JP2614920B2 - 抗生物質pbj―5,360複合体 - Google Patents
抗生物質pbj―5,360複合体Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、新規な抗生物質に関し、さらに詳しくは、
シュウドモナス(Pseudomonas)sp.PBJ-5,360により産
生される抗生物質PBJ-5,360複合体に関するものであ
る。
シュウドモナス(Pseudomonas)sp.PBJ-5,360により産
生される抗生物質PBJ-5,360複合体に関するものであ
る。
[従来技術と発明が解決すべき課題] 抗生物質の抗細菌活性は個々の細菌によって異なる
上、しばしば耐性菌が出現して効果が低下することが知
られている。今日では、多剤耐性菌の出現が問題となっ
ており、治療を効果的に行うためには新規で有効な抗生
物質の開発が望まれている。とりわけブドウ状球菌や溶
血性連鎖状球菌などのグラム陽性菌には抗生物質耐性菌
が多く、これらグラム陽性菌に対して高い活性を有する
新規な抗生物質が必要とされている。
上、しばしば耐性菌が出現して効果が低下することが知
られている。今日では、多剤耐性菌の出現が問題となっ
ており、治療を効果的に行うためには新規で有効な抗生
物質の開発が望まれている。とりわけブドウ状球菌や溶
血性連鎖状球菌などのグラム陽性菌には抗生物質耐性菌
が多く、これらグラム陽性菌に対して高い活性を有する
新規な抗生物質が必要とされている。
[課題を解決する手段] 本発明は、シュウドモナスsp.PBJ-5,360(Psedomonas
sp.PBJ-5,360)が産生する抗生物質PBJ-5,360複合体を
提供するものである。この抗生物質は、上記シュウドモ
ナスsp.PBJ-5,360によって産生され、構造式は不明であ
るが、加水分解によって後述のアミノ酸を与えることか
らペプチド抗生物質と考えられる。この抗生物質は上記
シュウドモナスの菌株を培養することにより産生される
物質であり、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によ
って数本のピークを与える(第1図参照)、極めて近似
した同族体の複合体として得られる。その抗菌活性は従
来のダブトマイシン(特開昭55-92353)やバンコマイシ
ンと比較して、極めて強力であるが、個々の成分の単離
にはまだ成功していない。
sp.PBJ-5,360)が産生する抗生物質PBJ-5,360複合体を
提供するものである。この抗生物質は、上記シュウドモ
ナスsp.PBJ-5,360によって産生され、構造式は不明であ
るが、加水分解によって後述のアミノ酸を与えることか
らペプチド抗生物質と考えられる。この抗生物質は上記
シュウドモナスの菌株を培養することにより産生される
物質であり、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)によ
って数本のピークを与える(第1図参照)、極めて近似
した同族体の複合体として得られる。その抗菌活性は従
来のダブトマイシン(特開昭55-92353)やバンコマイシ
ンと比較して、極めて強力であるが、個々の成分の単離
にはまだ成功していない。
本発明のPBJ-5,360複合体は、ナトリウム塩として以
下の物理化学的特性を有する。
下の物理化学的特性を有する。
1)融点:250℃以上で分解 2)元素構成:炭素約44.77%、水素約6.94%、窒素約1
2.25%、ナトリウム約4.65% 3)分子量:約1,400〜約1,600 4)外観:無色粉末 5)酸または塩基性:両性 6)呈色反応等:ニンヒドリン反応、坂口反応およびI2
呈色反応に陽性 7)溶解性:pH7以上またはpH2以下の水、メタノール、
水飽和ブタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可
溶性 8)加水分解によるアミノ酸生成物:ヒドロキシアスパ
ラギン酸、アスパラギン酸、セリン、ヒドロキシイソロ
イシン、グリシン、アラニンおよびアルギニン 9)赤外吸収スペクトル(臭化カリウム錠):第2図参
照 10)紫外吸収スペクトル(20mM PBS、pH7.0):強い末
端吸収 11)薄層シリカゲルクロマトグラフィー:下記のRf値を
示す。 溶媒 Rf n−ブタノール:酢酸:水(4:1:2) 0.25 n−プロパノール:ピリジン:酢酸:水(15:10:1:12)
0.60n-ブタノール:ピリジン:酢酸:水(10:6:1:4) 0.10 上記の物性で表される本発明の抗生物質PBJ-5,360複
合体はインビトロおよびインビボで優れた抗菌活性を有
し、特にグラム陽性菌に対して強力な作用を有すること
が分かった。
2.25%、ナトリウム約4.65% 3)分子量:約1,400〜約1,600 4)外観:無色粉末 5)酸または塩基性:両性 6)呈色反応等:ニンヒドリン反応、坂口反応およびI2
呈色反応に陽性 7)溶解性:pH7以上またはpH2以下の水、メタノール、
水飽和ブタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)に可
溶性 8)加水分解によるアミノ酸生成物:ヒドロキシアスパ
ラギン酸、アスパラギン酸、セリン、ヒドロキシイソロ
イシン、グリシン、アラニンおよびアルギニン 9)赤外吸収スペクトル(臭化カリウム錠):第2図参
照 10)紫外吸収スペクトル(20mM PBS、pH7.0):強い末
端吸収 11)薄層シリカゲルクロマトグラフィー:下記のRf値を
示す。 溶媒 Rf n−ブタノール:酢酸:水(4:1:2) 0.25 n−プロパノール:ピリジン:酢酸:水(15:10:1:12)
0.60n-ブタノール:ピリジン:酢酸:水(10:6:1:4) 0.10 上記の物性で表される本発明の抗生物質PBJ-5,360複
合体はインビトロおよびインビボで優れた抗菌活性を有
し、特にグラム陽性菌に対して強力な作用を有すること
が分かった。
即ち、本発明の抗生物質は、インビトロにおいて、グ
ラム陽性菌に対して0.006〜0.025mcg/mlで、グラム陰性
菌に対して1.56〜25mcg/mlで活性を示す。また、インビ
ボにおいても多剤耐性菌にED500.16mg/kgと優れた効果
を示した(実験例2参照)。代表的な菌に対する最小阻
止濃度(MIC)およびマウスにおけるED50を以下の表1
に示す。
ラム陽性菌に対して0.006〜0.025mcg/mlで、グラム陰性
菌に対して1.56〜25mcg/mlで活性を示す。また、インビ
ボにおいても多剤耐性菌にED500.16mg/kgと優れた効果
を示した(実験例2参照)。代表的な菌に対する最小阻
止濃度(MIC)およびマウスにおけるED50を以下の表1
に示す。
上記表1から分かるように、本発明のPBJ-5,360はバ
ンコマイシンより優れた活性を示し、特にグラム陽性菌
に高活性を有する。その作用機構は、細胞壁合成阻害作
用に基づくと考えられる。
ンコマイシンより優れた活性を示し、特にグラム陽性菌
に高活性を有する。その作用機構は、細胞壁合成阻害作
用に基づくと考えられる。
急性毒性としては、マウスへの300mg/kgおよび500mg/
kg静脈内投与では、毒性死を認めなかった。
kg静脈内投与では、毒性死を認めなかった。
本発明の抗生物質PBJ-5,360複合体は前記のごとく同
族体の複合体であると考えられるが、本明細書では、実
質上、上記の抗生物質活性および特性を示し、シュウド
モナスsp.PBJ-5,360によって産生される抗生物質の成分
の複合体およびその塩を便宜上、抗生物質PBJ-5,360複
合体と呼称することとする。
族体の複合体であると考えられるが、本明細書では、実
質上、上記の抗生物質活性および特性を示し、シュウド
モナスsp.PBJ-5,360によって産生される抗生物質の成分
の複合体およびその塩を便宜上、抗生物質PBJ-5,360複
合体と呼称することとする。
本発明の抗生物質PBJ-5,360複合体は、シュウドモナ
ス属の菌株シュウドモナスsp.PBJ-5,360を同化可能な炭
素源、窒素源および無機塩類を含有する培地中で常法通
り好気的に液中培養することにより得られる。なお、こ
の菌は後述の実験例3記載の方法で培養し、その形態学
的所見、培養特性、生理学的および生化学的性状等を基
に、バージーズ・マニュアル・オブ・システマティック
・バクテリオロジー(Bergey′s Manual of Systematic
Bacteriology)、第1巻(1984)の記載を参照して総
合的に判断し、上記菌株に帰属されたものである。この
菌株は、自然発生的に、または人為的に変異する可能性
があり、そのような変異体も、本発明のPBJ-5,360複合
体を産生する能力を保持している限り、本発明の範囲内
に包含されるものであることは、当業者には明らかであ
る。従って、本発明は、新規な抗生物質PBJ-5,360複合
体を産生する、シュウドモナスsp.PBJ-5,360および、そ
の抗生物質PBJ-5,360複合体産生性の変異体を提供する
ものである。シュウドモナスsp.PBJ-5,360は、茨城県つ
くば市東1−1−3の工業技術院微生物工業技術研究所
に受託番号微工研菌寄第10578号の下で寄託されている
(受託日:平成元年2月27日)。本菌株は平成5年6月
17日、ブダペスト条約に基づく国際寄託に移管された
(受託番号:FERM BP-4342)。
ス属の菌株シュウドモナスsp.PBJ-5,360を同化可能な炭
素源、窒素源および無機塩類を含有する培地中で常法通
り好気的に液中培養することにより得られる。なお、こ
の菌は後述の実験例3記載の方法で培養し、その形態学
的所見、培養特性、生理学的および生化学的性状等を基
に、バージーズ・マニュアル・オブ・システマティック
・バクテリオロジー(Bergey′s Manual of Systematic
Bacteriology)、第1巻(1984)の記載を参照して総
合的に判断し、上記菌株に帰属されたものである。この
菌株は、自然発生的に、または人為的に変異する可能性
があり、そのような変異体も、本発明のPBJ-5,360複合
体を産生する能力を保持している限り、本発明の範囲内
に包含されるものであることは、当業者には明らかであ
る。従って、本発明は、新規な抗生物質PBJ-5,360複合
体を産生する、シュウドモナスsp.PBJ-5,360および、そ
の抗生物質PBJ-5,360複合体産生性の変異体を提供する
ものである。シュウドモナスsp.PBJ-5,360は、茨城県つ
くば市東1−1−3の工業技術院微生物工業技術研究所
に受託番号微工研菌寄第10578号の下で寄託されている
(受託日:平成元年2月27日)。本菌株は平成5年6月
17日、ブダペスト条約に基づく国際寄託に移管された
(受託番号:FERM BP-4342)。
また、本発明はこのような菌株を培養することによ
り、抗生物質PBJ-5,360複合体を製造する方法をも提供
するものである。
り、抗生物質PBJ-5,360複合体を製造する方法をも提供
するものである。
培地組成、培地条件などは抗生物質の生産に一般に用
いられているものを用いるとよい。培地は原則として、
炭素源、窒素源、無機塩などを含む。必要に応じて、ビ
タミン類、前駆物質などを加えてもよい。炭素源として
は、例えば、グルコース、澱粉、デキストリン、グリセ
リン、糖蜜、有機酸などが単独でまたは混合物として用
いられる。窒素源としては、例えば、大豆粉、コーンス
チープリカー、肉エキス、酵母エキス、綿実粉、ペプト
ン、小麦胚芽、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムな
どが単独または、混合物として用いられる。無機塩とし
ては、例えば、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、塩化マンガン、
硫酸亜鉛、塩化コバルト、各種リン酸塩などがあげら
れ、必要に応じて培地に添加する。本発明のシュウドモ
ナスsp.PBJ-5,360を適当な培地中で、温度20〜35℃、好
ましくは25〜29℃で約1〜7日間培養すると、充分量の
抗生物質PBJ-5,360複合体が培養物中に産生される。次
いで、通常の方法で培養物から生成物を分離し、所望に
より、精製する。そのような方法は、全て当業者にとっ
て周知である。
いられているものを用いるとよい。培地は原則として、
炭素源、窒素源、無機塩などを含む。必要に応じて、ビ
タミン類、前駆物質などを加えてもよい。炭素源として
は、例えば、グルコース、澱粉、デキストリン、グリセ
リン、糖蜜、有機酸などが単独でまたは混合物として用
いられる。窒素源としては、例えば、大豆粉、コーンス
チープリカー、肉エキス、酵母エキス、綿実粉、ペプト
ン、小麦胚芽、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムな
どが単独または、混合物として用いられる。無機塩とし
ては、例えば、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、塩化
カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸銅、塩化マンガン、
硫酸亜鉛、塩化コバルト、各種リン酸塩などがあげら
れ、必要に応じて培地に添加する。本発明のシュウドモ
ナスsp.PBJ-5,360を適当な培地中で、温度20〜35℃、好
ましくは25〜29℃で約1〜7日間培養すると、充分量の
抗生物質PBJ-5,360複合体が培養物中に産生される。次
いで、通常の方法で培養物から生成物を分離し、所望に
より、精製する。そのような方法は、全て当業者にとっ
て周知である。
本発明のPBJ-5,360複合体は、インビトロおよびイン
ビボで著しい活性を示し、種々の感染症、特にグラム陽
性の多剤耐性菌による感染症の治療に有用と考えられ
る。
ビボで著しい活性を示し、種々の感染症、特にグラム陽
性の多剤耐性菌による感染症の治療に有用と考えられ
る。
以下に実施例および実験例を挙げ、本発明を更に詳し
く説明する。
く説明する。
実施例1 1)発酵 シュウドモナス属の菌株PBJ-5,360の細胞懸濁液を坂
口コルベン内のデキストリン2.0%、トマトペースト1.0
%、ドライイースト1.0%組成の培地100mlに植菌し、28
℃で2日間振盪培養を行う。次いで、これを種菌として
グルコース1.0%、麦芽エキス1.0%、ドライイースト1.
0%、トマトペースト0.2%組成の培地250lを含む500lの
発酵槽に2%(v/v)となるように植菌し、28℃におい
て、攪拌数120rpm、通気量0.5vvmで4日間発酵を行う。
口コルベン内のデキストリン2.0%、トマトペースト1.0
%、ドライイースト1.0%組成の培地100mlに植菌し、28
℃で2日間振盪培養を行う。次いで、これを種菌として
グルコース1.0%、麦芽エキス1.0%、ドライイースト1.
0%、トマトペースト0.2%組成の培地250lを含む500lの
発酵槽に2%(v/v)となるように植菌し、28℃におい
て、攪拌数120rpm、通気量0.5vvmで4日間発酵を行う。
2)単離 発酵液450lをpH3.0に調整し、NaCl 60kg、ブタノール
110lを加えて激しく攪拌する。静置し、エマルジョンを
含むブタノール層を分離し、ろ過助剤ハイフロスーパー
セル15kgを加えてろ過し、ブタノール抽出液84lを得
る。これにEA(酢酸エチル)72lを加え、3%NaHCO3 70
l、60l、30lで逆抽出を行う。得られた水層150lをpH3.0
に調整し、NaCl 20kgを加え、ブタノール30lで抽出す
る。ブタノール抽出液を減圧濃縮し、アセトンを加えて
析出する沈澱を集め、粗粉末26gを得る。粗粉末25gをpH
8.0でH2Oに溶解し、IRA-458(Cl-7のカラム1.3l)に適
用して吸着させ、水洗した後、5%NaCl/50mMリン酸緩
衝液pH8.0で溶出する。E.coli LS-1を用いるアッセイプ
レートで抗菌力の測定を行い、活性な分画1.7lを得る。
これをCHP-20Pのカラム(200ml)に吸着させ、10%アセ
トン/10mMリン酸緩衝液(PBS)(pH8.0)300mlで洗浄し
た後、10mM PBS(pH8.0)を含む10%から80%のアセト
ン溶液で、濃度勾配溶出法により溶出する。
110lを加えて激しく攪拌する。静置し、エマルジョンを
含むブタノール層を分離し、ろ過助剤ハイフロスーパー
セル15kgを加えてろ過し、ブタノール抽出液84lを得
る。これにEA(酢酸エチル)72lを加え、3%NaHCO3 70
l、60l、30lで逆抽出を行う。得られた水層150lをpH3.0
に調整し、NaCl 20kgを加え、ブタノール30lで抽出す
る。ブタノール抽出液を減圧濃縮し、アセトンを加えて
析出する沈澱を集め、粗粉末26gを得る。粗粉末25gをpH
8.0でH2Oに溶解し、IRA-458(Cl-7のカラム1.3l)に適
用して吸着させ、水洗した後、5%NaCl/50mMリン酸緩
衝液pH8.0で溶出する。E.coli LS-1を用いるアッセイプ
レートで抗菌力の測定を行い、活性な分画1.7lを得る。
これをCHP-20Pのカラム(200ml)に吸着させ、10%アセ
トン/10mMリン酸緩衝液(PBS)(pH8.0)300mlで洗浄し
た後、10mM PBS(pH8.0)を含む10%から80%のアセト
ン溶液で、濃度勾配溶出法により溶出する。
主な活性分画を集め、CHP-20Pのカラム(170ml)に吸
着せしめ、5%アセトン300mlで洗浄後、5%から80%
の水性アセトン濃度勾配溶出を行う。主な活性分画を集
め、濃縮後、凍結乾燥することによりPBJ-5,360複合体
の粉末70mgを得た。
着せしめ、5%アセトン300mlで洗浄後、5%から80%
の水性アセトン濃度勾配溶出を行う。主な活性分画を集
め、濃縮後、凍結乾燥することによりPBJ-5,360複合体
の粉末70mgを得た。
3)精製 上記粉末43mgを薄層クロマトグラフィーにより更に精
製した。即ち、シリカゲルプレート(Merck,Silica gel
GF,500μ)6枚に適用し、BuOH-AcOH-H2O(4:1:2)で
展開、ニンヒドリン反応および坂口反応陽性のゾーン
(Rf約0.25)の部分を切り取り、60%aq.MeOH、pH8.0で
抽出する。抽出液をpH7.5にしてMeOHを溜去し、CHP-20P
カラム(20ml)に吸着させ、10%アセトンで洗浄後、50
%アセトンで溶出する。次いで、活性を示す溶出液を濃
縮した後、凍結乾燥し、PBJ-5,360複合体のNa塩の無色
粉末27mgを得た。融点:250℃以上で分解する両性物質。
製した。即ち、シリカゲルプレート(Merck,Silica gel
GF,500μ)6枚に適用し、BuOH-AcOH-H2O(4:1:2)で
展開、ニンヒドリン反応および坂口反応陽性のゾーン
(Rf約0.25)の部分を切り取り、60%aq.MeOH、pH8.0で
抽出する。抽出液をpH7.5にしてMeOHを溜去し、CHP-20P
カラム(20ml)に吸着させ、10%アセトンで洗浄後、50
%アセトンで溶出する。次いで、活性を示す溶出液を濃
縮した後、凍結乾燥し、PBJ-5,360複合体のNa塩の無色
粉末27mgを得た。融点:250℃以上で分解する両性物質。
本発明のPBJ-5,360複合体(ナトリウム塩)の物理化
学的特徴、インビトロおよびインビボでの活性を以下の
実験例に示すごとくに検討した。
学的特徴、インビトロおよびインビボでの活性を以下の
実験例に示すごとくに検討した。
実験例1 物理化学的特性 実施例1で得たナトリウム塩の物理化学的特性を検討
し、以下の結果を得た。
し、以下の結果を得た。
1.元素分析 元素分析値(Na塩として) C:44.77、H:6.94、N:12.25、Na:4.65(%) アミノ酸分析値からその分子量は1,400〜1,600程度と
推定される。2.薄層クロマトグラフィー 薄層クロマトグラフィー(TLC、シリカゲルプレート
使用)では、バイオオートグラフィーおよび呈色反応
(ニンヒドリン、坂口、I2)による単一のスポットを示
した。以下に結果を示す。 溶媒 Rf n−ブタノール:酢酸:水(4:1:2) 0.25 n−プロパノール:ピリジン:酢酸:水(15:10:1:12)
0.60n-ブタノール:ピリジン:酢酸:水(10:6:1:4) 0.10 3.呈色反応、溶解性: ニンヒドリン反応、坂口反応およびI2呈色反応に陽性、
pH7以上またはpH2以下の水、メタノール、水飽和ブタノ
ール、ジメチルスルホキシドに可溶性。
推定される。2.薄層クロマトグラフィー 薄層クロマトグラフィー(TLC、シリカゲルプレート
使用)では、バイオオートグラフィーおよび呈色反応
(ニンヒドリン、坂口、I2)による単一のスポットを示
した。以下に結果を示す。 溶媒 Rf n−ブタノール:酢酸:水(4:1:2) 0.25 n−プロパノール:ピリジン:酢酸:水(15:10:1:12)
0.60n-ブタノール:ピリジン:酢酸:水(10:6:1:4) 0.10 3.呈色反応、溶解性: ニンヒドリン反応、坂口反応およびI2呈色反応に陽性、
pH7以上またはpH2以下の水、メタノール、水飽和ブタノ
ール、ジメチルスルホキシドに可溶性。
4.高速液体クロマトグラフィー HPLC測定は以下の条件で行った。
カラム:Nucleosil5C18(4.6×150mm) 溶媒:アセトニトリル−50mM NaSO4を含む50m PBS、pH
7.5 (38:62) 流速:1.35ml/min チャートスピード:1.0cm/min OD220nmでモニター。
7.5 (38:62) 流速:1.35ml/min チャートスピード:1.0cm/min OD220nmでモニター。
数本のピークが現れ、数種の同族体の複合体であるこ
とを示した(第1図参照)。
とを示した(第1図参照)。
5.アミノ酸組成分析 以下の方法でPBJ-5,360の酸加水分解し、アミノ酸組
成を分析した。
成を分析した。
定沸点塩酸により、110℃で20時間処理して加水分解
し、日立アミノ酸自動分析機835を用いて分析した。
し、日立アミノ酸自動分析機835を用いて分析した。
分析値(μmol/mg):β−ヒドロキシアスパラギン酸
(HyAsp):0.44、アスパラギン酸(Asp):0.60、セリン
(Ser):0.53、β−ヒドロキシイソロイシン:0.10
(a)および0.16(b)、グリシン:0.62、アラニン:0.
40、アルギニン(Arg):0.22、NH3:0.48 (a)および(b):β−ヒドロキシイソロイシンの
ジアステレオアイソマーと推察され、アミノ酸残基の酸
加水分解によりかなり分解されていると考えられる。
(HyAsp):0.44、アスパラギン酸(Asp):0.60、セリン
(Ser):0.53、β−ヒドロキシイソロイシン:0.10
(a)および0.16(b)、グリシン:0.62、アラニン:0.
40、アルギニン(Arg):0.22、NH3:0.48 (a)および(b):β−ヒドロキシイソロイシンの
ジアステレオアイソマーと推察され、アミノ酸残基の酸
加水分解によりかなり分解されていると考えられる。
6.赤外吸収スペクトル:第2図参照。
7.紫外吸収スペクトル(20mM PBS、pH7.0):強い末端
吸収。
吸収。
実験例2 インビトロおよびインビボでの抗菌活性 1)インビトロ活性 実施例1で得た抗生物質PBJ-5,360のインビトロでの
抗菌活性を寒天希釈法で検討した。結果を表2に示す。表 2 インビトロの抗菌活性 被検微生物 MIC(mcg/ml) グラム陽性菌 S.アウレウス(S.AUREUS) FDA JC-1 0.025 S.アウレウス(S.AUREUS) SMITH 0.0125 S.アウレウス(S.AUREUS) SR77 0.025 S.アウレウス(S.AUREUS) SR14(R) 0.0125 S.ピオゲネス(S.PYOGENES) C-203 0.0125 S.ニューモニエ(S.PNEUMONIAE) TYPE I 0.006 グラム陰性菌 E.コリ(E.coli) H 1.56 E.コリ(E.coli) NIHJ JC-2 6.25 E.コリ(E.coli) EC-14 6.25 E.コリ(E.coli) SR377(R) 6.25 E.コリ(E.coli) SR73(R) 12.5 K.ニューモニエ(K.PNEUMONIAE) SR1 1.56 K.オキシトカ(K.OXYTOCA) SR696 6.25 P.ミラビリス(P.MIRABILIS) PR-4 3.13 M.モルガニー(M.MORGANII) SR9 6.25 P.ブルガリス(P.VULGARIS) CN-329 3.13 P.ブルガリス(P.VULGARIS) SR3(R) 12.5 E.クロアカエ(E.CLOACAE) SR233 6.25 E.クロアカエ(E.CLOACAE) A13047 6.25 S.マルセスセンス(S.MARCESCENS) A13880 12.5 P.エルギノーザ(P.AERUGINOSA) A25619 12.5 P.エルギノーザ(P.AERUGINOSA) SR1012 12.5 P.エルギノーザ(P.AERUGINOSA) SR24 12.5 接種菌量:106cells/ml 2)インビボ活性 本発明の抗生物質複合体を用い、インビボの抗菌活性
を調べた。マウスを感染性の細菌で腹腔内感染させ(チ
ャレンジ)、チャレンジの1および5時間後に被験物質
を皮下投与した。チャレンジから7日後の生存率に基づ
いて、ED50値を算出した。MICは寒天希釈法によって求
めた。結果を下記の表2に示す。表3から分かるよう
に、本発明の抗生物質複合体の治療効果は、バンコマイ
シンの10〜20倍である。
抗菌活性を寒天希釈法で検討した。結果を表2に示す。表 2 インビトロの抗菌活性 被検微生物 MIC(mcg/ml) グラム陽性菌 S.アウレウス(S.AUREUS) FDA JC-1 0.025 S.アウレウス(S.AUREUS) SMITH 0.0125 S.アウレウス(S.AUREUS) SR77 0.025 S.アウレウス(S.AUREUS) SR14(R) 0.0125 S.ピオゲネス(S.PYOGENES) C-203 0.0125 S.ニューモニエ(S.PNEUMONIAE) TYPE I 0.006 グラム陰性菌 E.コリ(E.coli) H 1.56 E.コリ(E.coli) NIHJ JC-2 6.25 E.コリ(E.coli) EC-14 6.25 E.コリ(E.coli) SR377(R) 6.25 E.コリ(E.coli) SR73(R) 12.5 K.ニューモニエ(K.PNEUMONIAE) SR1 1.56 K.オキシトカ(K.OXYTOCA) SR696 6.25 P.ミラビリス(P.MIRABILIS) PR-4 3.13 M.モルガニー(M.MORGANII) SR9 6.25 P.ブルガリス(P.VULGARIS) CN-329 3.13 P.ブルガリス(P.VULGARIS) SR3(R) 12.5 E.クロアカエ(E.CLOACAE) SR233 6.25 E.クロアカエ(E.CLOACAE) A13047 6.25 S.マルセスセンス(S.MARCESCENS) A13880 12.5 P.エルギノーザ(P.AERUGINOSA) A25619 12.5 P.エルギノーザ(P.AERUGINOSA) SR1012 12.5 P.エルギノーザ(P.AERUGINOSA) SR24 12.5 接種菌量:106cells/ml 2)インビボ活性 本発明の抗生物質複合体を用い、インビボの抗菌活性
を調べた。マウスを感染性の細菌で腹腔内感染させ(チ
ャレンジ)、チャレンジの1および5時間後に被験物質
を皮下投与した。チャレンジから7日後の生存率に基づ
いて、ED50値を算出した。MICは寒天希釈法によって求
めた。結果を下記の表2に示す。表3から分かるよう
に、本発明の抗生物質複合体の治療効果は、バンコマイ
シンの10〜20倍である。
実験例3 PBJ-5,360の菌学的特性 本発明のPBJ-5,360の菌学的諸性状は以下の通りであ
る。なお、PBJ-5,360は、京都府下で採取した土壌試料
より分離した。
る。なお、PBJ-5,360は、京都府下で採取した土壌試料
より分離した。
培養は原則として28℃で実施した。
A.形態 グラム陰性、桿菌であり、大きさは0.3〜0.5(μ)×
0.8〜1.3(μ)である。一本以上の極鞭毛により激しく
運動する。
0.8〜1.3(μ)である。一本以上の極鞭毛により激しく
運動する。
B.培養所見 1)肉汁培地における培養 菌体の生育は殆ど見られなかった。管底に灰白色半透
明の沈澱がごくわずかに生成した。
明の沈澱がごくわずかに生成した。
2)肉汁寒天穿刺培養 穿刺線に沿って糸状乃至は小乳頭状の生育を認めた。
ガスの発生および色素の生成は見られなかった。表面に
赤味がかかった薄い菌苔を形成したが、この菌苔は時間
の経過と共に、うす茶色半透明となり疣状の突起を所々
に認めた。好気性菌である。
ガスの発生および色素の生成は見られなかった。表面に
赤味がかかった薄い菌苔を形成したが、この菌苔は時間
の経過と共に、うす茶色半透明となり疣状の突起を所々
に認めた。好気性菌である。
3)肉汁寒天斜面培養 菌体の生育は決して早い方ではなく、28℃においては
2日後より開始(目に見える)された。生育は糸状で、
菌苔は半透明、淡黄色、隆起は扁平でぶつぶつした外観
を呈した。周縁は全縁であった。菌苔の生育はその後良
好となり、生育は糸状乃至は疣状で光沢を有し、湿潤し
たやや赤味を帯びた半透明褐色の菌苔になる。周縁は波
状乃至は長波状である。ガスおよび色素の生成は認めら
れなかった。
2日後より開始(目に見える)された。生育は糸状で、
菌苔は半透明、淡黄色、隆起は扁平でぶつぶつした外観
を呈した。周縁は全縁であった。菌苔の生育はその後良
好となり、生育は糸状乃至は疣状で光沢を有し、湿潤し
たやや赤味を帯びた半透明褐色の菌苔になる。周縁は波
状乃至は長波状である。ガスおよび色素の生成は認めら
れなかった。
4)肉汁ゼラチン穿刺培養 培養は室温下(22〜25℃)で実施した。ゼラチンを液
化した。
化した。
5)肉汁寒天平板培地上での培養 菌体の生育は速くない。28℃、2日後よりコロニーは
可視となった。コロニーは最初、小型、点状、褐色半透
明であり、周縁は全縁である。隆起については、コロニ
ーが小型過ぎて観察不可能であった。その後、コロニー
は生長し、点状乃至は円型を呈し、周縁は全縁、隆起は
扁平乃至は凸円状である。コロニーは半透明、茶褐色で
光沢を有する。ガスおよび可溶性色素の生成は、一切認
められなかった。
可視となった。コロニーは最初、小型、点状、褐色半透
明であり、周縁は全縁である。隆起については、コロニ
ーが小型過ぎて観察不可能であった。その後、コロニー
は生長し、点状乃至は円型を呈し、周縁は全縁、隆起は
扁平乃至は凸円状である。コロニーは半透明、茶褐色で
光沢を有する。ガスおよび可溶性色素の生成は、一切認
められなかった。
6)リトマスミルクにおける培養所見 酸を生成し、ペプトン化を行うが反応の開始は14日以
後となるなど、反応はかなり遅い方である。ガスの発生
はなかった。表面に灰赤紫色の薄い菌膜を時として形成
する。上層は赤紫色半透明、下層は紫がかったベージュ
色で不透明である。沈澱はベージュ色に近い赤紫色であ
った。
後となるなど、反応はかなり遅い方である。ガスの発生
はなかった。表面に灰赤紫色の薄い菌膜を時として形成
する。上層は赤紫色半透明、下層は紫がかったベージュ
色で不透明である。沈澱はベージュ色に近い赤紫色であ
った。
C.生理学的および生化学的諸性状 1)カタラーゼテスト:陽性 2)オキシダーゼテスト:陽性 3)OF−テスト:陰性(アルカリ性を呈した) 4)溶血性テスト:陽性(弱い) 5)5℃における生育能:陰性 6)H2Sの生成:陰性 7)硝酸塩の還元能:陽性 8)脱窒反応:陰性、但しN2gasを発生しないが、NO2 -
は還元する様であった。
は還元する様であった。
9)クエン酸の利用能:陰性(クリステンセン培地、お
よびシモンズ培地) 10)NAC寒天培地上での生育:陰性(生育不可能) 11)インドールの生成:陰性 12)Voges-Proskauer反応(フォーゲス・プロスカウエ
ル・テスト):陰性 13)メチルレッドテスト:陰性 14)アルギニンの加水分解能:陽性 15)リジンの脱炭酸能:陽性 16)オルニチンの脱炭酸能:陽性 17)エスクリンの加水分解能:陰性 18)DNaseテスト:陰性 19)澱粉の加水分解能:陰性 20)ONPGテスト(37℃で培養):陰性 21)アシルアミダーゼテスト:陰性 22)フォスファターゼテスト:陽性 23)キチンの加水分解能:陰性 24)シュークロースよりのレバンの生成能:陽性 25)糖類よりの酸およびガスの生成能:以下の13種の糖
類から、酸およびガスを発生しない。糖類としては、グ
ルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、
キシロース、アラビノース、マルトース、ラクトース、
ラムノース、シュークロース、セロビオース、トレハロ
ース、マンニットである。
よびシモンズ培地) 10)NAC寒天培地上での生育:陰性(生育不可能) 11)インドールの生成:陰性 12)Voges-Proskauer反応(フォーゲス・プロスカウエ
ル・テスト):陰性 13)メチルレッドテスト:陰性 14)アルギニンの加水分解能:陽性 15)リジンの脱炭酸能:陽性 16)オルニチンの脱炭酸能:陽性 17)エスクリンの加水分解能:陰性 18)DNaseテスト:陰性 19)澱粉の加水分解能:陰性 20)ONPGテスト(37℃で培養):陰性 21)アシルアミダーゼテスト:陰性 22)フォスファターゼテスト:陽性 23)キチンの加水分解能:陰性 24)シュークロースよりのレバンの生成能:陽性 25)糖類よりの酸およびガスの生成能:以下の13種の糖
類から、酸およびガスを発生しない。糖類としては、グ
ルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、
キシロース、アラビノース、マルトース、ラクトース、
ラムノース、シュークロース、セロビオース、トレハロ
ース、マンニットである。
26)菌体内におけるpoly−β−ヒドロキシブチレートの
蓄積:陰性 27)炭素源の資化能:無機塩を含む培地上において、単
一の炭素源としてグルコース、および2ケト−グルコン
酸カルシウムを資化して、菌体を形成することができ
る。この場合、生育のための特定のビタミン類は、特に
要求する様には思われなかった。一方、D−(+)−ト
レハロース、DL−アルギニン、ゲラニオール、β−アラ
ニン、L−バリン、イノシットを資化しなかった。
蓄積:陰性 27)炭素源の資化能:無機塩を含む培地上において、単
一の炭素源としてグルコース、および2ケト−グルコン
酸カルシウムを資化して、菌体を形成することができ
る。この場合、生育のための特定のビタミン類は、特に
要求する様には思われなかった。一方、D−(+)−ト
レハロース、DL−アルギニン、ゲラニオール、β−アラ
ニン、L−バリン、イノシットを資化しなかった。
28)G+C mole%(HPLC法):60.4% (A+T mole%は39.6%であった) 以上の諸結果より見て、本菌は好気性のグラム陰性の
桿菌であり、1本以上の極鞭毛を用いて液体培地中で活
発なる運動を行う。カタラーゼ陽性であって、オキシダ
ーゼを有する。OF−テストは陰性(アルカリ性を示す)
であった。これらの結果より見れば、本菌はシュウドモ
ナス科の中のシュードモナス属に帰属されることは明ら
かである。
桿菌であり、1本以上の極鞭毛を用いて液体培地中で活
発なる運動を行う。カタラーゼ陽性であって、オキシダ
ーゼを有する。OF−テストは陰性(アルカリ性を示す)
であった。これらの結果より見れば、本菌はシュウドモ
ナス科の中のシュードモナス属に帰属されることは明ら
かである。
シュウドモナス属について、バージーズ・マニュアル
・オブ・システマティック・バクテリオロジー(Berger
y′s Manual of Systematic Bacteriology)、第1巻
(1984)中に記載の菌体内にpoly−β−ヒドロキシブチ
レート(PHB)を蓄積しない菌複合体について、上述の
各性状を対比した所、一致するものおよび近似のものを
発見することはできなかった。それ故、本菌はシュウド
モナスの一新種とも考えられるが、アルギニンを加水分
解し、リジンおよびオルニチンを脱炭素する点で、かな
り変わったシュウドモナスの一種といえる。そして、G
+C mole%も60.4%とシュウドモナスの中では、低い方
のグループに帰属せられる。以上の諸結果を見て、本菌
をシュウドモナスsp.PBJ-5,360と同定した。
・オブ・システマティック・バクテリオロジー(Berger
y′s Manual of Systematic Bacteriology)、第1巻
(1984)中に記載の菌体内にpoly−β−ヒドロキシブチ
レート(PHB)を蓄積しない菌複合体について、上述の
各性状を対比した所、一致するものおよび近似のものを
発見することはできなかった。それ故、本菌はシュウド
モナスの一新種とも考えられるが、アルギニンを加水分
解し、リジンおよびオルニチンを脱炭素する点で、かな
り変わったシュウドモナスの一種といえる。そして、G
+C mole%も60.4%とシュウドモナスの中では、低い方
のグループに帰属せられる。以上の諸結果を見て、本菌
をシュウドモナスsp.PBJ-5,360と同定した。
第1図は本発明の抗生物質PBJ-5,360のHPLCにおけるク
ロマトグラムの模写図、第2図は赤外吸収スペクトルの
模写図。
ロマトグラムの模写図、第2図は赤外吸収スペクトルの
模写図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:38) (C12P 21/00 C12R 1:38)
Claims (3)
- 【請求項1】シュウドモナスsp.PBJ-5,360により産生さ
れ得る抗生物質であって、そのナトリウム塩が以下の性
状を有することを特徴とする抗生物質PBJ-5,360複合体
またはその塩。 1)融点:250℃以上で分解 2)元素構成:炭素約44.77%、水素約6.94%、窒素約1
2.25%、ナトリウム約4.65% 3)分子量:約1,400〜約1,600 4)外観:無色粉末 5)酸または塩基性:両性 6)呈色反応等:ニンヒドリン反応、坂口反応およびI2
呈色反応に陽性 7)溶解性:pH7以上またはpH2以下の水、メタノール、
水飽和ブタノール、ジメチルスルホキシドに可溶性 8)加水分解によるアミノ酸生成物:ヒドロキシアスパ
ラギン酸、アスパラギン酸、セリン、ヒドロキシイソロ
イシン、グリシン、アラニンおよびアルギニン 9)赤外吸収スペクトル(臭化カリウム錠):第2図参
照 10)紫外吸収スペクトル(20mM PBS、pH7.0):強い末
端吸収 11)薄層シリカゲルクロマトグラフィー: 溶媒 Rf n−ブタノール:酢酸:水(4:1:2) 0.25 n−プロパノール:ピリジン:酢酸:水(15:10:1:12)
0.60n-ブタノール:ピリジン:酢酸:水(10:6:1:4) 0.10 - 【請求項2】請求項1記載の抗生物質PBJ-5,360複合体
を産生するシュウドモナスsp.PBJ-5,360または、その抗
生物質PBJ-5,360複合体産生性変異体。 - 【請求項3】請求項2記載のシュウドモナスsp.PBJ-5,3
60またはその変異体を培養し、培養物から請求項1記載
の抗生物質PBJ-5,360複合体を分離、回収することから
なる抗生物質PBJ-5,360複合体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1125297A JP2614920B2 (ja) | 1989-05-18 | 1989-05-18 | 抗生物質pbj―5,360複合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1125297A JP2614920B2 (ja) | 1989-05-18 | 1989-05-18 | 抗生物質pbj―5,360複合体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH02303496A JPH02303496A (ja) | 1990-12-17 |
JP2614920B2 true JP2614920B2 (ja) | 1997-05-28 |
Family
ID=14906598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1125297A Expired - Fee Related JP2614920B2 (ja) | 1989-05-18 | 1989-05-18 | 抗生物質pbj―5,360複合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2614920B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
AU669187B2 (en) * | 1992-08-25 | 1996-05-30 | Shionogi & Co., Ltd. | Antibiotic stalobacins |
JP3568978B2 (ja) * | 1994-03-01 | 2004-09-22 | 塩野義製薬株式会社 | 抗生物質スタロバシン類 |
-
1989
- 1989-05-18 JP JP1125297A patent/JP2614920B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH02303496A (ja) | 1990-12-17 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |