JP2620672B2 - 同軸誘電体共振器の製造方法 - Google Patents
同軸誘電体共振器の製造方法Info
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- JP2620672B2 JP2620672B2 JP13251292A JP13251292A JP2620672B2 JP 2620672 B2 JP2620672 B2 JP 2620672B2 JP 13251292 A JP13251292 A JP 13251292A JP 13251292 A JP13251292 A JP 13251292A JP 2620672 B2 JP2620672 B2 JP 2620672B2
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- dielectric resonator
- copper
- plating
- electrode layer
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波フィルタ、高周
波発振器等に用いられる同軸誘電体共振器の製造方法に
関するものである。
波発振器等に用いられる同軸誘電体共振器の製造方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は従来の一般的な同軸誘電体共振器
を示したものである。図において、6はTiO2-ZrO2-SnO2
を主成分とし、焼結性を促進させる添加物としてCoOを
1重量%、Nb2O5を2.5重量%添加した材料からなる誘電
体セラミックであり、中央に円筒状の貫通孔7を有する
直方体形状に焼結される。8は電極層であり、外導体
9、内導体10および短絡端11が銀ペーストの焼きつ
けによって形成される。すなわち、銀粉末にガラスフリ
ット、有機バインダおよび溶剤を混合し、ペースト状に
形成した銀ペーストを印刷、塗布あるいはディップ等の
方法で誘電体セラミックに付着させた後、800℃前後
の高温で焼き付けされる。12は電極層を形成しない開
放端である。
を示したものである。図において、6はTiO2-ZrO2-SnO2
を主成分とし、焼結性を促進させる添加物としてCoOを
1重量%、Nb2O5を2.5重量%添加した材料からなる誘電
体セラミックであり、中央に円筒状の貫通孔7を有する
直方体形状に焼結される。8は電極層であり、外導体
9、内導体10および短絡端11が銀ペーストの焼きつ
けによって形成される。すなわち、銀粉末にガラスフリ
ット、有機バインダおよび溶剤を混合し、ペースト状に
形成した銀ペーストを印刷、塗布あるいはディップ等の
方法で誘電体セラミックに付着させた後、800℃前後
の高温で焼き付けされる。12は電極層を形成しない開
放端である。
【0003】ところで、高周波用の誘電体共振器には高
いQが要求される。誘電体共振器の無負荷QをQu誘電
体セラミック材料のQをQd電極の導体損によるQを
Qe、放射損によるQをQrとすると、Quは次式で示さ
れる。
いQが要求される。誘電体共振器の無負荷QをQu誘電
体セラミック材料のQをQd電極の導体損によるQを
Qe、放射損によるQをQrとすると、Quは次式で示さ
れる。
【0004】
【数1】
【0005】通常、Qdは10,000〜20,000程度であり、
Qeは数百程度である。また、誘電体共振器が開放端以
外の面が全て導体で被われている場合、Qrは無限大と
なる。従って、Qeの値がQuに大きく影響する。電極を
構成する金属の導電率が高いほどQeは高くなるため、
高いQuを実現するためには電極の導電率を高くする必
要がある。
Qeは数百程度である。また、誘電体共振器が開放端以
外の面が全て導体で被われている場合、Qrは無限大と
なる。従って、Qeの値がQuに大きく影響する。電極を
構成する金属の導電率が高いほどQeは高くなるため、
高いQuを実現するためには電極の導電率を高くする必
要がある。
【0006】上述の従来技術においては、銀ペーストは
密着性を得るためにガラスフリットの混入が不可欠であ
り、これにより、銀本来の導電率 6.06×105(Ω-1c
m-1)が20〜30%低下するため、Qu が低くなるとい
う欠点がある。また、上述の従来技術では、外導体9、
内導体10および短絡端11の合計6面に電極を形成す
る必要があるが、構造が複雑なため、銀ペーストを塗布
する際の作業性が悪く量産に適さない。さらに、塗りむ
らが発生しやすくQu の低下や、素子間でのばらつきを
生じるという欠点があった。
密着性を得るためにガラスフリットの混入が不可欠であ
り、これにより、銀本来の導電率 6.06×105(Ω-1c
m-1)が20〜30%低下するため、Qu が低くなるとい
う欠点がある。また、上述の従来技術では、外導体9、
内導体10および短絡端11の合計6面に電極を形成す
る必要があるが、構造が複雑なため、銀ペーストを塗布
する際の作業性が悪く量産に適さない。さらに、塗りむ
らが発生しやすくQu の低下や、素子間でのばらつきを
生じるという欠点があった。
【0007】このような理由から、例えば特開昭54−
108554号公報(H01P 7/00)に記載され
ている如く、最近では銀ペーストを塗布する代わりに、
誘電体セラミック上に無電解メッキにより銅被膜を形成
する方法が提案されている。この従来技術では、 誘電体セラミックの脱脂工程(セラミック表面を洗浄
し界面活性剤により濡れ性をよくする。) エッチング工程(フッ酸、硝酸、塩酸等の混合液にて
表面を粗化する。) 活性化工程(触媒を付与する。) メッキ工程(硫酸銅、EDTA、ホルマリン、NaOH等
を含むメッキ浴。) 水洗、乾燥工程 等の工程よりなる。
108554号公報(H01P 7/00)に記載され
ている如く、最近では銀ペーストを塗布する代わりに、
誘電体セラミック上に無電解メッキにより銅被膜を形成
する方法が提案されている。この従来技術では、 誘電体セラミックの脱脂工程(セラミック表面を洗浄
し界面活性剤により濡れ性をよくする。) エッチング工程(フッ酸、硝酸、塩酸等の混合液にて
表面を粗化する。) 活性化工程(触媒を付与する。) メッキ工程(硫酸銅、EDTA、ホルマリン、NaOH等
を含むメッキ浴。) 水洗、乾燥工程 等の工程よりなる。
【0008】上述の従来技術のメッキ工程により形成さ
れる銅被膜の密着性は誘電体セラミックの表面粗さと深
い関係がある。表面粗さが大きい程、銅被膜の密着強度
は上がるが、粗くすれば共振器の無負荷Qが劣化する事
が特開昭60−132402号公報(H01P 11/
00)に記載されている。このため、表面粗さとしては
銅被膜の密着が十分得られ且つ無負荷Qが高い状態が求
められ、しかも、表面粗さは誘電体セラミックのどの部
分においてもバラツキなく均一でなければならない。
れる銅被膜の密着性は誘電体セラミックの表面粗さと深
い関係がある。表面粗さが大きい程、銅被膜の密着強度
は上がるが、粗くすれば共振器の無負荷Qが劣化する事
が特開昭60−132402号公報(H01P 11/
00)に記載されている。このため、表面粗さとしては
銅被膜の密着が十分得られ且つ無負荷Qが高い状態が求
められ、しかも、表面粗さは誘電体セラミックのどの部
分においてもバラツキなく均一でなければならない。
【0009】また、無電解銅メッキで形成された銅皮膜
は高温状態又は高湿状態において酸化する。そこで、酸
化防止のために銅皮膜上にNiメッキ層等の第2電極層
を形成する技術が、特開昭59−176907号公報
(H01P7/10)に記載されている。
は高温状態又は高湿状態において酸化する。そこで、酸
化防止のために銅皮膜上にNiメッキ層等の第2電極層
を形成する技術が、特開昭59−176907号公報
(H01P7/10)に記載されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】第2電極層としてNi
メッキ層を形成した場合、銅メッキ層の酸化を十分に防
止することができる。しかし、誘電体共振器を高周波フ
ィルター等に組み立てる際の半田付け時、あるいはこの
高周波フィルタを高周波回路に実装する際の半田付け時
に高温(200°C以上)にさらされるため、Niメッ
キ層がアモルファス状態から結晶化し結晶状態に転移す
る。この結果、転移の際に発生する応力により、銅皮膜
の密着力が低下しQuの低下を招くという問題点があっ
た。
メッキ層を形成した場合、銅メッキ層の酸化を十分に防
止することができる。しかし、誘電体共振器を高周波フ
ィルター等に組み立てる際の半田付け時、あるいはこの
高周波フィルタを高周波回路に実装する際の半田付け時
に高温(200°C以上)にさらされるため、Niメッ
キ層がアモルファス状態から結晶化し結晶状態に転移す
る。この結果、転移の際に発生する応力により、銅皮膜
の密着力が低下しQuの低下を招くという問題点があっ
た。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上述の従来技術
の欠点を改善するものであり、高周波用誘電体セラミッ
ク上に無電解メッキにより銅皮膜電極を形成してなる同
軸誘電体共振器の製造方法において、前記銅皮膜電極表
面を酸化し酸化皮膜を形成するとともに、電解メッキも
しくは無電解メッキにより前記酸化皮膜上にNi電極層
を形成することを特徴とするものである。
の欠点を改善するものであり、高周波用誘電体セラミッ
ク上に無電解メッキにより銅皮膜電極を形成してなる同
軸誘電体共振器の製造方法において、前記銅皮膜電極表
面を酸化し酸化皮膜を形成するとともに、電解メッキも
しくは無電解メッキにより前記酸化皮膜上にNi電極層
を形成することを特徴とするものである。
【0012】
【作用】銅電極層とNi電極層の間に酸化膜を形成する
ことにより、200°C以上の高温状態でのNi電極の
結晶化の際に発生する応力を酸化膜が緩和する。
ことにより、200°C以上の高温状態でのNi電極の
結晶化の際に発生する応力を酸化膜が緩和する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。図1は本
発明による同軸誘電体共振器の製造方法を示す図であ
る。まず、BaO-TiO2-NdO3 系の誘電体セラミック材料を
中心に円孔を有する 2.0mm×2.0mm×4.0mm の直方体に
成形後、1300°C前後で焼結を行う(工程1)。次
に、この誘電体セラミック上に、無電解銅メッキにより
銅電極層を形成する(工程2)。このとき、銅電極層の
厚みは表皮深さ以上が必要であるが、厚すぎるとフクレ
が発生するため、4〜6μmが適している。銅電極層を
形成した誘電体セラミックを有機酸(ぎ酸、酢酸等)と
無機酸(硝酸、塩酸、硫酸等)の混合液中に2〜3分浸
漬し、水洗後、真空中で200°C、1時間熱処理する
ことにより、銅電極層上に極めて薄い酸化膜を形成する
(工程3)。その後、無電解Niメッキを施しNi電極
層を形成する(工程4)。最後に、開放端面の電極を研
摩により除去して(工程5)、同軸誘電体共振器を完成
させる。
発明による同軸誘電体共振器の製造方法を示す図であ
る。まず、BaO-TiO2-NdO3 系の誘電体セラミック材料を
中心に円孔を有する 2.0mm×2.0mm×4.0mm の直方体に
成形後、1300°C前後で焼結を行う(工程1)。次
に、この誘電体セラミック上に、無電解銅メッキにより
銅電極層を形成する(工程2)。このとき、銅電極層の
厚みは表皮深さ以上が必要であるが、厚すぎるとフクレ
が発生するため、4〜6μmが適している。銅電極層を
形成した誘電体セラミックを有機酸(ぎ酸、酢酸等)と
無機酸(硝酸、塩酸、硫酸等)の混合液中に2〜3分浸
漬し、水洗後、真空中で200°C、1時間熱処理する
ことにより、銅電極層上に極めて薄い酸化膜を形成する
(工程3)。その後、無電解Niメッキを施しNi電極
層を形成する(工程4)。最後に、開放端面の電極を研
摩により除去して(工程5)、同軸誘電体共振器を完成
させる。
【0014】このようにして製造した同軸誘電体共振器
の特性は、f0が1.7GHz、Quが200〜220、εrが98〜99
である。また、従来技術により製造された同軸誘電体共
振器と 、耐熱性を比較すると、表1のようになる。
の特性は、f0が1.7GHz、Quが200〜220、εrが98〜99
である。また、従来技術により製造された同軸誘電体共
振器と 、耐熱性を比較すると、表1のようになる。
【0015】
【表1】
【0016】表1において、密着力とは誘電体共振器上
にφ2のワイヤーを半田付けし、ワイヤーを引っ張って
電極層が剥離するときの力を示す。
にφ2のワイヤーを半田付けし、ワイヤーを引っ張って
電極層が剥離するときの力を示す。
【0017】表1より、本発明による同軸誘電体共振器
は、350°CまでQuの変化はなく、また、400°
Cまでf0の変化はない。さらに、密着力の低下も見ら
れず、従来技術によるものと比較して優れた特性を示し
ている。
は、350°CまでQuの変化はなく、また、400°
Cまでf0の変化はない。さらに、密着力の低下も見ら
れず、従来技術によるものと比較して優れた特性を示し
ている。
【0018】
【発明の効果】上述のように、本発明による同軸誘電体
共振器は、銅電極層上に応力緩和の酸化膜を形成して、
Ni電極層を設けるため、高温放置においてのNiの結
晶化による応力の影響を受けず、Qu、f0、密着力の変
化が小さいので、半田付け時の高温にも耐えることがで
き、特性の劣化がない。
共振器は、銅電極層上に応力緩和の酸化膜を形成して、
Ni電極層を設けるため、高温放置においてのNiの結
晶化による応力の影響を受けず、Qu、f0、密着力の変
化が小さいので、半田付け時の高温にも耐えることがで
き、特性の劣化がない。
【図1】本発明による同軸誘電体共振器の製造方法を示
す図
す図
【図2】従来の同軸誘電体共振器を示す図である。
2 無電解銅メッキ工程 3 酸化皮膜形成工程 4 無電解Niメッキ工程
Claims (1)
- 【請求項1】 高周波用誘電体セラミック上に無電解メ
ッキにより銅皮膜電極を形成してなる同軸誘電体共振器
の製造方法において、前記銅皮膜電極表面を酸化し酸化
皮膜を形成するとともに、電解メッキもしくは無電解メ
ッキにより前記酸化皮膜上にNi電極層を形成すること
を特徴とする同軸誘電体共振器の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13251292A JP2620672B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 同軸誘電体共振器の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13251292A JP2620672B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 同軸誘電体共振器の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05327326A JPH05327326A (ja) | 1993-12-10 |
JP2620672B2 true JP2620672B2 (ja) | 1997-06-18 |
Family
ID=15083077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13251292A Expired - Fee Related JP2620672B2 (ja) | 1992-05-25 | 1992-05-25 | 同軸誘電体共振器の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2620672B2 (ja) |
-
1992
- 1992-05-25 JP JP13251292A patent/JP2620672B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05327326A (ja) | 1993-12-10 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |