JP2616457B2 - 双方向通信システムにおける無瞬断切替方式 - Google Patents

双方向通信システムにおける無瞬断切替方式

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JP2616457B2
JP2616457B2 JP6222746A JP22274694A JP2616457B2 JP 2616457 B2 JP2616457 B2 JP 2616457B2 JP 6222746 A JP6222746 A JP 6222746A JP 22274694 A JP22274694 A JP 22274694A JP 2616457 B2 JP2616457 B2 JP 2616457B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は二重化された伝送路によ
り対向する局間で双方向通信を行う通信システムに関
し、特にデータの欠落や重複なく伝送路の切り替えを行
う無瞬断切替方式に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の無瞬断切替方式として、図6に
示すものが一般に用いられている。対向するA局とB局
とはそれぞれ0系、1系の二重化された伝送路により接
続され、各系において双方向通信を行うように構成され
る。なお、以下の説明ではA局からB局に向けての信号
伝送路を下り路とし、その逆を上り路とする。A局で
は、0系、1系の各上り路間に跨がって伝送路における
遅延差を判定する遅延差判定部301が設けられ、かつ
各系の上り路の終端部11,12の後段にはそれぞれ前
記遅延差判定部301の出力により遅延量が設定される
遅延バッファ302,303が接続される。また、0
系、1系の各下り路には、伝送路の想定される遅延差よ
りも長い周期の周期信号を発生する周期信号発生部30
4を設け、かつ各下り路の終端部の前段には送信信号の
任意の空きタイムスロットに前記周期信号を挿入するた
めのセレクタ305,306を接続している。
【0003】また、B局においてはA局と対称に、0
系、1系の下り路に跨がって遅延差判定部401が設け
られ、かつ各系の伝送路終端部21,22の後段の下り
路にはそれぞれ遅延バッファ402,403が設けられ
る。また、上り路には周期信号発生部404とセレクタ
405,406とが設けられる。
【0004】このような従来の無瞬断切替方式では、一
方の系から他方の系に切り替える場合には、A局では送
信信号の空きタイムスロットに周期信号発生部304か
らの周期信号を挿入し、0系、1系のそれぞれの下り路
を通して伝送する。B局では各系において受信した信号
から周期信号を抽出し、遅延差判定部401では両系の
周期信号から両系の下り路における遅延差を判定する。
そして、自局に設けられている遅延バッファ402,4
03の遅延量を前記遅延差に設定する。これにより、A
局からB局への信号伝送路における0系と1系との間の
遅延差を解消でき、両系の間で伝送路を切り替えた際に
はデータの欠落や重複が生じることなく、即ち無瞬断の
切り替えが実現できる。
【0005】また、B局から周期信号を送信し、A局に
おいてこの周期信号に基づいて上り路の遅延差を判定
し、遅延バッファ302,303の遅延量を設定するこ
とで、B局からA局への信号伝送路における無瞬断切替
が実現される。このように、A局及びB局のそれぞれに
同様の構成を備えることで、A局とB局との間の双方向
通信における無瞬断切替が可能となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の無瞬
断切替方式では、双方向における伝送路の各遅延差を判
定するために、対向する両局がそれぞれ遅延差判定部、
周期信号発生部、遅延バッファ、セレクタを備える必要
がある。このため、例えば、図5に示す移動通信システ
ムにおける1つの交換局に対して複数の基地局を接続す
るシステムを構築するような場合には、前記した遅延差
判定部、周期信号発生部、遅延バッファ、セレクタを交
換局に装備する必要があるとともに、全ての基地局にも
これらの構成機器を装備させる必要がある。
【0007】このため、基地局を1つ増設する毎に、前
記した構成機器が一対ずつ必要になり、特に、遅延差判
定部、周期信号発生部は高精度な機能が要求されるため
にメンテナンスに複雑な作業が要求されるとともに、比
較的に高価であり、これらの構成機器を基地局に備える
ことによって、基地局のメンテナンスの管理が煩雑化す
るとともに、通信システムにおける総合的な設備費が高
価になるという問題がある。
【0008】
【発明の目的】本発明の目的は、一方の局における構成
機器の削減を図り、通信システムにおる総合的な設備費
の低減と、メンテナンスの管理の簡略化を可能にした無
瞬断切替方式を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の無瞬断切替方式
は、A局には0系と1系の伝送路間の遅延差よりも長い
周期の周期信号をB局に向けて送信するための周期信号
発生部と、送信されかつB局から折り返された周期信号
を受信して前記伝送路における遅延量を求め、この遅延
量から0系と1系の伝送路間の遅延差を求める遅延差判
定部と、0系と1系の各伝送路に介挿され、遅延差判定
部で求められた遅延差に応じてその遅延量が設定される
遅延バッファとを備える。また、B局には受信した周期
信号を0系、1系の各系内で、及び0系と1系の間でそ
れぞれA局に向けて折り返す手段を備える。
【0010】B局の折り返し手段は、0系の受信路で受
信した周期信号を選択して0系の送信路に送出可能なセ
レクタと、1系の受信路で受信した周期信号を選択して
1系の送信路に送出可能なセレクタと、0系または1系
の受信路で受信した周期信号を選択して逆の1系または
0系の送信路に送出可能なセレクタとで構成される。
【0011】また、遅延差判定部は、0系の送信路から
送出した周期信号を0系の受信路で受信した際の遅延量
σ1・2(0系送信路の遅延量t1と0系受信路の遅延
量t2との和)と、1系の送信路から送出した周期信号
を1系の受信路で受信した際の遅延量σ3・4(1系送
信路の遅延量t3と1系受信路の遅延量t4との和)
と、0系の送信路から送出した周期信号を1系の受信路
で受信した際の遅延量σ1.4(0系送信路の遅延量t
1と1系受信路の遅延量t4との和)とに基づいて、0
系と1系の各送信路の間の遅延差δ1・3(=t1−t
3)と、0系と1系の各受信路の間の遅延差δ2・4
(=t2−t4)とを演算する。
【0012】
【作用】A局では0系における周期信号の送受により0
系の遅延量を測定し、1系における周期信号の送受によ
り1系の遅延量を測定し、0系と1系の間に跨がる周期
信号の送受により0系と1系との間の遅延量を測定し、
これらの測定値に基づいて演算を行うことで0系と1系
の各送信路と受信路の各遅延差を算出できる。この遅延
差をA局の各伝送路に介挿した遅延バッファの遅延量に
設定することで、0系と1系の各送信路と受信路の間の
遅延差を解消し、両系における無瞬断切替が可能とな
る。
【0013】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。図1は本発明の一実施例のシステム構成図であ
り、対向するA局とB局とで二重化された0系、1系の
各伝送路を用いて冗長な通信を実現する例である。な
お、同図では0系と1系との切替手段については図示を
省略している。また、以下の説明ではA局からB局への
信号伝送路を下り路とし、その逆を上り路としている。
A局では、送信信号の任意の空きタイムスロットに伝送
路の遅延差よりも長い周期の周期信号を発生する周期信
号発生部101が設けられ、かつ0系、1系の各下り路
の終端部11,12の前段に遅延量が設定可能な遅延バ
ッファ102,103がそれぞれ接続される。また、こ
の遅延バッファ102,103の後段には、各遅延バッ
ファ102,103の出力と前記周期信号発生部101
からの周期信号を選択するセレクタ106,107がそ
れぞれ介挿される。
【0014】更に、0系および1系の各上り路の終端部
11,12の後段には遅延量が設定可能な遅延バッファ
104,105がそれぞれ接続される。そして、0系お
よび1系の各下り路と上り路における遅延差を判定する
遅延差判定部108が設けられており、この遅延差判定
部108の出力に基づいて下り路と上り路にそれぞれ接
続した前記計4個の遅延バッファ102〜105の遅延
量を設定するように構成される。
【0015】一方、B局では、遅延バッファ、周期信号
発生部、遅延判定部は設けられておらず、3個のセレク
タ201〜203のみが設けられる。うち1個のセレク
タ201は送信する信号と、0系および1系の各下り路
を通してそれぞれ受信した信号とを選択して0系、1系
の各上り路に向けて送出するように構成される。また、
他の2個のセレクタ202,203はそれぞれ0系、1
系の下り路の終端部21,22の前段に接続され、前記
セレクタ201で選択された信号と、0系または1系の
下り路を通して受信した信号とを選択してそれぞれの系
の上り路に送出させるように構成される。
【0016】この構成によれば、0系と1系との間の伝
送路の切り替えに際しては、先ず、図2に模式的に示す
ように、A局では、0系のセレクタ106により周期信
号発生部101で発生された周期信号を送信信号の空き
タイムスロットに挿入し、0系の下り路を通して伝送す
る。B局では0系のセレクタ202により受信信号を選
択し、0系の上り路を通してA局に送り返す。A局で
は、遅延差判定部108においてこの周期信号を監視し
ており、この周期信号の往復伝送により0系の下り路に
おける遅延量t1と上り路における遅延量t2の合計、
σ1・2(=t1+t2)を測定する。
【0017】同様にして、今度は、図3のように、A局
では、1系のセレクタ107により周期信号を送信信号
の空きタイムスロットに挿入し、1系の下り路を通して
伝送する。B局では1系のセレクタ203により受信信
号を選択し、1系の上り路を通してA局に送り返す。A
局では、遅延差判定部108においてこの周期信号を監
視しており、この周期信号の往復伝送により1系の下り
路における遅延量t3と上り路における遅延量t4の合
計、σ3・4(=t3+t4)を測定する。
【0018】更に、今度は、図4のように、A局では、
0系のセレクタ106により周期信号を空きタイムスロ
ットに挿入し、0系の下り路を通して伝送する。B局で
は、今度はセレクタ201により受信信号を選択し、こ
れを1系のセレクタ203で選択し、上り路を通してA
局に送り返す。A局では、遅延差判定部108において
この周期信号を監視しており、この周期信号の往復伝送
により0系の下り路における遅延量t1と1系の上り路
における遅延量t4の合計、σ1・4(=t1+t4)
を測定する。
【0019】しかる上で、遅延差判定部108では、こ
れらの遅延量に基づいて、 δ1・3=σ1・4−σ3・4=(t1+t4)−(t
3+t4)=t1−t3 δ2・4=σ1・2−σ1・4=(t1+t2)−(t
1+t4)=t2−t4 がそれぞれ演算される。即ち、δ1.3(=t1−t
3)は0系と1系の各下り路における遅延差であり、δ
2.4(=t2−t4)は0系と1系の各上り路におけ
る遅延差である。
【0020】したがって、遅延差判定部108からのこ
れら遅延差により、遅延バッファ102と103はδ1
・3の遅延量が設定され、遅延バッファ104と105
はδ2・4の遅延量が設定される。これにより、0系と
1系の各下り路と上り路の各遅延差が解消され、両系を
切り替える際の無瞬断切替が実現されることになる。
【0021】このように、この実施例の構成では、A局
には1つの周期信号発生部101と遅延差判定部108
を備えているが、B局にはこれらの構成機器は設けられ
ておらず、3個のセレクタ201〜203が設けられて
いるのみである。したがって、例えば、この実施例にお
けるA局とB局を、例えば図5に示したような移動通信
の交換局と基地局として構成した場合には、基地局を増
設した際に各基地局に周期信号発生部と遅延差判定部と
を装備させる必要はなく、基地局の設備費を削減し、か
つ基地局におけるメンテナンス管理を容易なものにでき
る効果がある。
【0022】なお、前記実施例において、図4に示した
遅延量の測定に際しては、1系の下り路における遅延量
t3と、0系の上り路における遅延量t2の合計t2+
t3を測定してもよい。この場合には、δ1・3とδ2
・4は次式で演算できる。 δ1・3=(t1+t2)−(t2+t3)=t1−t
3 δ2・4=(t2+t3)−(t3+t4)=t2−t
4 この場合には、B局における各セレクタの動作を前記実
施例とは多少異なる状態に変更すればよい。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、A局には
周期信号をB局に向けて送信する周期信号発生部と、B
局から折り返された周期信号を受信して伝送路における
遅延量を求め、この遅延量から0系と1系の伝送路間の
遅延差を求める遅延差判定部と、0系と1系の各伝送路
に介挿され、遅延差判定部で求められた遅延差に応じて
その遅延量が設定される遅延バッファとを備えており、
かつB局には受信した周期信号を0系、1系の各系内
で、及び0系と1系の間でそれぞれA局に向けて折り返
す手段を備えることにより、A局では0系における周期
信号の送受により0系の遅延量を測定し、1系における
周期信号の送受により1系の遅延量を測定し、0系と1
系の間に跨がる周期信号の送受により0系と1系との間
の遅延量を測定し、これらの測定値に基づいて演算を行
うことで0系と1系の各送信路と受信路の各遅延差を算
出できる。
【0024】したがって、この算出された遅延差を遅延
バッファの遅延量として設定することで、0系と1系の
各送信路と受信路の間の遅延差を解消し、両系における
無瞬断切替が可能となる。これにより、B局に周期信号
発生部や遅延差判定部を設ける必要がなく、これらの機
器の数を低減してシステムの構成の簡易化やコスト低減
が実現されると共に、B局におけるメンテナンス管理を
容易なものにできる効果がある。
【0025】特に、B局の折り返し手段は、0系の受信
路で受信した周期信号を選択して0系の送信路に送出可
能なセレクタと、1系の受信路で受信した周期信号を選
択して1系の送信路に送出可能なセレクタと、0系また
は1系の受信路で受信した周期信号を選択して逆の1系
または0系の送信路に送出可能なセレクタとで構成する
ことにより、B局には3個のセレクタを備えるのみでよ
く、周期信号発生部、遅延差判定部、遅延バッファが全
く不要となり、B局の構成の簡略化とメンテナンスの容
易化が可能となる。
【0026】例えば、遅延差判定部は、0系の送信路か
ら送出した周期信号を0系の受信路で受信した際の遅延
量σ1・2と、1系の送信路から送出した周期信号を1
系の受信路で受信した際の遅延量σ3・4と、0系の送
信路から送出した周期信号を1系の受信路で受信した際
の遅延量σ1.4とを測定すれば、これらの遅延量に基
づいて0系と1系の各送信路の間の遅延差δ1・3と、
0系と1系の各受信路の間の遅延差δ2・4とを算出す
ることができ、A局においてのみ各伝送路の遅延差を検
出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図である。
【図2】図1のシステムにおける0系の遅延量の測定状
態を模式的に示す図である。
【図3】図1のシステムにおける1系の遅延量の測定状
態を模式的に示す図である。
【図4】図1のシステムにおける0系から1系にわたる
遅延量の測定状態を模式的に示す図である。
【図5】本発明を移動通信の交換局と基地局に適用した
例を示した模式的な構成図である。
【図6】従来の無瞬断切替方式の一例を示すシステム構
成図である。
【符号の説明】
11,12,21,22 伝送路終端部 101 周期信号発生部 102〜105 遅延バッファ 106,107 セレクタ 108 遅延差判定部 201〜203 セレクタ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 0系と1系とに二重化された双方向伝送
    路により対向するA局とB局との間で前記0系と1系と
    を切り替えながら双方向通信を行う双方向通信システム
    において、A局には前記0系と1系の伝送路間の遅延差
    よりも長い周期の周期信号をB局に向けて送信するため
    の周期信号発生部と、送信されかつB局から折り返され
    た前記周期信号を受信して前記伝送路における遅延量を
    求め、この遅延量から前記0系と1系の伝送路間の遅延
    差を求める遅延差判定部と、前記0系と1系の各伝送路
    に介挿され、前記遅延差判定部で求められた遅延差に応
    じてその遅延量が設定される遅延バッファとを備え、B
    局には受信した前記周期信号を0系、1系の各系内で、
    及び0系と1系の間でそれぞれA局に向けて折り返す手
    段を備えることを特徴とする双方向通信システムにおけ
    る無瞬断切替方式。
  2. 【請求項2】 B局の折り返し手段は、0系の受信路で
    受信した周期信号を選択して0系の送信路に送出可能な
    セレクタと、1系の受信路で受信した周期信号を選択し
    て1系の送信路に送出可能なセレクタと、0系または1
    系の受信路で受信した周期信号を選択して逆の1系また
    は0系の送信路に送出可能なセレクタとで構成される請
    求項1の双方向通信システムにおける無瞬断切替方式。
  3. 【請求項3】 遅延差判定部は、0系の送信路から送出
    した周期信号を0系の受信路で受信した際の遅延量σ1
    ・2(0系送信路の遅延量t1と0系受信路の遅延量t
    2との和)と、1系の送信路から送出した周期信号を1
    系の受信路で受信した際の遅延量σ3・4(1系送信路
    の遅延量t3と1系受信路の遅延量t4との和)と、0
    系の送信路から送出した周期信号を1系の受信路で受信
    した際の遅延量σ1.4(0系送信路の遅延量t1と1
    系受信路の遅延量t4との和)とに基づいて、0系と1
    系の各送信路の間の遅延差δ1・3(=t1−t3)
    と、0系と1系の各受信路の間の遅延差δ2・4(=t
    2−t4)とを演算する請求項1または2の双方向通信
    システムにおける無瞬断切替方式。
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