JP2611382C - - Google Patents

Info

Publication number
JP2611382C
JP2611382C JP2611382C JP 2611382 C JP2611382 C JP 2611382C JP 2611382 C JP2611382 C JP 2611382C
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
spring
swash plate
stroke
rotary drive
inclination
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
Other languages
English (en)
Original Assignee
株式会社豊田自動織機製作所
Publication date

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電磁弁あるいはメカニカルバルブを用いて制御されるクランク室内
の圧力と吸入圧とのピストンを介した差圧により揺動斜板の傾斜角を制御する可
変容量型の揺動斜板式圧縮機に関するものである。 [従来の技術] この種の圧縮機における前記差圧のみによる容量制御ではクランク室内の僅か
な圧力変動によっても斜板傾角が大きく変わり、安定した容量制御を達成するこ
とができない。この欠点を解消すべく、揺動斜板を傾角最大側へ付勢する復帰ば
ねを回転軸上に装着するという対策を図った圧縮機があり、小容量運転から大容 量運転へ移行する際の可変制御性の円滑化が図られている。又、大容量運転時に
はこの復帰ばねにより斜板傾角を最大側へ規制する作用が得られる。 [発明が解決しようとする課題] しかしながら、高速回転かつ大容量運転時のピストンの往復慣性力の影響は大
きく、斜板傾角最大側で小さくなる前記復帰ばねのばね作用では前記往復慣性力
による斜板の傾角変動を抑制することができず、最大容量側の高い可変制御性を
達成することができない。特開昭59−46378号公報では一対の抑圧ばねを
揺動斜板の前後に配設し、一方の押圧ばねにより揺動斜板を傾角減少方向へ付勢
すると共に、他方の押圧ばねにより傾角増大方向へ付勢しているが、この発明で
は前記差圧が零のときに斜板が最小傾角となるように設定されている。このため
、起動時のショック緩和の効果は高いが、起動後に斜板傾角を最大傾角側へ速や
かに移行できないという欠点がある。 本発明は迅速かつ高い可変制御性を達成し得る揺動斜板式圧縮機を提供するこ
とを目的とするものである。 [課題を解決するための手段] そのために本発明では、回転駆動板と回転軸との間にはストローク増大ばねを
、また前記ガイドスリーブと回転軸との間にはストローク減少ばねをそれぞれ介
在し、これら両ばねは前記差圧が零のときに揺動斜板の傾角を最大傾角と最小傾
角との中間位置に規制し、この中間位置より最大傾角側では傾角減少方向へ付勢
すると共に、中間位置より最小傾角側では傾角増大方向へ付勢し、かつ前記スト
ローク減少ばねのばね定数をストローク増大ばねのばね定数よりも大きい値に
定した。 [作用] 斜板傾角が最大側の状態では前記ストローク減少ばねが回転駆動体に対して傾
角減少方向への付勢力として働き、この付勢力が回転駆動板及び斜板を介してピ
ストンの往復慣性力に対抗する。特に、ストローク増大ばねよりもばね定数が大
きく設定されているストローク減少ばねの圧縮反作用によりピストンの往復動慣
性力による斜板傾角の変動が大幅に緩和され、最大容量側でも可変制御性が大幅
に向上する。又、前記差圧が零のときには斜板が中間位置の傾角に規制されるた めに起動時のショック緩和作用も得られ、しかも起動後の斜板傾角の最大側への
移行も円滑に行なわれる。 [実施例] 以下、本発明を具体化した一実施例を第1〜3図に基づいて説明する。 圧縮機全体のハウジングの一部となるシリンダブロック1の前後にはフロント
ハウジング2及びリヤハウジング3が接合固定されており、シリンダブロック1
及びフロントハウジング2には回転軸4が回転可能に支持されている。フロント
ハウジング2内にて回転軸4には回転支持体5が止着されており、その後面側に
は支持アーム6が突設されていると共に、支持アーム6先端部には長孔6aが透
設されている。長孔6aにはピン7がスライド可能に嵌めこまれており、ピン7
には回転駆動板8が傾斜角可変に連結支持されている。 回転支持体5の後側にて回転軸4にはガイドスリーブ9がスライド可能に支持
されており、ガイドスリーブ9の左右両側に突設された軸ピン9a(一方のみ図
示)が回転駆動板8の図示しない係合孔に係合している。これにより回転駆動板
8が軸ピン9aを中心に回転軸4方向へ揺動可能であり、長孔6aとピン7との
スライドガイド関係、ガイドスリーブ9のスライド作用及びガイドスリーブ9上
の軸ピン9aの支持作用により回転駆動板8の揺動が案内される。 回転駆動板8の後面側には揺動斜板10が相対回転可能に支持されており、フ
ロントハウジング2内のクランク室2a、リヤハウジング3内の吸入室3a及び
吐出室3bを互いに接続するようにシリンダブロック1に貫設されたシリンダボ
ア11内のピストン12と揺動斜板10とがピストンロッド12aにより連結さ
れている。従って、回転軸4の回転運動が回転駆動板8を介して揺動斜板10の
前後往復揺動に変換され、ピストン12がシリンダボア11内を前後動する。こ
れにより吸入室3aからシリンダボア11内へ吸入された冷媒ガスが圧縮されつ
つ吐出室3bへ吐出されるが、クランク室2a内の圧力とシリンダボア11内の
吸入圧とのピストン12を介した差圧に応じてピストン12のストロークが変わ
り、圧縮容量を左右する揺動斜板10の傾角が第1図に鎖線で示す最小傾角位置
と最大傾角位置との間で変化する。クランク室2a内の圧力はリヤハウジング3
の後端突出部内の電磁制御弁機構13により制御される。 シリンダブロック1の内端面と回転軸4の段差部4aとの間にて板状のストロ
ーク増大ばね14が一対の支持リング15,16とワッシャ17との間に挟持固
定されており、ストローク増大ばね14の弧状の作用片14aが回転駆動板8の
基端筒部8aの端面に当接されている。作用片14aは回転駆動板8の傾角を増
大する方向へ付勢するように作用し、作用片14aが回転駆動板8の基端部筒部
8aに常に当接しながらストローク増大ばね14が回転軸4と一体的に回転する
。回転支持体5とガイドスリーブ9との間にはコイル状のストローク減少ばね1
8が介在されており、回転駆動板8の傾角を減少する方向へ作用する。 第3図(b)の直線D1は吐出容量を変数としたストローク増大ばね14のば
ね特性を示し、直線D2はストローク減少ばね18のばね特性を示す。即ち、前
記差圧が零のときには揺動斜板10が最小傾角位置と最大傾角位置との中間位置
(第1図の実線位置)にある場合に両ばね14,18のばね作用力がいずれも零
となるようにばね特性が設定されており、かつ、ストローク減少ばね18のばね
定数がストローク増大ばね14のばね定数よりも大きい値に設定されている。な
お、斜板傾角を増大する方向へのばね力は+で表し、斜板傾角を減少する方向へ
のばね力は−で表してある。これにより圧縮機の起動時には揺動斜板10が第1
図に実線で示す中間位置に配置されることになり、起動ショックの緩和が図られ
る。揺動斜板10の傾角が中間位置から開始して最大傾角へ移行する構成は最小
傾角から最大傾角への移行に比して遥かに迅速であり、実質的な圧縮及び吐出の
早期開始による運転効率の向上も著しい。 揺動斜板10が最大傾角側にある場合にはストローク減少ばね18の圧縮反作
用がピストン12の往復慣性力に対抗する。そのため、後述するように、最大傾
角側でクランク室2aの圧力変動が少ない場合には吐出容量が大きく変わらず、
クランク室2a内の圧力が十分に低くなったときに吐出容量が最大になるので、
この対抗作用により特に高速回転かつ斜板傾角大のときのピストン12の往復慣
性力に起因するストローク変動、即ち斜板傾角の変動が緩和され、最大容量側で
の可変制御性が向上する。 第3図(a)に実線で示す曲線C1はストローク増大ばね14及びストローク
減少ばね18を用いた本実施例のクランク室圧力吐出容量の関係を示す。鎖線で 示す曲線C2はストローク増大ばね14及びストローク減少ばね18のいずれも
ない従来の場合を示し、鎖線で示す曲線C3はストローク増大ばね14に相当す
るばね部材を採用した従来の場合を示す。曲線C2はクランク室2aの圧力が僅
かに変動するだけで吐出容量が大きく変わることを示しており、曲線C3はクラ
ンク室2a内の圧力がそれほど低くない領域でも吐出容量が増大になってしまう
こと、即ち最大傾角側での制御性の悪さを示している。ストローク増大ばね14
に相当するばね部材のばね力を強くすれば最大傾角側での制御性を向上すること
ができるが、そのためにはクランク室内の圧力を高める必要があり、圧力シール
の上で問題がある。 これに対して本実施例における曲線C1は最大傾角側でクランク室2aの圧力
変動が少ない場合には吐出容量が大きく変わらないことを示しており、クランク
室2a内の圧力が十分に低くなったときに吐出容量が最大になる。即ち曲線C1
は最大傾角側での制御性の良さを示しており、本実施例における可変制御性の高
さが従来の場合よりも格段に良いことは明白である。 なお、本実施例ではストローク増大ばね14として板ばねを採用しているが、
これはガイドスリーブ9のスライド量の少なさを考慮したものである。即ち、ス
トローク増大ばね14の作用片14aの先端部を比較的揺動変位量の大きい回転
駆動板8の基端筒部8aに当接させることにより作用片14aの変位量が大きく
なり、この変位量の大きさにより可変制御性の精度をさらに高めることができる
。さらにはガイドスリーブ9とシリンダブロック1の内端面との間という比較的
スペースに余裕のない場合でのばね部材の配設にも板ばねの採用が好適である。 又、本実施例では揺動斜板10が第1図に実線で示す中間位置にある場合には
両ばね14,18が自然長となるように設定されているが、両ばね14,18の
ばね作用力がある程度の大きさをもって均衡するようにしてもよい。このように
すれば、ばね力を若干落したストローク増大ばね及びストローク減少ばねを用い
てクランク室2a内の圧力を示す第3図(a)の横軸方向へ曲線C1を引き伸ば
すことができ、一層精度の良い可変制御性を達成することができる。 [発明の効果] 以上詳述したように本発明は、クランク室内の圧力と吸入圧とのピストンを介 した差圧が零の場合のときに揺動斜板の傾角を最大傾角と最小傾角との中間位置
に揺動斜板を規制するためのばね部材として、回転駆動板と回転軸との間にはス
トローク増大ばねを、またガイドスリーブと回転軸との間にはストローク減少ば
ねをそれぞれ介在し、かつ前記ストローク減少ばねのばね定数をストローク増大
ばねのばね定数よりも大きい値に設定したので、揺動斜板の傾角が大きい大容量
運転状態では、特に前記ストローク減少ばねの圧縮反作用がピストンの往復駆動
の慣性力に対抗し、揺動斜板の傾角制御の安定化を図ることができる。しかも揺
動斜板の傾角が中間位置のときから起動するために起動ショックを緩和しつつ起
動後の最大圧縮作用を迅速に得ることができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】 第1〜3図は本発明を具体化した一実施例を示し、第1図は側断面図、第2図
は第1図のA−A拡大断面図、第3図(a)はクランク室圧力−吐出容量の関係
を示ずグラフ、第3図(b)はストローク増大ばね14及びストローク減少ばね
18のばね特性を示すグラフである。 回転軸4、回転駆動板8、ガイドスリーブ9、ストローク増大ばね14、スト
ローク減少ばね18。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.クランク室、吸入室、吐出室及びこれら各室を接続するシリンダボアを区
    画形成すると共に、シリンダボア内にピストンを往復直線運動可能に収容するハ
    ウジング内の回転軸上にガイドスリーブを相対回転可能かつ摺動可能に支持し、
    回転軸上の回転支持体に回転駆動板を傾斜角可変に支持すると共に、回転駆動板
    の揺動を前記ガイドスリーブで案内支持し、この回転駆動板上に相対回転可能に
    支持された揺動斜板、及びこの揺動斜板とピストンとの間に介在されたピストン
    ロッドを介して回転駆動板の回転運動をピストンの往復直線運動に変換すると共
    に、クランク室内の圧力と吸入圧とのピストンを介した差圧により揺動斜板の傾
    角を制御する揺動斜板式圧縮機において、前記回転駆動板と回転軸との間にはス
    トローク増大ばねを、また前記ガイドスリーブと回転軸との間にはストローク減
    少ばねをそれぞれ介在し、これら両ばねは前記差圧が零のときに揺動斜板の傾角
    を最大傾角と最小傾角との中間位置に規制し、この中間位置より最大傾角側では
    傾角減少方向へ付勢すると共に、中間位置より最小傾角側では傾角増大方向へ付
    し、かつ前記ストローク減少ばねのばね定数をストローク増大ばねのばね定数
    よりも大きい値に設定した揺動斜板式圧縮機。

Family

ID=

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3125952B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JPH05172052A (ja) 可変容量斜板式圧縮機
JP2555026B2 (ja) 容量可変型圧縮機
JPH05312144A (ja) 可変容量斜板式圧縮機
JPH0223829Y2 (ja)
JP2600305B2 (ja) 可変容量型斜板式圧縮機
KR100318772B1 (ko) 가변용량 사판식 압축기
JPH1162824A (ja) 可変容量圧縮機
JP2001304102A (ja) 可変容量圧縮機
JP3880159B2 (ja) 斜板式可変容量圧縮機
JP2611382B2 (ja) 揺動斜板式圧縮機
JP2917767B2 (ja) 容量可変型斜板式圧縮機
JPH11336657A (ja) 斜板型可変容量圧縮機
JP2611382C (ja)
KR100661360B1 (ko) 용량 가변형 사판식 압축기
JPH10281091A (ja) 可変容量型ベーン型圧縮機
JPH0821358A (ja) 可変容量斜板式圧縮機
JP3354979B2 (ja) 可変容量型液圧回転機
JP2600308B2 (ja) 可変容量型斜板式圧縮機
JP3182944B2 (ja) 揺動斜板式可変容量圧縮機
JPH0631613B2 (ja) 可変容量形油圧ポンプ
JP2009138629A (ja) 可変容量コンプレッサ
JP2590366Y2 (ja) 斜板式圧縮機
JPH0261374A (ja) 揺動斜板式圧縮機
JP2600310B2 (ja) 可変容量型斜板式圧縮機