JP2611990B2 - スチール製ピストンリング - Google Patents

スチール製ピストンリング

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、エンジン等において使用されるスチール製
ピストンリングに関するものである。
〔従来の技術〕
近年、自動車等のエンジンの高性能化に伴って、エン
ジン自身の軽量化が押し進められており、エンジンの構
成部品の一つであるピストンリングにも当然要求されて
いる。
ピストンリングの軽量化を図る手段として、小寸法化
があげられるが、この場合、従来の鋳鉄製ピストンリン
グでは、強度的に不十分であるため、スチール製ピスト
ンリングが種々提案され、N化処理を施し使用されてい
る。
しかし、従来提案されているスチール製ピストンリン
グのうち、最も良好な耐摩耗性、耐焼付性を示すと考え
られるSUS440B(特公昭61−22131号)クラスのものであ
っても、ピストンリングの小寸法化によりシリンダーと
の接触面圧力が上昇し、一層耐摩耗性、耐焼付性の向上
が要求されてきている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明は、上記従来スチール製ピストンリングの欠点
を改善し、耐摩耗性、耐焼付性の良好なスチール製ピス
トンリングを提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の第1発明は、重量%でC0.65〜1.6%、Si≦1.
2%、Mn≦1.0%、Cr3%以上10%未満、1/2W+Mo1.5%を
越え15%以下、V0.5〜5%、残部Feおよび不純物よりな
り、耐焼付性、耐摩耗性の優れたことを特徴とするスチ
ール製ピストンリングである。また、第2発明は第1発
明の合金に、Coを1〜15%添加したものであり、第3発
明は第1発明の合金にNi0.5〜5%を添加したスチール
製ピストンリングである。
さらに第4発明は、重量%でC0.65〜1.6%、Si≦1.2
%、Mn≦1.0%、Cr2%以上10%未満、1/2W+Mo1.5%を
越え15%以下、V0.5〜5%、Co1〜15%、Ni0.5〜5%、
残部Feおよび不純物よりなり、耐焼付性、耐摩耗性の優
れたことを特徴とするスチール製ピストンリングであ
る。
次に本発明の各成分の限定理由を述べる。
Cは高硬度を与え、耐熱ヘタリ性を増すが、その含有
量が0.65%未満では、効果不十分であり、1.6%を越え
ると鍛造性ならびに靭性を損なうのでCの含有量は、0.
65〜1.6%とした。
SiおよびMnは脱酸剤として通常含有する範囲、すなわ
ちSi≦1.2%、Mn≦1.0%を範囲とした。
Crは、焼入性、また硬質c′de生成による耐摩耗性な
どを与えるが、3%未満ではこれらの性質を減じ、また
10%以上になるとC量との関係から巨大な共晶Crc′de
が増加し、機械的性質、特に疲労強度を減じるため、Cr
は3%以上10%未満の範囲とした。なお、第1発明の合
金にCo1〜15%、Ni0.5〜5%の範囲内で同時に添加する
場合にはCrは2%以上10%未満とすることができる。
W、Moは、耐摩耗性、耐焼付性を付与する目的で添加
されるが、1/2W+Mo1.5%以下では、上記の効果が不十
分であり、1/2W+Moが15%を越えると却って熱間加工性
が悪く、また材料としての靭性を損なうため、W、Moの
含有量は1/2W+Mo1.5%を越え15%以下の範囲とした。
Vは、硬質炭化物(VC)を形成し、耐摩耗性を著しく
増大する元素であり、C量との0.5%以上必要であり、
Vが増加するほど耐摩耗性は増加するが、Vが5%を越
えると、VCの体積率が増加し、伸び、靭性、特に疲労強
度を害するため、0.5〜5%の範囲とした。
Coは基質に固溶し、耐熱性および耐焼付性を向上させ
るが、Co1%未満では上記の効果が不十分である。Coが
増加するほど前記特性は向上するが、Coは高価な上に、
Coが15%を越えると靭性を損ない、特性の向上も大きく
ないので、1〜15%に限定した。
Niは、基質に固溶して、延性を増加させ、カーリング
加工性が向上し、また靭性の向上により、ピストンリン
グ使用時の疲労強度を上げるために0.5%以上必要であ
り、また前述の成分範囲では、Niが5%を越えても機械
的性質の特に大きな向上がないため、0.5〜5%を範囲
とした。
〔実施例〕
次に本発明の実施例を従来のスチール製ピストンリン
グと比較して示す。
第1表は、化学成分を示すもので、表中供試材No.1〜
8は本発明鋼、No.9、10は現在のスチール製ピストンリ
ングとして最も優れた特性を持ち、窒化処理を施して使
用されている。SUS440Bクラスの合金鋼および13Crステ
ンレス系の合金鋼であり、この供試材No.1〜10に各々窒
化処理を施して耐焼付、耐摩耗性テストを実施した。
No.7、8については、共に同一溶解の供試材である
が、カーリング性を向上させるために、No.7は焼鈍まま
とし、調質を行なったNo.8と比較した。
第3図は、耐焼付性を評価するテスト法の原理図であ
る、本テスト法は、回転駆動している円盤状の相手材2
に供試材1を5mm偏心させた位置に押し付け、その押し
付ける荷重を暫増させ、やがて、供試材1と相手材2と
の間に焼付が発生した焼付発生荷重をもって耐焼付性を
評価するものである。なお、テスト条件は以下の通りで
ある。
相手材:FC25(HB211) 供試材:φ5 回転数w:1000〔rpm〕 偏心量h:5〔mm〕 第1図に示す耐焼付テスト結果で明らかな如く、本発
明鋼は、いずれも現用鋼に対して、格段に優れているも
のである。
また、供試材No.4とNo.5の比較では、Co添加による耐
焼付性向上の効果が顕著に表われている。No.7とNo.8と
では特に差は認められない。
第4図は、耐摩耗性を評価する大越式摩耗テスト法の
原理図である。
本テスト法は、供試材3に回転駆動している円盤状の
相手材4の外周面6を押し付け、供試材の比摩耗量(単
位長さ、単位面積当りの摩耗体積)をもって耐摩耗性を
評価するものである。なお、テスト条件は以下の通りで
ある。
相手材:SCM415(HRB77) 最終荷重:6.5kgf 摩耗速度:2.3m/sec 摩耗距離:400m 第2図に示す大越式テスト結果で明らかな如く、本発
明鋼は、いずれも現用鋼に対して格段に優れているもの
である。
また、供試材No.1〜8のV量と比摩耗量がよく対応し
ており、V量が増えるほど耐摩耗性が良くなることがわ
かる。これは、硬質炭化物VCの組織全体に占める割合に
対応しているものと判断される。
No.7と8では特に差が認められない。これは、基地の
硬さよりも、硬質炭化物量が耐摩耗性に効果があるため
と判断される。
No.7は耐焼付テスト、耐摩耗テスト結果でも共に良好
な結果を示し、本発明鋼が焼鈍ままでも、ピストンリン
グとして有効であることが理解できる。
〔発明の効果〕
本発明は、耐摩耗性、耐焼付性を著しく向上させたス
チール製ピストンリングを提供するものであり、特に、
ピストンリングのエンジンにおける重要度から本発明の
エンジンの高性能化に果たす役割は大きく、産業上、非
常に有効かつ画期的なものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の耐焼付性評価試験結果、第2図は、
本発明の耐摩耗性評価試験結果、第3図は、耐焼付性を
評価する試験法の原理図、第4図は、耐摩耗性を評価す
る大越式摩耗試験法の原理図である。 1,3:供試材 2,4:相手材 5:摩耗部 6:相手材外周面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16J 9/26 F16J 9/26 Z

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%でC0.65〜1.6%、Si≦1.2%、Mn≦
    1.0%、Cr3%以上10%未満、1/2W+Mo1.5%を越え15%
    以下、V0.5〜5%、残部Feおよび不純物よりなり、耐焼
    付性、耐摩耗性の優れたことを特徴とするスチール製ピ
    ストンリング。
  2. 【請求項2】重量%でC0.65〜1.6%、Si≦1.2%、Mn≦
    1.0%、Cr3%以上10%未満、1/2W+Mo1.5%を越え15%
    以下、V0.5〜5%、Co1〜15%、残部Feおよび不純物よ
    りなり、耐焼付性、耐摩耗性の優れたことを特徴とする
    スチール製ピストンリング。
  3. 【請求項3】重量%でC0.65〜1.6%、Si≦1.2%、Mn≦
    1.0%、Cr3%以上10%未満、1/2W+Mo1.5%を越え15%
    以下、V0.5〜5%、Ni0.5〜5%、残部Feおよび不純物
    よりなり、耐焼付性、耐摩耗性の優れたことを特徴とす
    るスチール製ピストンリング。
  4. 【請求項4】重量%でC0.65〜1.6%、Si≦1.2%、Mn≦
    1.0%、Cr2%以上10%未満、1/2W+Mo1.5%を越え15%
    以下、V0.5〜5%、Co1〜15%、Ni0.5〜5%、残部Feお
    よび不純物よりなり、耐焼付性、耐摩耗性の優れたこと
    を特徴とするスチール製ピストンリング。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5846542B2 (ja) * 1980-01-08 1983-10-17 日立金属株式会社 スチ−ル製ピストンリング材
JPS57210954A (en) * 1981-06-22 1982-12-24 Riken Corp Alloy steel for piston ring

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