JP2619571B2 - 透磁率、保磁力共に優れた一方向性電磁鋼板およびその製造方法 - Google Patents
透磁率、保磁力共に優れた一方向性電磁鋼板およびその製造方法Info
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Description
た純鉄およびその製造方法に関する。
シールド材料には、優れた直流磁化特性が要求される。
高磁束密度、高透磁率、低保磁力は、たとえば電磁石の
強力化、高感度化、残留磁気の低減につながり、また磁
気シールド材料としては漏洩磁界の低減や、シールド材
の軽量化をもたらす。鉄は飽和磁束密度が高いので、上
記用途に適しており、純鉄の透磁率、保磁力を改善する
試みが60年以上続けられてきた。その中で本発明は、飽
和磁束密度が高く、コイル幅方向に透磁率、保磁力が極
めて優れた純鉄およびその製造方法を提供するものであ
る。
して、高純化、結晶粒の粗大化、方位制御の3手段が主
に行われてきた。
不純物を極力低減した純鉄では、初透磁率1000、最大透
磁率200000、保磁力0.05(Oe)の特性(R.M.Bozorth:Ferro
magnetism(1951))が得られている。工業的には純化に限
度があるため、純化に加えて、結晶粒の粗大化を同時に
行い直流磁化特性を向上させている。最近では、純鉄に
Al を1%程度添加し、高温までα単相とした鋼を、高
温長時間熱処理することにより、粒径を2〜6mmと粗大
化し、最大透磁率49000 、保磁力0.19(Oe)(NKK技報No.1
30(1990)p.32) を得ている。
ないため、磁界が多方向にかけられる用途に適している
が、一方向だけの特性については特性向上の余地が多
い。
途には、特定の方向に磁化されやすい鉄が求められてい
るため、3番目の手段である方位制御も古くから行われ
てきた。たとえば、D.M.Kohler(J.Appl.Phys.38(1967)1
176)は、 MnSを用いて二次再結晶させた純鉄が、従来の
方位制御をしない鉄に比べて、極めて優れた直流磁化特
性を持つことを述べている。これらの技術は、すべてコ
イル長手方向に<001>軸を揃えたものであり、本発明
とはこの点で異なる。
の分野では、純鉄はシールド用建築材料として用いられ
ることもあり、現在のコイル幅以上に広い面積に材料を
利用する場合、溶接等で接着する必要がある。公知のよ
うに、接着は磁化特性を劣化させるので、幅方向に磁化
特性が優れた材料を工業的に得ることは重要である。
向の透磁率、保磁力が優れた純鉄およびその製造方法を
提供するものである。
で、Al:0.003 〜0.03%、N:0.001 〜0.01%、残部
Feおよび不可避的不純物よりなり、コイル幅方向に10
Oe の磁界をかけた時の透磁率が1800以上、かつ保磁力
が 0.8 Oe 以下であることを特徴とする圧延方向に{11
0 }<001> 方位を揃えた一方向性電磁鋼板であり、ま
た、重量%で、C:0.01〜0.1 %、Al:0.003 〜0.03
%、N:0.001 〜0.01%を含み、残部Feおよび不可避
的不純物よりなる熱延スラブを加熱、熱延した後、熱延
方向と直角な方向に冷延率50〜75%の冷延を施して最終
板厚とし、脱炭焼鈍後、変態しない890℃以下の温度
で最終焼鈍を行うことにより、コイル幅方向に10 Oe の
磁界をかけた時の透磁率が1800以上、かつ保磁力が 0.8
Oe 以下であることを特徴とする圧延方向に{110 }<
001> 方位を揃えた一方向性電磁鋼板の製造方法にあ
る。
得られるものでよく、例えば連続鋳造によるものなどで
よい。またスラブ加熱時間は、スラブ厚に応じて均質化
が十分できる時間とすればよい。脱炭焼鈍も公知の手段
による。例えば、湿水素中で熱処理を行えばよい。最終
焼鈍は、α−γ変態の起こらない890℃以下の温度域
でなるべく高温がよく、焼鈍時間も二次再結晶粒が十分
成長する時間にする。
延組織の微細・均一化に役立ち、50〜75%の冷延率によ
る冷延・脱炭焼鈍後の{111 }方位を発達させ、{110
}<011 >方位優先成長の選択性を高めるため、0.01
〜0.1重量%添加する。下限は、熱延組織を粗大にしな
いC量であり、上限は、脱炭時間を極力短縮するために
0.1重量%とした。Al は、 AlNの形で{110 }<011
>方位以外の方位を持つ粒の成長を抑制するインヒビタ
ーとして働くので、少なくとも 0.003重量%以上のAl
が必要である。必要量以上のAl 添加は、磁化特性に有
害であるばかりでなく、{110 }<011 >粒の成長まで
抑制するため、0.03重量%を上限とした。Nは、二次再
結晶を生じるために必要な AlNを形成するために 0.001
重量%必要であるが、これもAl の場合と同様の考え方
により0.01重量%を上限とした。その他の元素について
は、本発明の{110 }<011 >方位二次再結晶粒の発生
を妨げない範囲で添加することは許される。たとえば、
初透磁率を上げるなどの目的で、Si, Tiなどを添加す
る、あるいは、熱間脆性を改善するなどの目的でMn な
どを添加してもよい。製鋼段階でやむをえず含まれる不
純物元素もこれに含まれる。
い要件として、冷延率がある。冷延率は、低すぎると二
次再結晶粒が発生しないあるいは、発生しても充分な磁
性が得られない。冷延率が高すぎると、やはり{110 }
<011 >方位の集積度が落ちる。高透磁率を得るという
本発明の趣旨から、冷延率を50〜75%に限定した。
み残部が鉄よりなる熱延板を出発材とし、表1中の No.
1〜8の冷延条件で熱延方向と直角方向に冷延後、 830
℃(湿水素中)で脱炭焼鈍、 890℃×40時間の最終焼鈍
を行ない、表1に示す透磁率を持つ材料を得た。本発明
の冷延率範囲であれば、二次再結晶後のコイル幅方向の
透磁率が高く、保磁力が小さい一方向性電磁鋼板を得る
ことができる。
1中、表1 No.6の条件で処理した。その結果、表2中
の透磁率を持つ一方向性電磁鋼板を得た。本発明成分に
よれば、コイル幅方向の透磁率が優れた一方向性電磁鋼
板を製造することができる。
率、保磁力が優れた一方向性電磁鋼板を初めて工業的に
製造することができるので、産業上の利益は極めて大き
い。
1 >方位二次再結晶粒の模式図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量%で、Al:0.003 〜0.03%、N:
0.001 〜0.01%、残部Feおよび不可避的不純物よりな
り、コイル幅方向に10 Oe の磁界をかけた時の透磁率が
1800以上、かつ保磁力が 0.8 Oe 以下であることを特徴
とする圧延方向に{110 }<001> 方位を揃えた一方向
性電磁鋼板。 - 【請求項2】 重量%で、C:0.01〜0.1 %、Al:0.
003 〜0.03%、N:0.001 〜0.01%を含み、残部Feお
よび不可避的不純物よりなる熱延スラブを加熱、熱延し
た後、熱延方向と直角な方向に冷延率50〜75%の冷延を
施して最終板厚とし、脱炭焼鈍後、変態しない890℃
以下の温度で最終焼鈍し、コイル幅方向に10 Oe の磁界
をかけた時の透磁率が1800以上、かつ保磁力が 0.8 Oe
以下であることを特徴とする圧延方向に{110 }<001>
方位を揃えた一方向性電磁鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6666391A JP2619571B2 (ja) | 1991-03-29 | 1991-03-29 | 透磁率、保磁力共に優れた一方向性電磁鋼板およびその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04301052A JPH04301052A (ja) | 1992-10-23 |
JP2619571B2 true JP2619571B2 (ja) | 1997-06-11 |
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ID=13322367
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2619571B2 (ja) |
-
1991
- 1991-03-29 JP JP6666391A patent/JP2619571B2/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
大森俊道 外4名「材料とプロセス」3(5)(1990)P.1663 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH04301052A (ja) | 1992-10-23 |
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