JP2619180B2 - 炭素繊維の洗浄方法およびその装置 - Google Patents

炭素繊維の洗浄方法およびその装置

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JP2619180B2
JP2619180B2 JP4245081A JP24508192A JP2619180B2 JP 2619180 B2 JP2619180 B2 JP 2619180B2 JP 4245081 A JP4245081 A JP 4245081A JP 24508192 A JP24508192 A JP 24508192A JP 2619180 B2 JP2619180 B2 JP 2619180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、炭素繊維の製造におけ
る糸条連続搬送式薬液表面処理工程において、表面酸化
処理後の薬液を洗浄、脱水する方法およびその装置に関
する。さらに詳しくは、本発明は、電解酸化表面処理工
程において、電解液を洗浄、脱水する方法およびその装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維の製造における糸条連続搬送式
薬液表面処理工程において、サイジング処理前の炭素繊
維束(以下、糸条ともいう)は、単繊維同士が分離、解
繊しやすく、その状態で搬送ガイド類に接触すると毛羽
立ちやすい等、取扱上での困難さを有している。このた
め、表面処理工程の最終でサイジング処理をほどこし、
繊維束を集束することで毛羽立ちを防いでいる。サイジ
ング処理の前に行なう電解酸化処理及びその後に余剰の
薬液を除去する洗浄処理では毛羽立ち等糸条劣化に注意
をはらう必要があった。
【0003】しかして、酸化処理後の洗浄工程として
は、図1に示す浸漬型洗浄装置を用いて洗浄していた。
すなわち図1より浸漬型洗浄装置1では、糸条5を傷付
けないように、洗浄水2を連続的(あるいは定期的)に
上流側より供給し、順次溢流させて次の室に送って置換
する洗浄槽3の各室の液面上部および液中にガイドロー
ラ4、7を配置させ、これらに含液糸条5を順々に通糸
搬送させ、該糸条5を洗浄槽3の洗浄液中に比較的低速
で浸漬させることにより洗浄を行なっていた。
【0004】しかしながら、上記浸漬型洗浄方法では、
洗浄液中での糸条の滞留時間が長いため、洗浄液中の糸
条単位長さ当りの洗浄速度が遅く、このため洗浄槽の多
段数処理が必要となり、ガイドローラ数が多くなり、通
糸が複雑となるなど作業性の悪いものであった。また接
触ローラ数が多いため、比較的低速で通糸していても単
糸切れ、毛羽立ち等の糸疵を充分に抑制することができ
ず糸条劣化の原因となっていた。さらにローラ数が多い
ため工程張力制御が難しく、糸条搬送制御性の面から高
速化の障害となる等、多くの課題を有していた。
【0005】また上記浸漬型洗浄後の脱水法としては、
従来、図1に示すように、浸漬型洗浄装置の最終段の洗
浄槽3の浸漬糸条の引上げ側の液面上部ガイドローラ4
にニップローラ6を組合せてそのローラ圧力下で含液を
絞り取って脱水を行う方法以外に、糸条搬送速度と同周
速で回転する絞りローラに含液糸条を押し当てて絞る方
法、あるいはエアブローノズルにより水切りを行う方法
等が行われているが、いずれも糸条含液率を70%以下
にできず、後工程の乾燥負荷が大きくなること、また機
械的圧力下では、糸条劣化が大きいことなどから品質、
生産性の面で制約が多いなどの課題を有していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、糸条連続搬送式薬液表面処理工程において、電解酸
化表面処理後の薬液を洗浄する際に、搬送ガイド類への
接触が少なく、糸条単位長さ当りの洗浄速度が速く、洗
浄槽の多段数処理が不必要となり、ガイドローラ数が少
なく、通糸が簡単で作業性のよい糸洗浄方法およびその
装置を提供するものである。
【0007】また本発明の他の目的は、電解酸化表面処
理後の薬液を洗浄する際に、接触ローラ数が少なく、単
糸切れ、毛羽立ち等糸条劣化がなく、さらにローラ数が
少なく工程張力制御が容易で、糸条搬送制御性の面から
高速化が容易な糸洗浄方法およびその装置を提供するも
のである。
【0008】さらに本発明の他の目的は、電解酸化表面
処理後の薬液を洗浄後、乾燥する際に、ローラに含液糸
条を押し当て、その圧力下で脱水を行うことなく、糸条
含液率を70%以下にできる糸洗浄方法およびその装置
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、炭素繊維
の製造における表面酸化処理後の含液糸条の洗浄、脱水
方法およびその装置について鋭意研究した結果、従来の
洗浄速度の遅い浸漬型洗浄槽に替えて、溝付きローラ上
を屈曲せることなく直線的に通糸し、該ローラ直上部に
洗浄水を膜状に噴霧し、該噴霧圧力を利用して、糸条を
適当に解繊することにより糸条内部まで素早く浸透し洗
浄でき、さらに該噴霧下を通糸した後、糸条と同周速で
回転する濾布をローラ表面に巻いた真空吸引脱水ローラ
に接触させることにより、上記目的を達成できることを
知り、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったも
のである。
【0010】すなわち、本発明の目的は、糸条搬送速度
と同周速で回転する糸条ガイドを兼ねた溝付きローラの
該溝部を糸条搬送経路下部の位置に設け、該溝部に含液
糸条を連続的かつ直線的に搬送させ、該ローラ直上に設
けられた噴霧ノズルより、該ローラ溝部の該糸条に上部
から洗浄水を噴霧させて洗浄することを特徴とする炭素
繊維の洗浄方法(1)により達成することができる。
【0011】また本発明の目的は、糸条搬送速度と同周
速で回転する糸条ガイドを兼ねた溝付きローラの該溝部
を糸条搬送経路下部の位置に設け、該溝部に予め洗浄水
を連続的あるいは定期的に供給、置換する洗浄槽の液中
に浸漬させて一次洗浄させてある含液糸条を連続的かつ
直線的に搬送させ、該ローラ直上に設けられた噴霧ノズ
ルより、該ローラ溝部の該糸条に上部から洗浄水を噴霧
させて洗浄することを特徴とする炭素繊維の洗浄方法
(2)により達成することができる。
【0012】さらに本発明の目的は、上記糸洗浄方法
(1)または(2)により洗浄された糸条を、糸条搬送
速度と同周速で回転する濾材をローラ表面に巻いた真空
吸引脱水ローラに60〜180°の接触角で屈曲搬送さ
せながら脱水させることを特徴とする炭素繊維の洗浄方
法により達成することができる。
【0013】本発明の他の目的は、連続的かつ直線的
搬送される含液糸条に対し、通糸搬送経路下部に配置さ
れ、該糸条搬送速度と同周速で回転する糸条ガイドを兼
ねた溝付きローラと、該ローラ直上に設けられた含液糸
条の上部へ洗浄水を噴霧する噴霧ノズルとを少なくとも
1段は設けたことを特徴とする炭素繊維の洗浄装置
(1)により達成することができる。
【0014】また本発明の他の目的は、洗浄水を連続的
あるいは定期的に供給、置換しながら含液糸条を浸漬さ
せて洗浄する少なくとも1段の洗浄槽が前工程として付
加され、連続的に搬送される含液糸条に対し、通糸搬送
経路下部に配置され、該糸条搬送速度と同周速で回転す
る糸条ガイドを兼ねた溝付きローラと、該ローラ直上に
設けられた含液糸条の上部へ洗浄水を噴霧する噴霧ノズ
ルとを少なくとも1段は有する装置に、洗浄水を連続的
あるいは定期的に供給、置換する洗浄槽と、該洗浄槽の
液面上部および液中に配置されたガイドローラとを有
し、該ローラに連続的かつ直線的に搬送される含液糸条
を順々に通糸搬送させてなる少なくとも1段の洗浄装置
が前工程として付加されてなることを特徴とする炭素繊
維の洗浄装置(2)により達成することができる。
【0015】さらにまた本発明の他の目的は、上記糸洗
浄装置(1)または(2)と、該洗浄装置下を通糸し連
続的かつ直線的に搬送される糸条に対し、該糸条搬送速
度と同周速で回転する濾材をローラ表面に巻き、該糸条
を60〜180°の接触角で屈曲搬送させて脱水させる
真空吸引脱水ローラとが組合されてなることを特徴とす
る炭素繊維の洗浄装置により達成することができる。
【0016】
【作用】次に本発明の実施例を図面を用いて説明する。
【0017】図2は、本発明に係る炭素繊維の洗浄方法
を実施する炭素繊維の洗浄装置の一実施態様を示す概略
平面図であり、図3は、図2のIII −III 線に沿う概略
断面図であり、図4は、図2のIV−IV線に沿う拡大断面
図を示す。
【0018】図2〜図4より、本発明の炭素繊維の洗浄
装置11は、炭素繊維を表面処理、例えば電解酸化処理
したのちの連続的に搬送される含液糸条12に対し、通
糸搬送経路下部に配置され、該糸条搬送速度と同一周速
で回転する糸条ガイドを兼ねた溝付きローラ13と、該
ローラ直上に設けられた含液糸条12の上部へ洗浄水を
噴霧する噴霧ノズル14と、該噴霧された洗浄液を受け
るための洗浄液トレイ15とからなる炭素繊維の洗浄装
置である。
【0019】このように溝付きローラ13とその直上に
設けられた噴霧ノズル14と該噴霧された洗浄液を受け
るための洗浄液トレイ15との組合わせからなる洗浄装
置は、少なくとも1組よりなるものであるが、図2〜3
に示すように複数組の装置を直列に配置して多段装置に
して用いることがこのましい。
【0020】また、前記のような少なくとも1組の本発
明の洗浄装置の前に、従来用いられてきたような、浸漬
型洗浄装置を連結して用いてもよい(図示省略)。
【0021】こうした装置の所要段数、異種装置間の組
合せ等は、搬送速度、糸条径や必要な洗浄度等に基づき
適宜決定されるものである。
【0022】さらに該装置により洗浄された糸条を、連
続的に搬送させて該糸条搬送速度と同周速で回転する濾
布16を中空ローラ表面に巻き、該糸条12に対し60
〜180°の接触角で接触通糸させ、該ローラの内部と
連通されている真空ポンプ17を用いて該ローラ内部を
真空吸引する真空吸引脱水ローラ18と組合されてもよ
い。
【0023】本装置11を用いて含液糸条12を溝付き
ローラの各溝部20に通糸搬送させ、該ローラ12直上
に設けられた噴霧ノズル14から該糸条12の上部に洗
浄水を膜上に噴霧して洗浄した後、該糸条12を脱水ロ
ーラ18に搬送し屈曲させながら該糸条12に付着した
洗浄液を吸引脱水することがこのましい。
【0024】本発明の含液糸条に含まれる薬液は、炭素
繊維の製造における糸条連続搬送式薬液表面処理工程に
おいて表面処理に用いられる薬液であり、より詳しくは
電解酸化表面処理工程において表面処理に用いられる電
解液であり、例えば、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニ
ウムまたは炭酸アンモニウム等の塩類、硫酸、硝酸、リ
ン酸等の酸が挙げられる。
【0025】また本発明の糸条ガイドを兼ねた溝付きロ
ーラにおいては、含液糸条を該ローラ溝底部を通糸させ
る際に該糸条が洗浄水の噴霧圧力により溝からはみだし
て、該糸条同士が絡まるなどの問題が生じないような溝
の形状、寸法であればよく、例えば、図4に示すような
凹状台形とすることで、洗浄水による噴霧圧力で該糸条
が解繊した際に、該台形溝底部に平たく均一に広がり、
素早く糸条内部まで洗浄することができるものである。
また糸条搬送速度および噴出流量は、相互に関連し、糸
条径や洗浄装置の所要段数等の要因に基づき適宜決定す
ることができ、例えば、10μm×3000本の単繊維
からなる糸条が薬液濃度4.0%の電解液を含浸してい
る場合に、本発明の噴霧型洗浄装置を1段のみ用いて糸
条搬送速度1〜5m/minおよび噴出流量2.5〜3
リッター/minの範囲であれば所望の残薬液濃度であ
る100ppm以下にすることができる。
【0026】また本発明の噴霧ノズルは、サポートロー
ラ直上に設け、ローラを走行する糸条に扇状に噴出する
ものが、洗浄液を膜状に噴霧でき洗浄効率が高められる
ため望ましい。また噴霧ノズル形状、噴出口径、噴出速
度等の要因は用いる糸条径や必要な洗浄度等に基づき適
宜決定されものである。また、多糸条搬送時の幅方向ノ
ズル数は、通糸条数により適宜決定され、また各ノズル
の噴霧角は、糸条搬送方向に対して直角な方向に2〜5
°ずらすことが、噴霧範囲をオーバーラップでき、1段
の幅(ローラ軸)方向の洗浄効果の均一性を確保するこ
とができ望ましい。
【0027】さらに本発明の洗浄液は、必要に応じてト
レイで受けてカスケード処理してもよい。
【0028】また本発明の真空吸引脱水ローラは、糸条
含水液率を30〜70%、好ましくは30〜40%とな
るようにすることが、後工程の乾燥負荷を軽減でき好ま
しい。従って、上記糸条含水液率となるように、該ロー
ラに対する糸条の接触角や真空度を適宜決定すればよい
が、通常接触角を60〜180°、好ましくは90〜1
80°の範囲に、真空度を500〜600mmH2 O、
好ましくは550〜600mmH2 Oの範囲とすること
で達成できる。、また糸条に加えられる力は屈曲時にも
搬送張力によるローラへの押圧力のみであり、従来のニ
ップローラ等のように別途機械的圧力が負荷される事も
なく糸条劣化を軽減できる。また該真空吸引脱水ローラ
表面に巻き付ける濾材としては、特に限定されるもので
なく、各種布材あるいは紙材等を用いることができる。
【0029】このような装置を用いて炭素繊維の洗浄を
行なうには、図2〜図4に示すように、糸条搬送装置と
同一周速度で回転する溝付きローラ13、13、…上に
含液糸条12、12、…を通糸搬送させ、上部に設けら
れた噴霧ノズル14より洗浄液19を噴霧することによ
り行われる。その間に、糸条12は、溝付きローラ13
の溝20内に保持され、かつ洗浄液と充分接触する。
【0030】図示の装置11においては、洗浄液19
は、ライン21を経て第1の噴霧ノズル14より噴霧さ
れて糸条12と接触したのち、トレイ15の第1室15
aで受けられ、該室からライン22を経て第2の噴霧ノ
ズル14より噴霧される。このようにして、糸条12と
接触した洗浄液19は順次、つぎの噴霧ノズル14に洗
浄液ポンプ24により送られて洗浄に供され、最後のラ
イン23より系外へ排出される。
【0031】また、従来の浸漬型洗浄装置と組合わせて
使用する場合には、前記装置11の前または後に連結し
て炭素繊維の洗浄が行われる。
【0032】
【実施例】次に、本発明の実施例について述べる。
【0033】実施例1 黒煙化処理した炭素繊維を硫酸水溶液を用いて電解酸化
表面処理を施し、図2〜図4に示す5段式洗浄装置を用
いて含液糸条(14条、1条は直径10μm×3000
本からなる単繊維束)12を該糸条搬送速度(5m/m
in)(図示せず)と同一周速で回転する溝付きローラ
13の各溝部20に通糸し、該ローラ13直上に各ノズ
ル14の噴霧角を糸条搬送方向に対して直角な方向に5
°ずらして設けられた噴霧ノズルから噴出流量3リッタ
ー/minとして、該糸条の上部に洗浄水19を膜上に
噴霧して洗浄した。ついで、該糸条を該糸条搬送速度と
同周速で回転する真空吸引脱水ローラ18に搬送し接触
角70°で屈曲させながら該糸条に付着した洗浄液を真
空度550mmH2 Oとして吸引脱水を行った。洗浄脱
水後の糸条の残薬液濃度を液体クロマトグラフィにより
測定し、得られた結果を図5に示す。
【0034】この際、含液糸条としては、電解酸化表面
処理工程において使用した電解液を2.69%含有して
なる糸条を用いた。また洗浄液はトレイ15で受けて搬
送逆方向に順次カスケード処理し、最終段のトレイに受
けた洗浄廃液は、系外の廃液処理工程にまわした。
【0035】実施例2 1段の洗浄装置が、洗浄水を連続的に供給、置換する洗
浄槽の液中に含液糸条を糸条搬送速度5m/minで浸
漬時間を24秒/槽として浸漬、搬送させて洗浄する洗
浄装置と、該浸漬型洗浄槽の浸漬された糸条の引上げ側
の液面上部ガイドローラを糸条ガイドを兼ねた溝付きロ
ーラとして使用し、糸条搬送速度を5m/minとした
以外は実施例1と同様の装置を連結してなる装置を5段
連結して洗浄した後、実施例1と同様にして吸引脱水を
行った。洗浄脱水後の糸条の残薬液濃度を液体クロマト
グラフィにより測定し、得られた結果を図5に示す。
【0036】この際、含液糸条としては、電解酸化表面
処理工程において使用した電解液を2.69%含有して
なる糸条を用いた。また噴霧ノズルからの洗浄液は、ト
レイで受ける代わりに各段の洗浄槽で受けて搬送逆方向
に順次カスケード処理し、最終の洗浄槽に受けた洗浄液
は、適宜廃液処理工程にまわした。
【0037】比較例1 図1に示す5段式浸漬型洗浄装置を用いて、洗浄水を連
続的に供給、置換する洗浄槽の液中に含液糸条を糸条搬
送速度5m/minで浸漬時間を24秒/槽として浸
漬、搬送させて洗浄した後、実施例1と同様にして吸引
脱水を行った。洗浄脱水後の糸条の残薬液濃度を液体ク
ロマトグラフィにより測定し、得られた結果を図5に示
す。
【0038】この際、含液糸条としては、電解酸化表面
処理工程において使用した電解液を1.28%含有して
なる糸条を用いた。また洗浄液は、搬送逆方向に順次カ
スケード処理し、最終洗浄槽の洗浄液は、適宜廃液処理
工程にまわした。
【0039】図5の結果より、実施例1および実施例2
では、1段目で充分な洗浄効果が得られており、実際の
使用時の許容残薬液濃度の設定値によっては、多段に連
結して使用しなくとも1段のみの洗浄装置でもよいこと
が確認された。特に実施例2では、多段に連結した場合
と1段のみ場合での残薬液濃度にはっきりとした優位差
は見られない。
【0040】また、脱水後の糸条の外観目視検査では、
実施例1のものが最も糸疵が少なく、続いて比較例1と
実施例2がほぼ同程度の糸疵等による劣化がみられた。
但し、実施例2の洗浄装置を1段だけ用いた場合の糸条
の外観目視検査では、実施例1と同様に糸疵が少ない事
も確認できた。
【0041】また、実施例1〜2および比較例1の脱水
後の糸条含水液率は、いずれも約40%であり、充分に
脱水できている事も確認できた。
【0042】
【発明の効果】本発明に用いられる糸洗浄方法により、
搬送ガイド類への接触が少なく直線的な通糸ができるた
め、洗浄槽等の設備、および多段数処理が不必要とな
り、洗浄水の削減、装置の小型化が計れ、また通糸作業
性、工程張力制御、糸条搬送高速化が容易となり、さら
に洗浄液の噴霧圧力により糸条を適当に解繊することが
できるため、糸条の劣化、洗浄度および洗浄速度等が向
上でき、さらに接触真空乾燥することにより、糸条への
外押圧、乾燥時間、乾燥速度等の大幅な改善ができる。
【0043】本発明に用いられる糸洗浄装置の糸条ガイ
ドを兼ねた溝付きローラは、連続的に搬送される含液糸
条に対し、通糸搬送経路下部に配置され、該糸条搬送速
度と同周速で回転するものである。従って、該糸条を直
線的な通糸ができ、また該糸条は、糸条ガイドを兼ねた
該ローラ溝底部を通糸するため、ローラ直上からの噴霧
圧力の多くを該ローラ溝底部で受け止め、糸条の受ける
ダメージを軽減でき、該溝部の数に応じて同時に複数の
糸条を相互に絡まることなく搬送できる。また通糸抵抗
が小さいため、工程張力制御が容易で、糸条搬送制御性
の面でも問題なく高速化を達成できる。
【0044】また噴霧ノズルは、上記糸条ガイドを兼ね
た溝付きローラ直上に設けられ、含液糸条の上部へ洗浄
水を噴霧するものである。従って、該噴霧圧力を利用し
て、糸条をローラ溝部内で適当に解繊することにより糸
条内部まで素早く洗浄液が浸透し洗浄力、洗浄速度が向
上できる。
【0045】さらに真空吸引脱水ローラは、上記糸洗浄
装置に組合され、該装置を通糸した後、該糸条搬送速度
と同周速で回転する濾布をローラ表面に巻き、該糸条に
対し60〜180°の接触角で接触通糸させるものであ
る。従って、含液糸条がローラ表面の濾材に屈曲されて
接触している部分で該糸条に付着している液体が素早く
濾布に吸着され脱水でき、さらに該濾布に吸着された液
体は、ローラが一回転する間に濾布内部に浸透し、ロー
ラ内部に真空吸引によって系外に除去され、濾布自体は
一回転して再び含液糸条に接触する際には、もとの乾燥
した状態に戻されているために、常に糸条含水率を30
〜70%の範囲まで低減することができ、かつ適当な値
に安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来発明に係る炭素繊維の洗浄方法を実施する
洗浄装置の一実施態様としての浸漬型洗浄装置を示す概
略図である。
【図2】本発明に係る炭素繊維の洗浄方法を実施する洗
浄装置の一実施態様を示す概略平面図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿う概略断面図である。
【図4】図2のIV−IV線に沿う概略拡大断面図である。
【図5】本発明の実施例での試験として炭素繊維を洗
浄、脱水した後の糸条に含まれる残薬液濃度を示すグラ
フである。
【符号の説明】
1…浸漬型洗浄装置 2…洗浄水 3…洗浄槽 4、7…ガイドロ
ーラ 5…含液糸条 6…ニップローラ 11…炭素繊維の洗浄装置 12…含液糸条 13…溝付きローラ 14…噴霧ノズル 15…洗浄液トレイ 16…濾布 17…真空ポンプ 18…真空吸引脱
水ローラ 19…洗浄液 20…ローラの溝
部 21、22、23…ライン 24…洗浄液ポン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き 審査官 井上 哲男 (56)参考文献 特開 昭51−7296(JP,A) 実開 昭52−87794(JP,U) 特公 昭49−41152(JP,B2)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 糸条搬送速度と同周速で回転する糸条ガ
    イドを兼ねた溝付きローラの該溝部を糸条搬送経路下部
    の位置に設け、該溝部に含液糸条を連続的かつ直線的
    搬送させ、該ローラ直上に設けられた噴霧ノズルより、
    該ローラ溝部の該糸条に上部から洗浄水を噴霧させて洗
    浄することを特徴とする炭素繊維の洗浄方法。
  2. 【請求項2】 前記含液糸条が、予め洗浄水を連続的あ
    るいは定期的に供給、置換する洗浄槽の液中に浸漬させ
    て一次洗浄させてある糸条である請求項1に記載の炭素
    繊維の洗浄方法。
  3. 【請求項3】 前記請求項1または2に記載の炭素繊維
    の洗浄方法により洗浄された糸条を、糸条搬送速度と同
    周速で回転する濾材をローラ表面に巻いた真空吸引脱水
    ローラに60〜180°の接触角で屈曲搬送させながら
    脱水させることを特徴とする炭素繊維の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 連続的かつ直線的に搬送される含液糸条
    に対し、通糸搬送経路下部に配置され、該糸条搬送速度
    と同周速で回転する糸条ガイドを兼ねた溝付きローラ
    と、該ローラ直上に設けられた含液糸条の上部へ洗浄水
    を噴霧する噴霧ノズルとを少なくとも1段は設けたこと
    を特徴とする炭素繊維の洗浄装置。
  5. 【請求項5】 洗浄水を連続的あるいは定期的に供給、
    置換する洗浄槽と、該洗浄槽の液面上部および液中に配
    置されたガイドローラとを有し、該ローラに連続的に搬
    送される含液糸条を順々に通糸搬送させてなる少なくと
    も1段の洗浄装置が前工程として付加されてなる請求項
    4に記載の炭素繊維の洗浄装置。
  6. 【請求項6】 請求項4または5に記載の炭素繊維の洗
    浄装置と、該洗浄装置下を通糸し連続的に搬送される糸
    条に対し、該糸条搬送速度と同周速で回転する濾材をロ
    ーラ表面に巻き、該糸条を60〜180°の接触角で屈
    曲搬送させて脱水させる真空吸引脱水ローラとが組合さ
    れてなることを特徴とする炭素繊維の洗浄装置。
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