JP2624111B2 - 冷陰極素子 - Google Patents

冷陰極素子

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秀男 巻島
敏秀 栗山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子放出源となる冷陰
極、特に冷陰極を搭載した基板を一時的に発熱させて吸
着ガスを放出させる機能を備えた冷陰極素子に関する。
【0002】
【従来の技術】加熱せずに真空中に電子を放出できる冷
陰極は、加熱用のヒータ,ヒータ用電源および電力が不
要であるという特徴の他に多くの利点を有する。たとえ
ば、冷陰極を電離真空計の電子放出源に使用すると、フ
ィラメントタイプの従来の電離真空計と比較して、電子
放出源およびその付近の温度上昇が小さいので次に述べ
る吸着ガス放出の問題も少なく、高真空の測定が可能と
なる。
【0003】すなわち、冷陰極の表面にガスが吸着する
と、表面の仕事関数が増加し、放出電流が減少したり、
必要な放出電流を得るのに高い電圧が必要になる等の問
題が生じる。また、冷陰極を高真空計測用電離真空計の
電子放出源に使用した場合、冷陰極付近からの吸着ガス
放出が測定する真空に影響を及ぼすので問題となる。
【0004】したがって、冷陰極の電子放出部から強制
的に吸着ガスを放出させて電子放出部表面を清浄にする
ことは、陰極の性能を最大限に発揮させるために重要で
ある。
【0005】冷陰極の吸着ガス放出方法の一例として、
特開平1−054639号公報に開示されているように
ゲート電極と同じ平面上にヒータを別途形成し、ヒータ
に電流を流して加熱する方法が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した方法では加熱
する範囲がヒータ形成領域を中心とするものであり、動
作中に発熱する部分と加熱する部分にはずれがあり、ま
た、熱伝導によって発生した熱の一部は失われるので加
熱効率が低いという課題がある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明においては、電子
放出領域に対応する部分の冷陰極基板を薄くして、熱容
量と熱伝導を小さくして、この部分に電流を流し、動作
中に温度上昇が生じる電子放出領域に極めて近い基板を
局部的に加熱する。
【0008】
【作用】この結果、加熱部分が動作中の発熱部分に極め
て近く、しかも熱の周辺への伝導が小さく、局部的に加
熱するため、加熱に必要な電力は極めて小さくて良い。
このように加熱効率が良いので、加熱用の電源装置を小
型化,簡易化,低消費電力化することができる。さら
に、高圧電源が不要で、電子衝撃用冷陰極のような吸着
ガス放出のための専用部品を使用する必要がないので、
この冷陰極素子を使用した装置を簡易化することができ
る。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明
する。
【0010】図1(a)および(b)は本発明の第1の
実施例を示す冷陰極素子の構造断面図および平面図であ
る。図1において、1は基板、2は絶縁層、3は電子を
放出するエミッタ、4はゲート電極、5は電子放出部基
板、6−1,6−2は基板加熱用の電極である。通常の
動作中においては、ゲート電極4には基板1と同電位の
エミッタ3に対し、数10Vの正の電圧が印加されてい
る。エミッタ3の先端は極めて鋭利に形成され、エミッ
タ3の先端とゲート電極4とは極めて近接した位置にあ
るため、エミッタ3の先端には強い電界が加わり、ここ
から電子が放出される。1個のエミッタ3とこの周囲に
あるゲート電極4の開口によって微小冷陰極が構成さ
れ、単一の微小冷陰極あるいは複数の微小冷陰極の集合
が冷陰極となる。
【0011】基板1のうち、エミッタ3の集まった冷陰
極部すなわち電子放出部の裏側はエッチング等の手段に
よって凹部が形成され、電子放出部基板5となる。電子
放出部基板5の厚さは十分薄く作られているので、電極
A 6−1と電極B 6−2の間に電流を流すと、電子
放出部基板5の部分で発熱する。冷陰極の動作中すなわ
ち冷陰極から電子流を取り出している状態における発熱
のほとんどはエミッタ3の先端のモジュール発熱である
から、この方法で電極A 6−1と電極B 6−2の間
に電流を流した時に発生する熱は動作中の発熱部に極め
て近い部分で発生する。デバイスあるいは装置の容器内
の真空度は陰極素子を含めて容器内の全ての部品に吸着
されたガスが影響を与えるが、これらに吸着されたガス
は真空デバイスの通常の処理過程において加熱・排気さ
れ、吸着ガスは除去される。特に動作中に温度上昇が伴
い上記の処理のあとにもガス放出の可能性があり、さら
に、表面のガス吸着が電子の放出特性に強く影響する電
子放出部を局部的に加熱し、上記加熱・排気工程中にお
いても他の部分よりも高温に保持することは、高真空な
らびに電子放出特性の維持に極めて有効である。
【0012】この実施例の具体例の一例を示すと、基板
1としては厚み400μmのシリコンを用い、絶縁層2
として、0.8μ厚のシリコン酸化膜を用いる。エミッ
タ3としてはタングステン,モリブデン,白金等を用
い、高さは0.9μmである。ゲート電極4としては厚
さ0.2μmのタングステンまたはモリブデンが用いら
れる。ゲート開口径は1μmとした。電子放出部基板5
の厚さは100μmにし、加熱用電圧を2V,電流は
0.5Aとした。
【0013】図2は本発明の第2の実施例を示す冷陰極
素子の構造図である。図2において、7は第2の絶縁層
で、8はエミッタ電極である。第2の実施例が第1の実
施例と異なる点は、基板1とエミッタ3が第2の絶縁層
分離され、エミッタ3はエミッタ電極8を通して電
圧が印加されることである。このような構造とすること
により加熱用電流端子とエミッタの電圧印加端子を分
離でき、装置設計の自由度を確保できる。また、基板1
中を流れる電流で生じる基板1上の電位勾配の影響を完
全に除去できる。
【0014】図3は本発明の第3の実施例を示す冷陰極
素子の構造図である。図3において、9はストッパ層で
ある。第3の実施例が第1の実施例と異なる点は、少な
くとも電子放出部基板5およびその周辺部の不純物濃度
をたとえばボロン等の拡散によって他の基板1の部分と
は変えており、その結果エッチングレートに大きな差を
持たせていることである。このため、基板1のエッチン
グを基板1への不純物拡散の深さで確実に停止させるこ
とができ、電子放出部基板5の厚さを再現性良く制御す
ることができる。この結果、電極A 6−1と電極B
6−2の間の抵抗のバラツキが小さく抑えられ、基板加
熱に要する電力のバラツキも小さくできる。
【0015】図4は本発明の第4の実施例を示す冷陰極
素子の構造図である。第4の実施例が第3の実施例と異
なる点は、ストッパ層9とエミッタ3が第2の絶縁層7
で分離され、エミッタ3はエミッタ電極8を通して電圧
が印加されることである。このような構造とすることに
より加熱用電流印加端子とエミッタ8の電圧印加端子を
分離でき、装置設計の自由度を確保できる。また、スト
ッパ層9中を流れる電流で生じるストッパ層9上の電位
勾配の影響を完全に除去できる。 図5は本発明の第5
の実施例を示す冷陰極素子の構造図である。図5におい
て、10は金属層、11は第3の絶縁層、12−1は電
極C,12−2は電極Dである。第4の実施例が第4の
実施例と異なる点は、ストッパ層9の代りに第3の絶縁
層11が作られ、エミッタ電極8の代りに金属層10が
形成され、金属層10の両端に電極C 12−1および
電極D 12−2が作られている点である。金属層10
はエミッタ3と電気的に接続され、エミッタ3に電圧を
印加するとともに、電極C12−1,電極D 12−2
の間に加熱用の電流を流す。金属層10はエミッタ3に
電圧を印加するとともに発熱体になる。第3の絶縁層1
1は多孔質のシリコン酸化物であるので、熱の伝導率が
小さく、より効率の良い加熱が可能となる。
【0016】図6は本発明の第6の実施例を示す冷陰極
素子の構造図である。第6の実施例が第5の実施例と異
なる点は、金属層10とエミッタ3が第2の絶縁層7で
分離され、エミッタ3はエミッタ電極8を通して電圧が
印加されることである。このような構造により、加熱用
電流印加端子とエミッタ8の電圧印加端子を分離でき、
装置設計の自由度を確保できる。また、金属層10中に
流す電流で生じる金属層10上の電位勾配の影響を完全
に除去できる。したがって、金属層10を加熱に最も適
した形状に形成することができる。
【0017】なお、基板10あるいは基板上の電極を加
熱するだけではなく、ゲート電極4の加熱を組み合わせ
ても同等以上の効果が得られることは明らかである。
【0018】また、実施例では電子放出源として電界放
出型の冷陰極を示したが、周知のMIM型,PN接合型
等の冷陰極素子にも適用可能であることは明らかであ
る。
【0019】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の陰極素子
においては、動作中に陰極素子を加熱する必要がないた
め、加熱用の電力消費がない。また、吸着ガス放出のた
めの消費電力を大幅に削減できる。たとえば、この冷陰
極素子を電離真空計に適用した場合、従来のフィラメン
トタイプの電子放出源と比較して、動作中の消費電力は
50Wが0Wになり、吸着ガス放出動作中の消費電力は
50Wが約5Wになる。また、冷陰極素子の動作中にも
吸着ガスの放出が抑圧され、この冷陰極素子を使用した
装置の真空度を十分高く保つことができる。このため、
たとえば、この冷陰極素子を電離真空計に適用した場
合、従来のフィラメントタイプの電子放出源比較して、
測定上限が2桁以上改善される可能性がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の第1の実施例を示す冷陰極素
子の構造断面図、(b)は(a)の平面図。
【図2】本発明の第2の実施例を示す冷陰極素子の構造
断面図。
【図3】本発明の第3の実施例を示す冷陰極素子の構造
断面図。
【図4】本発明の第4の実施例を示す冷陰極素子の構造
断面図。
【図5】本発明の第5の実施例を示す冷陰極素子の構造
断面図。
【図6】本発明の第6の実施例を示す冷陰極素子の構造
断面図。
【符号の説明】
1 基板 2 絶縁層 3 エミッタ 4 ゲート電極 5 電子放出部基板 6−1 電極A 6−2 電極B 7 第2の絶縁層 8 エミッタ電極 9 ストッパ層 10 金属層 11 第3の絶縁層 12−1 電極C 12−2 電極D

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 厚さ方向に少なくとも2種類の不純物濃
    度の層で構成された基板と、前記基板の上に形成された
    冷陰極で構成され、前記基板の前記冷陰極が形成された
    部分の厚さを端部より薄くしたことを特徴とする冷陰極
    素子。
  2. 【請求項2】 前記基板表面上に絶縁層が形成され、か
    つ前記冷陰極に接触するように金属層が前記絶縁層と前
    記冷陰極との間に形成されていることを特徴とする請求
    項1記載の冷陰極素子。
  3. 【請求項3】 導電性を持つ基板と、前記基板の上に形
    成された絶縁層と、前記絶縁層の上に形成された第2の
    金属層と、前記第2の金属層の上に形成された冷陰極で
    構成され、前記基板の前記冷陰極が形成された部分の厚
    さを端部より薄くしたことを特徴とする冷陰極素子。
  4. 【請求項4】 前記第2の金属層の上に第2の絶縁層が
    形成され、かつ前記冷陰極に接触するように第3の金属
    層が前記第2の絶縁層と前記冷陰極との間に形成されて
    いることを特徴とする請求項3記載の冷陰極素子。
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