JP2624263B2 - カラープラズマ表示装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、マトリックス配列されたストライプ状電極
群と、その立体交差部の放電領域のそれぞれに付属させ
た蛍光体膜とによって多数のドット状の表示単位を設定
し、プラズマ放電をした放電領域から生じる紫外線でも
って当該表示単位の蛍光体膜を励起発光させるように構
成したカラープラズマ表示装置に関するものである。

従来の技術 前述のようなカラープラズマ表示装置は、たとえば特
開昭49−112567号公報に開示されているように、一方向
に配列されたストライプ状の第１電極群（陽極群）と、
これに直交する方向に配列されたストライプ状の第２電
極群（陰極群）と、両電極群によって形成される立体交
差部の放電領域に付属した蛍光体膜とにより設定される
多数の表示単位を備える。陽極群は気密性の外囲器の窓
板を形成する透光性表面基板の内面上に蒸着形成された
透光性の導電膜からなり、この導電膜上に蛍光体膜が付
設されてなる。また、陰極群は前記外囲器の背面壁を形
成する背面基板上に、陽極から一定の放電間隔を隔てて
設けられ、外囲器内にはXeを主成分とする放電用ガスが
満たされてなる。

装置の駆動にさいしては、陰極群に対して走査用の負
電位が順次に与えられ、陽極群に対しては正電位が、発
光表示されるべき情報内容に応じて選択的に与えられ
る。そして、プラズマ放電をした放電領域から生じた紫
外線が当該表示単位の蛍光体膜を励起発光させるので、
赤、緑および青の各発光をなす多数の蛍光体膜を配列し
ておくと、その選択的な発光により、情報内容をカラー
表示させることができる。

発明が解決しようとする問題点 ところで、かかるカラープラズマ表示装置において
は、各表示単位ごとの陽極部分が、プラズマ放電に寄与
する放電動作領域と、蛍光体膜が付設される発光表示領
域とに厳格に面積分配されていなければならない。すな
わち、各表示単位の占める面積は陰極および陽極の配列
ピッチに依存して決まり、とくに電極配列を高密度化し
た高精細度特性のものにおいて前記面積配分比に厳密さ
を欠くと、放電特性および輝度特性が不安定になって実
用に供し得なくなる。

しかし、多数の表示単位のそれぞれについて前記面積
配分比を厳格に管理するのは容易でない。

したがって本発明の主目的とするところは、表示単位
群のそれぞれにおける前記面積配分比を、厳格かつ容易
に規制管理し得るように構成したカラープラズマ表示装
置を提供することにある。

問題点を解決するための手段 本発明のカラープラズマ表示装置は、一方向に配列さ
れた透光性ストライプ状の第１電極群と、前記第１電極
群と交差する方向に配列されたストライプ状の第２電極
群との立体交差部にドット状の表示単位群を設定し、前
記表示単位群のそれぞれに対応した位置に多数の小穴を
有する非透光性光学マスクを放電用ガスとともに外囲器
内に密封入してなり、前記第１電極は、前記外囲器の透
光性表面基板の内面上に設けられた前記光学マスクの前
記小穴を覆う関係に前記光学マスク上に付設されてお
り、前記表示単位群のそれぞれに前記小穴に対応した形
状および大きさの蛍光体膜が、前記第１電極上に形成さ
れているものである。

作用 このように構成すると、多数のドット状蛍光体膜を写
真印刷技術により形成するにさいし、前記光学マスクを
自己マスクとして選択露光することができる。このた
め、前記光学マスクの多数の小穴と前記陽極群とが規定
の形状および大きさに位置ずれなく形成されているかぎ
り、前記小穴の形状および大きさに忠実に対応したドッ
ト状の蛍光体膜を予定の位置に付設することが容易に達
成される。また、前記蛍光体膜は前記光学マスク上に陽
極の薄層を介して付設されるので、発光ににじみや色ず
れを生じることが少なく、とくに前記光学マスクに黒色
または暗色のものを用いることによっては高コントラス
トのカラー画像を得ることができる。

実施例 つぎに、本発明を図面に示した実施例とともにさらに
詳しく説明する。

第１図に示すように、一方向に配列された透光性スト
ライプ状の第１電極群たる多数の陽極１は、ストライプ
状の第２電極群たる多数の陰極２と立体交差して配列さ
れており、この立体交差部に設定された多数のドット状
放電領域には、それぞれ独立したドット状の蛍光体膜３
が設けられて表示単位となされている。そして、これら
の部材は光学マスク４および放電用ガスとともに気密性
外囲器内に密封入されている。

光学マスク４は電気絶縁性の膜状体、たとえば高純度
Si、酸化コバルト、二酸化マンガンまたは酸化プラセオ
ジムなどの蒸着膜からなり、前記外囲器の透光性表面基
板５の内面上に付設されている。そして、フォトエッチ
ング加工により形成された多数の小穴６を膜面に有し、
小穴６はそれぞれの表示単位に対応した位置を占めてい
る。

陽極１は透明導電材料、たとえばITOまたは酸化錫等
の金属酸化膜からなり、小穴６を覆う関係に光学マスク
４上に付設されている。陽極１の形成にさいしては、前
述のような金属酸化膜を光学マスク４上に全面蒸着した
のち、陽極１の相互間ギャップとなすべき部分を常法に
従いフォトエッチング加工でとり除くのがよい。当然の
ことながら、前述のようにして形成された陽極１はスト
ライプ状のもので、光学マスク４の小穴６の部分にも存
在するので、その幅が長手方向のすべての部分で一定で
ある限り、ライン抵抗値も相等しいものが得られる。

陽極１上に形成されている蛍光体膜３は、小穴６に対
応した形状および大きさを有し、陽極１の長手方向に沿
って陽極１の放電動作領域７を残して散設されている。
蛍光体膜３の形成にさいしては、感光性の蛍光体スラリ
をまず全面に塗布し、しかるのち、光学マスク４を自己
マスクとする選択露光を、表面基板５の外側に設けた光
源（図示せず）によって施す。このようにすると、光学
マスク４の小穴６に対応した形状および大きさの部分の
みが感光により硬化するので、ついで現像および洗浄を
施すことにより、所望の蛍光体膜３を得ることができ
る。

陽極１はストライプ状であるが、放電電極として有効
に作用するのは露出した放電動作領域７に限られ、蛍光
体膜３で覆われている発光表示領域は放電電極としての
役割を果たさない。しかし、前記発光表示領域は陽極の
ライン抵抗値を低く保持せしめるのに役立つ。８は背面
基板を示す。

このようにして、蛍光体ドット３は光学マスク４の小
穴６と同じ形状および大きさに形成されるので、光学マ
スク４の小穴６の面積および陽極ライン幅を厳格に規制
するだけで、表示単位ごとの放電動作領域と発光表示領
域との面積配分比を任意かつ厳密に制御することができ
る。

蛍光体ドット３の形状は、陽極１の幅よりも小さい四
角形である必要はなく、第２図のａ〜ｆに示すように四
角形や多角形や円形その他、任意の形状に設定できる。
また、ドット状蛍光体膜の大きさについても、陽極ライ
ン幅に係わりなく任意に選んで差し障りがない。

つぎに、各部の構成を具体的な数値例とともに説明す
ると、光学マスクは、ガラスからなる表面基板上の全域
に蒸着形成された厚さ約0.2μの高純度Si膜にフォトエ
ッチング加工を施すことにより得られ、400×640個の小
穴は縦方向配列ピッチ0.36mm、横方向配列ピッチ0.30mm
で散設された0.28×0.22mmの縦長のものである。かかる
光学マスク上の全域に、厚さ約0.2μのITO膜を蒸着形成
し、これにフォトエッチング加工を施して前記小穴の配
列に適合した横方向配列ピッチ0.30mm、幅0.22mmのスト
ライプ状陽極を形成する。そしてこの陽極上に、赤色発
光蛍光体を含む感光性蛍光体スラリを約10μの厚さに全
面塗布し乾燥させたのち、赤色発光蛍光体ドットパタン
用の光学マスクと前述の光学マスクとを二重マスクにし
て選択露光処理を行ない現像処理を程す。そして、かか
る選択露光および現像処理を緑色発光蛍光体ならびに青
色発光蛍光体についても同様に行ない、赤色発光、緑色
発光および青色発光の各蛍光体膜をそれぞれの所定位置
に形成する。

本例での表示単位当りの放電動作領域の面積は0.0176
mm²（＝0.08×0.22mm）、発光表示領域の面積は0.0616m
m²（＝0.28×0.22mm）という微細構造のもので、駆動テ
ストの結果は表示面全域にわたり良好なカラー画像が得
られ、各表示単位平面内で放電動作領域と発光表示とが
精密かつ確実に分離構成されていた。

発明の効果 本発明は前述のように構成されるので、多数のドット
状蛍光体膜を写真印刷技術により形成するさい、前記光
学マスクを自己マスクとして選択露光でき、光学マスク
の多数の小穴の形状および大きさに忠実に対応したドッ
ト状蛍光体膜を予定位置に容易に付設できる。したがっ
て、各表示単位ごとの陽極部分の放電動作領域と発光表
示領域との面積配分比を厳格かつ容易に規制管理できる
ので、放電特性と輝度特性の安定したカラープラズマ表
示装置を得ることができる。また、前記蛍光体膜は前記
光学マスク上に陽極の薄層を介して付設されるので、発
光ににじみや色ずれを生じることが少なく、高コントラ
ストのカラー画像を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を実施したカラープラズマ表示装置の要
部の破断斜視図、第２図は蛍光体膜の種々のパターンを
例示する平面図である。 １……陽極、２……陰極、３蛍光体膜、４……光学マス
ク、５……表面基板、６……小穴、７……放電動作領
域、８……背面基板。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】一方向に配列された透光性ストライプ状の
   第１電極群と、前記第１電極群と交差する方向に配列さ
   れたストライプ状の第２電極群との立体交差部にドット
   状の表示単位群を設定し、前記表示単位群のそれぞれに
   対応した位置に多数の小穴を有する非透光性光学マスク
   を放電用ガスとともに外囲器内に密封入してなり、前記
   第１電極は、前記外囲器の透光性表面基板の内面上に設
   けられた前記光学マスクの前記小穴を覆う関係に前記光
   学マスク上に付設されており、前記表示単位群のそれぞ
   れに前記小穴に対応した形状および大きさの蛍光体膜
   が、前記第１電極上に形成されていることを特徴とする
   カラープラズマ表示装置。