JP2614176B2 - 連鎖球菌m蛋白免疫原の製造方法 - Google Patents

連鎖球菌m蛋白免疫原の製造方法

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JP2614176B2
JP2614176B2 JP5172076A JP17207693A JP2614176B2 JP 2614176 B2 JP2614176 B2 JP 2614176B2 JP 5172076 A JP5172076 A JP 5172076A JP 17207693 A JP17207693 A JP 17207693A JP 2614176 B2 JP2614176 B2 JP 2614176B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】
【0001】ここに記載されている発明は、その一部に
つき厚生省(Departmentof Health
and Human Services)の国立衛生
研究所からの補助金の援助を受けてなされたものであ
る。 1.発明の分野 本発明はA群連鎖球菌のM6蛋白質のような抗食菌作用
性連鎖球菌蛋白質を診断用プローブとして用いるため
の、及びそれを免疫原として利用したワクチンを製造す
るためのM6蛋白質の製造方法に関する。M蛋白質は繊
維状表面分子であって、それは連鎖球菌、感染した宿
主生物のマクロファージ及び多形核(polymorp
honuclear)好中球(neutrophile
s)による、食菌作用に抵抗することを可能にする。
【0002】本発明においてはM蛋白質又はその一部を
コードするDNA配列をビールスDNA、プラスミドD
NA又はコスミドDNAのようなプラスミドDNAに挿
入するために組換えDNA技術を利用し、これによりそ
のプラスミドは細菌の宿主又は他の単細胞系中にM蛋白
質の遺伝子を複製し発現させることができる。生ずる組
換えDNA分子はM蛋白質、又はそのある部分又は分子
の変化したものを製造しうるように宿主細胞に導入され
る。産生した蛋白質はついで分離され、精製される。
【0003】
【従来の技術、発明が解決しようとする課題】2.発明の背景 急性リウマチ熱や急性糸球体腎炎(glomerulo
nephritis)がA群連鎖球菌感染の後遺症であ
ることは広く認められているところである。熱帯及び亜
熱帯の開発途上国においてはリウマチ性心臓疾患が現在
心障害の最も普通の形である。世界のある開発途上の都
市部の貧民街における学齢児童についてこの病気の流行
率は1,000人に対し22−23人もの高さであるこ
とが報告されている。インドだけでも6百万もの多くの
子供が苦しんでいることとなる。この病気の正確な発病
機構はわからないが、リウマチ熱、さらに急性腎炎がス
トレプトコッカス・ピオゲネス(streptococ
cus pyogenes)(A群連鎖球菌)の感染に
伴うものであることは明らかである。
【0004】連鎖球菌M蛋白質は、それが食細胞攻撃に
対する抵抗性をその微生物に与えるという事実に基づい
てこの細菌の重要な病原因子である。抗原変異は、A群
連鎖球菌が宿主の免疫反応を避けることができ、その結
果人間に病気を起こす主要機構である。A群連鎖球菌感
染に対する抵抗性は、菌の表面に見いだされる繊維状分
子であるM蛋白質に対する形質特異的(type−sp
ecific)な抗体の存在によるものである。分類し
得ない(nontypable)株のいくつかに加え
て、現在では約70の明らかなA群連鎖球菌M形が認め
られている。ある種のM型の間で交叉反応性があるのは
普通であるという事実にも拘わらず、同族の型に対して
つくられた抗体のみが生体の食菌作用を発生せしめうる
(すなわち、それらはオプソニン抗体である)。さら
に、すべての同族体、又は形質特異性抗体が食菌性であ
るというわけではない。
【0005】特定の抗血清がA群連鎖球菌に対してつく
られうるという事実は、咽喉洗滌によって得られるもの
のような臨床上の分離物を血清学的な試験に付すること
により連鎖球菌感染を検出することを可能にした。感染
におけるA群連鎖球菌の同定は純粋培養中の生物の単
離、群特異的炭水化物の抽出、及び群特異的抗血清との
反応とを必要とする。すべての病原性株に対してのみ共
通な性質に基づきうる連鎖球菌感染に対する臨床試験
は、従って非常に望ましいものとなる。
【0006】2.1組換えDNA技術と遺伝子の発現 組換えDNA技術は、それにより特定のDNA断片が宿
主細胞中で複製し、転写しうるベクターと呼ばれる遺伝
学的要素中に挿入されるDNAクローニングの技術を包
含している。ベクターはプラスミド又はビールスのいず
れでもありうる。プラスミドは小さい環状の二重螺旋D
NAの分子で、それは天然にバクテリアや酵母中に見出
され、そこで宿主細胞の繁殖とは無関係な単位として複
製する。これらのプラスミドは通常全宿主細胞DNAの
わずかなフラクションとしてのみ説明され、しばしば抗
生物質に対する耐性を与える遺伝子を保有している。こ
れらの遺伝子、そして比較的小さい大きさのプラスミド
DNAが組換えDNA技術において利用される。
【0007】組換えDNA分子の挿入されたDNA断片
は自然には宿主生物と情報を交換しない生物から誘導さ
れうるものであり、また全体的にあるいは部分的に合成
的に作られうるものである。制限酵素及び結合方法(l
igation method)を用いて組換えプラス
ミドを製造する方法はコーエン及びボイヤー発明にかか
わる発行された米国特許第4,237,224号に記載
されている。このようにしてつくられた組換えプラスミ
ドは形質転換の手段により単細胞生物中に導入され、複
製される。そこに記載されている技術の一般的適用性の
故に、米国特許第4,237,224号はここに本明細
書中に参考文献として包含される。
【0008】単細胞生物中に組換えDNA分子を導入す
る別の方法は、コリンズ及びホーンにより、米国特許第
4,304,863号に記載されており、それもまたこ
こに参考文献として包含される。この方法は、バクテリ
オファージ・ベクターによるパッケージング/トランス
ダクション(packaging/transduct
ion)システムを利用するものである。
【0009】プラスミドは高次螺旋であるので、宿主細
胞のDNAから容易に分離することができ、精製するこ
とができる。クローニング・ベクターとして用いるに
は、このような精製プラスミドDNA分子は制限ヌクレ
アーゼで切断され、クローンさるべきDNA断片に結合
される。製造された雑種のプラスミドDNA分子は、次
いで一時的に大分子(合理的に)に対して浸透性を有す
るようにされたバクテリア中に再導入される。処理され
た細胞のいくつかだけがプラスミドを拾いあげ、これら
の細胞はプラスミドによってそれらが獲得している抗生
物質耐性によって選択できる。それはそれらのものだけ
が抗生物質の存在下に生育するからである。これらのバ
クテリアは分裂するから、プラスミドもまた当初のDN
A断片の多数のコピーをつくるように複製する。繁殖期
間の終りに、雑種のプラスミドDNA分子は精製され当
初のDNA断片のコピーは同じエンドヌクレアーゼによ
る第二の処理で切断される。
【0010】構築に用いられた方法には無関係に、組換
えDNA分子は宿主細胞と両立し得なければならない。
すなわち、宿主細胞中で自律的に複製できなければなら
ない。組換えDNA分子は、その組換えDNA分子によ
り形質転換された宿主細胞を選択できるマーカーの機能
をも有していなければならない。さらに加えて、プラス
ミド上に適当な複製、転写及び翻訳のシグナルが正確に
配置されているならば、外来遺伝子は形質転換細胞及び
その子孫中に適切に発現するであろう。
【0011】組換えDNA技術はペプタイド・ワクチン
の製造に多くを提供する。バクテリアの適切な免疫原部
分をコードするバクテリア遺伝子の分子クローニング及
び宿主細胞での発現により、ペプタイド・ワクチンにお
いて使用するための適切な免疫原の充分な量を製造する
ことができる。
【0012】
【課題を解決するための手段】3.発明の概要 連鎖球菌のM蛋白質遺伝子の単細胞生物中でのクローニ
ングと発現のための方法が提供される。また、これらの
新規な単細胞生物をM蛋白質を生産するために培養する
方法、M蛋白質DNAを発現する単一のコロニーを同定
する急速検定、及び遺伝子産物の特定のための方法も記
載されている。
【0013】こに記載されている特定の態様では、大
腸菌トランスダクタント(E.colitransdu
ctants)により生産される蛋白質はA群連鎖球菌
の細胞壁の可溶化によって単離されるM6蛋白質よりご
く少し大きいが、連鎖球菌のプロトプラストとL型によ
り分泌されるものと同程度の大きさを有している。免疫
学的に大腸菌トランスダクタントにより合成される分子
は連鎖球菌M6蛋白質と同じ型特異性決定部位を有して
いる。M蛋白質は、オクターロニー(Ouchterl
ony)二重融合実験により抗原的に、(a)オプソニ
ン抗体除去試験及び(b)オプソニン抗体の生産誘導能
により免疫原的に特徴づけられる。クロン化されたM蛋
白質は単離され、ドデシル硫酸ナトリウム・ポリアクリ
ルアミド・ゲル電気泳動法で分画される。さらに発現さ
れた遺伝子産物の単離方法も記載されている。
【0014】本発明は連鎖球菌のオプソニン抗体及び抗
原の製造法を提供する。それらは、ヒトの医薬及び微生
物学的研究において一般的重要性を有するものである。
この用途は本発明で生産される連鎖球菌M蛋白質をラジ
オイムノアッセイのような超高感度検定のための高度に
再現性を有する標準抗原として用いることを含むもので
ある。これらの検定は生物学的標本中の連鎖球菌に対す
る抗体の発見のための診断的手段として用いられうる。
【0015】4.発明の詳細な記載 4.1M蛋白質免疫原 本発明はワクチン製剤における免疫原として用いられう
る連鎖球菌M蛋白質を製造する組変えDNA技術に関す
るものである。さらに特定すれば、M6蛋白質の製造が
記載されている。
【0016】ここに記載されているように構成された組
換えプラスミドは、宿主細胞(原 に対し宿主細胞の
分解に対して安定かつ抵抗性のある連鎖球菌M蛋白質の
生産性を与える。かかるプラスミドは天然に存在するM
蛋白質の免疫学的、抗原的決定部位を含む多量の蛋白質
又はその画分を生成することができる。ここに記されて
いる特定の態様はM6蛋白質に関する。しかし、ここに
記載されるDNA分子はM6蛋白質の生産に限定される
ものではなく、いかなるA群連鎖球菌M蛋白の製造にも
用いうるものである。
【0017】M6蛋白質についてここに記載されている
組成物と方法とのすべてのM蛋白質への一般的応用可能
性はフィシェティ及びマンジュラの研究(1982,ロ
ビンス,ヒル及びサドフ(編集)、バクテリアル・ワク
チン中の411−448頁、連鎖球菌M蛋白質及び哺乳
動物トロポミオシン間の構造の関係の免疫学的連係)か
ら明らかである。たとえばこれまでに配列がきめられた
すべてのM蛋白質はM5、M6及びM24を含んで明瞭
な同族性を示し、すべて多重コイル構造である。アミノ
末端及び他の配列がきめられた画分は3種のM分子のす
べてについて7個の残基の周期的くりかえしを示してい
る。さらに数種のM型の免疫学的分析は、各種の型の間
の交叉反応を示した。フィシェッティ,ジャーナル・オ
ブ・エクスペリメンタル・メジソン146:1108−
1123(1977);マンジュラ及びフィシェッテ
ィ,ジャーナル・オブ・エクスペリメンタル・メジソン
151:695−708(1980);マンジュラ及び
フィシェッティ,ジャーナル・オブ・イムノロジー12
:261−267(1980)。さらに下記に示す交
雑のデータは試験した56種のM蛋白質遺伝子のすべて
の間で構造の類似性を示している。
【0018】4.M蛋白質分子プローブ ここに記載されるM蛋白質遺伝子又はその断片は連鎖球
菌に対する診断試験における分子プローブとして使用さ
れうる。この試験の原理は、病原性連鎖球菌は、本発明
のM蛋白質遺伝子の部分と相補的な遺伝子配列を有して
いるという事実である。かかる遺伝子の相補性は連鎖球
菌感染と疑われるものから微生物DNAを単離し、その
DNAを固状担体上又は液状媒体中で適切な条件下に分
子プローブと結合させることにより直ちに検出されう
る。交雑の生起は適当なリポーター群のプローブに対す
る添加により容易に検出されうる。
【0019】連鎖球菌状生物はいかなる体組織や体液中
の感染部位からも単離されうるが、単純な咽喉スワブ
最も好適な材料となろう。多分混合培養物であるこのよ
うにして得られた微生物は直接(すなわちスワブ上で)
又は当該技術の専門家によく知られている培のいづれ
かの中で多数の細胞を生成するよう生育させて用いられ
うる。そして、混合培養物からのDNAは、凍結−融
解、音波処理又は他の機械的手段によりおよび/または
一般的あるいは特異的な細菌細胞壁融解試薬で処理した
のち抽出されうる。
【0020】抽出されたDNAは通常水性アルカリの添
加により変性され、ついで緩衝溶液で洗浄される。アル
カリの特定の濃度や緩衝液の組成等は実験の条件によ
り、通常実験により容易に決定しうる。本発明の変性M
蛋白質遺伝子プローブは、ついで微生物のDNA製剤に
加えられ、DNA配列の点において相補的に交雑させら
れる。特異的結合は交雑混合物を充分に洗滌して非特異
的結合を除去したのちに残すことにより確認されよう。
【0021】交雑はその目的のために開発され、認めら
れて来ている多数の溶液のひとつの中で行われる。ファ
ルコウらは米国特許第4,358,535号明細書に全
般的に溶液組成及び交雑工程の多くの考察を記載した。
この特許はその一般的有用性の故に、ここに参考文献と
して包含される。他の交雑の指標となる特定の数値、た
とえば時間や温度、および用いられる方法は本発明にと
って必須のものではない。たとえばゴール及びパーデュ
[プロシージングス・オブ・ナチュラル・アカデミー・
オブ・サイエンスU.S.A.63:378−383
(1969)]及びジョンら[ネイチュアー223:5
82−587(1969)]によって記載された方法が
適用されうる。事実交雑のために選ばれる方法は技術水
準の進歩とともに変ってゆくものと期待される。
【0022】本発明の基礎となる分子プローブは、特定
の交雑を起しうるように遺伝子配列を保持するに充分で
あるかぎりは、M蛋白質遺伝子の全部又はその一部だけ
であってもよい。かかる交雑はごくわずかな程度であっ
てさえも、その分子プローブに適切なリポーター・グル
ープを結合させることによって検出されうる。そのプロ
ーブは放射性同位元素で標識を付しうる(たとえば32
P,H,14C,35S等による標識)し、また化学
的あるいは酵素的リポーター・グループで標識されう
る。たとえば、ビオチン化された(biotinyla
ted)プローブと組み合わされた比色検出手段を、た
とえばフルオレッセイン・アビジン,ローダミン・アピ
ジン又は酵素と結合したアビジン等のアビジン誘導体と
共に用いることができる。
【0023】M6蛋白質のエシエリヒア・コリ(大腸
菌)(Eschericha coli)中でのクロー
ニングと発現の方法及び連鎖球菌感染を特徴づけるため
のプローブとしてのM6蛋白質遺伝子の使用法の下記す
る実施例は、例示の目的で記されるもので、発明の範囲
についての限定の意図によるものではない。
【0024】
【実施例】
5.実施例連鎖球菌M蛋白質遺伝子を含むクロンの製
造、及び該遺伝子の連 鎖球菌感染の診断的試験における
分子プローブとしての使用 5.1 連鎖球菌DNAの単離 M6蛋白質遺伝子の起原は、ストレプトコッカス・ピオ
ゲネス(Streptococcus Pyogene
s)D471株(A群連鎖球菌)であった。C群連鎖球
菌ファージ細胞溶解素(Group C strept
ococcalphage lysin)が、30%ラ
フイノーズの存在下に、安定なプロトプラストを残して
A群連鎖球菌の細胞壁を溶解するために用いられた(フ
ィリップスら、プロシージングス・オブ・ナチュラル・
アカデミー・オブ・サイエンス,U.S.A.78:4
689(1981))。ついでそのプロトプラストは充
分に洗浄され連鎖球菌のデオキシリボヌクレアーゼ(D
NAse)を除去するため蛋白分解酵素Kで処理され
た。プロトプラストはドデシル硫酸ナトリウム(SD
S)中に希釈して溶菌され、抽出物がRNAを消化する
ためリボヌクレアーゼIで処理された。塩化セシウムが
加えられた。この製品は蛋白質を除去するために約10
0xgで遠心分離され、一夜透析された。DNAはエタ
ノールにより沈澱させられた。使用のために選択された
DNA画分は消化前に充分100キロベース(kb)以
上であった(PファージDNAを100kbの標準と
し、P1分子の半分を50kbの標準として0.4%ア
ガローズ・ゲル上でのアガローズ・ゲル電気泳動で検定
した)。
【0025】5.2大腸菌へのクローニング M蛋白質生成のスクリーニングに必要な大腸菌クロンの
候補の数を減らし、かつM蛋白質の構造遺伝子に結合す
る調節部位を残すために、連鎖球菌DNAを大きい断片
としてクローン化することにした。従って、35ないし
40kbのDNAの挿入を受け入れるコスミド・ベクタ
ーが必要であった。クローニング・ビヒクルとして5.
4kbのベクター,pJB8が選ばれた。このベクター
は、イッシューホロウイッツ及びバーク、ヌクレイック
・アシッヅ・リサーチ(13):2989−2998
(1981)が記載した方法によりアンピシリン耐性プ
ラスミドHomer Iと合成Bam HIリンカーと
から構成された。
【0026】本発明においては、ベクターpJB8は、
ベクターを特有な位置で切断し「粘着末端」を生成する
Bam HI(マニアティスら、上掲書、104−10
6頁が一般的に記載)で消化された。切断されたベクタ
ーは、ベクター・ベクター間の再結合や再環形成を防ぐ
ために、アルカリ性フォスファターゼで処理され(たと
えばマニアティスら、上掲書、133−134)、線状
化されたベクターの5′−フォスフェートが除去され
た。ランダムなDNA断片を生成させるため、第5.1
節に記載したようにして単離された連鎖球菌DNAを部
分的に消化するためにSau 3a制限酵素が用いられ
た(たとえばマニアティスら、前掲書、298)。分画
された連鎖球菌DNAはpJB8ベクター上のBam
HIの部分に結合された(第1図参照、たとえばマニア
ティスら、上掲書、298−299)。
【0027】連鎖球菌DNAが挿入されたベクターは試
験管内でラムダ・ファージの頭部にとりこまれた[ホー
ン及びコリンズ,ジーン11:291(1980)]。
とりこまれたキメラDNAを包含するファージは、熱的
に誘起されうるプロファージを有する大腸菌K12の制
限機構のない株C600(lambdac I857)
rec Aを形質導入するために用いられた。アンピシ
リン耐性コロニーが30°Cで選び出され、同じ選択培
地に移され、一夜300Cで培養されて、マスター・プ
レートをつくった。
【0028】大腸菌中にクロンされたほとんどのグラム
陽性遺伝子は発現しているので、M蛋白質遺伝子が大腸
菌中で発現するという可能性は高かった。しかし、M蛋
白質はペリプラスム(periplasm)と外膜とい
ういずれも連鎖球菌には存在しないものを通して移送さ
れなければならないから、M蛋白質が大腸菌の表面に現
われるとは思われなかった。この理由から、その大腸菌
のマスター・プレートはプロファージを誘起し、宿主細
胞を溶菌するために42℃に移され、クロン化された遺
伝子の発現を確認した。[シャルカ及びシャピロ,ジー
:65(1976)]
【0029】5.3M蛋白質の発現のための単一コロニ
ーの高速検定 M蛋白質を発現する大腸菌のクロンを認識するため高速
検定法を開発した。この技術はM蛋白質を発現する単一
のコロニーを容易に見分けうる。
【0030】この検定法は、試験さるべき溶菌されたコ
ロニーをニトロセルローズフィルターに移し、蛋白質に
対するフィルターの非特異的親和性を減少させるため牛
血清アルブミン中で該フィルターを洗滌し、そのフィル
ターを大腸菌細胞で充分に予備吸収(pre−abso
rbed)した精製されたLys M6に対する抗血清
と反応させ、適宜に洗浄し、125I−連鎖球菌蛋白質
A(抗原−抗体複合体に結合している)と反応させ、再
び洗浄し、ついでオートラジオグラフィーで測定するこ
とからなる。
【0031】M6蛋白質を検出するには抗血清は100
0倍以上に希釈される。抗血清が10倍希釈(さらに1
00倍以上濃縮された)で用いられたときは大腸菌と検
出しうる反応を起さない。この方法により、親の連鎖球
菌中に生産された1%未満の量のM6蛋白質の大腸菌ク
ロンによる生成が検出されうる。
【0032】スクリーンされた335のコロニーのう
ち、1つが精製M6蛋白質に対する抗血清と強く反応し
た。この株のうちに存在するキメラ・プラスミドはpJ
RS42と名づけられた。この大腸菌クロンのM6蛋白
質の生産能はアンピシリン含有培地中のサブ・カルチュ
ア上で安定に維持された。プラスミドpJRS 42は
EcoRIエンドヌクレアーゼで処理され、連鎖球菌D
NAの画分を除去しpJRS 42.13を生成した。
このプラスミドはすべての必要な複製機能とそのプロモ
ーター系とともにM6蛋白質をコードする完全な配列を
保持している。
【0033】5.4遺伝子産物の同定 pJB 8を含む大腸菌C600NR株とpJRS 4
2を含むC600NRトランスダクタントを、アンピシ
リン含有のトッド−ヘウイット肉汁(牛心臓添加肉汁
(beef heart infusion brot
h))中で対数増殖期の終期まで30℃で生育させた。
細胞はペレット化され、二度洗浄され、ついでエチレン
・ジアミンテトラ酢酸(EDTA)−リゾチームで溶菌
され、乾燥氷−エタノール中で凍結し、37℃で急速に
解凍された。DNA−アーゼ(DNA se)処理にひ
きつづき、10,000xgで30分間遠心分離して細
胞の破片を除去し、抽出物を0.45ミクロンのミリボ
ア・フィルターに通し、50mMの重炭酸アンモニウム
に対して透析した。
【0034】大腸菌中に生成したM蛋白質分子の同定は
免疫吸収分析(immunoblot analysi
s)で決定された。フォリンの反応[ロウリーら、ジャ
ーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー193
265(1951)]で決定された当量蛋白質濃度がS
DS含有の12%ポリアクリルアミド・ゲルに適用され
た。6型連鎖球菌からファージ細胞溶解素で細胞壁を可
溶化することにより、6型連鎖球菌から抽出された精製
M6蛋白質の標準製品が対照として隣接するウェル(w
ell)に対して適用された。電気泳動後、分離された
蛋白質はニトロセルローズ上に移され、フィルター上の
未反応部位はツイーン20(ポリオキシエチレン・ソル
ビタン・モノラウレート)を用いて保護され、大腸菌で
吸収された連鎖球菌から得られた細胞溶解素で抽出され
たM6蛋白質に対して向けられた抗血清とともにフィル
ターがインキュベートされた。山羊の抗ウサギIgGに
結合したアルカリ性フォスファターゼを用いる酵素結合
免疫検定法が結合抗体を検出するために用いられた。ア
ルカリ性フォスファターゼの基質としてインドキソル・
フォスフェイトが、発色団としてニトロブルー・テトラ
ゾリウムが用いられ、ブレイクらの方法[アナリティカ
ル・バイオケミストリー136:175−179(19
84)]でバンドが可視化された。M6抗血清は対照の
M6とpJRS 42を含む大腸菌クロンの抽出物のい
づれとも反応したが、pJB 8ベクターのみを含む親
の大腸菌の抽出物とは反応しなかった。
【0035】大腸菌クロンにより生成されるM蛋白質の
分子量が、精製されたLysM6蛋白質の標準製品と免
疫吸収分析(immunoblot analysi
s)で比較された。この分子はファージ細胞溶解素とい
う酵素によるストレプトコッカスの細胞壁の可溶化とカ
ラム・クロマトグラフィーによる精製の結果物である。
それは連鎖球菌の細胞壁から分離された最大のM蛋白質
分子であることを示している。
【0036】このM6蛋白質はつぎのようにして精製さ
れた。プラスミドpJRS 42.13を含む大腸菌を
EDTA及び20%のショ糖の存在下にリゾチームで処
理した。これによりペリプラズムの内容物が周辺の液体
中に溶出される。菌体の遠心分離によりペリプラズムの
内容物を他の大腸菌関連蛋白質とともに上澄液中にのこ
す。この技術を用いて、M蛋白質はペリプラズム空間に
は高濃度で存在するが、実質上は細胞質には存在しない
ことが知られた。従って、この方法はM蛋白質精製の出
発原料を生成させるのに用いられた。
【0037】粗製のペリプラズム内容物中のM蛋白質は
他の夾雑する蛋白質からカラム・クロマトグラフィーで
精製された。粗製のペリプラズム調製品は5mM重炭酸
アンモニウムのpH5.5緩衝液で透析され、カルボキ
ソメチルセルロースのカラムにかけられた。カラムは同
じ緩衝液の3倍量で洗浄し、pH7.0で100mMリ
ン酸ナトリウムで1段で付着する蛋白質を溶出した。遊
離蛋白(M蛋白を含む)は25mM濃度のリン酸ナトリ
ウムpH7.0で平衡化したヒドロキシアパタイトに直
接使用した。カラムをカラムの2倍量のpH7.0の2
00mMリン酸ナトリウムで洗浄し、ついで付着するM
蛋白質をpH7.0のリン酸ナトリウム400mM溶液
で溶出した。この方法によって、高度に精製されたM蛋
白質製品が得られ、それはSDS−ポリアクリルアミド
・ゲル電気泳動法と配列分析法(sequence a
nalysis)で決定された。
【0038】アミノ末端配列分析で精製大腸菌合成M6
蛋白質から単一のフェニルチオヒダントイン(PTH)
−アミノ酸が各分解段階で得られ、最終製品の均質性が
証明された。さらに、アミノ末端の配列は、アミノ末端
の残基を除く最初の配列された35箇の残基によってL
ys M6のアミノ末端配列と同一であることがわかっ
た。大腸菌の分子はリジン分子の精製の間に脱離されう
るアミノ末端に余分にアルギニン残基を有している。精
製されたLys M6製品はさきにM6分子でみられた
多重バンドの模様を有しているが、それはおそらく抽出
と精製との過程での分解によるものであろう。3つの大
きいバンドは51,000、52,000及び53,0
00ダルトンのはっきりした分子量に相当する。M6製
品の大きさの異質さは、おそらく蛋白質のカルボキシ末
端部分の相違からくるものであろう。この理由は、配列
の分解による本製品のアミノ末端配列分析の間に各段階
ごとに一つのアミノ酸残基のみが放出されることによ
る。抗M6抗体と反応するpJRS42を含むクロンに
よるバンドはすべて連鎖球菌製品からのものに比して大
きい(分子量55,000、57,000、59,00
0ダルトン)。このことは、pJRS42はM6蛋白質
の全構造遺伝子を含んでいることを示唆していた。この
ことは、この分子の大きさが12型連鎖球菌のプロトプ
ラスト及びL型から分泌されるM蛋白質の大きさとして
報告されているもの(分子量58,000ダルトン)と
よく一致しているという事実によってうらづけられた。
従って、大腸菌製品中の蛋白質は、連鎖球菌の細胞溶解
素抽出により放出されるものより完全な自然のM分子の
大きさにより近いものであろう。
【0039】さらに、分泌性の連鎖球菌L型及びプロト
プラストから分離されたM蛋白質はもっと均質性がある
と思われる。抗M6抗体と反応性を有する大腸菌蛋白質
と精製された標準M蛋白質のバンドとの泳動性における
差異については、いくつかの説明がありうる。たとえ
ば:1)蛋白質は、大腸菌では除去されていないリーダ
ー・配列を含みうるが、連鎖球菌では通常除去されてい
る。2)そのLys M6分子は連鎖球菌細胞壁に付着
する間に生成する分解産物に相当する。3)そのLys
M6分子は蛋白の精製過程で生成した部分分解物かも
知れない。4)その大腸菌蛋白質はベクター中のプロモ
ータから生成した「融合」物質かも知れない。5)連鎖
球菌では機能できない翻訳開始配列が大腸菌中では活性
なのかも知れない。及び/又は6)連鎖球菌中では通常
機能的な「停止」コドンが大腸菌の株中ではsupE変
異によりおさえられているのかも知れない。
【0040】5.5遺伝子産物の免疫原的特徴づけ 大腸菌のM蛋白質と連鎖球菌の細胞溶解素での抽出によ
るM蛋白質のオクテルロニー・イムノディフュージョン
(Ochterlony immnodiffusio
n)での比較を行った。ウェル1(well 1)には
連鎖球菌で合成された細胞溶解素抽出M6に対して製造
された吸収されていないウサギの抗血清を入れた。ウェ
ル2には精製された細胞溶解素抽出M6蛋白質を入れ
た。ウェル3にはDEAEとCMセルロース上のクロマ
トグラフィーで部分的に精製されたエスチェリチアコリ
ー(E.coli)C600NR(pJRS42)株か
ら得られたM6蛋白質を入れた。反応はpH8.6で5
0mMバルビトール緩衝液中で調製した1%寒天ゲル中
で行われた。ゲルは乾燥し、クーマシー・ブルー(Co
omasie blue)で染色した。
【0041】この二重拡散実験の結果は(ゲルは示され
ていない)、pJRS42を有する大腸菌の抽出物(挿
入なしのプラスミドのそれではない)は、少なくとも連
鎖球菌M6蛋白質のそれらのあるものには共通な抗原決
定部位を含んでいるという結論を裏付けた。そこで、大
腸菌製品はより高い見かけの分子量を有しているけれど
も、大腸菌中で合成されたM6蛋白質は6型連鎖球菌か
ら抽出されたM蛋白質と同じ型特異性決定部位を有して
いる。
【0042】5.6クロン化M蛋白質の減菌効果 大腸菌の生産したM蛋白質がウサギ及びヒトのオプソニ
ン抗血清の両者からのオプソニン抗体を除去するに要す
る抗原決定部位を含むかどうかを決定するため、次の吸
収実験を行った。
【0043】精製した大腸菌で合成したM6蛋白質が3
0μgづつ2つに分けて凍結乾燥された。一方にウサギ
の6型オプソニン抗血清(0.5ml)を加え、同様の
量の6型連鎖球菌に対するヒト血清オプソニンを他の乾
燥蛋白質標本に加えて溶液をつくった。これらの試験管
を37℃で1時間培養し、4℃で一夜放置した。かくし
て得られた沈澱を20,000xgで遠心分離し、得ら
れた上澄液を6型連鎖球菌を用いる滅菌検定に使用し
た。
【0044】間接的滅菌検定は当初ランスフィールドに
よって記載されたように(ジャーナル・オブ・エクスペ
リメンタル・メジシン110:271(1959))し
て行った。正常な提供者(normal donor
s)から得たペパリン処理された全人血を食細胞原とし
て用いた。6型連鎖球菌の希釈物(100μl)を、吸
収され又は吸収されていない血清(100μl)の存在
又は不存在下に、人血400μlに混合した。混合物を
37℃で3時間回転させた。生存している生物を埋没平
板法で決定した。抗血清なしで回転させた対照について
提供者の血液中で連鎖球菌が生育する能力のテストを行
なった。大腸菌トランスダクタントが生成したM蛋白質
は、ウサギ及びヒトの血清からオプソニン抗体を除去し
た。第1表参照。従って、大腸菌M蛋白質の抗食菌作用
性決定部位は自然のM6分子のそれと同様に機能する。
【0045】
【表1】
【0046】5.76型食菌性抗体の生産 精製された大腸菌が生産したM6蛋白質による免疫後の
ウサギ中での6型オプソニン抗体の生産は次のようにし
て行われた。精製された大腸菌が生産したM6蛋白質に
対する抗血清がニュージーランドシロウサギ中で作られ
た。。一次接種は完全フロインド担体で乳化した100
μgのM6蛋白質から成り、複数部位に皮下投与され
た。動物は4週間後に不完全フロインド担体中の同用量
のM6蛋白質で増強された。動物は10日後採血され
た。
【0047】滅菌検定(上記)により認められたところ
によれば、大腸菌M6蛋白質で免疫されたウサギは6型
連鎖球菌の食菌作用性を認める抗体を産生した。第2表
参照。
【0048】
【表2】
【0049】5.8連鎖球菌に対する診断試験 5.8.1M遺伝子DNAプローブの製造と精製 M6型蛋白質をコードする遺伝子(emm 6)をつき
とめるため、上記第5.3節中に記載されたプラスミド
pJRS 42.13を種々の制限酵素又はその複合体
による消化に付した。かくして得られたDNA断片は上
記マニアチスらの文献150−161頁に記載されてい
るところにより0.8%アガロース・ゲルを通して電気
泳動に付して分画され、ついで種々のベクター中に結合
された。熱誘導性(thermally induci
ble)ラムダ・ファージに対し溶原性エスチェリチア
・コリー(E.coli)K12菌中に、これらの組換
えベクターが組み込まれ、第5.4節に記載したように
抗M6蛋白質抗血清と反応性を有する蛋白質の生産につ
いてスクリーニングされた。
【0050】多数のこれらのクロン化されたDNA断片
についてのM6蛋白質発現分析結果を第3図に示す。白
色のブロックで示されているクロンは抗M6抗血清と反
応性があったが、斜線を施したブロックで示されたもの
は反応性がなかった。pJRS42.19のようないく
つかの反応性クロンは全M6蛋白質をコードする連鎖球
菌DNAをごくわずかしか含んでいなかったが、その発
現する物質はあきらかにポリクロナール抗血清と抗原性
反応性を示すに充分な大きさであった。
【0051】クロン化されたDNA断片中のemm 6
遺伝子の配置についてさらに検討するため、プラスミド
pJRS 42.19中の連鎖球菌DNAをプラスミド
pUC9及びpUC 8のBam HI部分に挿入した
[メッシング及びベイラ,ジーン19:269−276
(1982)]。これらプラスミド相互間の関係は挿入
されたDNAがプラスミド中で反対の方向に配列されて
いる。抗M6抗血清は、これらクロンの両方の製品と反
応し、連鎖球菌DNAがこれらのベクターのいづれの配
列中にも存在するときにM6蛋白質画分が合成されるこ
とを示している。従って、挿入された連鎖球菌DNAは
それ自身のプロモータを有しているものと思われる。も
しこの結論が正しければ、pJRS42.19はM6蛋
白質のN末端をコードするもののはずである。
【0052】pJRS42.19の連鎖球菌DNA断片
をM13 mp 8及びmp 9中に挿入[メシング及
びベイラル,上掲書]したのち、サンガーのジデオキシ
法[サンガーら、プロシージングス・オブ・ナチュラル
・アカデミー・オブ・サイエンス・U.S.A.74
5463(1977)]で挿入されたDNAの配列が決
定された。M6蛋白質のアミノ末端をコードする部分配
列をそれにより特定されるアミノ酸配列とともに第4図
に示す。逐次的エドマン分解により決定された(参考文
献)アミノ末端アミノ酸は、アミノ酸配列の下に「N」
で示してある。この方法で決定されたアミノ酸配列はペ
プシン処理により、又はファージ溶菌により連鎖球菌ス
トレインD471[参考]から抽出されたM6蛋白質の
アミノ末端について確立されている配列と同一であっ
た。それはまた、上記第5.4節中の大腸菌における組
換えDNA方法により生成されたM蛋白質のアミノ末端
部分とも同一であった。
【0053】これらの結果は、emm 6遺伝子はpJ
RS 42.19中に含まれるDNA中に始まることを
示した。第4図に示されるDNA配列とアミノ酸配列の
比較は、さらに、第3図に示すように、M6蛋白質のN
末端はNci I部位の左へ32塩基目の点であること
を示している。
【0054】大腸菌中で生成されたM6蛋白質は、ドデ
シル硫酸ナトリウム・ポリアクリルアミド・ゲル電気泳
動[フィシエッチら、ジャーナル・オブ・エクスペリメ
ンタル・メジシン159:1083−1095(198
4)]により明らかに59,000ダルトンの分子量を
有することが示された。この事実は遺伝子配列の他の末
端を第3図におけるPvu II部位またはその付近に
定めることとなる。さらに配列の分析をつづけたとこ
ろ、蛋白質を終了する無意味なコドンTAAがPvu
I部位の右へ38塩基目に位置していることが明らかと
なった(ホリングシードら、原稿作成中)。
【0055】プラスミドpJRS 42.13をNci
I及びPvu IIで処理してemm6遺伝子の大部
分を含む適当なプローブを作成した。pJRS42.1
3の制限酵素地図中でのこのプローブの位置を第3図に
太い矢印で示す。このプローブ断片は、0.8%アガロ
ース・ゲル中での電気泳動法、電気的溶出及びエルチッ
プ−d(Elutip−d)のカラム(シュライヘル及
びシュエル)を通過させることにより精製された。
【0056】5.8.2細菌のDNAの単離 A群連鎖球菌の細胞をフィシエッチらの方法[ジャーナ
ル・オブ・エクスペリメンタル・メジシン133:11
05(1971)]で溶菌するのにはファージ細菌溶解
素を用いた。他の連鎖球菌については、一夜のトッド・
ヘウイット・酵母肉汁培養物(酵母抽出物を添加した牛
心臓浸出肉汁)を10倍に希釈し、37℃で細胞濃度を
1mlあたり約5×10細胞となるまで生育させた。
3%(w/v)の濃度までグリセリンを添加し、細胞を
さらに2時間37℃で培養した。ついで細胞を洗浄し、
15秒のパルスで2度音波処理し、庶糖30%(w/
v)とリゾチーム10mg/mlを含む10mMトリス
・塩酸塩緩衝液(pH8.0)中に分散させた。
【0057】37℃で30分間インキュベートしたの
ち、最終濃度10mMまでエチレンジアミンテトラ酢酸
を加え、さらに37℃で30分間インキュベートを続け
た。ついでプロテアーゼK[0.1mg/ml)源(s
ource)]及びドデシル硫酸ナトリウム(1%w/
v)を加え、これらの成分をゆっくりと回転させて混合
し、さらに37℃で30分間インキュベートを続けた。
この工程につづいて、混濁を示さない細胞懸濁液を界面
に蛋白質がみえなくなるまでフェノール:クロロフォル
ム(10:1)で抽出した。抽出されたDNAは、つい
でエタノールで沈澱させた。
【0058】試験した細菌株は、スタフィロコッカス・
アウレウス(Staphylococcus aure
us),バチルス・スブチリス(B.subtili
s)(CU1065株)、ストレプトコッカス・プノイ
モニエ(Streptococcus pneumon
iae)及びロックフェラー大学のコレクションから得
られた次の連鎖球菌株であって、それぞれ特異的抗血清
をつくるに用いられる標準タイピング及びグルーピング
株である。M1,T1/195/2;M3,B930/
61/5;M3R,D58X;M4,T4/95/RB
5;M5,T5B/126/4;M6,S43/192
/3;M8,C256/86/3;M11,T11/1
37/3;M12,T12/126/4(COL6);
M14,T14/46/8,M15,T15/23/
7,M18,J17C/55/4;M22,T22/1
46/1;M23,T23/102/RB5;M24,
C98/135/2;M25,B346/136/1;
M27,T27/87/1;M28,T28/150A
/5;M29,D23;M30,D24/126/3;
M31,J137/69/3;M32,C121/39
/8;M33,C107/102/2;M36,C11
9/83/2;M37,C242;M38,C94/8
0/2;M39,C95/95/1;M40,C143
/25/9;M41,C101/103/4;M42,
C113/55/5;M43,C126/170/2;
M46,C105/41/5;M47,C744/RB
4/6/5;M48,B403/48/5;M49,B
737/137/2;M50,B514/33/6;M
51,A309/77/1;M52,A871/106
/2;M53,A952/94/3;M54,A953
/87/3;M55,A928/73/1;M56,A
963;M57,A995/91/2;M58,D31
5/87/3;M60,D335/38/3;M63,
D459/50/2;M66,D794/76/2;M
67,D795/95/1;A群,J17A4;B群,
090R;C群,C74;D群,D76;E群,K13
1;F群,F68C;G群,D166B;H群,F90
A;L群,D167A;M群,D168A″X″;N
群,C559;O群,B361。次のA群でM型にタイ
ピングされるジョージア州アトランタのセンター・フォ
ー・デイジーズ・コントロールから入手された株も使用
された。M2,SS633;M9,SS754;M1
3,SS936;M17,SS631;M19,SS4
00;M34,SS134;M59,SS913及びM
62,SS984。
【0059】5.8.3ドット・ブロット(Dot b
lot)交雑実験 カファトスら[ヌクレイック・アシッド・リサーチ
1541−1552(1979)]が記載した特異的D
NA配列をみつける手段を用いて、抽出されたDNAの
標本についてドット・ハイブリダイゼーションが行われ
た。ボッチャンらの方法[セル,:269−287
(1976)]でニック翻訳により32Pで標識したの
ち、プローブに対してemm6遺伝子の大部分を含む
ci I/Pvu IIDNA画分(第5.8.1節)
が用いられた。
【0060】交雑を行うにあたって、種々の微生物原か
ら得られたDNA抽出物は室温で15分間0.6NNa
OH中で変性され、ついで0℃で10分間変性された。
さらに、試料は2M酢酸アンモニウムで中和され、DN
Aの画分はペセスダ・リサーチ・ラボラトリーの多枝管
中のバイオダインA0.2ミクロン・ナイロン・フィル
ター(ニューヨーク州グレン・コープ,ポール・フィル
トレーション・コーポレーション)上にスポットされ
た。交雑は1.8Mトリス塩酸塩を含み、0.2Mのト
リス塩基を含む緩衝液中でニック翻訳された32Pプロ
ーブを少なくとも2×10cpm/フィルターの割合
で加え、フィルターを一夜64℃に保持することにより
行われた。フィルターは、ついで同じ緩衝液を用いて6
4℃で10回洗 浄され、乾燥され、増感スクリーンを
用いコダックXAR−5フィルム上でオートラジオグラ
フィーに付された。露光は−80℃で2−4日行われ
た。これらの実験結果の要約を第3表に示す。
【0061】
【表3】
【0062】全体としてドット・ブロット実験は、em
m 6プローブとA群連鎖球菌の56種中の56の異な
るM型から得られるDNA、及びA群株のタイプ分けで
きない4種及びすでにMと特徴づけられている2つの
株との間に交雑が認められた。グラム陽性菌であるスタ
フィロコッカス・オウレウス(Staphylococ
cus aureus)又はバチルス・スブチリス(B
acillus subtilis)からのDNA、連
鎖球菌ランスフィールドB,D,E,F,H,L,M,
N又はO群からのDNA、又はストレプトコッカス・プ
ノイモニエ(Streptococcus pneum
oniae)からのDNAとは交雑は見られなかった。
しかし、C群及びG群連鎖球菌DNAとは交雑がみられ
た。この知見は、C群連鎖球菌はしばしばヒトの感染に
関係し、ある株はその外面に機能的にM蛋白質と同様な
分子を有しているらしいので予期し得ない知見ではなか
った[ウールコック,インフェクション・アンド・イン
ムノロジー10:568(1974)]。
【0063】G群連鎖球菌もまた広範囲のヒトへの感染
を起すことが報告されている。これらの生物の毒性が必
ずM様細胞表面蛋白質の存在によるかどうかははっきり
しないが、そういうこともありうるところである。ヒト
感染物から分離したG群連鎖球菌の3株を試験したとこ
ろ、12型M細胞蛋白質が株中に存在することがわかっ
た[マクステッド及びポター,ジャーナル・オブ・ゼネ
ラル・マイクロバイオロジー49:119(196
7)]。
【0064】試験されたA群株の中に、機能的にM
(すなわち、保護的M蛋白質を生成せず食菌性化され
たもの)が3株あった。これらのM株の2種からのD
NAは、それにも拘わらずemm6遺伝子プローブと交
雑し、少なくともいくらかのemm遺伝子を完全に保持
していることを示した。おそらく、これらの株は、その
emm遺伝子産物が無機能的(nonfunction
al)であるかわずかな量しか合成しないような変異株
であろう。1つのM−株からのDNAはプローブと交雑
せず、その株中ではemm遺伝子は実質的に除去されて
いることを示唆していた。
【0065】ドット・ブロット実験の結果は、種々のM
型A群連鎖球菌株から得られるDNAを抽出し、Nci
I及びHindIIIで消化する実験により確かめら
れた。得られるDNA断片の試料は、アミアティスら、
上掲書、150−161に記載のアガロース・ゲル・電
気泳動で分離され、emm 632Pで標識されたプ
ローブと交雑され、雑種DNA断片の位置がオートラジ
オグラフィーで示された。結果は第5図に示す。
【0066】第5図において、第1列は32Pで標識さ
れた10.9,7.74,5.15,2.44,1.8
0及び0.60kbのDNA分子サイズのマーカーを示
す。第2列ないし第10列は連鎖球菌Mの型6,47,
5,19,26,11,24,12及び23のそれぞれ
から得られたDNAのプローブ交雑Nci I/Hin
dIII画分を含んでいる。各々の場合プローブで交雑
された2種または以上のDNAフラグメントが含まれて
いた。ドット・ブロット試験から予期されたように、T
28/51/4のM株からのDNAは交雑しなかった
(第11列)が、T28/150A/5のM株(第1
2列)は交雑した。
【0067】6.微生物の寄託 次表に示すプラスミドを有する次表の大腸菌は、イリノ
イ州ペオリアのアグリカルチュラル・リサーチ・カルチ
ュア・コレクション(NRRL)に寄託されており、次
の寄託番号を付与されている。
【0068】 大腸菌株 プラスミド 寄託番号 K−12,C600NR pJRS42.13 NRRL B−15529 ラムダ cI857 K−12,C600NR pJRS42 NRRL B−15535 ラムダ cI857
【0069】寄託微生物は本発明の幾多の態様を代表す
ることを意図したものであるから、本発明は寄託された
微生物により範囲として限定さるべきものではない。事
実、ここに示され、記載されたところに加えて、この発
明の種々の修飾は、以上の記載と添付の図面から、当該
技術の専門家にとっては明らかとなるであろう。かかる
修飾は、上記特許請求の範囲のうちに入るべきことを意
図している。
【0070】本明細書中でヌクレオタイドについての塩
基対の大きさは概略のものであって、記載の目的のため
に使用されたものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(大きさは比例していない)は連鎖球菌D
NA断片とpJB8から導かれた組換えプラスミドであ
るpJRS 42の構造を示している。(第5.2節参
照)連鎖球菌DNA中の種々の制限部位は示されていな
い。
【図2】図2はpJRS 42.13の制限地図を示
す。本プラスミドはpJRS 42から不必要な連鎖球
菌DNAを除くためEco RIで消化し再結合するこ
とにより誘導された。プラスミドpJRS 42.13
Eco RI部位を一箇所のみ有している。(第5.
3節参照)
【図3】図3は6型A群連鎖球菌のM6蛋白質をコード
する遺伝子を含むプラスミドpJRS42.13の種々
のサブクロンの制限地図である。白色の四角形はM6蛋
白質を発現するクロンを示し、斜線を施した四角形は発
現しないクロンを示している。ベクターは、それぞれM
13並びにpUC8及びpUC9を用いた42.21及
び42.19を除き、すべての場合にpBR322を用
いた。制限地図の上方の矢印は6型M蛋白質(emm
6)をコードする遺伝子の転写の方向及び遺伝子の概略
の範囲を示している。蛋白質のアミノ末端に相当する分
子の末端は″N″で示してある。
【図4】図4は、サンガーら[プロシージングス・オブ
・ナチュラル・アカデミー・オブ・サイエンス、U.
S.A.74:5463(1977)]の方法によって
決定されるM6蛋白質のアミノ末端をコードするemm
遺伝子のDNA配列の部分及びそのDNA配列から
予測される蛋白質のアミノ酸配列を示している。連続的
エドマン分解により決定されたアミノ末端アミノ酸はア
ミノ酸配列の下の″N″で示されている。
【図5】図5は図3のプラスミドpJRS 42.13
の制限酵素消化で得られるNci I/Pvu II
emm6 DNAプローブによるDNA交雑の寒天ゲル
電気泳動分析を示している。各レーン中のDNAは次の
とうりである:レーン1,オリゴヌクレオチドの大きさ
の10.90,7.74,5.15,2.44,1.8
0及び0.60kbの標準,レーン2,M6株D47
1;レーン3,M47;レーン4,M5;レーン5,M
19;レーン6,M26,レーン7,M11;レーン
8,M24;レーン9,M12;レーン10,M23,
レーン11,M28(M株T28/51/4から);及
びレーン12,M28(M株T28/150A/5か
ら)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C12R 1:19) (C12N 15/09 C12R 1:46) (72)発明者 ジューン アール. スコット アメリカ合衆国、30329 ジョージア、 アトランタ、リバリー リッジ ロード 1500 (72)発明者 ビンセント エイ.フィシェッティ アメリカ合衆国、11552 ニューヨーク、 ウエスト ヘンプステッド、ジョーン コート 448

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連鎖球菌M蛋白質又はM様蛋白質の免疫
    反応性抗原決定部位を有するポリペプタイドの製造方法
    であって、 (a)NRRLに寄託され受託番号B−15529を付
    与された大腸菌のプラスミドpJRS42.13のNc
    iI部位の5´方向に158番目の塩基から当該Nci
    I部位の3´側に隣接するPvuII部位の3´方向に
    38塩基目までの配列の遺伝子を備えてなる組換えプラ
    スミド、または当該遺伝子とナイロンフィルター上で
    0.2Mトリス塩基を含む1.8Mトリス塩酸塩緩衝液
    中にて交雑し且つ上記M蛋白質と同様の抗原性を示す蛋
    白質をコードする遺伝子を備えてなる組換えプラスミド
    を、複製、転写及び翻訳可能な状態で含む単細胞生物を
    培養し、 (b)該単細胞生物が該プラスミドから生成するポリペ
    プタイドを該培養物から単離する、 ことを含むポリペプタイドの製造方法。
  2. 【請求項2】 そのポリペプタイドが免疫原性である請
    求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 そのポリペプタイドが抗原として用いら
    れたとき、オプソニック抗体を誘出しうるポリペプタイ
    ドである請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 組換えプラスミドが形質転換により単細
    胞生物中に導入される請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 組換えプラスミドが形質導入により単細
    胞生物に導入される請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 組換えプラスミドがトランスフェクショ
    ンにより単細胞生物に導入される請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 M蛋白質がA群連鎖球菌の1員から得ら
    れるものである請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 プラスミドpJRS42.13の上記遺
    伝子とナイロンフィルター上で0.2Mトリス塩基を含
    む1.8Mトリス塩酸塩緩衝液中にて交雑し且つ上記M
    蛋白質と同様の抗原性を示す蛋白質をコードする上記遺
    伝子が、C群連鎖球菌の1員から得られるものである請
    求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 プラスミドpJRS42.13の上記遺
    伝子とナイロンフィルター上で0.2Mトリス塩基を含
    む1.8Mトリス塩酸塩緩衝液中にて交雑し且つ上記M
    蛋白質と同様の抗原性を示す蛋白質をコードする上記遺
    伝子が、G群連鎖球菌の1員から得られるものである請
    求項1記載の方法。
  10. 【請求項10】 単細胞生物が原核生物である請求項1
    記載の方法。
  11. 【請求項11】 原核生物が大腸菌である請求項10記
    載の方法。
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