JP2623662B2 - コンクリート構造物の補修方法 - Google Patents

コンクリート構造物の補修方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はコンクリート構造物の補修方法、特に構造的
に補修のための施工が困難とされている床版、梁下、柱
と梁の接合部の剥落箇所の補修に適した補修方法に関す
るものである。
〔従来の技術〕
従来、鉄筋コンクリート構造物の床版、梁下、柱と梁
の接合部の剥落箇所の補修は、コンクリートの打足し
法、吹付けコンクリート工法、エポキシPC工法などが行
われていた。
しかしながらコンクリートの打足し法では、旧コンク
リートとの接着が悪い、型枠づくりに時間と費用がかか
る、モルタルの運送機器が必要である、施工後の養生に
手間と時間がかかる、材料の注入が充分行われない心配
があるなどの欠点がある。その点吹付け工法では、型枠
は必要ないが、表面の仕上りが悪いこと、および薄い層
に分けて施工するため、層と層の間が剥離し易いなどの
欠点がある。またエポキシPC工法は型枠づくりに時間と
費用がかかり、エポキシの注入機器を必要とするととも
に、材料が充分注入されない心配がある。さらに以上の
三方法の共通の欠点としては、後日再補修を行う際、接
着性が悪く、同じ材料による塗り重ねができないという
ことがある。
一方、コンクリート構造物の垂直面の補修に適したア
クリル系レジンモルタルが提案されている(例えば特開
昭63−25253号)。しかしながら、このようなアクリル
系レジンモルタルはコンクリート構造物との接着性が十
分でなく、床版、梁下、柱と梁の接合部等の補修を行う
場合、補修材料が自重で落下しやすいという問題点があ
った。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の目的は、上記問題点を解決するため、簡単な
型枠を使用して、床版、梁下、柱と梁の接合部等のコン
クリート構造物の剥離箇所を、短時間で確実に補修する
ことができ、補修箇所の接着性および外観も優れ、コン
クリート構造物の機能を早く復帰させるとともに、施工
費用の低減を可能にするコンクリート構造物の補修方法
を提案することである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、コンクリート構造物を補修するにあたり、
補修箇所に、 (a)(メタ)アクリル酸および/またはそのエステル
のモノマーと、(b)前記モノマー成分に溶解もしくは
膨潤可能な重合体と、(c)前記モノマー成分に溶解す
る可塑剤と、(d)1分子中に少なくとも2個の重合性
不飽和結合を有する化合物とを含むアクリル系レジンプ
ライマーを塗布した後、 (e)(メタ)アクリル酸およびそのエステルから選ば
れる少なくとも1種のモノマー成分と、(f)このモノ
マー成分に溶解もしくは膨潤可能な重合体と、(g)骨
材と、(h)増粘剤とを含むアクリル系レジンモルタル
を充填する ことを特徴とするコンクリート構造物の補修方法であ
る。
鉄筋コンクリート構造物は、塩害、凍害等により鉄筋
部分において爆裂を生じ、コンクリート部分が剥離す
る。
本発明は鉄筋コンクリート構造物の床版、梁下、柱と
梁の接合部など、傾斜が90゜を超える部分の剥落欠損箇
所を主たる補修対象としているが、他の部分の補修も可
能である。
本発明の補修方法は、予めサンディング等により剥離
部分等の補修箇所の鉄筋の錆等を除去した後、補修箇所
のコンクリート面にアクリル系レジンプライマーを塗布
してコンクリート面に浸透させる。
次に補修箇所の下部に底板1枚からなる型枠を形成
し、増粘剤を添加したアクリル系レジンモルタルを、側
面または型板に予めあけられた材料押入のための穴から
押入れ、突き棒で突きながら、確実に材料が充填される
ことを確認しながら充填する。このようにして、まんべ
んなくレジンモルタルを充填したら、次にレジンモルタ
ルを押入した側面または予めあけた穴の部分を残して硬
化させ脱型する。第2段階として、この残した部分を増
粘したアクリル系レジンモルタルを用いてコテで圧着し
仕上げる。
その後必要により、トップコートの塗装を行い、補修
を完了する。
アクリル系レジンプライマーとしては、(a)(メ
タ)アクリル酸および/またはそのエステルのモノマー
と、(b)前記モノマー成分に溶解もしくは膨潤可能な
重合体と、(c)前記モノマー成分に溶解する可塑剤
と、(d)1分子中に少なくとも2個の重合性不飽和結
合を有する化合物とからなるものが使用される。
(a)のモノマーとしては、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチ
ルなどの(メタ)アクリル酸アルキル、アクリル酸、メ
タクリル酸、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタク
リル−2−ヒドロキシエチル、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ヘキシレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,
2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキシフェニル〕
プロパン、2,2−ビス〔4−(メタ)アクリロイルオキ
シシクロヘキシル〕プロパン、2,2−ビス〔3−(メ
タ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシフ
ェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレートなどを例示することができる。
(b)の重合体としては上記のモノマー特に(メタ)
アクリル酸エステルの単独または共重合体が例示でき
る。可塑剤(c)としては、ジメチルフタレート、ジブ
チルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジペン
チルフタレート、ジオクチルフタレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジブ
チルベンジルフタレートなどのフタル酸エステルを代表
としてあげることができる。
またジエチルマレエート、ジブチルマレエート、ジオ
クチルマレエート、ジブチルフマレート、ジオクチルフ
マレート等の(a)と共重合可能なα、β−不飽和カル
ボン酸エステルのような内部可塑剤もあげることができ
る。
(d)の重合性不飽和結合化合物の代表的にものは、
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,2−プ
ロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブ
チレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルカ
ンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス〔3−
(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキ
シフェニル〕プロパンや昭和高分子(株)製の商品名リ
ポキシVR−60またはリポキシVR−90などのエポキシ樹脂
の(メタ)アクリル酸変性物が例示できる。
一般にこれらの各成分の配合割合は、(a)のモノマ
ー成分が45〜85重量%、(b)の重合体が5〜20重量
%、(c)の可塑剤が1〜25重量%、残部が(d)から
なるのが好ましい。
本発明のアクリル系レジンプライマーを硬化させるに
は、重合開始剤、および必要に応じ常温硬化促進剤とし
てアミン類を配合することができる。
重合開始剤としては、ジアシルペルオキシド、アルキ
ルペルオキシド、アラルキルペルオキシド、過酸、過酸
エステルなどの過酸化物、アゾ系化合物などを使用する
ことができるが、これらのうちではジアシルペルオキシ
ドを使用するのが好ましい。ジアシルペルオキシドとし
て具体的には、ジベンゾイルペルオキシド、ジアセチル
ペルオキシド、ジカプリルペルオキシド、ジラウロイル
ペルオキシド、ジステアロイルペルオキシドなどを例示
することができる。
アミン類としては第一アミン、第二アミンのいずれで
も使用することができるが、第三アミンが好適に使用さ
れる。具体的には、アニリン、トルイジン、キシリジ
ン、フェニレンジアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N
−ジエチルアニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチ
ル)アニリン、N,N−ジメチルトルイジン、N,N−ジエチ
ルトルイジン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジエチ
ルアニシジン、N,N−ジメチル−p−t−ブチルアニリ
ン、N,N−ジエチル−p−t−ブチルアニリン、N,N−ジ
エチル−p−クロルアニリン、ジフェニルアミン、N,N
−(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジンなどを例
示することができる。これらの中では、N,N−ジメチル
−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−ブチルアニリ
ン、N,N−ジメチルアニシジン、N,N−ジメチル−p−ク
ロルアニリン、N,N−ビス(β−ヒドロキシエチル)−
p−トルイジンなどの少なくともベンゼン類のp位に電
子供与体の置換基を有する第三アミンが好ましく、N,N
−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチル−p−t
−ブチルアニリンが特に好ましい。
この重合開始剤およびアミン類のレジンプライマーに
対する配合割合は前記(a)〜(d)よりなるレジンプ
ライマー100重量部に対して概ね前者が0.1〜20重量部、
後者が0.1〜20重量部である。
また、空気中の酸素によるラジカル捕捉により表面の
硬化反応が十分進まない事を無くすため固体のパラフィ
ン、好ましくは融点40〜60℃のパラフィンワックスの添
加が好ましい。このパラフィンのレジンプライマーに対
する配合割合は、前記(a)〜(d)よりなるレジンプ
ライマー100重量部に対し、0.1〜1.0重量部である。
本発明で使用するアクリル系レジンモルタルとして
は、(e)(メタ)アクリル酸およびそのエステルから
選ばれる少なくとも1種のモノマー成分と、(f)この
モノマー成分に溶解もしくは膨潤可能な重合体および
(g)骨材とを実質的に主成分とするアクリル系レジン
モルタルに(h)増粘剤を添加したものを使用する。増
粘剤としては親有機性粘土を配合したものが好ましい。
なお、骨材粒径の大小によってコンクリートあるいは
モルタルと一般に区別されているが、本発明においては
両者を区別せずに単にモルタルで統一して表示する。
このようなアクリル系レジンモルタルの一例として、
前記アクリル系レジンプライマーと同じ組成のもの、た
とえば、(a)(メタ)アクリル酸および/またはその
エステルのモノマーと、(b)前記モノマー成分に溶解
もしくは膨潤可能な重合体と、(c)前記モノマー成分
に溶解する可塑剤と、(d)1分子中に少なくとも2個
の重合性不飽和結合を有する化合物とからなるものに、
骨材および親有機性粘土を配合したものが例示できる。
骨材としては、一般のコンクリートやモルタルに用い
られるのと同様に珪砂、砂利、砕石などの粗骨材や細骨
材の他に、炭酸カルシウム、クレー、タルク、カオリ
ン、水酸化アルミニウム、酸化アルミニウムあるいはガ
ラスビーズであってもよい。また、これらの骨材はレジ
ンモルタルとしての装飾性を付与するため周知の顔料や
染料で被覆着色されていてもよく、さらに被覆着色時に
シランカップリング剤を存在させて被覆着色されたよう
な骨剤であっても一向に差支えない。骨材の配合割合は
補修箇所に応じて異なるが、前記(a)〜(d)の合計
量に対して通常600〜1300重量%、とくに800〜1100重量
%が好ましい。
前記の構成のアクリル系レジンモルタルに配合する親
有機性粘土は、たとえばカチオン交換容量をもつスメク
タイト型粘土と有機カチオン化合物とを反応させて得ら
れる親有機性粘土が好ましい。このような親有機性粘土
は、一般にゲル形成能力が大きく、増粘性やチキントロ
ピー性を付与することは周知であるが、アクリル系レジ
ンモルタルに配合した場合、レジンモルタルの付着性を
も改良することは全く予測できない現象である。
親有機性粘土を製造するのに用いられる粘土は、カチ
オン交換容量一般には粘土100gあたり75ミリ当量以上の
カチオン交換容量をもつスメクタイト型粘土が好まし
い。なお、カチオン交換容量は、周知の酢酸アンモニウ
ム法で測定できる。
使用する粘土、とくにベントナイト型の粘土は、Na形
でないときにはNa形に交換して用いるのが好ましい。Na
形に変換するには、粘土の水性スラリーを作り、これを
Na形のカチオン交換樹脂中に通過させることによって可
能である。また別には、粘土を水および炭酸ナトリウム
や水酸化ナトリウム等の水溶性のNa化合物と混合し、バ
グミルや押出機で剪断力をかけながら混練しても可能で
ある。
本発明で使用する粘土は天然産のスメクタイト型粘土
であっても、また合成されたスメクタイト型粘土であっ
ても使用可能である。より具体的なスメクタイト型粘土
の例としては、モンモリロナイト、ベントナイト、バイ
デライト、ヘクトライト、サボナイト、ステペンサイト
等があり、とくにベントナイトたとえばワイオミング産
の天然種の膨潤性ベントナイトあるいはヘクトライトな
どの膨潤性マグネシウム−リチウム・シリケート粘土が
好ましい。
有機カチオン化合物は、前記のスメクタイト型粘土と
カチオン交換反応を起こし親有機性粘土を形成できるも
のであればとくに制限なく使用可能である。使用される
有機カチオン化合物としては、アンモニウム、ホスホニ
ウム、オキソニウム、スルホニウム、アルソニウム、ス
チボニウムおよびこれらの混合物から選択された1分子
当り少なくとも1個のカチオンを有する有機化合物また
はその塩がある。とくに好ましく使用されるのは、有機
アンモニウム塩とくに第4級アンモニウム塩である。こ
れらの有機カチオン化合物は、好ましくは炭素数8〜22
の鎖状ないし分岐状のアルキル基を少なくとも1個含有
する。適当な有機カチオン化合物の具体例として、ジメ
チルジオクタデシルアンモニウム、ジメチルベンジルド
デシルアンモニウム、ジメチルベンジル水素化牛脂アン
モニウム、メチルベンジル水素化牛脂アンモニウム、ト
リメチルヘキサデシルアンモニウム、トリメチルベンジ
ルアンモニウムおよびこれらの混合物などがある。しか
し、ここに例示しないものであっても、スメクタイト型
粘土と反応して親有機性粘土を得ることのできる有機カ
チオン化合物を使用できることについては、当業者であ
れば自明であろう。
親有機性粘土を製造するには、たとえばスメクタイト
型粘土と有機カチオン化合物と水とを混合し、次いで濾
過、洗浄、乾燥および粉砕することによって得られる。
本発明に用いる親有機性粘土は、また有機カチオン化
合物を反応させる際に有機アニオン化合物を共存させ、
有機アニオンと有機カチオンの錯体を形成させて、この
錯体をスメクタイト型粘土にインターカレートさせても
よい。
以上に述べて来た親有機性粘土のより具体的な製造方
法については、たとえば特公昭57−35731号、特公昭60
−9068号、特開昭57−111371号等に開示されている。ま
た、これらの親有機性粘土は、商品名「BENTONE 27」、
「BENTONE 38」、「NEW DORBEN」として容易に入手でき
る。
本発明においては、前述したアクリル系レジンモルタ
ルに親有機性粘土を配合することによって施工に施した
粘度に調整することができる。親有機性粘土の配合割合
は、配合前のレジンモルタルの流動性ならびに目的とす
る流動性等によって左右されるが、一般に0.1〜5重量
%とくに0.5〜1.5重量%が好ましい。少なすぎると本発
明の目的は達成できないし、また多すぎると極端に流動
性が悪くなってこれもまた目的を達成できない。
本発明で使用するアクリル系レジンモルタルは、上記
各成分の他に安定剤等の他の成分を配合することができ
るが、レジンプライマーに配合可能とされたパラフィン
ワックスは配合しない方が好ましい。
上記のアクリル系レジンモルタルはレジンプライマー
の場合と同様に、前記重合開始剤、および必要に応じ常
温硬化促進剤としてアミン類を配合することによって硬
化させることが可能である。重合開始剤および常温硬化
促進剤の種類、配合割合はプライマーの場合と同様であ
る。
上記のアクリル系レジンプライマーをコンクリート構
造物の補修箇所に予め塗布することにより、レジンプラ
イマーはコンクリート構造物の割れ目、すき間等に浸透
してアンカー効果を発揮し、コンクリート構造物とレジ
ンモルタルの接着性を高める。
また上記のアクリル系レジンモルタルは、適度の粘度
を有するため、底板1枚の簡単な型枠で施工でき、型枠
組みの手間が省けるとともに、また硬化時間が約30分と
短いため、施工時間が大幅に短縮できる。そして特殊な
機械器具を用いる必要がなく、施工工程が単純であるた
め、作業者の熟練を必要としない。また材料を目で確認
しながら押入充填するため鬆をつくることがなく、旧コ
ンクリートとの接着が良い。さらにアクリル系レジンモ
ルタルは耐久性(耐候性、耐水性、耐凍害、耐塩害)が
あり仕上りも良好である。
上記のアクリル系レジンプライマーおよびアクリル系
レジンモルタルとも、アクリル系モノマーにアクリル系
重合体を配合しているので、アクリル系モノマーのみを
重合させる場合に比べて収縮率は低下し、補修部分の強
度を大きくすることができる。また2個の重合性不飽和
結合を有する化合物を含むため、三次元構造となり、強
度は大きくなる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面により具体的に説明す
る。
実施例において用いたアクリル系レジンプライマー
は、メチルメタクリレート70重量部、ポリメチルメタク
リレート20重量部、1,4−ブチレングリコールジメタク
リレート5重量部、およびジシクロヘキシルフタレート
5重量部からなるものであり、またアクリル系レジンモ
ルタルは、これらにさらに珪砂650重量部、炭酸カルシ
ウム150重量部、および親有機性粘土としてBENTONE 27
(NLインダストリイズ社製、商品名)を8重量部配合し
たものであり、いずれも重合開始剤としてジアシルペル
オキシドを5重量部、硬化促進剤としてN,N−ジメチル
アニリンを1重量部配合して使用した。
第1図ないし第3図は実施例の梁の補修方法の工程を
示す断面図である。図において、1はコンクリート構造
物、2は鉄筋、3は欠落部分、4はアクリル系レジンプ
ライマー、5は型枠、6はアクリル系レジンモルタルで
ある。コンクリート構造物1の欠落部分3の補修方法
は、まず第1図の状態から、コンクリート構造物1の欠
落部分3の表面から浅い部分に生じたひび割れや剥離あ
るいは弱化部分は、その部分を斫り落し、次に斫り屑、
粉、ごみなどの付着物をワイヤーブラシなどで取除く。
斫り面はあまり粗面であるとこの部分に空隙部分を生じ
て付着力を減じるので注意する。
鉄筋2などの鋼材がある場合は、錆落しを充分行い、
鋼材と旧コンクリートとの間は少なくとも2.5cm程度の
距離をとる。
このようにして処理を行った後、第2図に示すよう
に、補修をすべき旧コンクリート面およびその周囲約5c
m幅位にアクリル系レジンプライマー4を塗布する。プ
ライマー4は約30分間で硬化するので、硬化後第3図に
示すように型枠5をつくる。この型枠5は剥離箇所の底
板に相当する当て板1枚で良く、支柱7で支持する。そ
してアクリル系レジンモルタル6を側面8の開放部分
(型枠5の側面が開放していない場合は型枠5に形成し
た穴)から補修箇所に左官ゴテなどを使って押入れ、こ
の際突き棒でモルタル6を突きながらくり返し押入れ
る。完全に補修箇所にモルタル6が充填されたことを確
認したら押入を止め、モルタル6を押入れた側面、また
は穴の部分の仕上げを残してモルタル6の硬化を持つ。
モルタル6は約30分間で硬化するので、硬化後脱型し、
先に仕上げを行わなかった部分にプライマー4を塗布
し、プライマー4が硬化したら、再びアクリル系レジン
モルタル6を左官ゴテで仕上げる。最終に補修部分全体
にアクリル系レジンプライマー4と同じ組成のコーティ
ング材に、旧コンクリートと同色の顔料を加えて、薄く
化粧仕上げをし完成させる。
上記により完成した補修部は、強度、耐候性、および
コンクリート構造物との接合性等は良好であり、仕上り
外観も優れている。
なお、本発明の補修方法はコンクリート構造物の床
版、梁下、柱と梁の接合部等の傾斜が90゜を超える部分
の剥離箇所の補修に優れているが、他の部分の補修にも
適用できる。
〔発明の効果〕
本発明によれば、簡単な型枠を使用して、床版、梁
下、柱と梁の接合部等のコンクリート構造物の剥離箇所
を、短時間で確実に補修することができ、補修箇所の接
着性および外観も優れ、コンクリート構造物の機能を早
く復帰させるとともに、施工費用の低減を可能にするこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第3図は実施例の工程を示す断面図であ
る。 各図中、同一符号は同一または相当部分を示し、1はコ
ンクリート構造物、2は鉄筋、3は欠落部分、4はアク
リル系レジンプライマー、5は型枠、6はアクリル系レ
ジンモルタルである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンクリート構造物を補修するにあたり、
    補修箇所に、 (a)(メタ)アクリル酸および/またはそのエステル
    のモノマーと、(b)前記モノマー成分に溶解もしくは
    膨潤可能な重合体と、(c)前記モノマー成分に溶解す
    る可塑剤と、(d)1分子中に少なくとも2個の重合性
    不飽和結合を有する化合物とを含むアクリル系レジンプ
    ライマーを塗布した後、 (e)(メタ)アクリル酸およびそのエステルから選ば
    れる少なくとも1種のモノマー成分と、(f)このモノ
    マー成分に溶解もしくは膨潤可能な重合体と、(g)骨
    材と、(h)増粘剤とを含むアクリル系レジンモルタル
    を充填する ことを特徴とするコンクリート構造物の補修方法。
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