JP2624477B2 - 軟質ポリウレタンフオームの製造方法 - Google Patents

軟質ポリウレタンフオームの製造方法

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JP2624477B2
JP2624477B2 JP62006209A JP620987A JP2624477B2 JP 2624477 B2 JP2624477 B2 JP 2624477B2 JP 62006209 A JP62006209 A JP 62006209A JP 620987 A JP620987 A JP 620987A JP 2624477 B2 JP2624477 B2 JP 2624477B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は繊維基質材等に対する熱融着性にすぐれた軟
質ポリウレタンフォームの製造方法に関するものであ
る。
従来ポリエーテルポリオールから得られる軟質ポリウ
レタンフォームは物性特に反発弾性率、圧縮永久歪、硬
度等において優れた性質を持っているが、熱融着性、高
周波溶接性においてはポリエステルポリオールから得ら
れるポリウレタンフォームにはるかに劣っている。従っ
て、ポリエーテルポリオール使用からポリウレタンフォ
ームのフォーム物性を保ちながら、熱融着性を改良し、
積層分野に適したポリウレタンフォームを製造すること
が多年要望されてきたが、今だ満足なポリウレタンフォ
ームが得られていない。熱融着用硬質ポリウレタンフォ
ームは、従来熱融着性を改良するために通常のポリエー
テルポリオールを変性したポリエーテル系ポリオール
や、特定添加剤を使用して製造されていた。たとえば、
特公昭46−28425号公報にはポリエーテルポリオールの
末端をエステル変性した変性ポリエーテル系ポリオール
が記されている。上記の方法はリン化合物と併用するこ
とにより熱融着性の優れたポリウレタンフォームは得ら
れるが、反発弾性率、圧縮永久歪等の物性低下が大き
く、通常のポリエーテルポリオールから作ったポリウレ
タンフォームの長所が失われている。
また、特開昭49−13880号公報、特開昭56−136814号
公報、特開昭57−162718号公報、特開昭60−133020号公
報、特開昭61−78816号公報などには、水酸基末端ポリ
ウレタンプレポリマーを含むポリオールを用いて熱融着
性の軟質ポリウレタンフォームを製造することが記載さ
れている。
しかし、これらの方法によって得られたポリウレタン
フォームは反発弾性率等のフォーム物性は良好なもの
の、十分な熱融着性は得られてない。さらにネオペンチ
ルグリコール等を高分子量ポリエーテルポリオール中で
ポリイソシアネート化合物と反応させて、高分子量ポリ
エーテルポリオール中のポリウレタン溶液を作る方法で
は高分子量ポリエーテルポリオール中のポリウレタン溶
液に白濁、沈殿を生じやすく、これを防ごうとすると著
しい増粘をもたらす。
さらに、前記特開昭60−133020号公報にはポリエーテ
ルポリオールとポリイソシアネート化合物の反応により
得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに
ジエチレングリコールなどの低分子ジオールを反応させ
て得られるOH末端ウレタンプレポリマーを特定のリン化
合物と併用してポリウレタンフォームを製造することが
記載されている。しかし、このOH末端ウレタンプレポリ
マーを使用する方法からは充分な耐剥離強度を有するフ
ォームを得難い。また、耐剥離強度を上げるためには、
上記プレポリマーの配合量を多くしなければならず、結
果としてポリオール全体の粘度が上昇するとともに、フ
ォームの通気性が低下し、成形後フォームの収縮が起こ
るなどの問題を生じるおそれが大きい。
[発明の解決しようとする問題点] 本発明は前記従来技術の有していた問題点を解決し、
通気性や成形性が良好で、フォーム物性の低下が少な
く、かつ充分な熱融着性を有する軟質ポリウレタンフォ
ームを提供することを目的とするものである。
[問題点を解決するための手段] 本発明は前記目的を達成した軟質ポリウレタンフォー
ムの製造方法を提供する下記の発明である。
平均水酸基価28〜120のポリオールとポリイソシアネ
ート化合物を発泡剤や触媒などの助剤の存在下で反応さ
せて軟質ポリウレタンフォームを製造する方法におい
て、該ポリオールが変性ポリオールと水酸基価28〜120
のポリエーテル系ポリオール混合物からなるポリオール
組成物であり、該変性ポリオールが、 水酸基価25〜170のポリエーテル系ポリオール(a)
[その量は(a),(b),(c),および(d)の合
計に対して50〜97重量%]、ジオキシプロピレングリコ
ールまたはトリオキシプロピレングリコール(b),お
よび任意に平均分子量1000以下のモノオールあるいは該
(a),(b)以外のポリオール(c)[ただし、その
量の上限は該(b)に対して等重量]の混合物に、該
(b)と(c)の合計当量に対して0.3〜1.2倍当量[た
だし、(a),(b)および(c)の合計当量に等しい
等当量未満]のポリイソシアネート化合物(d)を添加
反応させて得られる変性ポリオール、 であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製
造方法。
まず、本発明における変性ポリオールについて説明す
る。本発明における変性ポリオールは、上記(a),
(b),および(d)または(a),(b),(c),
および(d)の成分を原料として得られる。(a)と
(b)の混合物あるいは(a)と(b)と(c)の混合
物に(d)を反応させること、(d)は主として(b)
あるいは(b)と(c)と反応し、一部は(a)とも反
応すると考えられる。仮に、(c)を使用しない場合を
考える。そのとき、(d)の使用量が(b)に対して約
等当量以下の場合、(d)の大部分は(b)と反応する
が、確率的に少量の(a)とも反応すると考えられる。
(d)の使用量が(b)に対して約等当量以上の場合
は、さらに多くの(d)が(a)と反応すると考えられ
る。ただし、(d)は多官能性であるので、いずれの場
合も1分子の(d)は主として(b)が(a)と(b)
の両者と反応することが少なくないと考えられる。いず
れにしても、(d)の使用量は(a)と(b)の合計当
量未満であるので、生成物は過剰分の水酸基を有するポ
リオールであり、フリーのイソシアネート基は実質的に
残存しないと考えられる。また、上記のように(d)は
(a)と(b)に確率的に反応するので、生成物は単独
化合物ではなく、種々の反応生成物の混合物であると考
えられる。ただし、特別の事情のない限り、分子量の差
異により(b)は(a)よりも(d)と反応し易く、生
成物中の未反応の(b)の反応前の(b)に対するモル
割合は、未反応の(a)の反応前の(a)に対するモル
割合よりも極めて低くなっているものと思われる。
(b)とともに(c)を併用した場合、(c)は(b)
と同様の反応挙動を示すものと考えられる。ただし
(c)がモノオールである場合は末端停止反応により生
成物の水酸基数が減少するので、後述のようにあまり多
量に使用することは好ましくない。
本発明において、(b)と(c)の合計当量に対する
(d)の当量は0.3〜1.2倍当量であることが必要であ
り、より好ましくは0.5〜1.15倍当量である。この
(d)の当量数が低すぎると得られるフォームの熱融着
性が不十分となるとともに、低分子の(b)や(c)の
残存量が多くなりフォームの物性に悪影響を与えやす
い。逆に(d)の当量数が高すぎると、得られる変性ポ
リオールの粘度が高くなりすぎる。ただし、(d)の当
量数は(a),(b),(c)の合計当量に対して等当
量未満でなくてはならない。もし、等当量以上になると
変性ポリオールではなくポリウレタン重合体となって
(余分の水酸基がないから)ゲル化する。しかし(a)
が極めて高分子量でかつその使用量が少なくならない限
り、(d)の当量数が等当量近くになることはない。通
常(a),(b)および(c)の合計当量に対する
(d)の当量数は約0.65当量以下である。
(a)と(b)(および、場合により、さらに
(c))の混合物に(d)を添加反応させて変性ポリオ
ールを得る本発明における方法は、他の方法による変性
ポリオールに比べて種々の特徴を有する。たとえば、低
分子量ポリオールとポリイソシアネート化合物は反応さ
せて、生成物を高分子量ポリオールに溶解する方法は、
低分子量ポリオールが低分子量化する程、および低分子
量ポリオールとポリイソシアネート化合物の当量比が1
に近くなる程得られる生成物の粘度が高くなり、高分子
量ポリオールに溶解不能となったり、生成物がゲル化し
取り扱いが不可能となる。しかし、本発明において、
(b)(および(c))に対する(d)の当量数は1に
近い程得られるフォームの熱融着性は良好となり、しか
も上記方法に比べて低い粘度の変性ポリオールが得られ
る。さらに、仮に上記公知方法における低分子量ポリオ
ールとポリイソシアネート化合物の当量比と本発明にお
ける(b)と(d)の当量比を等しくして、同じ高分子
量ポリオールを用いて変性ポリオールを製造した場合に
も、本発明における方法で得られる変性ポリオールを使
用して得られるフォームはより高い熱融着性を有する。
一方、高分子量ポリオールに過剰のポリイソシアネー
ト化合物を反応させた後低分子量ポリオールを反応して
得られる変性ポリオールは、本発明における方法で得ら
れる変性ポリオールよりもより斉一な構造を有するはず
であるが、実際には高分子量ポリオールがポリイソシア
ネート化合物を介して連結して多量化し、変性ポリオー
ルの粘度を著しく高いものとする。また、高粘度のわり
には熱融着性向上に有効な低分子量ポリオールおよびイ
ソシアネート基が反応して生じる極性基の総量はあまり
多くなく、熱融着性向上の効果は必ずしも充分とはなら
ない。
本発明における変性ポリオールは、その製造法による
上記の構造的な特徴に加えて、低分子量ポリオールとし
て特定の(b)を用いることにより高い熱融着性を達成
しうるものである。(b)は低分子量かつ反応性の低い
ジオールであり、このジオールとポリイソシアネート化
合物の反応部分が熱融着性に寄与するものであると考え
られる。(b)とともに(c)を併用することができる
が、通常(c)の使用量が(b)に比較して多くなる程
熱融着性は低下する。従って(c)の使用量はそれがポ
リオールである場合(b)の使用量に対して等重量以
下、特に約1/2倍重量以下が好ましい。(c)はモノオ
ールであってもよいが、その場合の使用量はより少ない
程好ましく、使用するとしても(b)に対して約1/2倍
重量以下、特に約1/4倍重量以下が好ましい。(a),
(b),(c),および(d)の合計重量に対する
(a)の量は50〜97重量%であることが必要であり、好
ましくは約70〜95重量%である。逆にいえば、(a),
(b),(c),および(d)の合計重量に対する
(b),(c),および(d)の合計量は約3〜50重量
%、好ましくは約5〜30重量%である。(b),
(c),および(d)の合計が過少であると熱融着性向
上の効果が不十分となる。逆に過剰であると得られる変
性ポリオールの粘度が高くなりすぎる。(b),
(c),および(d)の合計が約30重量%を越えると比
較的高い粘度の変性ポリオールとなるが、フォーム製造
の際この変性ポリオールを他の高分子量ポリオールで稀
釈して使用できるので、ある程度高粘度であっても実用
性はある。フォーム製造用のポリオールとしてこの変性
ポリオールを過半量以上使用する場合、上記を(b),
(c),および(d)の合計は約30重量%以下が好まし
い。
本発明における水酸基価25〜170のポリエーテル系ポ
リオール(a)は、軟質ポリウレタンフォームの原料と
して広く使用されているポリエーテル系ポリオールが好
ましい。このようなポリエーテル系ポリオールは、水酸
基価約28〜120,特に約40〜80であって、水酸基数約2〜
8、特に約2.4〜4.5のポリエーテル系ポリオールであ
る。このポリエーテル系ポリオールは2種以上のポリエ
ーテル系ポリオールの混合物であってもよい。この場
合、各ポリエーテル系ポリオールは水酸基価や水酸基数
が異なるものであってもよいが、(b)や(c)などの
範ちゅうに含まれるポリエーテル系ポリオールは除かれ
る(それらは(b)あるいは(c)とみなされる)。し
かし、ある場合には、上記好ましい水酸基価の範囲以外
のポリエーテル系ポリオールを使用することもできる。
たとえば水酸基価が170に近いポリエーテル系ポリオー
ルを用いて変性ポリオールを製造し、この変性ポリオー
ルを次の水酸基価の低いポリエーテル系ポリオールで稀
釈してフォームの原料として用いることができる。
ポリエーテル系ポリオール(a)としては多官能性の
開始剤にアルキレンオキシドを付加して製造されるポリ
エーテルポリオールやその変性物(本発明における変性
ポリオールを除く)が使用される。多官能性の開始剤と
しては、多価アルコール、多価フェノール,ポリアミン
などがあり、2種以上を併用してもよい。具体的には、
たとえば、エチレングリコール,ジエチレングリコー
ル,プロピレングリコール,ジプロピレングリコール,
1,4−ブタンジオール,グリセリン,トリメチロールプ
ロパン,ペンタエリスリトール,ジグリセリン,デキス
トロース,ソルビトール,シュークロスなどの多価アル
コール,ビスフェノールA,ビスフェノールS,フェノール
類−ホルムアルデヒド初期縮合物などの多価フェノー
ル,モノエタノールアミン,ジエタノールアミン,トリ
エタノールアミン,ジイソプロパノールアミンなどのア
ルカノールアミン,およびエチレンジアミン,プロピレ
ンジアミン,ジエチレントリアミン,ジアミノトリエ
ン,ジアミノジフェニルメタンなどのポリアミンがあ
る。アルキレンオキシドとしては、エチレンオキシド,
プロピレンオキシド,ブチレンオキシドなどの炭素数2
〜4のアルキレンオキシドが好ましいが、これらととも
にスチレンオキシド,エピクロルヒドリン,その他のモ
ノエポキシドを併用することもできる。アルキレンオキ
シドとしてはプロピレンオキシド単独かプロピレンオキ
シドとエチレンオキシドの組み合せが好ましい。2種以
上のアルキレンオキシドや他のモノエポキシドを付加す
る場合、それらを混合して反応させることも別々に順次
反応させることもできる。エチレンオキシドを他のアル
キレンオキシド等と併用する場合、特にプロピレンオキ
シドと併用する場合、その量はポリエーテル系ポリオー
ル中のオキシエチレン基含量として、約45重量%以下、
特に約30重量%以下が好ましい。また、ポリエーテル系
ポリオールの末端に比較的多量の(約10重量%以上)の
オキシエチレン基を有するポリエーテル系ポリオール
は、第1級水酸基の割合が高くなり反応性が高まるので
取り扱いに注意することが望ましい。即ち、(b)は反
応性の低いものであるため、(d)が優先的に反応性の
高い(a)に反応し易く、その結果未反応の(b)が多
量に含む変性ポリオール粘度の高い変性ポリオールが生
じ易い。好ましくは、ポリエーテル系ポリオール(a)
としては、末端オキシエチレン基含量の少ないポリエー
テル系ポリオール,オキシエチレン基を内部ブロックと
して有するポリエーテル系ポリオール、およびエチレン
オキシドとプロピレンオキシド等との混合物を付加させ
て得られるランダム状オキシアルキレン鎖を有するポリ
エーテル系ポリオールが採用される。
本発明において、ジオキシプロピレングリコールまた
はトリオキシプロピレングリコールを使用する。これら
の化合物は、2つの水酸基の少なくとも一方が、2級水
酸基であるジオールであり、かつオキシプロピレン基を
有するジオールである。
任意に使用できる分子量1000以下のモノオールあるい
は(a),(b)以外のポリオール(c)としては種々
のものを使用しうる。モノオールとしては特に芳香核を
有するモノオールが好ましく、たとえばフェノールやア
ルキル置換フェノールのモノエポキシド付加物などがあ
る。(a),(b)以外のポリオール(c)としては、
多価アルコールや多価フェノールのモノエポキシド付加
物、ジあるいはトリアルカノールアミンやそのモノエポ
キシド付加物、モノアルカノールアミンやポリアミンの
モノエポキシド付加物などがある。モノエポキシドとし
ては炭素数2〜4のアルキレンオキシドが好ましい。ま
た、リン酸エステルなどのリン系化合物であって、分子
量1000以下のモノオールやポリオールも使用しうる。好
ましくは、エチレングリコール,ジエチレングリコール
などのポリエチレングリコール,プロピレングリコー
ル,その他の液状多価アルコールや、多価アルコールや
多価フェノールなどの多官能性開始剤に少量のアルキレ
ンオキシドを付加して得られる低分子量のポリエーテル
系ポリオールである。
ポリイソシアネート化合物(d)としては、イソシア
ネート基を2個以上有する化合物や変性物を採用しう
る。特に芳香核を有するポリイソシアネート化合物がフ
ォームの熱融着性向上の面で好ましい。芳香核を有する
ポリイソシアネート化合物としては、トリレンジイソシ
アネート,ジフェニルジイソシアネート,ポリメチレン
ジイソシアネート,ジフェニルメタンジイソシアネー
ト,ポリメチレンポリフェニルイソシアネート,ナフタ
レンジイソシアネート,キシリレンジイソシアネート,
トリジンジイソシアネート,トリフェニルメタントリイ
ソシアネートなどがある。また、場合によりこれらとと
もに、あるいは単独で芳香核を有しないポリイソシアネ
ート化合物、たとえばヘキサメチレンジイソシアネート
やイソホロンジイソシアネートなど、を使用しうる。変
性物としては、トリメチロールプロパンなどの多価アル
コール等で変性したプレポリマー型変性物は勿論、カル
ボジイミド変性物,ウレア変性物,三量化変性物,二量
化変性物などを採用しうる。
変性ポリオールは前記の通り、(a)および(b)
(場合により、さらに(c))の混合物に(d)を添加
して反応させることにより得られる。この反応は加温下
に行なってもよく、有機スズ化合物や第3級アミンなど
のウレタン化触媒の存在下に行なってもよい。好ましく
は、約60〜120℃の温度下でウレタン化触媒の存在下で
あるいは不存在下で行なわれる。得られる変性ポリオー
ルの粘度は種々変りうるものであるが、稀釈して使用す
る限り比較的高い粘度のものであってもよく、通常は25
℃における粘度は約80万センチポイズ以下、特に50万セ
ンチポイズ以下が適当である。
上記変性ポリオールは、その粘度が低いものである限
り、実質的にそれのみを軟質ポリウレタンフォームの原
料として使用することができる。この場合、変性ポリオ
ールの平均水酸基価は約28〜120,特に約40〜80が好まし
い。また、変性ポリオールは、その原料である(a),
(b),(c)および(d)の合計に対する(b),
(c),および(d)の合計量は約3〜30重量%、特に
約5〜20重量%であることが得られる変性ポリオールの
粘度の面から好ましい。しかしながら、通常は得られた
変性ポリオールは高分子量ポリオールで稀釈して使用さ
れる。なぜなら、比較的高濃度のマスターバッチを製造
し、これを稀釈して使用する方法が工程上有利で経済性
に優れているという利用による。本発明における変性ポ
リオール中の特に有効成分と認められるものは、
(b),(c),および(d)の反応した成分であると
考えられるので、変性ポリオールのこれら原料成分割合
の高いものを製造し(従って、比較的高粘度の変性ポリ
オールとなる)、これを他の高分子量ポリオールで稀釈
して使用する方法の採用が望ましい。この方法は、ま
た、高分子量ポリオールの種類を変えてフォーム原料と
しての全体のポリオール組成物を変えることも容易とな
る。稀釈の程度は、フォーム原料としての全体のポリオ
ール組成物中の変性ポリオールの割合よりも、その変性
ポリオール中の主たる有効成分である(b),(c),
および(d)の合計量の割合で規制されることが望まし
い。そのポリオール組成物中の(b),(c),および
(d)の合計は3〜30重量%、特に約5〜20重量%であ
ることが好ましい。この稀釈量である限り、変性ポリオ
ールに対する稀釈量は特に限定されるものではないが、
通常変性ポリオールに対して約0.1〜10倍重量、特に約
0.5〜5倍重量の他の高分子量ポリオールが稀釈用に用
いられる。また、稀釈されて得られる上記ポリオール組
成物の平均水酸基価は28〜120であり,特に約40〜80が
好ましい。またポリオール組成物の粘度は、特に限定さ
れるものではないが、25℃において約8000センチポイズ
以下、特に約5000センチポイズ以下が好ましい。
本発明における変性ポリオールの稀釈用として用いら
れる高分子量ポリオールとしては、前記ポリエーテル系
ポリオール(a)と同じ種類のポリエーテル系ポリオー
ルが好ましい。このポリエーテル系ポリオール(以下
(e)という)は2種類以上併用してもよい。(e)の
好ましい水酸基価は28〜120であり、特に約40〜80であ
る。この(e)は前記(a)と同様多官能性の開始剤に
アルキレンオキシドを付加して得られるポリエーテル系
ポリオールが好ましく、特に多価アルコールにプロピレ
ンオキシド,あるいはプロピレンキシドとエチレンオキ
シド,を付加して得られるポリエーテルポリオールが好
ましい。また、(e)は(a)と異なり、末端にオキシ
エチレン基のブロックを形成した反応性の高いポリエー
テル系ポリオールであっても何らの制約もない。しか
し、ポリエーテル鎖の末端や内部に多量のオキシエチレ
ン基が存在すると親水性の高いポリオールとなり、フォ
ームの親水性を高めるので、特に親水性が望まれる場合
を除いて、通常は(e)中のオキシエチレン基含量は約
40重量%以下、特に約25重量%以下が好ましい。また、
(e)の平均水酸基数は約2〜8が適当であり、特に約
2〜4.5が好ましい。
本発明において、軟質ポリウレタンフォームは前記変
性ポリオールと水酸基価28〜120のポリエーテル系ポリ
オール混合物からなるポリオール組成物を主たる原料の
1つとして、常法によりポリイソシアネート化合物を他
方の主たる原料とし、発泡剤や触媒などの助剤の存在下
に両者を反応させて得られる。ポリイソシアネート化合
物としては前記(d)と同じ種類のポリイソシアネート
化合物、特に芳香核を有するポリイソシアネート化合物
が好ましい。発泡剤としては、水や低沸点ハロゲン化炭
化水素(たとえば、トリクロロフルオロメタン,ジクロ
ロフルオロメタン,塩化メチンレンなど)が適当であ
る。触媒としては、前記有機スズ化合物や第3級アミン
などのウレタン化触媒が適当であり、たとえば、ジブチ
ルスズラウレート,スタナスオクトエート,トリエチレ
ンジアミン,N−アルキルモルホリンなどがある。上記以
外の助剤として、さらに種々の成分を用いることができ
る。たとえば、多くの場合整泡剤はほとんどが必須とさ
れている成分であり、たとえば、ポリアルキルシロキサ
ン,ポリアルキルシロキサン−ポリオキシアルキレンブ
ロックコポリマーなどのシリコン系整泡剤などを用いう
る。さらに、難燃剤,充填剤,紫外線吸収剤,酸化防止
剤,スコーチ防止剤,架橋剤,熱融着性向上剤,その他
の助剤を任意に用いることができる。なお、ポリイソシ
アネート化合物の使用量は、通常ポリオール組成物(あ
るいは、さらに任意に使用しうる架橋剤などのイソシア
ネート基と反応しうる官能基を有する化合物)の総量に
対し、約0.8〜1.3倍当量、特に約0.9〜1.2倍当量使用さ
れる。
熱融着性を向上させるために、熱融着性向上剤を用い
ることは有効である。熱融着性向上剤の代表例は水酸基
などのイソシアネート基と反応性の官能基を有していて
もよい。このような有機リン化合物としては、たとえ
ば、リン酸エステル,亜リン酸エステル,ピロリン酸エ
ステルなどの化合物があり、具体的には、たとえば、ト
リオクチルホスフェート,トリフェニルホスフェート,
トリス(クロロエチル)ホスフェート,リン酸−アルキ
レンオキシド付加物などがある。これら有機リン化合物
を使用する場合、その量は特に限定されるものではない
が、前記ポリオール組成物に対し約0.01〜5重量%、特
に約0.1〜2重量%が好ましい。他の熱融着性向上剤と
しては、たとえば熱可塑性樹脂があり、この粉末などを
充填剤として使用することによりフォームの熱融着性を
向上させることが可能である。
軟質ポリウレタンフォームは上記原料を使用してワン
ショット法、準プレポリマー法、プレポリマー法、など
の方法で製造されるが、特にワンショット法が最も適当
である。成形方法としてはスラブ成形方法が適当である
が、これに限られるものではない。得られたフォームブ
ロックをスライス等により適宜の厚さのフォームシート
とした後、布帛等の基材と熱融着されるのが通例である
が、この方法に限られるものでもない。熱融着方法とし
ては火炎や熱風で軟質ポリウレタンフォームの表面を溶
融した後直ちに基材と積層して一体化する方法が適当で
ある。本発明により得られる軟質ポリウレタンフォーム
は熱融着(耐剥離強度)が高く、優れた積層フォームが
得られる。
以下に本発明を実施例、合成例、比較例により具体的
に説明するが、本発明はこれら実施例や合成例に限られ
るものではない。以下の合成例は変性ポリオールの製造
例を示すものであり、比較として本発明における変性ポ
リオール以外の変性ポリオールの例も示す。
合成例[変性ポリオールの製造] 1800部(重量部,以下同様)の下記ポリオールAと20
0部のジオキシプロピレングリコールを撹拌混合し、90
〜100℃に加温した。次いで100部の下記トリレンジイソ
シアネート(TDI)を10〜15分かけて撹拌下に加えた。
次いで、赤外吸収でイソシアネート基の吸収が検出でき
なくなるまで(8時間)100℃で撹拌を続けた。得られ
た変性ポリオールの水酸基価は87,粘度(25℃,以下同
様)は2600cp(センチポイズ)の透明なものであった。
この変性ポリオールを以下A−1と呼ぶ。
以下同様に、1600部のポリオールA,400部のトリオキ
シプロピレングリコール,200部のTDIより透明な変性ポ
リオールA−2を得た。この水酸基価は95、粘度は1700
cpであった。
また、1600部の下記ポリオールB,400部の2,3−ブタン
ジオール、および200部のTDIより、同様に透明な変性ポ
リオールB−1を得た。この水酸基価は110,粘度は8400
cpであった。
ポリオールA:グリセリンにプロピレンオキシドを付加し
て得られた水酸基価56のポリエーテルトリオール。
ポリオールB:グリセリンにエチレンオキシドとプロピレ
ンオキシドの混合物を付加して得られた、オキシエチレ
ン基含量10重量%、水酸基価44のポリエーテルトリオー
ル。
TDI:2.4体/2.6体の重量比が80/20であるトリレンジイソ
シアネート。
実施例1〜2および比較例1 ポリオールA250部と上記変性ポリオール250部との混
合物、トリブチルホスフェート2.5部、トリフェニルフ
ォスファイト(TP)可変量、水21部、トリクロロフルオ
ロメタン20部、トリエチレンジアミン溶液(“ダブコ33
LV")1.5部、シリコーン系整泡剤7.5部、スタナスオク
トエート(STO)可変量、およびTDI可変量を用いて軟質
ポリウレタンフォームを製造した。
次に、得られた軟質ポリウレタンフォームを用いて、
下記の熱融着試験を行った。その結果と、上記原料中の
可変量について、下記第1表に示す。
熱融着試験 上記により製造された軟質ポリウレタンフォームのブ
ロックより幅150mm、10mmのシートを切り出した。この
シートの表面を火炎で加熱溶融し、ナイロン布帛をロー
ルで積層した。
積層物を一定加圧下て1日放置した後、幅25mmの試験
片を切り出し、これをインストロンメーターにかけて剥
離強度を測定した。
比較例2 水酸基価28のポリオキシプロピレンジオール4000部と
TDI348部を80℃で12時間反応させて、末端イソシアネー
トプレポリマーとした後、ジエチレングリコール212部
を加えて7時間反応させた。得られた変性ポリオールの
粘度は12万cpで極めて高いものであった。
比較例3 ポリオールA1600部とTDI200部を80℃で12時間反応さ
せた後、ジエチレングリコール400部を加えて8時間反
応させた。得られた変性ポリオールの水酸基価129、粘
度1100cpであったが、白濁しており、不溶性生成物を含
むものであった。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−78817(JP,A) 特開 昭57−195113(JP,A) 特開 昭61−78816(JP,A) 特開 昭62−121719(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均水酸基価28〜120のポリオールとポリ
    イソシアネート化合物を発泡剤や触媒などの助剤の存在
    下で反応させて軟質ポリウレタンフォームを製造する方
    法において、ポリオールが変性ポリオールと水酸基価28
    〜120のポリエーテル系ポリオールとの混合物からなる
    ポリオール組成物であり、該変性ポリオールが、 水酸基価25〜170のポリエーテル系ポリオール(a)
    [その量は(a),(b),(c),および(d)の合
    計に対して50〜97重量%]、ジオキシプロピレングリコ
    ールまたはトリオキシプロピレングリコール(b),お
    よび任意に平均分子量1000以下のモノオールあるいは該
    (a),(b)以外のポリオール(c)[ただし、その
    量の上限は該(b)に対して等重量]の混合物に、該
    (b)と(c)の合計当量に対して0.3〜1.2倍当量[た
    だし、(a),(b)および(c)の合計当量に対して
    等当量未満]のポリイソシアネート化合物(d)を添加
    反応させて得られる変性ポリオール、 であることを特徴とする軟質ポリウレタンフォームの製
    造方法。
  2. 【請求項2】ポリイソシアネート化合物(d)の量が
    (b)と(c)の合計当量に対して0.5〜1.15倍当量で
    ある、特許請求の範囲第1項の方法。
  3. 【請求項3】ポリオール組成物中の変性ポリオールの量
    が、ポリオール組成物に対する変性ポリオールの原料で
    ある(b),(c),および(d)の合計量として3〜
    30重量%である、特許請求の範囲第1項の方法。
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