JP2619251B2

JP2619251B2 - ワイヤーソー装置

Info

Publication number: JP2619251B2
Application number: JP63001346A
Authority: JP
Inventors: 則行竹内; 尚義小見
Original assignee: 株式会社日平トヤマ
Priority date: 1988-01-08
Filing date: 1988-01-08
Publication date: 1997-06-11
Anticipated expiration: 2012-06-11
Also published as: JPH01177958A

Description

【発明の詳細な説明】発明の技術分野本発明は、ワイヤーソー装置に関し、特に切断用のワ
イヤーの張力制御手段に係る。

従来技術従来のこの種のワイヤーソー装置は、例えば実公昭55
−5280号の公報に示されているように、ワイヤーの往復
送り運動の発生手段として、シーソー機構を採用してい
る。シーソー機構が切断動作中に揺動運動を繰り返す
と、ワイヤーに巻掛け張力以外に往復運動のための張力
が周期的に加えられるため、切断位置でのワイヤーの張
力は、大きな範囲で変動する。このため、その張力制御
が困難であり、またワイヤーが断線し易くなる。

発明の目的したがって、本発明の目的は、メインローラの往復送
り運動の回転のほか、新線リールおよび巻取りリールの
回転をそれぞれ独立に往復回転制御し、それらの往復送
り運動や回転制御を簡略化することである。

さらに、本発明の他の目的は、切断用のワイヤーの走
行過程で、そのワイヤーに適切な張力を外部から簡単に
設定できるようにすることである。

発明の解決手段上記目的のもとに、本発明は、複数のメインローラの
往復送り運動をメインモータによって与えるとともに、
新線リール、および巻取りリールをそれぞれのモータに
よって独立に駆動するようにしている。

また、本発明は、切断用のワイヤーの新線リール側お
よび巻取りリール側にダンサーローラを変位自在に設
け、この変位をフィードバック量として新線リール用の
モータおよび巻取りリール用のモータの回転を制御する
とともに、その各ダンサーローラにそれぞれテンション
発生機構を付設することにより、メインローラに対し巻
掛け状態のワイヤーに常に一定の張力を作用させるよう
にしている。

発明の構成第１図は、本発明のワイヤーソー装置１を切断用のワ
イヤー２の経路との関連で示している。ワイヤー２は、
新線リール３から供給され、案内ローラ４を経て、例え
ば３つの溝付のメインローラ６、７、８に所定のピッチ
で多重に巻掛けられた後、案内ローラ９を経て巻取りリ
ール12に巻取られる。そして、このワイヤー２は、メイ
ンローラ６、７の間で、加工物13に所定の荷重のもとに
押し当てられ、往復送り運動を繰り返す過程で、その加
工物13を切断していく。なお、加工物13は、加工送り機
構10上の加工台11に固定されている。

そして、新線リール３および巻取りリール12は、それ
ぞれ新線リール用のモータ14、および巻取りリール用の
モータ16によってそれぞれ往復駆動される。また、複数
のメインローラ６、７、８のうち駆動例のものは、メイ
ンモータ15に連結されており、往復送り運動の回転を受
ける。

さらに、ワイヤー２は、新線リール３と案内ローラ４
との間、および案内ローラ９と巻取りリール12との間
で、ダンサーローラ17、18を上下方向に変位自在に支持
している。これらのダンサーローラ17、18は、それぞれ
接触式または非接触式の変位センサー19、20に連結され
ており、さらにテンション発生機構21、22に連結されて
いる。これらのテンション発生機構21、22は、定トルク
発生器例えばトルクモータによって構成されており、ダ
ンサーローラ17、18の変位にかかわらず、常に一定のト
ルクを発生し、それぞれのダンサーローラ17、18に常時
一定の力を作用させることにより、メインローラ６、
７、８の上流側および下流側の部分で、ワイヤー２に目
標の張力を与えている。

次に、第２図は、モータ制御回路23、24、25の接続状
態を示している。これらのモータ制御回路23、24、25
は、それぞれ新線リール用のモータ14、メインモータ1
5、巻取りリール用のモータ16に接続されており、この
うち２つのモータ制御回路23、25は、フィードバック制
御のために、上記変位センサー19、20に接続されてい
る。

発明の作用例えば半導体などの加工物13は、切断方向とワイヤー
２の方向とを一致させた状態でメインローラ６、７の間
の加工台11の上に固定される。なお、この加工台11は、
切断の進行とともに、加工送り機構10によって加工物13
を順次上昇させていく。

この状態で、モータ制御回路24は、駆動側のメインロ
ーラ６に正逆転方向の回転を周期的に与えることによ
り、ワイヤーに往復送り運動を与える。すなわち、メイ
ンモータ15の回転方向は、第３図に示すように、一定の
時間の間、正転方向に回転し、それに続く短い一定の時
間で反転し、逆転方向に回転することによって、１サイ
クルを完了し、これを繰り返していく。この結果、ワイ
ヤー２は、往復送り運動を繰り返しながら、新線リール
３側から巻取りリール12の方向に移動していく。そし
て、一対のメインローラ６、７の間で、ワイヤー２は、
加工物13に押し当てられ、それを切断していく。なお、
この切断に際し、切断位置に研粒が供給されている。

この切削時に、新線リール３の外周でのワイヤー速度
に過不足が生じると、この過不足量に対応してダンサー
ローラ17の位置が変化する。変位センサー19は、その位
置を検出し、これをモータ制御回路23にフィードバック
量として与えることにより、ワイヤー速度の過不足に応
じて、モータ14の回転速度を加減する。同様に、巻取り
リール12の外周でのワイヤー速度に過不足が生じてくる
と、ダンサーローラ18の位置が変化する。変位センサー
20は、それを検出して、モータ制御回路25にその量をフ
ィードバック量として与え、巻取りリール用のモータ16
の回転速度を加減する。このように、ワイヤー２の往復
送り運動過程で、新線リール用のモータ14および巻取り
リール用のモータ16は、それぞれメインモータ15の正逆
転方向の回転に追従してワイヤー２を順次移動させてい
る。

一方、ワイヤー２の張力は、供給側および巻取り側で
テンション発生機構21、22によって付与されている。し
たがって、少なくともワイヤー２の張力は、往復送り運
動にもかかわらず、往動および往復時、また方向変換
時、ダンサーローラ17、18が上下方向に移動しても、テ
ンション発生機構21、22は、その変位量にほとんど関係
なく、常に一定の力をダンサーローラ17、18に付与して
いるため、ワイヤー２の張力は、正しく目標の値に維持
される。もちろん、この張力の目標値は、テンション発
生機構21、22を調節することによって、適当な値に設定
できる。なお、このとき、モータ制御回路24は、滑らか
な往復送り運動を実現するために、滑らかな速度制御例
えばサインカーブまたはサイクロイド曲線などの特性を
利用して送り運動の制御を行っていく。

このように、ダンサーローラ17、18は、その位置を変
えることにより、ワイヤー２の速度をメインローラ６、
７、８の部分でのワイヤー速度と新線リール３の部分で
の外周および巻取りリール12の部分での外周のワイヤー
速度とを等しくする方向に機能し、同時に、その力学的
特性により、ワイヤー２に目標のテンションを発生させ
る機能を営む。

発明の効果本発明では、新線リール、メインローラおよび巻取り
リールがそれぞれ専用のモータによって独立に制御され
るため、ワイヤーの速度、往復サイクル数、さらにワイ
ヤー（新線）供給量などがそれぞれ独立に、かつ任意に
設定できる。

またメインローラ自体の往復回転運動によって、ワイ
ヤーに往復送り運動が与えられるため、従来のようなシ
ーソー機構による往復運動の発生機構に比較して、構造
が簡単であり、またワイヤーに異常な張力が発生せず、
ワイヤーの断線などが未然に防止できる。

さらに、このダンサーローラの部分にテンション発生
機構がそれぞれ設けられているため、ダンサーローラの
変位にかかわらず、ワイヤーに常に目標の張力が与えら
れ、これによって安定な切断が可能となる。

特に、ワークの切断に必要なワイヤの張力は、常時、
定トルク発生器例えばトルクモータによりダンサーロー
ラを介して一定に維持される。さらにワイヤの走行速度
は、メインローラとワイヤリール間に設けられたダンサ
ーローラの変位によりリールの回転を制御し一定値に維
持することが可能となる。

また、ワイヤ送り機構の構成は、シンプルになると共
に、ワイヤ張力と走行速度を共に一定に制御することが
可能となる顕著な効果がある。

さらに、メインローラの回転数とリール（外径）回転
数は、ワイヤの走行速度を等しくすることにより関係づ
けられ、ワイヤの頻繁な正逆運転や自動プログラム運転
等の自動化が可能となる顕著な効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のワイヤーソー装置の概略的な斜面図、
第２図はモータ制御回路の結線図、第３図はワイヤーの
往復送り運動の説明図である。１……ワイヤーソー装置、２……ワイヤー、３……新線
リール、６、７、８……メインローラ、12……巻取りリ
ール、13……加工物、14……新線リール用のモータ、15
……メインモータ、16……巻取りリール用のモータ、1
7、18……ダンサーローラ、19、20……変位センサー、2
1、22……テンション発生機構、23、24、25……モータ
制御回路。

Claims

(57)【特許請求の範囲】

【請求項１】新線リールから切断用のワイヤーを供給
し、このワイヤーを複数のメインローラに巻掛け、さら
にこのワイヤーを巻取りリールにより巻取る過程で、一
定時間の正方向とそれに続く短い一定時間の逆方向への
ワイヤーの走行を繰り返しながら、上記メインローラの
間で加工物をワイヤーに押し当てて切断するワイヤーソ
ー装置において、上記新線リールを回転駆動するモータ、上記メインロー
ラを回転駆動するメインモータ、および上記巻取りリー
ルを回転駆動するモータと、これらのモータをそれぞれ
独立して制御する各モータ制御回路を設け、新線リール
とメインローラ間およびメインローラと巻取りローラ間
で案内ローラを介して張設されたワイヤーの走行路中
に、それぞれ１個のダンサーローラを変位自在に設け、
このダンサーローラを定トルク発生器に連結し、この定
トルク発生器によりダンサーローラを介してワイヤーに
対して一定の張力を作用させるとともに、新線リールとメインローラ間のダンサーローラの変位量
を新線リールのモータ制御回路へのフィードバック信号
とし、メインローラと巻取りリール間のダンサーローラ
の変位量を巻取りリールのモータ制御回路へのフィード
バック信号として、メインローラ部でのワイヤーの走行
速度と、新線リール部外周および巻取りリール部外周で
のワイヤーの走行速度とを等しくするように上記各モー
タをそれぞれ制御することを特徴とするワイヤーソー装
置。
【請求項２】定トルク発生器はトルクモータからなるこ
とを特徴とする請求項１記載のワイヤーソー装置。