JP2616286B2 - タイル張り工法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はタイル張り工法に係り、
特に張付モルタルと下地モルタルとの付着を良くするよ
うにしたタイル張り工法に関する。

【０００２】

【従来の技術】モルタルによりタイルを躯体表面に張り
付ける場合、躯体表面に下地モルタルを通常は複数回に
分けて塗り付け、この下地モルタルの上に張付モルタル
を用いてタイルを張り付ける。この場合、タイルの裏面
に張付モルタルを盛り付けるように塗り付け、この張付
モルタルを下地モルタルに押し付け、しっかりと張り付
ける。なお、張付モルタルを下地モルタルの上に層状に
塗着し、この下地モルタルの上にタイル裏面を押し付け
る方法もある。

【０００３】上記のタイル張り工法において、躯体表面
は、十分に清掃した後、水でしめらせておく。また、タ
イルが吸水性を有するものであるときには、タイルも水
でしめらせておく。

【０００４】このタイルの裏面には凹凸が形成されてお
り、タイルと張付モルタルとの結合強度を高くするよう
にしている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】上記従来のタイル張り
工法においては、下地モルタルの表面が平坦であるた
め、下地モルタルと張付モルタルとの結合強度がいま一
つ不足するおそれがあり、十分な結合強度を得るために
入念にきわめて注意深く施工する必要があり、施工が徒
に手間取るものとなり易かった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のタイル張り工法
は、躯体面に下地モルタルを付着させ、該下地モルタル
上に張付モルタルを介してタイルを張り付けるタイル施
工法において、凹陥部を有したモルタル結着用部材を、
該凹陥部が下地モルタルの表面に露出するように該下地
モルタルに埋設し、その後、該下地モルタル上に張付モ
ルタルを付着させることを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】かかるタイル張り工法においては、下地モルタ
ルの表面に凹部が設けられているので、下地モルタルと
張付モルタルとの結合強度が高い。この結果、タイルの
躯体への張付強度がきわめて高いものとなる。

【０００８】

【実施例】第１図は本発明の実施例を示す縦断面図であ
り、コンクリート壁１の表面に下地モルタル２が付着
（コテ塗り又は吹き付け）され、この下地モルタル２に
モルタル結着用部材６が埋設されている。このモルタル
結着用部材６は、第２図に示すレール状のものであり、
底板部６ａと、該底板部６ａの両側辺から折り立てられ
たフランジ部６ｂとを有している。フランジ部６ｂは、
９０°よりも深く折曲され、それらの先端側が接近した
ものとなっている。

【０００９】このモルタル結着用部材６は、フランジ部
６ｂ同志の間の空間部７が下地モルタル２の表面に露出
するように下地モルタル２に埋設される。この場合、第
１図の中段のもののように、フランジ部６ｂの一部が突
出していても良い。このモルタル結着用部材６の空間部
内にもモルタルが充填されるように張付モルタル４がス
プレーガン５で吹き付けられる。この張付モルタル４上
にタイル（第１図では図示略）が直接に又は別の張付モ
ルタルを介して張り付けられる。なお、当然ながら、こ
のモルタル結着用部材６は水平方向に延在するように配
置される。

【００１０】かかるタイル張り工法によると、張付モル
タル４と下地モルタル２との間にまたがるようにモルタ
ル結着用部材６が介在されるため、張付モルタル４のダ
レや剥離が防止され、タイルをきわめて強固に張付施工
することができる。

【００１１】第２図では直線レール状のモルタル結着用
部材６が示されているが、本発明では第３図の如く、井
桁状に組み合わせたモルタル結着用部材７を用いても良
い。

【００１２】また、第４図及び第５図（第４図の −
線断面図）並びに第６図（第７図の − 線断面図）及
び第７図に示すカップ状のモルタル結着用部材８，９を
用いても良い。モルタル結着用部材８は台形断面形状で
あり、モルタル結着用部材９は球の一部を切り欠いた形
状のものであり、いずれも内部の空間部はその入口側が
すぼまったものとなっている。

【００１３】第２〜７図のモルタル結着用部材６〜９に
あっては、内部の空間部の入口側が狭まっているため、
この空間部に入り込んだ張付モルタル４が硬化すると、
この張付モルタル４は機械的にも下地モルタル２に対し
結合した状態となり、タイル張付強度がさらに高いもの
となる。

【００１４】ただし、本発明では、第８，９図に断面形
状が示される入口側が狭くならないモルタル結着用部材
１０，１１を用いても良い。

【００１５】上記実施例は本発明の一例であり、本発明
では図示以外の態様をもとりうる。例えば、コンクリー
ト壁１と下地モルタル２との結合性を高めるためにコン
クリート壁１の表面に凹凸を形成しても良い。

【００１６】

【発明の効果】以上の通り、本発明のタイル張り工法に
よると、下地モルタルと張付モルタルとの結合強度を高
め、タイルの張付強度が高められる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例方法を示す縦断面図である。

【図２】モルタル結着用部材６の斜視図である。

【図３】モルタル結着用部材７の斜視図である。

【図４】モルタル結着用部材８の斜視図である。

【図５】モルタル結着用部材８の断面図である。

【図６】モルタル結着用部材９の断面図である。

【図７】モルタル結着用部材９の斜視図である。

【図８】モルタル結着用部材１０の断面図である。

【図９】モルタル結着用部材１１の断面図である。

【符号の説明】

１ コンクリート壁 ２ 下地モルタル ４ 張付モルタル ５ スプレーガン ６，７，８，９，１０，１１ モルタル結着用部材

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 和博 愛知県常滑市鯉江本町５丁目１番地 株 式会社イナックス内 (56)参考文献 特開 昭61−270452（ＪＰ，Ａ) 特開 昭57−100259（ＪＰ，Ａ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 躯体面に下地モルタルを付着させ、該下
   地モルタル上に張付モルタルを介してタイルを張り付け
   るタイル施工法において、凹陥部を有したモルタル結着
   用部材を、該凹陥部が下地モルタルの表面に露出するよ
   うに該下地モルタルに埋設し、その後、該下地モルタル
   上に張付モルタルを付着させることを特徴とするタイル
   張り工法。