JP2623673B2 - 電磁継電器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、超電導磁石を用いた電磁継電器に関するも
のである。

（従来の技術及びその課題） 従来、電磁継電器として、磁性コアにコイルを巻回し
た電磁石を備え、該電磁石の励磁、消磁に基づいて接点
を開閉するものが広く使用されている。

しかしながら、前記電磁継電器では、電磁石を構成す
るコイルの占めるスペースが大きい。また、電磁継電器
の小型化を推進すべく各種構成部品を小さくしても、特
性を維持するためにはコイルの巻数を少なくすることが
できず、小型化に限界が生じる。さらに、コイルに電流
を通じることにより発生する熱によって周辺の電子部品
などを損傷する、という問題点を有していた。

（課題を解決するための手段） 本発明は、前記問題点を解決するためになされたもの
で、一実施例を示す第1,〜,3図を参照して説明すると、
対向する一対の磁極板3,4の間に超電導磁石７を有し、
所定の臨界温度以下で、前記磁極板3,4の間に磁界Φを
形成する磁界形成手段８と、前記磁極板3,4の間に配置
され、印加される電流Ｉにより誘導されるローレンツ力
Ｆで移動する電極13と、該電極13を前記移動方向〔Ｘ方
向〕と逆の方向に付勢する付勢手段15と、前記電極13の
動作に基づいて開閉される接点機構17と、で構成したも
のである。

（実施例） 以下、添付図面を参照して本発明を説明する。

第１図は本発明にかかる電磁継電器を示し、１はベー
ス、２はケース、８は磁界形成装置、11は可動ブロッ
ク、17は接点機構である。

磁界形成装置８において、ベース１に固定された磁極
板３と、これに対向する上方の磁極板４は、磁性コア５
で一体的に連結されており、前記磁性コア５の周囲には
超電導コイル６が無端状に巻回され、超電導磁石７が形
成されている。なお、前記超電導コイル６は所定の臨界
温度以下になると、いわゆる超電導状態になるものであ
る。

可動ブロック11において、磁極板3,4の間に配置され
た絶縁性の可動ピース12は下面に可動電極13を有し、磁
極板３の両側に設けた２本の固定電極9,9の上を可動電
極13が摺動しつつ、また、可動ピース12がケース２の側
壁に形成したガイド部16,16にガイドされながら、矢印
X,X′方向に移動可能としてある。なお、前記固定電極
9,9は、ベース１に設けた端子10,10に夫々電気的に接続
されている。また、可動ピース12の後部にはベース１か
ら立設する支持部14に一端を係止したスプリング15の他
端が係止されている。

接点機構17において、可動端子18は可動ピース12の前
面に取り付けてあり、そこには２つの可動接点19,19が
取り付けてある。また、ベース１には固定端子21,21が
固設されており、これら固定端子21,21には前記可動接
点19,19に対向する固定端子20,20が夫々設けてある。

以上の構成からなる電磁継電器は、超伝導コイル６が
超伝導状態になる臨界温度以下の環境下で外部からの磁
界によってコイル６内に電流が発生させられると、これ
によって磁性コア５が励磁されるとともに、磁極板3,4
が夫々異なる極性に磁化される。なお、超電導コイル６
は、細い巻線で大きな電流を流すことができるので、小
さな電磁石７でも、磁極板3,4の間には強力な磁界が発
生される。

この状態で端子10,10、及び固定電極9,9を介して可動
電極13に電流が印加されると、該可動電極13にはローレ
ンツ力が作用する。

具体的に、第３図に示すように、磁極板3,4が夫々S,N
極に励磁されてそれらの間に矢印Ｚ方向の磁界Φが形成
され、可動電極13に矢印Ｙ方向の電流Ｉが印加される
と、可動電極13に対して矢印Ｘ方向のローレンツ力Ｆが
作用する。

その結果、可動電極13が固定電極9,9の上を摺動しつ
つ、可動ピース12がスプリング15に抗して矢印Ｘ方向に
移動し、可動接点19,19が固定接点20,20と接触して、固
定端子21,21が可動端子18を介して電気的に接続され
る。

なお、このとき超電導体からなるコイル７が高温にな
ることはないので、これによって周辺部品を損傷するこ
とはない。

また、電流Ｉが遮断されるとローレンツ力Ｆは消磁
し、可動ピース12及び可動電極13はスプリング15によっ
て矢印Ｘと逆の方向に復帰し、接点19と20とが離反して
固定端子21,21が非導通状態になる。

（発明の効果） 以上の説明で明らかなように、本発明にかかる電磁継
電器では、超電導磁石によって発生される磁界内に可動
電極を配設し、該可動電極に電流を印加することにより
発生するローレンツ力を利用して接点を開閉するように
している。

従って、より少ないコイルの巻数で大きな磁界を発生
することができるため、電磁継電器の小型化が可能とな
る。また、コイルから発生する熱量が少ないため、周辺
の部品を熱によって損傷する危険性が少なく、安全であ
る。

【図面の簡単な説明】

第1,2図は本発明にかかる電磁継電器を示し、第１図は
横断面図、第２図は縦断面図、第３図は動作原理を示す
説明図である。 １……ベース、２……ケース、3,4……磁極板、５……
磁性コア、６……超電導コイル、７……超電導磁石、８
……磁界発生装置、９……固定電極、11……可動ブロッ
ク、12……可動ピース、13……可動電極、15……スプリ
ング、17……接点機構、18……可動端子、19……可動接
点、20……固定接点。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】対向する一対の磁極板の間に超電導磁石を
   有し、所定の臨界温度以下で、前記磁極板の間に磁界を
   形成する磁界形成手段と、前記磁極板の間に配置され、
   印加される電流により誘導されるローレンツ力で移動す
   る電極と、該電極を前記移動方向と逆の方向に付勢する
   付勢手段と、前記電極の動作に基づいて開閉される接点
   機構と、からなることを特徴とする電磁継電器。