JPS6260786B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、接点部材を容器内に封入した電磁継
電器に関し、特に、永久磁石を使つた有極電磁継
電器に関する。

従来のこの種の電磁継電器の構造を第１図を参
照して説明すると、導電体より成る中立端子１０
１と、軟質磁性導電体より成り固定接点１０２，
１０３をそれぞれ固着した第１及び第２の固定接
点端子１０４，１０５とがそれぞれの引出部を合
成樹脂より成る絶縁性筐体１０６の外部へ突出す
るように、かつ２つの固定接点端子１０４，１０
５が中立端子１０１の両側に配置されるように、
絶縁性筐体１０６に固着されている。更に、傾動
運動の支点と接点間隙の設定に寄与する隆性突起
を中央下部に有する軟質磁性材より成る接極子１
０７と、可動接点１０８を有し、非磁性導電材よ
り成る薄板状の可動接点ばね１０９とが熔接等に
よつて固着されて成る可動接点組立体が接極子１
０７の両端部が固定接点端子１０４，１０５の端
部に対向し、かつ接極子１０７の隆状突起が中立
端子１０１の中央平坦部に当接するように、可動
接点ばね１０９を中立端子１０１に熔接等で固定
することで固着されている。

また、永久磁石１１０ａ，１１０ｂが固定接点
端子１０４，１０５を両者とも同一極に磁化する
ようにこれらの固定接点端子の上部近傍に配置さ
れ、絶縁性筐体１０６の開口する周縁部上に合成
樹脂より成る上部筐体（蓋体）１１１を固着する
ことで上述した接点構成部材を気密的に収容する
とともに巻線枠を構成する。これに励磁巻線１１
２が巻回され、コイル端子１１３に接続される。
継鉄１１４は絶縁性筐体１０６の下部に固着さ
れ、磁束通路を構成する。又、筐体１０６及び１
１１の外周には保護カバー１１５が装着されてい
る。

このように構成されるトランスフア型電磁継電
器は、永久磁石１１０ａ，１１０ｂが固定接点端
子１０４，１０５の上部の接点対向部外側に配置
されているために、固定接点端子と接極子間の磁
気間隙と、永久磁石間の距離の長大化を招きもれ
磁束が発生して、磁気効率の低下を免れ得ない。

また、磁気効率低下を補償するためには磁石を
大きくする必要があり、継電器の大形化を免れ得
ない。

更に、２個の永久磁石の磁束密度のばらつき等
により感動電圧値がばらつきやすい等の問題点が
あつた。

本発明は従来の技術に内在する上記諸欠点を解
消する為になされたものであり、従つて本発明の
目的は、１個の永久磁石を軟質磁性材よりなる中
立端子直下付近に配置することにより、小形で磁
気効率が優れ、且つ感動値変動の少ない新規な有
極電磁継電器を提供することにある。

上記目的を達成する為に、本発明による有極電
磁継電器は、絶縁性筐体を貫通する引出部をそれ
ぞれ有する導電性の第１、第２及び第３の端子
と、該第１の端子の上面に当接し、当接点を支点
として前記第１の端子の両側にそれぞれ配設され
た軟質磁性材より成る前記第２及び第３の端子と
選択的に傾動接触する軟質磁性材よりなる接極子
と、この接極子上に配設され、該接極子の傾動に
従動して前記第２及び第３の端子に設けた固定接
点部材を切換えて接触する可動接点部材を有する
可動接点ばね部と、前記第１の端子に電気的に接
続される上に前記接極子の傾動を支持する可動腕
部を有する導電性薄板可動ばねと、前記第１の端
子の近傍でかつ前記接極子の支点に接触する面の
反対側に配置される永久磁石と、前記永久磁石の
他端側に配設され、前記第２及び第３の端子と前
記永久磁石との間に磁束通路を形成する継鉄と、
前記絶縁性筐体上に結合されて各部材を収容する
容器を構成する絶縁性蓋体と、前記筐体及び蓋体
を巻線枠として巻装され、前記接極子を傾動させ
て前記可動接点部材と前記第２及び第３の端子の
それぞれの固定接点部材との選択接触を成させる
励磁巻線とを備えて構成される。

次に本発明をその好ましい一実施例について図
面を参照して具体的に説明する。

第２図は本発明による有極電磁継電器の一実施
例を示す一部破断斜視図である。第２図におい
て、略Ｈ字状の軟質磁性材で導電体より成る中立
端子２０１と、軟質磁性材で導電体より成り、固
定接点２０４及び２０５を固着した第１及び第２
の固定接点端子２０２，２０３とがそれぞれの引
出部を合成樹脂などからなる絶縁性筐体２０６の
外部へ引き出されるように、かつ上記２つの固定
接点端子２０２，２０３が中立端子２０１の両側
に配置されるように絶縁性筐体２０６に固着され
ている。更に、傾動運動の支点と接点間隔の設定
に寄与する隆状突起を中央に有する軟質磁性材よ
り成る接極子２０７と、可動接点２０９，２１０
を有する非磁性導電体より成る薄板状可動ばね２
０８とが、熔接等によつて固着されて成る可動接
点組立体が、接極子２０７の両端部が上記２つの
固定接点端子２０２，２０３の端部に対向し、か
つ接極子２０７の隆状突起が中立端子２０１の中
央平坦部に当接するように可動ばね２０８を中立
端子２０１に熔接等で固定することで固着されて
いる。尚、ここまでの構成は第１図に示した従来
の構成例と同様である。

永久磁石２１１は前記中立端子２０１の直下付
近、即ち、前記接極子２０７と当接する面の反対
側に配置される。この配置により、従来は固定接
点端子２０２，２０３の外側に配置されていた永
久磁石の部分が省けるので、継電器全体が小形化
され、かつ固定接点端子も短小化するために、端
子間抵抗も減少する。

又、磁石が１個なので、従来の２個の永久磁石
の磁束のばらつきによる感動値のばらつきも起ら
ない。絶縁性筐体２０６の開口する周縁部上に合
成樹脂より成る絶縁性の上部筐体２１２（蓋体）
を固着することで、上記したような接点構成部材
を気密的に収容すると共に巻線枠を構成する。こ
れに励磁巻線２１３が巻回される。前記絶縁性筐
体２０６の下部には、略コの字状の継鉄２１４
が、前記永久磁石２１１と固定接点端子２０２，
２０３にそれぞれ当接するように装着されて、磁
束通路を構成する。

永久磁石２１１は、本実施例においては、例え
ば、上下方向に着磁され、磁束の通路は、永久磁
石２１１→中立端子２０１→接極子２０７→固定
接点端子２０２，２０３のどちらか一方（接極子
２０７の傾動動作による）→継鉄２１４→永久磁
石２１１となり、ほぼ磁束は閉回路となるため
に、磁気効率が上がり、永久磁石を小形化でき
る。尚、継鉄２１４が当接する固定接点端子２０
２，２０３は切り換えの信号線なので、電気的に
短絡してはならない。このために、継鉄２１４が
導電体の場合には、固定接点端子に当接する両端
部に薄い樹脂等をはさんだり、又は樹脂コーテイ
ング等により絶縁を確保する。最後に継電器本体
に保護カバー２１５が装着される。

さて、次に第３図ａ，ｂを使つて本発明の動作
原理を説明する。第３図において、永久磁石２１
１により、接極子２０７は、その両端部におい
て、同一極かつ均等に磁化され、傾動に対して双
安定となる。よつて、接極子２０７は第３図の
ａ，ｂのどちらかの状態になる。図中、φＭは永
久磁石２１１からの磁束である。次に、励磁巻線
２１３に永久磁石２１１による磁束φＭを打ち消
す方向に通電を行なうと接極子２０７の両端部で
今までと逆に吸引力が働き、それによつて傾動が
起り、切り換え動作がなされる。以上の説明によ
り、本継電器は自己保持型電磁継電器として動作
する。

又、第４図ａの様に、コの字状継鉄２１４の一
方の端部を取り去り、一方の固定接点端子２０３
とのギヤツプを大きくすると、吸引力のバランス
がくずれ、単安定動作となり、電流保持型が容易
に実現できる。又、第４図ｂは単安定動作の別の
実施例であるが、この場合には、継鉄４１７によ
り通電時に右半分の磁気回路が閉回路になるため
に、吸引力が上り、接点圧力を大きく取れる利点
がある。

本発明は、以上説明したように、永久磁石を中
立端子の直下に配置した構成により、第１図に示
した従来の構成のものよりさらに小形で磁気効率
がよく、高密度実装が可能な電磁継電器が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来における有極電磁継電器の例を示
す一部破断斜視図、第２図は本発明による有極電
磁継電器の一実施例を示す一部破断斜視図、第３
図ａ，ｂは本発明による電磁継電器における自己
保持形の場合の磁気回路の模式図、第４図ａ，ｂ
は本発明による電磁継電器における電流保持形の
場合の磁気回路の模式図である。 ２０１……中立端子、２０２，２０３……固定
接点端子、２０４，２０５……固定接点、２０６
……絶縁性筐体、２０７……接極子、２０８……
可動ばね、２０９，２１０……可動接点、２１１
……永久磁石、２１２……上部筐体、２１３……
励磁巻線、２１４，４１６，４１７……継鉄、２
１５……保護カバー、２１６……スプリングマウ
ント。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 絶縁性筐体を貫通する引出部をそれぞれ有す
   る導電性の軟質磁性材から成る第１、第２及び第
   ３の端子と、この第１の端子の上面に当接し、該
   第１の端子との当接点を支点として前記第１の端
   子の両側にそれぞれ配置された前記第２及び第３
   の端子と選択的に傾動接触する軟質磁性材より成
   る接極子と、この接極子上に配設され、該接極子
   の傾動に従動して前記第２及び第３の端子に設け
   た固定接点部材を切換えて接触する可動接点部材
   を有する可動接点ばね部と、前記第１の端子に電
   気的に接続される上に、前記接極子の傾動を支持
   する可動腕部を有する導電性薄板可動ばねと、前
   記第１の端子の近傍にかつ前記接極子に接触する
   面の反対側に配置される永久磁石と、該永久磁石
   の他端側に配設され、前記第２及び第３の端子と
   前記永久磁石との間に磁束通路を形成する略コの
   字状の継鉄と、前記絶縁性筐体上に結合されて各
   部材を収容する容器を構成する絶縁性蓋体と、前
   記絶縁性筐体及び蓋体を巻線枠として巻装され、
   前記接極子を傾動させることにより前記可動接点
   部材と前記第２及び第３の端子のそれぞれの固定
   接点部材との選択接触を成させる励磁巻線とを備
   えたことを特徴とする有極電磁継電器。