JP2615047B2 - ウェブ搬送装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は円筒体と該円筒体の両端に設けられた端板
を備えた搬送用ローラを有し、レール状部材、具体的に
は図２に示すようなウェブを搬送する装置に関する。

上記搬送装置に用いられる搬送用ローラ、たとえばス
タンプ機械等の圧力装置に用いられる搬送用ローラは、
機械の動作サイクル毎に、換言すれば搬送用ローラの回
転毎に、予め定められた正しい長さのウェブを搬送しな
ければならない。例示した上記種類の装置では、種々の
厚さのウェブが加工される。従って搬送用ローラは、加
工するウェブの厚さにかかわらず、所定の機械動作の間
に、常に同じ長さのウェブを搬送しなければならない。
これに対して従来の装置では次のような搬送用ローラが
使用された。その搬送用ローラは加工されるウェブによ
り、部分的に押圧され、該ウェブはその厚さと内部に生
ずる引張り応力に対応して弾性的に変形（伸長）され
る。従って搬送用ローラの各回転とともに、上記変形に
伴って生ずる長さに相等する長さのウェブが常に搬送さ
れる。

上述の事実により、上記従来の装置の使用は、加工さ
れるウェブの材質により限界があることがわかる。

又その他の周知の装置では、搬送用ローラを動かす駆
動装置（以下主駆動装置とも記す）には該駆動装置とと
もに働く協働装置が設けられる。該協働装置は加工する
ウェブの厚さに応じて主駆動装置に修正回転数を与える
作用をなす。このような装置は高価なものであり、又、
上記協働装置の作用により、搬送用ローラを駆動する装
置の中に周期的な動揺を生じ、装置の加工精度が低下す
るという欠点を生ずる。

この発明の目的は、円筒体と該円筒体の両端に設けら
れた端板を備えた搬送用ローラを有し、ウェブを搬送す
る従来装置に見られる欠点を除去し、安価に製作でき、
加工されるウェブに追加的引張り応力を発生させること
なく、かつウェブの厚さに関係なく、所定の動作サイク
ル毎にほぼ同じ長さのウェブを搬送できるウェブ搬送装
置を提供することにある。

上記目的を達成するために、円筒体とその両端に設け
られた端板を備えた搬送用ローラを有するこの発明のウ
ェブ搬送装置は、次の特徴を有するように形成される。

すなわち、上記円筒体は圧力空間を中にして弾性的に
変形可能に形成されていること、円筒体は上記端板とと
もに圧力に対して密封された空間を形成し、該空間は所
定範囲の圧力を発生する圧力媒体源に連通されているこ
と、及び上記空間中に上記所定範囲内にある強さの過圧
を発生させ、かつ維持する手段を有すること、である。

上記構造を有する本発明の装置は安価に製作されると
ともに、加工するウェブの厚さにかかわらず、搬送用ロ
ーラの回転毎に予め定められた長さのウェブの搬送を行
なうことができる。

次に実施例について説明する。

第１図に於て、２個のベアリングを取付けた取付板１
の間に、搬送用ローラ３が回転可能に装置され、該搬送
用ローラ３の中には該搬送用ローラ３の軸方向に延びる
軸体４が嵌入されている。該軸体４の一端（図の左端）
には図示しない駆動モータに結合されたピニオン５が取
付けられている。又軸体４には円板状の２個の端板６
が、円筒体７と密封的に結合するように嵌込まれてい
る。軸体４の他端部（図の右端部）には、軸方向に延び
る溝８が設けられ、該溝８は円筒体７に囲まれた空間９
の中で２方向に分岐されそれぞれ該空間に開口する。軸
体１の右端に於て、溝８はねじ10によって閉鎖され、空
間９と端板６との間にはシール部材11が挿入されてい
る。軸体４の右端部は圧力シリンダ12に配置された対圧
用のベアリング13に支持され、該右端部に形成された小
直径の断面部は液空圧変換器15の圧力シリンダ12をほぼ
直角横切るように配置されている。

上記溝８は、圧力シリンダ12内に形成された圧力室14
の中に開口する分岐を有し、従って圧力室14は空間９と
連通している。圧力シリンダ12にはガス圧シリンダ16が
同軸的に結合され、該ガス圧シリンダ16は導管17を介し
て、圧力ガス媒体を供給する圧力媒体源（図示せず）に
連結される。その結果空間９に上記導管を介して、所望
の過圧を供給し、かつその値に維持することができる。
上記端板６及び軸体４は鋼材を用いて製作するのが好ま
しく、円筒体７は所定の圧力範囲内に於て弾性的に変形
できる材料で形成される。空間９が圧力変換器15によ
り、過圧状態となると、搬送用ローラ３の直径は増大す
る。この増大した状態は第１図に一点鎖線で示すごとく
である。上記のように直径が増大すると、搬送用ローラ
の回転毎に送られるウェブの長さは大きくなる。但しこ
の際ウェブの厚さが薄い程、空間９内の過圧は大きく選
ばれ、そのために、軸体４の中心軸から加工されるウェ
ブの中点に至る半径はほぼ一定値に維持される。

第３図に示す実施例では、円筒体７の内側に、互いに
間隔をおいて形成された環状リブ18が設けられている。
この場合円筒体７に過圧がかけられると、該円筒体７の
外周は波形状に変化する。この波形状は第３図の一点鎖
線によって示され、該波形状により、ウェブ搬送の側縁
は安定に所定走行方向に案内される。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の搬送用ローラを含む搬送装置の実施
例の要部の縦断面図、第２図は第１図のII−II線断面
図、第３図は搬送用ローラの第２の実施例を示す断面図
である。 １……取付板、２……ベアリング、３……搬送用ロー
ラ、４……軸体、５……ピニオン、６……端板、７……
円筒体、８……溝、９……空間、10……ねじ、11……シ
ールリング、12……圧力シリンダ、13……耐圧ベアリン
グ、14……圧力室、15……圧力変換器、16……圧力媒体
室、17……導管。

Claims (4)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】圧力媒体によって加圧可能であり、両端部
   の端壁と共に、圧力源と連通した圧力空間を形成し、弾
   性的に変形可能な円筒体により構成される搬送ローラに
   よってウェブを部分的に巻回して搬送する装置におい
   て、 前記端壁（６）は、前記搬送ローラ（３）を前記円筒体
   （７）と同心に貫通する駆動軸（４）と動かないように
   結合されており、 前記駆動軸（４）は、前記圧力空間（９）と前記圧力源
   に後置される制御可能な圧力変換器（15）とを結合する
   圧力導管（８）を有すると共に、前記圧力変換器（15）
   の圧力室（14）を前記圧力導管（８）と連通させること
   を特徴とする搬送装置。
2. 【請求項２】前記円筒体（７）の壁の厚さがほぼ一様で
   あること、を特徴とする特許請求の範囲第１項に記載の
   搬送装置。
3. 【請求項３】前記円筒体（７）は、前記圧力空間（９）
   に向いた側に、互いに離間して配置された突部（18）を
   有することを特徴とする、特許請求の範囲第１項又は第
   ２項に記載の搬送装置。
4. 【請求項４】前記突部（18）は、規則的な間隔をへだて
   て設けられていることを特徴とする、特許請求の範囲第
   ３項に記載の搬送装置。