JP2616681B2 - 半導体装置用ヒートシンク - Google Patents

半導体装置用ヒートシンク

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はICチップやLSIチッ
プなどのチップを搭載する半導体装置用のヒートシンク
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近の高度な半導体素子は、ゲート当り
のスピード、電力積が逐次減少していると共に、微細加
工技術の発達により、ゲート当りの占有面積も次第に減
少している。このため、半導体チップは高速化ならびに
高集積化される傾向にある。一方、この半導体チップを
保護し信頼性を向上させるパッケージも、半導体チップ
のボンディング技術の導入などにより高度な実装技術が
必要な領域へと発展してきている。これに伴い、近年の
コンピュータ装置などにおいては、装置の処理性能や信
頼性の向上などのためにLSI化された半導体素子や高
密度で且つ小型化されたLSIチップ搭載用の各種半導
体パッケージが次第に取り入れられるようになってき
た。
【0003】ところで、このように素子の高集積化の度
合が大きくなると、半導体チップの消費電力も増大する
ことになる。そのため、消費電力の大きなSLIチップ
はプラスチックに比べ熱伝導率の大きいセラミックなど
のパッケージに搭載し、さらにボードのみによる放熱で
は当然LSIチップの冷却に対して限界がある。
【0004】そこで、前述の高速でかつ高集積化された
LSIチップを搭載する従来の半導体パッケージにおい
ては、LSIチップからの放熱に対し冷却の観点から、
放熱効率の高いアルミニウムや銅の材料からなるヒート
シンクを、半導体パッケージの上面に、熱伝導性の優れ
た半田や接着剤に第3図は従来の半導体装置用ヒートシ
ンクの一例の斜視図である。図において、1はベース
で、この上にプレート状のフィン2が縦に複数個配列さ
れている構造をとる。ベース1およびフィン2はいずれ
もアルミニウム、銅などの熱伝導性の良い材料で構成さ
れている。現在、このような構造の半導体装置用ヒート
シンクが製作されており、自然冷却または装置内部に取
り付けられた冷却ファンにより冷却される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ような構造の半導体装置用ヒートシンクでは、ヒートシ
ンクの放熱効率があまりよくなく、十分な冷却効果が得
られないという欠点を有していた。これにより、半導体
装置内のチップそのものの温度上昇によりデバイスの動
作速度が低下するなどの問題が生ずる。
【0006】本発明の目的は、発熱量の大きな高集積化
LSIチップを搭載した半導体装置に搭載しても、動作
時のチップの温度上昇を抑制し、放熱効果が十分である
ような信頼性の高いヒートシンクを提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の半導体装置用ヒートシンクおいては、フィ
ン群と撹拌ファンとを有する半導体装置用ヒートシンク
であって、フィン群は二つの平行平板の間にプレートが
縦に多数配列された形状をしており、撹拌ファンはフィ
ン面に垂直にフィンの側面からすべてのフィンを貫通し
ている穴に設けられた回転軸とその周辺に設けられたフ
ァンより構成され、任意の二つのフィンに設けられた軸
受により支持され、撹拌ファンの構造は回転軸がありす
べてのフィン隙間の回転軸の円周上に一個または複数個
のファンが設置されており、撹拌ファンはヒートシンク
側面に配置された回転機構によって回転することにより
ファンがフィン隙間を通過する構造となっており、フィ
ンの隙間のうちファンが回転してもファンが通過しない
領域は仕切板によって上下に分割されている構造を特徴
とする。
【0008】
【作用】超LSIのように素子の高集積化の度合が大き
くなると、半導体チップの消費電力が増大し、そのた
め、消費電力の大きなLSIチップはLSIチップから
の放熱に対する冷却の観点から、放熱効率の高いアルミ
ニウムや銅の材料からなるヒートシンクを、LSIチッ
プの固着面と対向する反対側の表面に、熱伝導性の優れ
た半田や接着剤により一体的に固着させ放熱させるよう
にしている。ヒートシンクの形状は様々であり、プレー
トフィン型、フィン水平型、ピンフィン型などのものが
用いられる。
【0009】本発明の半導体装置用ヒートシンクでは、
プレートフィンの隙間の空気は撹拌ファンによって強制
的に移動させられるため、圧力降下による流速の低下は
発生しない。そのため、従来のヒートシンクよりもフィ
ン隙間での空気の流速が大きくなり、結果として放熱効
率は飛躍的に大きくなる。
【0010】
【実施例】次に、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0011】第1図は、本発明の半導体装置用ヒートシ
ンクの一例を示す断面図である。図において、1および
2は平行に配置されたプレートであり、3はフィンでい
ずれも材質はアルミニウムである。プレート1、2およ
びフィン3は一体成型または溶接等の熱伝導性の高い接
続方法によって接続されている。ヒートシンクの内部に
は撹拌ファン4が設けられており、ヒートシンクの両端
のフィンに設けられた軸受5によって支持されている。
また、撹拌ファン4の構造は、フィンの側面からすべて
のフィンを貫通している穴6に設けられた回転軸7と、
その周辺に設けられたファン8より構成されている。ま
た、ヒートシンクの側面にはモータ9が設置されてお
り、これによって撹拌ファン4を回転させる。
【0012】第2図は、図1の本発明の半導体装置用ヒ
ートシンクのA−A断面図である。図において、撹拌フ
ァン4の構造は、すべてのフィン隙間の回転軸7の円周
上に4個のファン8が設置されており、モータによって
回転したときにファン8はフィンの隙間を通過する構造
となっている。また、フィンの隙間のうちファンが回転
してもファンが通過しない領域においては仕切板10に
よってフィンの隙間が上下に分割されている。このよう
な構造により、フィンの隙間の空気を圧力降下を少なく
して送ることが可能となり、さらに仕切板によりフィン
隙間の上下を分割しているため、フィンによって加熱さ
れた空気と外部より送られてきた空気を混合させること
なく別々に送ることが可能となり、結果として放熱効率
が飛躍的に向上する。
【0013】本発明による、半導体装置用ヒートシンク
を搭載した半導体装置と、従来の構造の半導体装置用ヒ
ートシンクを搭載した半導体装置の熱抵抗を実験で比較
した。本発明のヒートシンクを搭載した半導体装置で
は、モータを定格電圧で回転させたときの熱抵抗は1.
5℃/Wであった。これに対して従来のヒートシンクを
搭載した半導体装置では、外部ファンによる空気流速が
1m/sのとき熱抵抗は3.7℃/Wであった。以上よ
り、従来のプレートフィン型ヒートシンクよりも、本発
明の撹拌ファンを内蔵したヒートシンクの方が放熱効率
が大きくなることがわかった。
【0014】なお、上記実施例においては、ヒートシン
ク材料としてはアルミニウムの場合の例を説明してきた
が、これに限らず熱伝導率の良い材料ならば本発明の効
果を十分に満足できることは明らかである。また、撹拌
ファンを回転させるためにモータを用いているが、これ
についても回転させる機構を持つものであればモータに
限らず任意の装置でよい。さらに回転軸上の一つのフィ
ン隙間内でのファンの枚数についても、上記実施例では
4枚の場合の例を説明してきたが、ファンの枚数につい
ても任意でよい。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
放熱効率の大きな半導体装置用ヒートシンクを提供する
ことが可能であるため、高速・高密度のチップを搭載し
た半導体装置が実現されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体装置用ヒートシンクの一例を示
す断面図である。
【図2】図1の本発明の半導体装置用ヒートシンクのA
−A断面図である。
【図3】従来の半導体装置用ヒートシンクの一例の斜視
図である。
【符号の説明】
1 プレート 2 プレート 3 フィン 4 撹拌ファン 5 軸受 6 穴 7 回転軸 8 ファン 9 モータ 10 仕切板

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィン群と撹拌ファンとを有する半導体
    装置用ヒートシンクであって、二つの平行平板の間にプ
    レートが縦に多数配列された形状をした前記フィン群
    と、前記フィン群のフィン面に垂直に全ての該フィンの
    側面を貫通している穴に通された回転軸であって、前記
    回転軸の円周上に設けられた一個または複数個のファン
    より構成される撹拌ファンと、前記撹拌ファンのファン
    を前記フィン群のフィン間隙を通過するように前記撹拌
    ファンを回転させる回転機構と、前記フィンの間隙のう
    ち前記ファンが回転してもファンが通過しない領域を上
    下に分割する仕切板を有することを特徴とする半導体装
    置用ヒートシンク。
JP33394493A 1993-12-28 1993-12-28 半導体装置用ヒートシンク Expired - Fee Related JP2616681B2 (ja)

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