JPH10281091A - 可変容量型ベーン型圧縮機 - Google Patents

可変容量型ベーン型圧縮機

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JPH10281091A
JPH10281091A JP9102791A JP10279197A JPH10281091A JP H10281091 A JPH10281091 A JP H10281091A JP 9102791 A JP9102791 A JP 9102791A JP 10279197 A JP10279197 A JP 10279197A JP H10281091 A JPH10281091 A JP H10281091A
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JP
Japan
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piston
pressure
main piston
capacity
low
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP9102791A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshihiro Murayama
俊博 村山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
Application filed by Zexel Corp filed Critical Zexel Corp
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Priority to US09/050,383 priority patent/US6036450A/en
Publication of JPH10281091A publication Critical patent/JPH10281091A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Classifications

    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F04POSITIVE - DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; PUMPS FOR LIQUIDS OR ELASTIC FLUIDS
    • F04CROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT MACHINES FOR LIQUIDS; ROTARY-PISTON, OR OSCILLATING-PISTON, POSITIVE-DISPLACEMENT PUMPS
    • F04C28/00Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids
    • F04C28/10Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids characterised by changing the positions of the inlet or outlet openings with respect to the working chamber
    • F04C28/14Control of, monitoring of, or safety arrangements for, pumps or pumping installations specially adapted for elastic fluids characterised by changing the positions of the inlet or outlet openings with respect to the working chamber using rotating valves

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 広い容量可変範囲を確保し、圧縮機のオン・
オフの切替頻度を減らす。 【解決手段】 メインピストン32の一端側に低圧連通
路70を介して吸入圧Psが導入される第1低圧室39
を形成し、他端側に摺動可能にメインピストン32の容
量減少方向への動きを阻止するパイロットピストン60
を装着し、メインピストン32の他端側であってパイロ
ットピストン32の一端側に、メインピストン32とパ
イロットピストン60とを駆動するための制御圧Pcが
導入される高圧室40を形成し、パイロットピストン6
0の他端側に絞り通路68を介して吸入圧Psが導入さ
れる第2低圧室66を形成し、絞り通路68の通路断面
積を低圧連通路70の通路断面積よりも小さくし、パイ
ロットピストン60の一端面の面積をメインピストン3
2の他端面の面積よりも大きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、吐出容量を変化
させることができる可変容量型ベーン型圧縮機に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来の可変容量型ベーン型圧縮機は、シ
リンダと、このシリンダ内に回転可能に収容されたロー
タと、このロータのベーン溝内に摺動可能に挿入された
複数のベーンと、シリンダの両端面に固定された一対の
サイドブロックと、一方のサイドブロックのシリンダ側
凹部内に、吐出容量を最少にする一部稼働位置と吐出容
量を最大にする全稼働位置との間で回動可能に収容され
た回転プレートと、この回転プレートに回転力を与える
ピストンとを備えている(特開平7−247982号公
報)。
【0003】図8はピストンを示す断面図である。
【0004】ピストン132は、リヤサイドブロック1
05のシリンダ室105c内に摺動可能に収容され、回
転プレート(図示せず)に固定された連結ピン131を
介して回転プレートを回動させる。
【0005】連結ピン131はリヤ側へ突出し、連結ピ
ン131の先端部は、ピストン132の環状溝132a
と嵌合しているとともに、リヤサイドブロック105の
円弧状ガイド溝(図示せず)に摺動可能に嵌合してい
る。ピストン132がシリンダ室105c内で往復運動
すると、連結ピン131の先端部が円弧状ガイド溝を摺
動し、回転プレートが回動する。
【0006】シリンダ室105cの一端側にはロッド状
のばねガイド部133aを有するばねガイド部材133
が挿入され、シリンダ室105cの一端はばねガイド部
材133のばね受け部133b及びOリング134によ
って密閉されている。ばね受け部133bはピン135
によりリヤサイドブロック105に固定されている。一
方、シリンダ室105cの他端は、プラグ136及びO
リング137によって密閉されている。プラグ136
は、ピン138によりリヤサイドブロック105に固定
されている。
【0007】ピストン132の一端部には、吸入室の吸
入圧Psが導入される低圧室139が形成されている。
ピストン132の他端側には、制御圧Pc(Pc≧P
s)が導入される高圧室140が形成されている。ピス
トン132は、ピストン132の穴139aの底面とば
ねガイド部材133のばね受け部133bとの間に介装
されたスプリング141と、低圧室139内の吸入圧P
sとによって吐出容量を最少にする一部稼働位置側へ
(図8の左方向へ)押圧されているとともに、高圧室1
40内の制御圧Pcによって吐出容量を最大にする全稼
働位置側へ(図8の右方向へ)押圧されている。ピスト
ン132は、制御圧Pcの変化に応じてシリンダ室10
5c内で往復運動する。すなわち、ピストン132は、
制御圧Pcが吸入圧Ps及びスプリング141による押
圧力より大きくなると全稼働位置側へ、制御圧Pcが前
記押圧力より小さくなると一部稼働位置側へ、それぞれ
変位する。
【0008】起動時には、制御圧Pcが低く、吸入圧P
sと等しいため、ピストン132が図8に示す一部稼働
位置にあり、回転プレートも一部稼働位置側にあるの
で、圧縮機が最小容量で運転される。
【0009】吸入圧Psが所定値より高くなると、図示
しない圧力調整弁機構が作動して高圧室140内の制御
圧Pcが上昇し、ピストン132が一部稼働位置側から
全稼働位置側へ変位(図8で右方向へ変位)する。この
ときのピストン132の直線運動が連結ピン131を介
して回転プレートに伝達され、回転プレートが一部稼働
位置側から全稼働位置側へ回転し、これによって吐出容
量が増大する。
【0010】吸入圧Psが所定値より低くなると、圧力
調整弁機構が作動して高圧室140内の制御圧Pcが低
下し、ピストン132が全稼働位置側から一部稼働位置
側へ変位(図8で左方向へ変位)する。これにより回転
プレートが全稼働位置側から一部稼働位置側へ回転し、
これによって吐出容量が減少する。
【0011】上述のようにして回転プレートが回転する
ことにより、吐出容量が連続的に可変制御される。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ベーン型圧
縮機では圧縮ガスによってベーンの飛出しを確実にさせ
る方式が採用されているため、容量が小さい状態から圧
縮機を起動させると、圧縮が不十分となり、起動性が悪
かった。
【0013】そこで、最小吐出容量を大きくし、ベーン
の飛出しを確実にして起動性を向上させる方法が提案さ
れた。
【0014】しかし、この方法では、最小吐出容量を大
きくした分だけ容量可変範囲が狭くなり、従来の可変容
量型ベーン型圧縮機のようには吐出容量を小さくするこ
とができなくなるため、圧縮機のオン・オフ切替を頻繁
に行わなければならないという問題があった。
【0015】この問題を解消するため、ピストンの一方
にピストンを一部稼働位置側へ付勢するメインスプリン
グ(ばね力は大きい)を配置し、ピストンの他方にピス
トンを全稼働位置側へ付勢するサブスプリング(ばね力
は小さい)を配置し、このばね力の異なる2つのスプリ
ングを利用して、容量が大きな状態から圧縮機が起動で
きるようにすることによりベーンの飛出しを確実にし、
起動性を向上させ、運転時においては、容量可変範囲を
広く確保する方法が提案された。この方法によれば、従
来の可変容量型ベーン型圧縮機と同様のレベルまで吐出
容量を小さくすることができる。
【0016】ところが、運転時の最小吐出容量が起動時
の吐出容量よりも小さくなるのは、2つのスプリングの
バランスによって小さくなるのではなく、実際はロータ
のつれまわり力が作用して回転プレートの動きが制約さ
れることによって小さくなるのである。
【0017】したがって、起動時の吐出容量を確実に大
きくし、運転時の最小吐出容量を小さくすることができ
ないという問題があった。
【0018】この発明はこのような事情に鑑みてなされ
たもので、その課題は圧縮機の起動時の吐出容量を確実
に大きくするとともに、運転時の最小吐出容量を起動時
の吐出容量よりも小さくして広い容量可変範囲を確保す
ることである。
【0019】
【課題を解決するための手段】前述の課題を解決するた
めこの発明の可変容量型ベーン型圧縮機は、シリンダ
と、このシリンダ内に回転可能に収容されるロータと、
このロータのベーン溝内に摺動可能に挿入される複数の
ベーンと、前記シリンダの両端面に固定される一対のサ
イド部材と、一方のサイド部材に回転可能に装着され、
圧縮開始時期を調節して吐出容量を増減する回転プレー
トとを備えている可変容量型ベーン型圧縮機において、
前記一方のサイド部材に摺動可能に装着され、前記回転
プレートに回転力を与えるメインピストンと、前記メイ
ンピストンの一端側に形成され、第1低圧連通路を介し
て吸入圧が導入される第1低圧室と、前記メインピスト
ンの他端側に摺動可能に装着され、前記メインピストン
の容量減少方向への動きを阻止するパイロットピストン
と、前記メインピストンの他端側であって前記パイロッ
トピストンの一端側に形成され、前記メインピストンと
前記パイロットピストンとを駆動するための制御圧が導
入される高圧室と、前記パイロットピストンの他端側に
形成され、第2低圧連通路を介して前記吸入圧が導入さ
れる第2低圧室と、前記メインピストンを前記容量減少
方向へ付勢するメイン付勢手段と、前記パイロットピス
トンを介して前記メインピストンを容量増加方向へ付勢
するサブ付勢手段とを備え、前記第2低圧連通路の通路
断面積が第1低圧連通路の通路断面積よりも小さく、前
記パイロットピストンの一端面の面積が、その一端面と
対向する前記メインピストンの他端面の面積よりも大き
いことを特徴とする。
【0020】圧縮機起動時には、高圧室の制御圧の上昇
により、メインピストンに容量増加方向の力が作用する
とともに、パイロットピストンに容量減少方向の力が作
用し、メインピストンとパイロットピストンとが互いに
反対方向へ移動しようとするが、第2低圧連通路の通路
断面積は第1低圧連通路の通路断面積よりも小さく、第
2低圧室内のガスが抜け難いので、メインピストンが高
圧室の制御圧のわずかな上昇によって移動できるのに対
し、パイロットピストンは高圧室の制御圧のわずかな上
昇によっては移動できない。
【0021】圧縮機起動後、高圧室の制御圧が上昇し、
所定値に達した時点で初めてパイロットピストンが圧縮
機起動時の位置から容量減少方向へ移動し、以後圧縮機
の運転が停止するまでその位置に維持される。また、圧
縮機起動後、メインピストンは高圧室の制御圧の変化に
応じて容量増加方向又は容量減少方向へ移動する。メイ
ンピストンの動作中、パイロットピストンは容量減少方
向へ移動したときの位置に止まっているので、その分圧
縮機起動時に較べメインピストンのストローク範囲が容
量減少方向へ拡大される。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。
【0023】図1はこの発明の一実施形態に係る可変容
量型ベーン型圧縮機を示す縦断面図である。この可変容
量型ベーン型圧縮機は、シリンダ1と、シリンダ1のフ
ロント側端面1bに固定されたフロントサイドブロック
2と、フロントサイドブロック2の端面に固定され、フ
ロントサイドブロック2との間に吐出室3を形成するフ
ロントヘッド4と、シリンダ1のリヤ側端面1cに固定
されたリヤサイドブロック5と、リヤサイドブロック5
の端面に固定され、リヤサイドブロック5との間に吸入
室6を形成するリヤヘッド7と、シリンダ1内に回転可
能に収容されたロータ8と、ロータ8の回転軸9とを備
えている。回転軸9は、フロントサイドブロック2及び
リヤサイドブロック5にそれぞれ設けたラジアル軸受1
0,11に回転可能に支持されている。前記リヤサイド
ブロック5及びリヤヘッド7で一方のサイド部材が構成
され、前記フロントサイドブロック2及びフロントヘッ
ド4とで他方のサイド部材が構成される。
【0024】前記フロントヘッド4には冷媒ガスの吐出
口4aが、リヤヘッド7には冷媒ガスの吸入口7aがそ
れぞれ形成されている。吐出口4aは吐出室3に連通
し、吸入口7aは吸入室6に連通している。
【0025】前記シリンダ1の内周面1aとロータ8の
外周面との間には、周方向のほぼ対称な位置に2つの圧
縮室12が形成されている。ロータ8には複数のベーン
溝8aが設けられ、これらのベーン溝8a内にはベーン
13が摺動可能に挿入されている。
【0026】図1に示すように、シリンダ1の外周面に
は、2つの圧縮室12に対応する2つの吐出ポート14
が周方向のほぼ対称な位置に設けられている(図1では
一方の吐出ポート14だけが見えている)。吐出ポート
14には吐出弁17が設けられている。また、シリンダ
1の外周面と、この外周面に固定された吐出弁カバー1
6との間には、各吐出ポート14から吐出される冷媒ガ
スが流入する吐出空間17が形成されている。この吐出
空間17は、フロントサイドブロック2に設けられた吐
出通路18を介して吐出室3に連通している。
【0027】図5は図1の矢印B方向に見たリヤサイド
ブロックの端面図、図6は図1のC矢視図である。
【0028】リヤサイドブロック5のシリンダ側端面に
は、図5に示すように、環状凹部5aが設けられ、環状
凹部5aには回転プレート20が収容されている。この
回転プレート20は、後述する駆動機構のメインピスト
ン32によって回転(正逆回転)する。
【0029】リヤサイドブロック5には、円周方向にほ
ぼ180°ずれた位置に2つの吸入孔5bが設けられて
いる。一方、回転プレート20には、円周方向にほぼ1
80°ずれた位置に2つの切欠き20aが設けられてい
る。そして、吸入室6内の冷媒ガスは、リヤサイドブロ
ック5の各吸入孔5b及び回転プレート20の各切欠き
20aを通じてシリンダ1内の各圧縮室12内に吸入さ
れる。
【0030】環状凹部5aに収容された回転プレート2
0は、冷媒ガスが各吸入孔5b及び各切欠き20aを通
じて各圧縮室12内に吸入される吸入行程の終了位置
(圧縮行程の開始位置)を最も遅くして吐出容量を最少
にする一部稼働位置と、吸入行程の終了位置を最も早く
して吐出容量を最大にする全稼働位置との間で回動可能
であり、吐出容量を連続的に変化させることができる。
【0031】図3は図7のE−E線に沿う断面図、図4
は図2のD−D線に沿う断面図である。
【0032】前記駆動機構は、回転プレート20に固定
された連結ピン31(図1参照)を介して回転プレート
20を回動させるメインピストン32と、メインピスト
ン32の往復運動を制御する圧力調整弁機構49とで構
成されている。
【0033】メインピストン32は、リヤサイドブロッ
ク5のシリンダ室5c内に摺動可能に収容されている。
連結ピン31はリヤヘッド7側へ突出し、連結ピン31
の先端部はメインピストン32の環状溝32aと嵌合し
ているとともに、リヤサイドブロック5の円弧状ガイド
溝5dに摺動可能に嵌合している(図6参照)。メイン
ピストン32がシリンダ室5c内で往復運動すると、連
結ピン31の先端部が円弧状ガイド溝5d内を摺動し、
回転プレート20が回動する。
【0034】図3に示すように、シリンダ室5cの一端
側にはロッド状のばねガイド部33aを有するばねガイ
ド部材33が挿入され、シリンダ室5cの一端はばねガ
イド部材33のばね受け部33b及びOリング34によ
って密閉されている。ばね受け部33bはピン35によ
りリヤサイドブロック5に固定されている。一方、シリ
ンダ室5cの他端は、ばね受け部36によって密閉され
ている。ばね受け部36は、ピン38によりリヤサイド
ブロック5に固定されている。ばね受け部36には穴3
6aが形成され、穴36a内にはパイロットピストン6
0がメインピストン32の移動方向へ沿って摺動可能に
収容されている。穴36aの断面積はシリンダ室5cの
断面積より大きい。穴36aの底面とメインピストン3
2との間にはサブスプリング(サブ付勢手段)64が装
着されている。ばね受け部36の穴36aとパイロット
ピストン60とで第2低圧室66が形成され、第2低圧
室66は絞り通路(第2低圧連通路)68を介して吸入
室6と連通している。パイロットピストン60の一端面
の面積は、パイロットピストン60の一端面と対向する
メインピストン32の他端面の面積より大きい(約3
倍)。
【0035】前記メインピストン32の一端側には第1
低圧室39が形成され、第1低圧室39は低圧連通路
(第1低圧連通路)70を介して吸入室6と連通してい
る。低圧連通路70の通路断面積は絞り通路68の通路
断面積より大きいが、両面積の比はパイロットピストン
60の一端面の面積とメインピストン32の他端面の面
積との比に基づいて決定される。
【0036】メインピストン32の他端側であってパイ
ロットピストン60の一端側には、後述する制御圧Pc
が導入される高圧室40が形成されている。メインピス
トン32の一端面には穴32cが形成されている。穴3
2cの底面とばね受け部33bとの間にはメインスプリ
ング(メイン付勢手段)41が装着されている。メイン
スプリング41とサブスプリング64とのばね力は等し
い。
【0037】高圧室40は、メインピストン32の他端
部に形成されたくびれ部32dとパイロットピストン6
0の一端面とで形成されている。高圧室40には連通路
48(図4参照)を介して制御圧Pcが導入される。
【0038】メインピストン32は、メインスプリング
41と第1低圧室39内の吸入圧Psとの合力によって
吐出容量を減少させる容量減少方向(図3の左方向)へ
押圧されているとともに、高圧室40内の制御圧Pcと
サブスプリング64と第2低圧室66内の吸入圧Psと
の合力によって吐出容量を増加させる容量増加方向(図
3の右方向)へ押圧されている。メインピストン32
は、制御圧Pcの変化に応じてシリンダ室5c内を移動
する。これに対し、パイロットピストン60は、サブス
プリング64と第2低圧室66内の吸入圧Psとの合力
によって容量増加方向(図3の右方向)へ押圧されてい
るとともに、高圧室40内の制御圧Pcとメインスプリ
ング41と第1低圧室66内の吸入圧Psとの合力によ
って容量減少方向(図3の左方向)へ押圧されている。
【0039】前記圧力調整弁機構49は、吸入室6の吸
入圧Psに応じて高圧室40内に導入される制御圧Pc
を変化させるためのもので、図4に示すように、制御圧
室43とベローズ室44との連通路を開閉するボール弁
45と、ボール弁45を閉弁方向へ付勢するばね55
と、高圧導入通路47を通じて導入された吐出圧Pdに
よりボール弁45を閉弁方向へ付勢するプランジャ50
と、吸入室6から吸入圧Psが導入されるベローズ室4
4内に収容され、吸入圧Psの変化に応じて伸縮するベ
ローズ46と、ベローズ46の自由端に固定され、ベロ
ーズ46の伸長時にボール弁45を開弁方向へ押圧する
ロッド51とを備えている。
【0040】前記高圧導入通路47は、シリンダ1に形
成された連通路47aと、リヤサイドブロック5にそれ
ぞれ形成されたポート47b、連通路47c、容積の大
きい吐出圧導入室47d及び連通路47eとで構成され
ている。連通路47aは、圧縮室12から吐出される冷
媒ガスが流入する吐出空間17(図1参照)と直接連通
している。連通路47eはオリフィス42を介して制御
圧室43と連通し、圧縮室12から吐出される冷媒ガス
がオリフィス42を通じて導入されることにより制御圧
Pcが形成される。
【0041】また、制御圧室43は連通路48を介して
高圧室40に連通しており、制御圧室43内に形成され
る制御圧Pcが連通路48を介して高圧室40内に導入
される。
【0042】吸入圧Psが所定値より低くなるとベロー
ズ46が図4の状態から伸びてボール弁45を開弁さ
せ、これによって制御圧室43及び高圧室40内の制御
圧Pcが低下し、吸入圧Psが所定値より高くなるとベ
ローズ46が図4に示すように縮んでボール弁45を閉
弁させ、これによって制御圧室43及び高圧室40内の
制御圧Pcが上昇する。なお、前記所定値は、調節ねじ
52により調節可能である。
【0043】また、リヤサイドブロック5の環状凹部5
aの底面に形成された環状凹部5e内には、スラスト軸
受53を介して回転プレート20の反シリンダ側端面2
0bに当接するアニュラーピストン54が収容されてい
る。
【0044】次に、この実施形態の可変容量型ベーン型
圧縮機の作動を説明する。
【0045】圧縮機起動前、メインスプリング41とサ
ブスプリング64と釣り合いによりメインピストン32
とパイロットピストン60とは図3に示す状態にある。
すなわち、圧縮機起動前の制御圧Pcは吸入圧Psと等
しいので、メインピストン32はメインスプリング41
とサブスプリング64とがバランスしたときの位置にあ
る。このときのメインピストン32の位置は後述する一
部稼働位置から全稼働位置側にずれているので、圧縮機
が起動したときの吐出容量はメインピストン32の位置
が一部稼働位置にあるときに較べやや多めである。した
がって、比較的高い圧力の圧縮ガスをベーン溝8aに供
給することができるので、ベーン13の飛出しが確実に
なり、起動性が向上する。
【0046】圧縮機起動後、高圧室40の制御圧Pcが
上昇し、所定値に達した時点で初めてパイロットピスト
ン60が圧縮機起動時の位置から容量減少方向へ徐々に
移動して、ばね受け部36の底面に突き当たり、以後圧
縮機の運転が停止するまでその位置に維持される。パイ
ロットピストン60が容量減少方向へ移動するとパイロ
ットピストン60の一端面が突当て面71から離れるた
め、パイロットピストン60の高圧受圧面積は起動時に
較べ大きくなる。また、圧縮機起動後、メインピストン
32は高圧室40の制御圧Pcの変化に応じて容量増加
方向又は容量減少方向へ移動する。メインピストン32
の動作中、パイロットピストン60はばね受け部36の
底面に突き当っているので、その分圧縮機起動時に較べ
メインピストン32のストローク範囲が容量減少方向へ
拡大される。
【0047】圧縮機運転中、吸入圧Psが所定値より高
くなると、圧力調整弁機構49が作動して高圧室40内
の制御圧Pcが上昇し、メインピストン32が一部稼働
位置(ばね受け部36の底面に突き当たっているパイロ
ットピストン60にメインピストン32が突き当たる位
置)から全稼働位置(メインピストン32の穴32cの
底面がばねガイド部33aの先端に突き当たる位置)へ
変位(図3で右方向へ変位)する。この変位が連結ピン
31を介して回転プレート20に伝達され、回転プレー
ト20が一部稼働位置(圧縮開始時期を最も遅くする位
置)側から全稼働位置(圧縮開始時期を最も早くする位
置)側へ回動し、これによって吐出容量が増大する。
【0048】吸入圧Psが所定値より低くなると、圧力
調整弁機構49が作動して高圧室40内の制御圧Pcが
低下し、メインピストン32が容量減少方向へ変位(図
3の左方向へ変位)する。このときのメインピストン3
2の直線運動が連結ピン31を介して回転プレート20
に伝達され、回転プレート20が全稼働位置側から一部
稼働位置へ回動し、これによって吐出容量が減少する。
このときパイロットピストン60は制御圧Pcによりパ
イロットピストン60を図3の右方向(容量減少方向)
へ押す力に打ち勝って図3の左方向(容量増加方向)へ
移動しており、メインピストン32は初期設定位置(図
3に示す位置)よりも更に図3の左方向へ移動でき、圧
縮機起動時よりも更に吐出量を低下させることができ
る。その結果、容量可変率がアップする。
【0049】圧縮機停止後においては、圧縮機内の圧力
はバランスし、Pc=Psとなるので、パイロットピス
トン60を図3の左方向へ押し付けている力が消滅し、
パイロットピストン60は図3に示す元の位置へ戻る。
【0050】この実施形態の可変容量型ベーン型圧縮機
によれば、ロータ2のつれまわり力を利用する方式では
ないため、圧縮機の起動時の吐出容量を運転時の最小吐
出容量よりも確実に大きくすることができ、しかも運転
時の最小吐出容量を起動時の吐出容量よりも小さくして
広い容量可変範囲を確保することができ、圧縮機のオン
・オフの切替頻度を減らすことができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明の可変容量
型ベーン型圧縮機によれば、圧縮機の起動時の吐出容量
を運転時の最小吐出容量よりも確実に大きくすることが
できるとともに、運転時の最小吐出容量を起動時の吐出
容量よりも小さくして広い容量可変範囲を確保すること
ができ、圧縮機のオン・オフの切替頻度を減らすことが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1はこの発明の一実施形態に係る可変容量型
ベーン型圧縮機を示す縦断面図である。
【図2】図2は図1のA矢視図である。
【図3】図3は図7のE−E線に沿う断面図である。
【図4】図4は図2のD−D線に沿う断面図である。
【図5】図5は図1の矢印B方向に見たリヤサイドブロ
ックの端面図である。
【図6】図6は図1のC矢視図で、ピストンが一部稼働
位置側にある状態を示す図である。
【図7】図7は図6と同様の図で、ピストンが中間位置
付近にある状態を示す図である。
【図8】図8は従来の可変容量型ベーン型圧縮機のピス
トンを示す断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダ 5 リヤサイドブロック 7 リヤヘッド 8 ロータ 8a ベーン溝 20 回転プレート 32 メインピストン 32c,36a 穴 39 第1低圧室 40 高圧室 41 メインスプリング 60 パイロットピストン 64 サブスプリング 66 第2低圧室 68 絞り通路 70 低圧連通路 Ps 吸入圧 Pc 制御圧

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダと、 このシリンダ内に回転可能に収容されるロータと、 このロータのベーン溝内に摺動可能に挿入される複数の
    ベーンと、 前記シリンダの両端面に固定される一対のサイド部材
    と、 一方のサイド部材に回転可能に装着され、圧縮開始時期
    を調節して吐出容量を増減する回転プレートとを備えて
    いる可変容量型ベーン型圧縮機において、 前記一方のサイド部材に摺動可能に装着され、前記回転
    プレートに回転力を与えるメインピストンと、 前記メインピストンの一端側に形成され、第1低圧連通
    路を介して吸入圧が導入される第1低圧室と、 前記メインピストンの他端側に摺動可能に装着され、前
    記メインピストンの容量減少方向への動きを阻止するパ
    イロットピストンと、 前記メインピストンの他端側であって前記パイロットピ
    ストンの一端側に形成され、前記メインピストンと前記
    パイロットピストンとを駆動するための制御圧が導入さ
    れる高圧室と、 前記パイロットピストンの他端側に形成され、第2低圧
    連通路を介して前記吸入圧が導入される第2低圧室と、 前記メインピストンを前記容量減少方向へ付勢するメイ
    ン付勢手段と、 前記パイロットピストンを介して前記メインピストンを
    容量増加方向へ付勢するサブ付勢手段とを備え、 前記第2低圧連通路の通路断面積が第1低圧連通路の通
    路断面積よりも小さく、 前記パイロットピストンの一端面の面積が、その一端面
    と対向する前記メインピストンの他端面の面積よりも大
    きいことを特徴とする可変容量型ベーン型圧縮機。
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