JP2616986B2 - Tl系超電導体積層膜の製造法 - Google Patents

Tl系超電導体積層膜の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はTl(タリウム)系超電導体積層膜の製造法に
係り、特にジョセフソン接合などに用いられるTl系超電
導体の積層膜の製造法に関する。
[従来の技術] 高い臨界温度を有するTl−Ca−Ba−Cu−O系に代表さ
れるTl−アルカリ土類元素−銅酸化物系高温超電導セラ
ミックスは、交通機関、重電機器、コンピューター、医
療機器等の多方面への応用が期待されている。
Tl−Ca−Ba−Cu−O系高温超電導セラミックスとして
は、Tl/Ca/Ba/Cuの元素組成比が異なった数種類のもの
が既に知られており、120K以上の臨界温度を有すること
が報告されている(Z.Z.Sheng及びA.M.Hermann,Nature,
1988年332巻,55頁,伊原ら,Nature,1988年332巻,623
頁,及びJapan Journal of Applied physics,1988年27
巻レターの1709頁)。しかしながら、多方面へ応用する
ためには、より高い臨界電流密度、臨界磁場を有する成
形体の製造法の確立が望まれる。
特に、Tl−Ca−Ba−Cu−O系高温超電導セラミックス
をジョセフソンコンピューター等に応用する場合、超電
導体/絶縁体/超電導体からなる、所謂トンネル型ジョ
セフソン接合の製造技術を確立する必要がある。
従来、金属或いは合金系の超電導体では、線、膜への
加工及び絶縁体膜との接合が比較的容易であったが、セ
ラミックス系の超電導体は線、膜への加工が非常に困難
であり、しかもジョセフソン接合を形成するように絶縁
体膜と超電導セラミックス膜を接合することができない
と言われている。
これまで、SrTiO3単結晶基板上に蒸着、或いはスパッ
タリング法等の気相法で超電導セラミックス膜をエピタ
キシャル成長させ、表面を研磨した後、この膜上に金属
を被着、酸化によって金属の酸化物膜を積層し、さらに
Nb、Pb等の超電導体の膜を積層させてトンネル型ジョセ
フソン接合、或いは金属を積層させて製造したトンネル
型接合が知られている(日経超電導,1988年6月27日号,
10頁)。
また、上記接合において、第3層として高温超電導セ
ラミックス膜を積層させて製造したトンネル型ジョセフ
ソン接合も知られている(日経超電導,1988年6月13日
号,9頁及び9月5日号,4頁)。
[発明が解決しようとする課題] このようなトンネル型ジョセフソン接合を形成するた
めには、高温超電導セラミックスのコーヒレント長が極
めて短いことから、非常に薄い絶縁体膜の形成が必要と
され、その制御が困難である。また、良好な接合を形成
するためには、膜の表面は極めて平滑でなければなら
ず、そのためにも、積層膜の製造は、同一真空槽内で連
続的に行う必要があるが、従来において、超電導体膜お
よび絶縁体膜を同一真空槽内で連続的に製造することは
困難であった(日経超電導,1988年7月11日号,10頁)。
更に積層膜の製造の際に、超電導体膜と絶縁体膜、或い
は絶縁体膜の前駆体としての金属膜が反応ないし混じり
合って、接合の特性を損なうという問題が生じるなどの
不具合があった。
本発明は上記従来の問題点を解決し、高特性Tl系超電
導体積層膜を容易かつ効率的に製造する方法を提供する
ことを目的とする。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明のTl系超電導体積層膜の製造法は、一般式TlwA
yCu1Oxで示されるTl系超電導体積層膜の製造法であっ
て、請求項(1)の方法は、基板上に気相法によって、
一般式AyCu1Oz、AO及びAyCu1Ozで示される複合酸化物の
膜を順次積層する第1工程と、第1工程で得られた基板
上の積層膜とTl化合物とを800〜930℃で接触させる第2
工程と、を備えることを特徴とする。
請求項(2)の方法は、基板上に気相法によって、一
般式AyCu1Oz、AO及びAyCu1Ozで示される複合酸化物の膜
を順次積層する第1工程と、第1工程で得られた基板上
の積層膜とTl化合物とを800〜930℃で接触させた後、酸
素存在下、750〜950℃で加熱処理する第2工程と、を備
えることを特徴とする。
請求項(3)の方法は、基板上に気相法によって、一
般式AyCu1Ozで示される複合酸化物の膜、Tl金属膜及びA
yCu1Ozで示される複合酸化物の膜を順次積層する第1工
程と、第1工程で得られた基板上の積層膜を酸素存在下
に、750〜950℃で加熱処理する第2工程と、を備えるこ
とを特徴とする。
なお、本発明において、前記一般式中のAとしては、
BaとCa、SrとCa、BaとCaとMg、の組み合わせが特に好ま
しい。
以下に本発明を詳細に説明する。
請求項(1)の方法の第1工程及び請求項(2)の方
法の第1工程において、基板上に一般式AyCu1Oz、AO及
びAyCu1Ozで示される複合酸化物の膜を順次積層するに
は、同一の真空槽内での連続的な気相法を採用すること
ができる。
気相法としては、真空蒸着、スパッタリング法などの
物理的な方法、CVD、プラズマ或いは光CVD法等の物理化
学的な方法が挙げられる。これらのうち、本発明に好ま
しい方法は、物理的な気相法である。
真空蒸着法の蒸発源、或いはスパッタリング法のター
ゲットとしては、AyCu1Oz、或いは複数の組成元素の酸
化物を用いることができる。例えば、真空蒸着法におい
て始めに、銅を含む蒸発源及びアルカリ土類元素を含む
蒸発源、又は銅及びアルカリ土類元素を含む蒸発源を用
いて基板上にAyCu1Ozで示される膜を成長させ、次に、
銅を含む蒸発源、又は銅及びアルカリ土類元素を含む蒸
発源をシャッターで覆い、アルカリ土類元素を含む蒸発
源を用いてAO化合物の膜を所望の厚さだけ積層させ、再
度、銅を含む蒸発源又は銅及びアルカリ土類元素を含む
蒸発源のシャッターを開けて、AyCu1Ozで示される膜を
積層させる。このような気相法によれば、同一真空槽内
で、極めて薄いAO化合物の膜を含む積層膜を容易に製造
することができる。
なお、基板としては、MgO、SrTiO3、ZrO、Al2O3製基
板等を用いることができる。
請求項(1)の方法においては、第2工程にて、上記
第1工程で製造された基板上の積層膜と、Tl化合物とを
800〜930℃で接触させる。
請求項(2)の方法においては、第2工程にて、上記
第1工程で製造された基板上の積層膜と、Tl化合物とを
800〜930℃で接触させた後、酸素存在下、750〜950℃で
加熱処理する。
このような第2工程において、前記積層膜とTl化合物
を800〜930℃で接触させることにより、或いは接触後に
酸素存在下、750〜950℃で加熱処理することにより、極
薄い絶縁体膜を有する超電導体積層膜を製造することが
できる。
第2工程におけるTl化合物としては、Tl2O3等のTl酸
化物、一般式TlwAyCu1Ox(w,y,x,Aは前記定義に同じ)
で示されるようなTl複合酸化物、アセチルアセトン、ヘ
キサフルオロアセトン、ジピバロイルメタン又はシクロ
ペンタジエンを配位子とする昇華性のTl有機化合物等が
挙げられる。
積層膜とTl化合物とを接触させる方法としては、Tl化
合物上に積層膜を放置する方法、Tl化合物の粉末中に積
層膜を埋め込む方法、減圧下にて又は酸素ガス等で希釈
した状態にてガス状のTl化合物を接触させる方法等が挙
げられる。
このようにして、積層膜とTl化合物を接触させること
によって、或いは更に酸素下、750〜950℃で加熱処理す
ることによって、一般式TlwAyCu1Oxで示されるような高
温超電導体膜が中間槽の絶縁性AO化合物の膜を挟んで形
成される。この超電導体膜は、結晶のC軸配向性が良好
な膜であり、トンネル型ジョセフソン接合として好適に
用いることができる。
請求項(3)の方法においては、第1工程にて、基板
上に気相法によって、一般式AyCu1Ozで示される複合酸
化物の膜、Tl金属膜及び一般式AyCu1Ozで示される複合
酸化物の膜を順次積層する。この第1工程においては、
前記請求項(1)又は(2)の方法の第1工程における
と同様にして、気相法によって、始めに基板上にAyCu1O
zで示される膜を形成し、次に、Tl金属を被着し、さら
に続けてAyCu1Ozで示される膜を積層する。
次いで、第2工程にて、このような第1工程で得られ
た基板上の積層膜を酸素存在下に、750〜950℃で加熱処
理する。上記積層膜を酸素存在下、750〜950℃で加熱処
理を行うことによりトンネル型ジョセフソン接合として
利用できる超電導体積層膜を製造することができる。上
記の酸素存在下における加熱処理時に、請求項(1)及
び(2)の方法において用いたTl化合物を接触させるこ
とができる。
即ち、請求項(3)の方法における第2工程では、中
間層としてTl金属膜、或いは部分的にTlの酸化物の膜を
含んだ第1工程で得られた上記積層膜を酸素下で加熱す
ることによって、Tl金属は酸化されてTl酸化物となって
AyCu1Oz層に拡散し、式TlwAyCu1Oxで示されるような超
電導体積層膜を形成する。残存する中間層としてのTl酸
化膜の膜の厚みは、第1工程で積層するTl金属膜の厚
み、第2工程での加熱処理温度、時間を調節することに
よって制御することができる。
なお、本発明における気相法によるAyCu1Ozで示され
る膜の好適な形成条件を、真空蒸着法、スパッタリング
法のそれぞれについて以下に説明する。
真空蒸着法では、蒸発の加熱源として、電子ビーム、
レーザー光、抵抗加熱等を挙げることができる。真空度
は10-2〜10-7Torr、蒸着速度は0.5〜500Å/秒、基板温
度は200〜600℃、蒸着膜厚は50〜20000Åが好ましい。
スパッタリング法では、主としてRFマグネトロンスパ
ッタリング法が採用され、導入ガス圧は1Torr以下、ガ
スはアルゴンガス又は酸素の含有率が最高50モル%のア
ルゴンとの混合ガス、形成速度は0.5〜500Å/秒、基板
温度は200〜900℃が好ましい。
[実施例] 以下に本発明の実施例を挙げて、本発明をより具体的
に説明する。
実施例1 MgO基板上にRFマグネトロンスパッタリング法によ
り、ターゲットとしてBa2Ca3Cu6O6z組成の成形ペレット
を用いて、アルゴンと酸素との組成比(O2/Ar+O2)が
0.5、10-3Torr、基板温度550℃でBa2Ca3Cu4O4z組成の薄
膜(厚さ1ミクロン)を形成した。続いてBa2Ca3Oz組成
の成形ペレットを用いて、Ba2Ca3Oz組成の薄膜(厚さ50
Å)を積層した。更に第1層と同様にBa2Ca3Cu4O4z組成
の薄膜(厚さ1ミクロン)を積層した。
次いで、積層膜を形成した基板をアルミナルツボ中に
て、Tl2O3粉末50mgとともに895℃で、10分間、酸素中で
加熱処理した(No.1)。
このもの(No.1)をX線回折にて分析した結果、10分
加熱処理後の超電導体の膜部分は、C軸配向性の良好な
Tl2Ba2Ca2Cu3O3xで示される高温超電導相が形成されて
いることを確認した。得られた超電導体積層膜の臨界温
度は120Kであった。
Tl2O3粉末と接触処理したもの(No.1)を、更に酸素
気流中、880℃で10分間(NO.2)又は20分間(No.3)そ
れぞれ加熱後、積層膜をX線回折で分析した結果、それ
ぞれTl1Ba2Ca2Cu3O3x(No.2)及びTl1Ba2Ca3Cu4O4x(N
o.3)で示される高温超電導相が形成されていることが
確認された。得られた各々の超電導体積層膜の臨界温度
は、113K(No.2及び120K(No.3)であった。
上記三種類の積層膜(No.1,2,3)について、液体窒素
中、電流と電圧との関係を調べた結果、非線型なトンネ
ル電流が確認できた。
実施例2 MgO基板上に真空蒸着法により、蒸着源として、BaO、
CaO、CuOを用いて、基板温度500℃、真空度10-7TorrでB
a2Ca3Cu4O4z組成の薄膜(厚さ1ミクロン)を形成し
た。続いてBaO、CaOを蒸発源として、Ba2Ca3Oz組成の薄
膜(厚さ50Å)を積層した。更に蒸着源として、BaO、C
aO、CuOを用いてBa2Ca3Cu4O4z組成の薄膜(厚さ1ミク
ロン)を積層した。
このようにして積層膜を形成した基板を、実施例1と
同様にして、アルミナルツボ中にて、Tl2O3粉末50mgと
ともに895℃で、10分間酸素中で加熱処理(No.4)し、
その後、更に酸素気流中、880℃で10分間(No.5)又は2
0分間(No.6)それぞれ加熱処理した。
上記で得られた三種類の積層膜(No.4,5,6)について
X線回折で分析の結果、Tl2O3中、10分加熱処理後の超
電導体の膜部分はTl2Ba2Ca2Cu3O3x(No.4)で示される
高温超電導相が形成されており、更に酸素気流中、10分
加熱処理後の超電導体の膜部分はTl1Ba2Ca2Cu3O3x(No.
5)、20分間加熱処理後の超電導体の膜部分はTl1Ba2Ca3
Cu4O4x(No.6)で示される高温超電導相であった。各々
の超電導体積層膜の臨界温度は、119K(No.4)、113K
(No.5)、121K(No.6)であった。
上記の三種類の積層膜(No.4,5,6)について、液体窒
素中、電流と電圧との関係を調べた結果、非線型なトン
ネル電流が確認できた。
実施例3 SrTiO3基板上にRFマグネトロンスパッタリング法によ
り、アルゴンと酸素との組成比(O2/Ar+O2)が0.5、10
-3Torr、基板温度450℃でBa2Ca3Cu4O4z組成の薄膜(厚
さ1ミクロン)を形成した。次に、同スパッタリング法
でアルゴンと窒素ガスとの混合ガス下、基板温度300
℃、ターゲットとしてTl金属を用いて、Tl金属(厚さ0.
1ミクロン)を被着した。更に同スパッタリング法によ
りBa2Ca3Cu4O4z組成の薄膜(厚さ1ミクロン)を積層し
た。このようにして積層膜を形成した基板をアルミナル
ツボ中にて、880℃で、20分間(No.7)、30分間(No.
8)又は40分間(No.9)酸素中でそれぞれ加熱処理し
た。得られた超電導体の膜部分は、それぞれTl2Ba2Ca2C
u3O3x(No.7)、Tl1Ba2Ca2Cu3O3x(No.8)及びTl1Ba2Ca
3Cu4O4x(No.9)で示される超電導相であり、上記の三
種類の積層膜の臨界温度は、118K(No.7)、112K(No.
8)、121K(No.9)であった。
実施例4 積層膜と接触させるTl化合物として、Tl2O3の代わり
にTl、Ba、Ca、Cuの元素組成比3:2:2:3でTl2O3、BaO2
CaO2、CuOの粉末を混合したものを使用したこと以外
は、実施例1と同様にして超電導体積層膜(No.10,11,1
2)を製造した。
得られた三種類の積層膜(No.10,11,12)についてX
線回折で分析の結果、混合粉末中、10分加熱処理後の超
電導体の膜部分はTl2Ba2Ca2Cu3O3x(No.10)で示される
高温超電導相が形成されており、更に酸素気流中、10分
加熱処理後の超電導体の膜部分はTl1Ba2Ca2Cu3O3x(No.
11)、20分間加熱処理後の超電導体の膜部分はTl1Ba2Ca
3Cu4O4x(No.12)で示される高温超電導相であった。各
々の超電導体積層膜の臨界温度は、121K(No.10)、141
K(No.11)、121K(No.12)であった。
上記の三種類の積層膜(No.10,11,12)について、液
体窒素中、電流と電圧との関係を調べた結果、非線型な
トンネル電流が確認できた。
実施例5 基板に積層するBa2Ca3Cu4O4zの代わりに、Ba2Ca2Cu3O
3zを積層したこと以外は、実施例1と同様にして超電導
体積層膜(No.13,14,15)を製造した。
得られた三種類の積層膜(No.13,14,15)についてX
線回折で分析の結果、Tl2O3中、10分加熱処理後の超電
導体の膜部分はTl2Ba2Ca2Cu3O3x(No.13)で示される高
温超電導相が形成されており、更に酸素気流中、10分加
熱処理後の超電導体の膜部分はTl1Ba2Ca2Cu3O3x(No.1
4)、20分間加熱処理後の超電導体の膜部分はTl1Ba2Ca3
Cu4O4x(No.15)で示される高温超電導相であった。各
々の超電導体積層膜の臨界温度は、120K(No.13)、111
K(No.14)、122K(No.15)であった。
実施例6 Tl2O3の代わりにタリウムアセチルアセトナートを用
いて895℃で、20分間酸素中で加熱処理したこと以外
は、実施例1と同様にして超電導体積層膜(No.16,17,1
8)を製造した。
得られた三種類の積層膜(No.16,17,18)についてX
線回折で分析の結果、タリウムアセチルアセトナート
中、20分加熱処理後の超電導体の膜部分はTl2Ba2Ca2Cu3
O3x(No.16)で示される高温超電導相が形成されてお
り、更に酸素気流中、10分加熱処理後の超電導体の膜部
分はTl1Ba2Ca2Cu3O3x(No.17)、20分間加熱処理後の超
電導体の膜部分はTl1Ba2Ca3Cu4O4x(No.18)で示される
高温超電導相であった。各々の超電導体積層膜の臨界温
度は118K(No.16)、110K(No.17)、121K(No.18)で
あった。
[発明の効果] 以上詳述した通り、請求項(1)〜(3)のTl系超電
導体積膜層の製造法によれば、臨界温度が高くトンネル
型ジョセフソン接合に好適な高特性Tl系高温超電導体積
層膜が同一真空槽内における気相法により、容易かつ効
率的に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉瀬 良二 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 大門 宏 山口県宇部市大字小串1978番地の5 宇 部興産株式会社宇部研究所内 (72)発明者 猪飼 滋 東京都港区赤坂1丁目12番32号 アーク 森ビル 宇部興産株式会社内 審査官 三宅 正之 (56)参考文献 特開 平2−46611(JP,A) 特開 平1−307283(JP,A) 特開 平1−261205(JP,A) 特開 平2−188462(JP,A) Appl.Phys.Lett.53 (6),8 August 1988(米) P.523−525

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に気相法によって、一般式AyCu
    1Oz、AO及びAyCu1Ozで示される複合酸化物の膜を順次積
    層する第1工程と、 第1工程で得られた基板上の積層膜とTl化合物とを800
    〜930℃で接触させる第2工程と、 を備えることを特徴とする一般式TlwAyCu1Oxで示される
    Tl系超電導体積層膜の製造法。
  2. 【請求項2】基板上に気相法によって、一般式AyCu
    1Oz、AO及びAyCu1Ozで示される複合酸化物の膜を順次積
    層する第1工程と、 第1工程で得られた基板上の積層膜とTl化合物とを800
    〜930℃で接触させた後、酸素存在下、750〜950℃で加
    熱処理する第2工程と、 を備えることを特徴とする一般式TlwAyCu1Oxで示される
    Tl系超電導体積層膜の製造法。
  3. 【請求項3】基板上に気相法によって、一般式AyCu1Oz
    で示される複合酸化物の膜、Tl金属膜及び式AyCu1Oz
    示される複合酸化物の膜を順次積層する第1工程と、 第1工程で得られた基板上の積層膜を酸素存在下に、75
    0〜950℃で加熱処理する第2工程と、 を備えることを特徴とする一般式TlwAyCu1Oxで示される
    Tl系超電導体積層膜の製造法。
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