JP2623925B2 - 構造物の制振装置 - Google Patents
構造物の制振装置Info
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Description
【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は、ビル等の構造物が地震とか強風により誘起
される振動を、この構造物に設置した液体収納槽内に液
体の移動を利用して抑制する制振装置に関する。
される振動を、この構造物に設置した液体収納槽内に液
体の移動を利用して抑制する制振装置に関する。
《従来の技術》 この種の制振装置としては、液体収納槽内の液体が自
然状態で揺動されるときの移動力を制振に利用したパッ
シブ制振と、機械的手段を用いて液体収納槽内の液体の
移動を強制的に変化させるようにしたアクティブ制振と
が知られている。
然状態で揺動されるときの移動力を制振に利用したパッ
シブ制振と、機械的手段を用いて液体収納槽内の液体の
移動を強制的に変化させるようにしたアクティブ制振と
が知られている。
前者のパッシブ制振は従来一般に用いられ、液体収納
槽に収納される液体の運動周期を構造物の固有振動数と
略一致するように予め設定しておき、振動入力時に液体
収納槽内の液体が自然状態で揺動される時の移動力で構
造物の揺れを抑制できるようになっている。
槽に収納される液体の運動周期を構造物の固有振動数と
略一致するように予め設定しておき、振動入力時に液体
収納槽内の液体が自然状態で揺動される時の移動力で構
造物の揺れを抑制できるようになっている。
また、後者のアクティブ制振は、構造物の振動周期に
合わせて液体収納槽内の液体の運動周期を調節すること
ができる。
合わせて液体収納槽内の液体の運動周期を調節すること
ができる。
ところで、前記パッシブ制振とアクティブ制振とを組
み合わせた制振装置としては、特開平1−214676号公報
に開示されたものがあり、この制振装置では構造物に設
置された液体収納槽(タンク)内を、アクチュエータで
昇降される可動仕切板で複数に分割する構成となってい
る。
み合わせた制振装置としては、特開平1−214676号公報
に開示されたものがあり、この制振装置では構造物に設
置された液体収納槽(タンク)内を、アクチュエータで
昇降される可動仕切板で複数に分割する構成となってい
る。
従って、このように可動仕切板を介して槽内を分割す
ることにより、液体の運動周期を段階的に変化できるよ
うになっている。
ることにより、液体の運動周期を段階的に変化できるよ
うになっている。
《発明が解決しようとする課題》 しかしながら、かかる従来の制振装置にあっては、液
体収納槽内の液体の運動周期を変化するに、可動仕切板
をアクチュエータで駆動して昇降する構成であり、この
可動仕切板は液体収納槽内部を全体に亘って仕切る必要
があるため、この可動仕切板はかなり大きなものとなっ
て、これの昇降動作を迅速に行うことができず、従っ
て、構造物の振動状態に応じたリアルタイムの制御が困
難となり、大きな制振効果を期待することはできない。
体収納槽内の液体の運動周期を変化するに、可動仕切板
をアクチュエータで駆動して昇降する構成であり、この
可動仕切板は液体収納槽内部を全体に亘って仕切る必要
があるため、この可動仕切板はかなり大きなものとなっ
て、これの昇降動作を迅速に行うことができず、従っ
て、構造物の振動状態に応じたリアルタイムの制御が困
難となり、大きな制振効果を期待することはできない。
また、前記可動仕切板が大型化されることにより、こ
れを駆動する前記アクチュエータは大型化され、従っ
て、可動仕切板の昇降動作に必要とされるエネルギーも
大きなものとなって、駆動装置全体が著しく大型化され
てしまう。
れを駆動する前記アクチュエータは大型化され、従っ
て、可動仕切板の昇降動作に必要とされるエネルギーも
大きなものとなって、駆動装置全体が著しく大型化され
てしまう。
更に、可動仕切板で液体収納槽内を分割することによ
り液体の運動周期が変化される構成であるため、このと
きの運動周期の変化は段階的となり、構造物の連続して
変化される入力振動に対して緻密な制御ができないとい
う各種課題があった。
り液体の運動周期が変化される構成であるため、このと
きの運動周期の変化は段階的となり、構造物の連続して
変化される入力振動に対して緻密な制御ができないとい
う各種課題があった。
そこで、本発明はかかる従来の課題に鑑みて、簡単な
装置をもって液体の運動周期の変化の応答性を向上し、
かつ、入力される振動に応じた緻密な制御を可能とする
構造物の制振装置を提供することを目的とする。
装置をもって液体の運動周期の変化の応答性を向上し、
かつ、入力される振動に応じた緻密な制御を可能とする
構造物の制振装置を提供することを目的とする。
《課題を解決するための手段》 かかる目的を達成するために本発明は、構造物の適宜
部位に所定間隔をおいて水平方向に設置され、気密構造
とされた内部に上方空間部を設けて液体が収納される複
数の液体収納槽と、前記複数の液体収納槽のそれぞれの
底部を連通する液体連通管と、前記複数の液体収納槽の
上方空間部に接続される、圧縮気体が収納された加圧タ
ンクおよび,または負圧気体が収納された減圧タンク
と、前記加圧タンクおよび,または減圧タンクと前記上
部空間部とを連通する圧力供給管に設けられた制御弁と
を備え、前記制御弁は、前記加圧タンクおよび減圧タン
クの両者を開制御するパッシブ制振状態と、加圧タンク
または減圧タンクを択一的に開制御するアクティブ制振
状態とに切換えられるとともに、アクティブ制振状態で
は入力振動に応じて開閉量が制御されるものであること
を特徴とする。
部位に所定間隔をおいて水平方向に設置され、気密構造
とされた内部に上方空間部を設けて液体が収納される複
数の液体収納槽と、前記複数の液体収納槽のそれぞれの
底部を連通する液体連通管と、前記複数の液体収納槽の
上方空間部に接続される、圧縮気体が収納された加圧タ
ンクおよび,または負圧気体が収納された減圧タンク
と、前記加圧タンクおよび,または減圧タンクと前記上
部空間部とを連通する圧力供給管に設けられた制御弁と
を備え、前記制御弁は、前記加圧タンクおよび減圧タン
クの両者を開制御するパッシブ制振状態と、加圧タンク
または減圧タンクを択一的に開制御するアクティブ制振
状態とに切換えられるとともに、アクティブ制振状態で
は入力振動に応じて開閉量が制御されるものであること
を特徴とする。
《作用》 以上の構成により本発明の構造物の制振装置にあって
は、複数の液体収納槽は液体連通管を介して連通される
ことにより、振動入力時にはこの液体連通管を介して各
液体収納槽内の液体が移動される。
は、複数の液体収納槽は液体連通管を介して連通される
ことにより、振動入力時にはこの液体連通管を介して各
液体収納槽内の液体が移動される。
ここで、加圧タンクおよび減圧タンクの両者を開とす
れば、前記上部空間部内の空気が自由に移動されるた
め、複数の液体収納槽内の液体が液体連通管を介して自
然に移動される。従って、自然に移動される液体が所定
の運動周期をもって液体収納槽の側壁に突き当たるとき
の制御力により、構造物の揺動が減衰される。
れば、前記上部空間部内の空気が自由に移動されるた
め、複数の液体収納槽内の液体が液体連通管を介して自
然に移動される。従って、自然に移動される液体が所定
の運動周期をもって液体収納槽の側壁に突き当たるとき
の制御力により、構造物の揺動が減衰される。
また、前記液体収納槽は気密構造とされているため、
制御弁を開閉して加圧タンクおよび,または減圧タンク
の圧縮気体または負圧気体を上部空間部に導入すること
により、この上部空間部内の圧力を液体の移動を促進す
る方向、または液体の移動を阻止する方向に調節するこ
とができる。
制御弁を開閉して加圧タンクおよび,または減圧タンク
の圧縮気体または負圧気体を上部空間部に導入すること
により、この上部空間部内の圧力を液体の移動を促進す
る方向、または液体の移動を阻止する方向に調節するこ
とができる。
従って、複数の液体収納槽間で移動される液体の運動
周期を、前記制御弁の開閉により入力振動、つまり、構
造物の揺動周期に対応して緻密に制御することができ
る。
周期を、前記制御弁の開閉により入力振動、つまり、構
造物の揺動周期に対応して緻密に制御することができ
る。
また、前記液体の運動周期の変化は単なる制御弁の開
閉により行うことができるため、その周期変化の応答性
を大幅に向上して、入力振動に対してリアルタイムでの
制御が可能となる。
閉により行うことができるため、その周期変化の応答性
を大幅に向上して、入力振動に対してリアルタイムでの
制御が可能となる。
《実施例》 以下、本発明の実施例を図に基づいて詳細に説明す
る。
る。
即ち、第1図,第2図は本発明にかかる構造物の制振
装置10の一実施例を示し、第1図は制振装置10の概略構
成図、第2図は制振装置10の詳細断面図である。
装置10の一実施例を示し、第1図は制振装置10の概略構
成図、第2図は制振装置10の詳細断面図である。
尚、第1図に示すように前記構造物としては、多層階
のビルディング12とした場合を例にとって説明する。
のビルディング12とした場合を例にとって説明する。
前記制振装置10は、ビルディング12の屋上に所定間隔
をおいて水平方向に設置される2基の液体収納槽14,16
を備え、これら液体収納槽14,16は蓋体14a,16aで密閉さ
れることにより気密構造とされる。
をおいて水平方向に設置される2基の液体収納槽14,16
を備え、これら液体収納槽14,16は蓋体14a,16aで密閉さ
れることにより気密構造とされる。
そして、前記液体収納槽14,16内には、上方空間部14
b,16bを設けて液体としての水Wが蓄えられ、これら2
基の液体収納槽14,16の底部間は液体連通管18を介して
連通される。
b,16bを設けて液体としての水Wが蓄えられ、これら2
基の液体収納槽14,16の底部間は液体連通管18を介して
連通される。
従って、このように液体連通管18で2基の液体収納槽
14,16が互いに連通されることにより、謂わゆるツイン
タンクが構成され、この液体連通管18を介してそれぞれ
の液体収納槽14,16間で液体移動が可能となっている。
14,16が互いに連通されることにより、謂わゆるツイン
タンクが構成され、この液体連通管18を介してそれぞれ
の液体収納槽14,16間で液体移動が可能となっている。
尚、前記液体連通管18は液体移動時の管摩擦抵抗を減
少するために、開口部の断面積が十分に大きく確保され
ている。
少するために、開口部の断面積が十分に大きく確保され
ている。
また、前記2基の液体収納槽14,16のそれぞれの上方
空間部14b,16bには、加圧用の圧力供給管20を介して圧
縮空気が収納された加圧タンク22が接続されると共に、
減圧用の圧力供給管24を介して負圧空気が収納された減
圧タンク26が接続される。
空間部14b,16bには、加圧用の圧力供給管20を介して圧
縮空気が収納された加圧タンク22が接続されると共に、
減圧用の圧力供給管24を介して負圧空気が収納された減
圧タンク26が接続される。
前記圧力供給管20,24は制御弁としてのサーボバルブ2
8,30を介して、前記上部空間部14b,16bに接続される。
8,30を介して、前記上部空間部14b,16bに接続される。
ここで、前記制振装置10を詳細に示した第2図に示す
ように、前記サーボバルブ28,30はスプール弁として構
成されており、サーボバルブ制御装置32から出力される
制御圧で移動されるアクチュエータ28a,30aを備えてい
る。
ように、前記サーボバルブ28,30はスプール弁として構
成されており、サーボバルブ制御装置32から出力される
制御圧で移動されるアクチュエータ28a,30aを備えてい
る。
そして、前記アクチュエータ28a,30aを介してピスト
ン28b,30bが移動されることにより、前記サーボバルブ2
8,30は加圧用の圧力供給管20に通ずるポート28c,30c
と、減圧用の圧力供給管24に通ずるポート28d,30dとの
開閉が行われる。
ン28b,30bが移動されることにより、前記サーボバルブ2
8,30は加圧用の圧力供給管20に通ずるポート28c,30c
と、減圧用の圧力供給管24に通ずるポート28d,30dとの
開閉が行われる。
即ち、前記サーボバルブ28,30は第3図(a),
(b),(c)に示すように3通りの切換え態様があ
る。
(b),(c)に示すように3通りの切換え態様があ
る。
尚、同図では図中右側のサーボバルブ30を例に取って
示し、図中左側のサーボバルブ28は右側のサーボバルブ
30の構成に対応する部分に()を付して示す。
示し、図中左側のサーボバルブ28は右側のサーボバルブ
30の構成に対応する部分に()を付して示す。
即ち、同図(a)ではピストン30b(28b)が最もアク
チュエータ30a(28a)側に後退された場合で、ポート30
c(28c)およびポート30d(28d)が共に開口された状態
にあり、同図(b)ではピストン30b(28b)が中間位置
に移動された場合で、ポート30c(28c)が遮断されると
共にポート30d(28d)が開口された状態にあり、かつ、
同図(c)ではピストン30b(28b)が最も押し出された
場合で、ポート30c(28c)が開口されると共にポート30
d(28d)が遮断された状態にある。
チュエータ30a(28a)側に後退された場合で、ポート30
c(28c)およびポート30d(28d)が共に開口された状態
にあり、同図(b)ではピストン30b(28b)が中間位置
に移動された場合で、ポート30c(28c)が遮断されると
共にポート30d(28d)が開口された状態にあり、かつ、
同図(c)ではピストン30b(28b)が最も押し出された
場合で、ポート30c(28c)が開口されると共にポート30
d(28d)が遮断された状態にある。
従って、前記第3図(a)の状態では、加圧タンク22
の圧縮空気および減圧タンク26の負圧空気が共に上方空
間部14b,16bに供給されるが、この場合2つのポート28
c,30cおよび28d,30dが開口されていることにより、2つ
の液体収納槽14,16の上部空間部14b,16b内の空気は自由
に移動される。
の圧縮空気および減圧タンク26の負圧空気が共に上方空
間部14b,16bに供給されるが、この場合2つのポート28
c,30cおよび28d,30dが開口されていることにより、2つ
の液体収納槽14,16の上部空間部14b,16b内の空気は自由
に移動される。
次に、第3図(b)の状態では、減圧タンク26の負圧
空気のみが上部空間部14b,16bに供給され、つまり、こ
の上部空間部14b,16b内の空気が吸引され、液体収納槽1
4,16内の液面L1,L2は上昇される。
空気のみが上部空間部14b,16bに供給され、つまり、こ
の上部空間部14b,16b内の空気が吸引され、液体収納槽1
4,16内の液面L1,L2は上昇される。
更に、第3図(c)の状態では、加圧タンク22の圧縮
空気のみが上部空間部14b,16bに供給され、液体収納槽1
4,16内の液面L1,L2は下降される。
空気のみが上部空間部14b,16bに供給され、液体収納槽1
4,16内の液面L1,L2は下降される。
尚、前記加圧タンク22はモータ34駆動されるコンプレ
ッサー36から排出される圧縮空気が蓄積されるようにな
っており、また、前記減圧タンク26は同様にモータ38駆
動されるコンプレッサー40で吸引される負圧空気が蓄積
されるようになっている。
ッサー36から排出される圧縮空気が蓄積されるようにな
っており、また、前記減圧タンク26は同様にモータ38駆
動されるコンプレッサー40で吸引される負圧空気が蓄積
されるようになっている。
また、加圧タンク22および減圧タンク26にはそれぞれ
安全弁42,44が設けられる。
安全弁42,44が設けられる。
ところで、前記サーボバルブ制御装置32はマイクロコ
ンピュータを内蔵した制御回路46により駆動され、この
制御回路46はビルディング12の適宜部位に取り付けられ
た振動センサ48の検出信号を入力して、ビルディング12
の揺動を減衰するに最適な制振装置10の水Wの運動周期
が演算される。
ンピュータを内蔵した制御回路46により駆動され、この
制御回路46はビルディング12の適宜部位に取り付けられ
た振動センサ48の検出信号を入力して、ビルディング12
の揺動を減衰するに最適な制振装置10の水Wの運動周期
が演算される。
以上の構成により本実施例の制振装置10にあっては、
ビルディング12が地震とか風圧等により揺動されること
に伴って、2つの液体収納槽14,16のサーボバルブ28,30
が共に第3図(a)の状態に設定されたときは、それぞ
れの上部空間部14b,16b内の空気は自由に移動されるた
め、2つの液体収納槽14,16内の水Wは液体連通管18を
介して自然に移動される。
ビルディング12が地震とか風圧等により揺動されること
に伴って、2つの液体収納槽14,16のサーボバルブ28,30
が共に第3図(a)の状態に設定されたときは、それぞ
れの上部空間部14b,16b内の空気は自由に移動されるた
め、2つの液体収納槽14,16内の水Wは液体連通管18を
介して自然に移動される。
従って、このときはパッシブ制振が行われ、自然に移
動される水Wが所定の運動周期をもって液体収納槽14,1
6の側壁に突き当たるときの制御力Fでビルティング12
の揺動が減衰される。
動される水Wが所定の運動周期をもって液体収納槽14,1
6の側壁に突き当たるときの制御力Fでビルティング12
の揺動が減衰される。
一方、前記2つのサーボバルブ28,30を第3図(b)
の状態および第3図(c)の状態に切換えたときは、上
部空間部14b,16bに圧縮空気または負圧空気を供給して
水Wの移動量を制御し、アクティブ制振を行うことがで
きる。
の状態および第3図(c)の状態に切換えたときは、上
部空間部14b,16bに圧縮空気または負圧空気を供給して
水Wの移動量を制御し、アクティブ制振を行うことがで
きる。
例えば、第2図に示したように図中左側のサーボバル
ブ28を第3図(c)の状態に設定し、図中右側のサーボ
バルブ30を第3図(b)の状態に設定した場合に、一方
の上部空間部14bに圧縮空気が供給されて液面L1を押し
下げると共に、他方の上部空間部16bに負圧空気が供給
されて液面L2を引き上げることができる。
ブ28を第3図(c)の状態に設定し、図中右側のサーボ
バルブ30を第3図(b)の状態に設定した場合に、一方
の上部空間部14bに圧縮空気が供給されて液面L1を押し
下げると共に、他方の上部空間部16bに負圧空気が供給
されて液面L2を引き上げることができる。
従って、このように左,右のサーボバルブ28,30がビ
ルディング12の揺動周期に対応して、第3図(b),
(c)の状態に交互に切換えられることにより、液体連
通管18を通過する水Wの移動量を強制的に増大すること
ができる。
ルディング12の揺動周期に対応して、第3図(b),
(c)の状態に交互に切換えられることにより、液体連
通管18を通過する水Wの移動量を強制的に増大すること
ができる。
このように、水Wの移動量が増大されることにより、
前記パッシブ制振に比較して前記制御力Fを大きくする
ことができ、ビルディング12の揺動が大きい場合に、こ
れを効果的に減衰することができる。
前記パッシブ制振に比較して前記制御力Fを大きくする
ことができ、ビルディング12の揺動が大きい場合に、こ
れを効果的に減衰することができる。
尚、前記サーボバルブ28,30の制御は、水Wの移動量
を減少させる方向に制御することもできる。
を減少させる方向に制御することもできる。
このように本実施例の制振装置10では、サーボバルブ
28,30の切換えタイミングを第3図(a),(b),
(c)の状態に適宜制御することにより、ビルディング
12の揺動周期に応じて最適な水Wの移動量、つまり、運
動周期を無段階に設定することができる。
28,30の切換えタイミングを第3図(a),(b),
(c)の状態に適宜制御することにより、ビルディング
12の揺動周期に応じて最適な水Wの移動量、つまり、運
動周期を無段階に設定することができる。
また、前記水Wの運動周期の変化はサーボバルブ28,3
0の単なる切換えにより行われるため、その対応を迅速
に行って応答性を著しく向上し、ビルディング12の揺動
変化に対してリアルタイムに制御することができる。
0の単なる切換えにより行われるため、その対応を迅速
に行って応答性を著しく向上し、ビルディング12の揺動
変化に対してリアルタイムに制御することができる。
尚、本実施例の制振装置10は液体収納槽14,16を2基
設けたツインタンク式のものを例にとって説明したが、
これに限ることなく液体収納槽は3基以上設置したもの
でもよく、また、各液体収納槽の配置も直線状の配列に
限ることなく多角形状に配置することもできる。
設けたツインタンク式のものを例にとって説明したが、
これに限ることなく液体収納槽は3基以上設置したもの
でもよく、また、各液体収納槽の配置も直線状の配列に
限ることなく多角形状に配置することもできる。
また、本実施例ではそれぞれの液体収納槽14,16に加
圧タンク22および減圧タンク26の両方を接続した場合を
開示したが、これに限ることなく、加圧タンクまたは減
圧タンクのいずれか一方のみを接続して、圧縮空気また
は負圧空気のみで水Wの移動量を制御することができ
る。
圧タンク22および減圧タンク26の両方を接続した場合を
開示したが、これに限ることなく、加圧タンクまたは減
圧タンクのいずれか一方のみを接続して、圧縮空気また
は負圧空気のみで水Wの移動量を制御することができ
る。
《発明の効果》 以上説明したように本発明にかかる構造物の制振装置
にあっては、気密構造とされた複数の液体収納槽の底部
を液体連通管で連通すると共に、それぞれ液体収納槽の
上方空間部に、圧縮気体が収納された加圧タンクおよ
び,または負圧気体が収納された減圧タンクを接続し、
この加圧タンクおよび,または減圧タンクと前記上部空
間部とを連通する圧力供給管に制御弁を設けて、この制
御弁を介して入力振動に応じて圧力供給管を開閉制御す
るようにしたので、制御弁の開閉切換えによりそれぞれ
の液体収納槽間で移動される液体の運動周期を、パッシ
ブ制振状態とアクティブ制振状態とで切換えることがで
きる。
にあっては、気密構造とされた複数の液体収納槽の底部
を液体連通管で連通すると共に、それぞれ液体収納槽の
上方空間部に、圧縮気体が収納された加圧タンクおよ
び,または負圧気体が収納された減圧タンクを接続し、
この加圧タンクおよび,または減圧タンクと前記上部空
間部とを連通する圧力供給管に制御弁を設けて、この制
御弁を介して入力振動に応じて圧力供給管を開閉制御す
るようにしたので、制御弁の開閉切換えによりそれぞれ
の液体収納槽間で移動される液体の運動周期を、パッシ
ブ制振状態とアクティブ制振状態とで切換えることがで
きる。
また、アクティブ制振状態では制御弁の切換えタイミ
ングの制御により、液体連通管を移動する液体の運動周
期を強制的に、かつ、緻密に制御することができる。
ングの制御により、液体連通管を移動する液体の運動周
期を強制的に、かつ、緻密に制御することができる。
更に、このように前記液体の運動周期は制御弁の単な
る切換えにより制御されるため、その応答性を大幅に向
上することができ、前記運動周期の緻密な制御と相俟っ
て構造物の制振効果を著しく向上することができるとい
う優れた効果を奏する。
る切換えにより制御されるため、その応答性を大幅に向
上することができ、前記運動周期の緻密な制御と相俟っ
て構造物の制振効果を著しく向上することができるとい
う優れた効果を奏する。
第1図は本発明にかかる制振装置の概略構成図、第2図
は本発明にかかる制振装置の拡大断面図、第3図
(a),(b),(c)は本発明に用いられる制御弁の
一実施例の作動状態を示す説明図である。 10……制振装置 12……ビルディング(構造物) 14,16……液体収納槽 14b,16b……上部空間部 18……液体連通管 20,24……圧力供給管 22……加圧タンク 26……減圧タンク 28,30……サーボバルブ(制御弁) 32……サーボバルブ制御装置 36,40……コンプレッサー 46……制御回路 48……振動センサー
は本発明にかかる制振装置の拡大断面図、第3図
(a),(b),(c)は本発明に用いられる制御弁の
一実施例の作動状態を示す説明図である。 10……制振装置 12……ビルディング(構造物) 14,16……液体収納槽 14b,16b……上部空間部 18……液体連通管 20,24……圧力供給管 22……加圧タンク 26……減圧タンク 28,30……サーボバルブ(制御弁) 32……サーボバルブ制御装置 36,40……コンプレッサー 46……制御回路 48……振動センサー
Claims (1)
- 【請求項1】構造物の適宜部位に所定間隔をおいて水平
方向に設置され、気密構造とされた内部に上方空間部を
設けて液体が収納される複数の液体収納槽と、前記複数
の液体収納槽のそれぞれの底部を連通する液体連通管
と、前記複数の液体収納槽の上方空間部に接続される、
圧縮気体が収納された加圧タンクおよび,または負圧気
体が収納された減圧タンクと、前記加圧タンクおよび,
または減圧タンクと前記上部空間部とを連通する圧力供
給管に設けられた制御弁とを備え、 前記制御弁は、前記加圧タンクおよび減圧タンクの両者
を開制御するパッシブ制振状態と、加圧タンクまたは減
圧タンクを択一的に開制御するアクティブ制振状態とに
切換えられるとともに、アクティブ制振状態では入力振
動に応じて開閉量が制御されるものであることを特徴と
する構造物の制振装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2171664A JP2623925B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 構造物の制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2171664A JP2623925B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 構造物の制振装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0462273A JPH0462273A (ja) | 1992-02-27 |
JP2623925B2 true JP2623925B2 (ja) | 1997-06-25 |
Family
ID=15927413
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2171664A Expired - Fee Related JP2623925B2 (ja) | 1990-06-29 | 1990-06-29 | 構造物の制振装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2623925B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE202004003406U1 (de) | 2004-02-27 | 2004-05-13 | Takata-Petri Ag | Lenkanordnung für Kraftfahrzeuge |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2615225B2 (ja) * | 1989-12-28 | 1997-05-28 | 三菱重工業株式会社 | 構築物用防振装置 |
-
1990
- 1990-06-29 JP JP2171664A patent/JP2623925B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0462273A (ja) | 1992-02-27 |
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Legal Events
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