて流れるように
なつて、電流の引き抜きが継続され、結局GTOは完全に
オフ状態となる。
〔実施例〕
以下、本発明によるGTOの駆動回路の一実施例を図面
により詳細に説明する。
第1図(a)は本発明の一実施例の構成を示す回路
図、第1図(b)は電流パルス切換回路の出力波形を示
す図である。第1図において、64は低圧ダイオード、65
は高圧ダイオード、83は電流パルス切換回路、Q70はオ
フ用トランジスタであり、他の符号は、第2図,第3図
の場合と同一である。
第1図(a)に示す本発明の一実施例は、第3図によ
り説明した従来技術においては、フローテイング状態で
動作するGTO2のカソード24が負電位になるのは、GTO2が
オフのときであつて、GTO1のオン,オフには関係しない
ので、簡単のため、インダクタLの低電位側L−1を接
地電位に接続した構成として示されている。また、第1
図(a)は、GTOのターンオフ駆動回路を省略し、ター
ンオフ駆動回路のみの構成を示している。
第1図に示す本発明の一実施例のGTOのターンオフ駆
動回路は、Pゲート23から電流を引き抜くために、該P
ゲート23と接地電位10との間に接続されたトランジスタ
Q40と、Pゲート23とカソード24とをシヨートするため
に、これらの間に接続されたトランジスタQ70とにより
構成され、これらのトランジスタQ40,Q70のベースが、
電流パルス切換回路83を介して、ターンオフパルス信号
82により制御され、GTO2をオン状態からオフ状態に移行
制御するものである。
第1図において、GTO2がオン状態であるとし、ターン
オフパルス信号82を印加することによつて、GTO2をオフ
状態に移行させる場合の動作を説明する。
ターンオフパルス信号82が、電流パルス切換回路83、
ダイオード64を介してオフ用トランジスタQ40のベース
に印加されると、トランジスタQ40は、オンとなり、GTO
2のPゲート23から電流の引き抜きを開始する。このと
き、GTO26カソード24は、ほぼ負荷用電源VCCに等しい電
位から減少していくことになる。オフ用トランジスタQ
40,Q70のベースに印加されるターンオフパルス信号82
は、論理レベルの信号であり、負荷用電源VCCより、極
めて小さな電圧レベルを有する。このため、トランジス
タQ70のエミツタ71とベース73は逆バイアスとなり、ト
ランジスタQ70はオフ状態となつている。トランジスタQ
70のエミツタ−ベース接合は、低圧接合であり、負荷用
電源VCCとしては、高電圧が印加される。このため、図
示回路は、トランジスタQ70のベースに高圧ダイオード6
5を挿入して、トランジスタQ70のエミツタ−ベース接合
を保護している。GTO2のオンからオフへの移行開始時、
前述のようにトランジスタQ70はオフであるから、Pゲ
ート23からの電流の引き抜きは、トランジスタQ40のみ
で行われることになる。この動作は、第3図におけるト
ランジスタQ40の動作と同様である。
このトランジスタQ40によるPゲートの電流が引き抜
かれ、GTO2のカソード電位VKが、次に示す第(6)式の
値まで低下すると、トランジスタQ40はオフとなり、ト
ランジスタQ70がオンとなる。
VK=2VF(64)+VBE(40)−VF(65)−VBE(70) ……(6) 但し、VF(64)は、ダイオード64−1,64−2の夫々の順
電圧、VBE(40)は、トランジスタQ40のベース−エミツタ
間順電圧、VF(65)はダイオード65の順電圧、VBE(70)
トランジスタQ70のベース−エミツタ間順電圧である。
前記第(6)式において、 VF(64)VBE(40)VF(65)VBE(70)≡VBE0.7〔V〕 と考えられるので、前記第(6)式は、次のようにな
る。
VK〜VBE0.7〔V〕 ……(7) 次に、前記第(6)式及び第(7)式の意味を詳細に
説明する。
第1図(a)において、ターンオフパルス信号82の通
る電流パスは、次の2通りのパスがある。
.82→64−1→64−2→43→41→10 .82→65→73→71→VK→10 いま、カソード電位VKが前述の第(6)式の値より大
きい場合、ターンオフパルス信号82の電流パスは、の
電流パスのみが有効となり、カソード電位VKが第(6)
式の値より小さい場合、の電流パスのみが有効とな
る。この結果、第1表に示すように、GTO2のカソード電
位VKの値によつて、トランジスタQ40,Q70は交互にオ
ン,オフすることになる。
GTO2のカソード電位VKの変化は、GTO2のオンからオフ
への移行によつて起るものであり、トランジスタQ40,Q
70の切換えは、全く自動的に行われる。さて、GTO2が完
全にオフ状態となり、インダクタLに蓄えられた電流
が、還流ダイオード61を流れ、GTO2のカソード電位VK
負電位になつたとする。この場合、前述のターンオフパ
ルス信号82の電流パスは無効であり、トランジスタQ
40が逆トランジスタとして動作することはない。一方、
トランジスタQ70のエミツタ71は、GTO2のカソード24に
接続され、コレクタ72はGTO2のPゲートに接続されてい
るので、GTO2のカソード電位VKが負電位となつた場合で
も、トランジスタQ70のコレクタ電位は、Q70のエミツタ
電位より大きく、トランジスタQ70は逆トランジスタと
して働くことはない。このため、ターンオフパルス信号
82の電流パスは有効であり、トランジスタQ70による
Pゲート23からの電流の引き抜きが、引続き行われるこ
とになり、GTO2が、オンとなることが無くなる。
第1図(b)は、電流パルス切換回路83におけるター
ンオフパルス信号82の制御を説明する波形を示してい
る。
第1図(a)におけるGTO2のターンオフ動作におい
て、GTO2のターンオフ開始から、ターンオフ完了までの
期間をt1とし、カツトオフ完了後、GTO2のカソード電位
が負となり、トランジスタQ70が飽和状態となる期間をt
2とすれば、期間t1とt2では必要なターンオフパルス信
号電流が異なる。すなわち、期間t1においては、トラン
ジスタQ40を動作させ、GTO2のPゲートから大電流を引
き抜く必要があるため、トランジスタQ40のベース電流
は、相当に大きな電流が必要となる。一方、期間t2にお
いては、GTO2のPゲート23からトランジスタQ70のコレ
クタへの電流供給がないため、わずかのベース電流でト
ランジスタQ70は、飽和状態となる。電流パルス切換回
路83は、前述の期間t1,t2の電流レベルを自動切換えす
るものである。
この電流パルス2段切換回路83を備える第1図(a)
に示す本発明の一実施例は、GTO2のターンオフ制御時
に、ターンオフとなる不安定な動作を行うことがないの
で、余分な電流損失を生じることがなく、また、トラン
ジスタQ70が必要以上の飽和度となることがなく、GTO2
のオフ状態への移行における遅延時間を短縮するこがで
きるという効果を奏する。
第4図は本発明の他の実施例の回路を示す図である。
第4図において、66,67はダイオード、80はGTO制御信
号、84はコンパレータ、85はANDゲート、86はインバー
タ、VBは論理電源、Q90,Q100,Q110はトランジスタ、Q41
はダーリントントランジスタである。
第4図に示す本発明の実施例は、GTO2のアノード電流
IA、すなわち、負荷であるインダクタLを流れる電流が
大きい場合でも、完全にGTO2をターンオフ可能とするも
のである。このため、この実施例は、第1図(a)に示
すオフ用トランジスタQ40のベース−コレクタ間にダー
リントントランジスタQ41を接続し、トランジスタQ40
Pゲートからの引き抜き電流の増加を図ることができる
ように構成されている。このダーリントントランジスタ
Q41のベース−エミツタ接合は、第1図(a)における
ターンオフパルス信号82の電流パスの中のダイオード
64の1個分と同等の電圧降下を生じるので、第4図の実
施例では、ダイオード64は1個でよい。
この第4図に示す本発明の実施例の回路図は、GTO2の
ターンオフ駆動回路と、電流パルス切換回路83の詳細な
回路も示している。
GTOのターンオフ回路は、インバータ86とトランジス
タQ90とにより構成されており、この回路において、ト
ランジスタQ90は、GTO2のNゲート22から電流を引き抜
くことにより、GTO2をオン状態に駆動することができ
る。そして、この駆動回路は、GTO制御信号80のローレ
ベルにおいて、インバータ86を介してトランジスタQ90
がオンとなつて、GTO2をオンに駆動する。
電流パルス切換回路83は、トランジスタQ100,Q110、A
ND回路85、コンパレータ84、ダイオード66,67及び通常5
Vである論理電源VEにより構成される。トランジスタQ
100,Q110は、GTO2のターンオフ制御用の電流供給を行う
もので、その電流供給能力は、抵抗R1とR2の値によつて
定まる。いま、R1>R2とすれば、トランジスタQ100の供
給電流I100と、トランジスタQ110の供給電流I110との関
係は、I100<I110となる。第1図(b)により説明し
た、大きなターンオフパルス信号電流を必要とする期間
t1において、後に示す第(8)式及び第(10)式によ
り、コンパレータ84の入力は、+側電位が−側電位より
大きくなり、コンパレータ84の出力がこの期間t1でハイ
レベルとなる。また、GTO制御信号80もハイレベルとな
つているので、トランジスタQ100は、GTO制御信号80に
より、トランジスタQ110は、GTO制御信号80とコンパレ
ータ84の出力がAND回路85を経た出力で夫々オン状態と
される。このため、この期間t1における電流パルス2段
階切換回路83の供給電流I1は、I1=I100+I110となる。
この供給電流I1により、GTO2がターンオフし、GTO2のカ
ソード電位が0V以下になると、第(8)式,第(9)式
により、コンパレータ84の入力は、+側電位が−側電位
より小さくなる。このため、コンパレータ84の出力はロ
ーレベルとなり、トランジスタQ110はオフ状態となる。
従つて、第1図(b)により説明した、ターンオフパル
ス信号電流が小さくてすむ期間t2で、電流パルス切換回
路83の供給電流I2は、トランジスタQ100のみの電流とな
り、I2=I100となる。このように、電流パルス切換回路
83は、期間t1と期間t2における供給電流を自動的に2段
階に切換えることができる。
V+=VF(64)+VBE(41)+VBE(40)2.1V ……(8) V+=VF(65)+VBE(70)+VK ……(9) V-=VF(66)+VF(67)1.4V ……(10) 但し、V+はコンパレータの+側電位、V-はコンパレー
タの−側電位、VF(60),VF(67)はダイオードの順電圧
0.7Vであり、他は第(6)式の場合と同一である。ま
た、第(8)式はトランジスタQ40がオンの期間に成立
し、第(9)式はトランジスタQ70がオンの期間に成立
する。
第5図は本発明のさらに他の実施例の回路を示す図で
ある。第5図において、87,88はNAND回路、C1はコンデ
ンサ、R3は抵抗であり、他の符号は第4図の場合と同一
である。
第5図の示す実施例は、第4図における電流パルス切
換回路83の構成を変更したもので、この実施例における
電流パルス切換回路83は、トランジスタQ100,Q110、NAN
D回路87,88、コンデンサC1及び抵抗R3により構成され、
NAND回路87,88、コンデンサC1、抵抗R3より成る回路が
トランジスタQ110をオンとする期間を決定する。すなわ
ち、この回路は、GTO制御信号80がハイレベルになる
と、その後、コンデンサC1と抵抗R1とによつて定まる期
間のみ、トランジスタQ110をオン状態とさせる。この期
間は、第1図(b)における期間t1に合わせて予め設定
しておく、このとき、第4図の場合と同様に、供給電流
I1は、I1=I100+I110となり、また、期間t2の供給電流
I2は、トランジスタQ100のみがオン状態となつているの
で、I2=I100となる。
前述した本発明の実施例は、GTOをターンオフする駆
動電流を2段階に切換えるものとしたが、本発明は、駆
動電流を連続して変化するようにしても、同様な効果を
奏することができる。
〔発明の効果〕
以上説明したように、本発明によれば、GTOのターン
オフ駆動回路に、トランジスタQ70、ダイオード64,65を
付加することによつて、フローテイング配置で用いられ
るGTOのカソード電位が負に変化する場合でも、GTOを確
実にターンオフすることが可能となる。また、1個のタ
ーンオフパルスの電流パスを、従来のターンオフ用のト
ランジスタと、本発明により新たに設けたターンオフ用
のトランジスタQ70とのパスとに自動的に切換えられる
ため、ターンオフに要する駆動電力が増加することもな
い。しかも、この2つの電流パスの切換えは、GTOのカ
ソード電位の小さい時点、すなわち、GTOのアノードを
流れる電流が小さい時点で自動的に行われるため、トラ
ンジスタQ70のコレクタ抵抗は、GTOのアノードに負荷を
接続する従来技術の場合のターンオフ用のトランジスタ
ほど小さくする必要はなく、トランジスタQ70の幾何学
的寸法を小さくすませることができる。さらに、本発明
によれば、電流パルス切換回路83を備えているので、電
流損失を小さく抑えることができ、かつ、GTOをターン
オフ制御する場合の動作の遅延時間を短縮することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の一実施例の構成を示す回路図、
第1図(b)は電流パルス2段切換回路の出力波形を示
す図、第2図(a),(b)は従来技術による2種類の
ターンオフ駆動回路を示す図、第3図はGTOをモータド
ライバスイツチ素子して使用した場合の従来技術による
ターンオフ駆動回路を示す図、第4図,第5図は夫々本
発明の他の実施例の構成を示す回路図である。 1,2……GTO、3……負荷、5,51,52……ゲート抵抗、61
〜67……ダイオード、7……電流検出抵抗、8,81,82…
…ターンオフパルス信号、80……GTO制御信号、10……
接地電位、11,21……アノード、12,22……Nゲート、1
3,23……Pゲート、14,24……カソード、83……電流パ
ルス切換回路、84……コンパレータ、86……インバー
タ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松崎 均 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 苅谷 忠昭 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 金子 秀蔵 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 実開 昭52−114646(JP,U)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ゲートターンオフサイリスタのカソード側
    に負荷を接続し、フローテイング状態で動作するゲート
    ターンオフサイリスタの駆動回路において、ゲートター
    ンオフサイリスタのPゲートから電流を引き抜くトラン
    ジスタ及びゲートターンオフサイリスタのPゲート、カ
    ソード間をシヨートするトランジスタにより構成され、
    これらが自動的に切換わるターンオフ駆動回路と、 該ターンオフ駆動回路におけるターンオフ駆動電流を2
    段階または連続的に切換える電流パルス切換回路とを備
    えたことを特徴とするゲートターンオフサイリスタの駆
    動回路。
  2. 【請求項2】前記電流パルス切換回路は、前記2つのト
    ランジスタのベース電位に応じて、ターンオフ駆動回路
    の駆動電流を切換えることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のゲートターンオフサイリスタの駆動回路。
  3. 【請求項3】前記電流パルス切換回路は、ターンオフ動
    作の開始からのタイミングにより、ターンオフ駆動回路
    の駆動電流を切換えることを特徴とする特許請求の範囲
    第1項記載のゲートターンオフサイリスタの駆動回路。
  4. 【請求項4】前記ゲートターンオフサイリスタのPゲー
    トから電流を引き抜くトランジスタは、ダーリントン接
    続されたトランジスタであることを特徴とする特許請求
    の範囲第1項,第2項または第3項記載のゲートターン
    オフサイリスタの駆動回路。
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