JP2611204B2 - 誤り訂正方法 - Google Patents

誤り訂正方法

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JP2611204B2
JP2611204B2 JP61214327A JP21432786A JP2611204B2 JP 2611204 B2 JP2611204 B2 JP 2611204B2 JP 61214327 A JP61214327 A JP 61214327A JP 21432786 A JP21432786 A JP 21432786A JP 2611204 B2 JP2611204 B2 JP 2611204B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は誤り訂正方法に関する。
〔従来の技術〕
近年、通信路容量の拡大、記憶装置容量の増大、情報
処理速度の高速化に伴い、情報1bit当りのコストは下が
つてきている。一方、転送速度、記録密度が大きくなる
に従い、情報中の誤りが多くなつてしまうので何らかの
手法で情報の信頼性を向上させる必要がある。その手法
の一つに、誤り訂正符号の採用がある。これは、情報系
列中に一定の冗長度を持たせ、復号時誤りの訂正を行う
論理的手法である。これはkワードの情報系列をnワー
ド(n>k)の情報系列に変換し、m(=n−k)ワー
ドの冗長ワードを持たせ符号化を行う。これを(n,k)
符号と表現する。このnワードから成る情報系列単位を
符号語、或は、フレームと呼ぶことにする。
誤り訂正符号の基礎概念にハミング距離がある。これ
は、2つの符号語内の各々対応する情報位置を比較した
時、その内容の一致しないワードの個数を指すものであ
る。さらに、符号(符号語の集合)中から任意の2つの
符号語を選び、その間のハミング距離が最小値dminを持
つ時、dminを符号の最小距離と云う。即ち、符号化と
は、kワードからnワードへの変換をある大きさの最小
距離を確保出来る様に行うものである。変換されたnワ
ードの符号語の集合、即ち符号が、最小距離dminを持つ
時、この符号は、dmin≧2t+1を満たすtワード以下の
誤りを訂正することができる。
符号語の表現として、ベクトルによるものと、多項式
によるものとがある。今、符号語として、Cn-1,Cn-2,…
C2,C1,C0を考えた時、ベクトル表現では 多項式の表現では、C(x)=Cn-1xn-1+Cn-2xn-2+…
…+C2x2+C1x+C1x+C0と、それぞれ符号語ベクトル、
符号語多項式として表わされる。情報源となる情報系列
も同様に と情報ベクトル、或は、情報多項式として表現出来る。
以下、BCH符号、リード・ソロモン符号の説明のために
は、多項式による表現のほうが都合が良いので以後、情
報多項式F(x),符号語多項式C(x)を用いること
にする。
(k−1)次の情報多項式F(x)から(n−1)次
の符号語多項式C(x)への変換(符号化)には、m次
の生成多項式G(x)を用いる。(m=n−k)今、xm
F(x)をG(x)で割つた剰余をR(x)とする。R
(x)は(m−1)次の多項式である。又xmF(x)
は、n(=k+m)次の多項式で最低次がm次である。
そこで符号語多項式C(x)を次の様に定義する。
C(x)=xmF(x)+R(x) (1) xmF(x)=Q(x).G(x)+R(x)であるから
これを(1)式に代入すれば、 C(x)=Q(x)・G(x) (2) となる。(2)式より、符号語多項式の集合(符号)は
生成多項式G(x)によつて割り切れるn次の多項式の
集合と云うことが出来る。又、F(x)からC(x)へ
の変換は(1)式に示す通りで、F(x)にm次の次数
上げを行い、(m−1)次以下にR(x)を付加すれば
符号化が完了する。n〜m次には情報多項式が形を変え
ず含まれているので、(1)式による符号語多項式は技
術的に扱い易い。
“0"と“1"から成る2元符号を考えた時、情報多項
式、符号語多項式、生成多項式の係数は0か1かであ
る。今、生成多項式G(x)=0とした方程式の根につ
いて考える。G(0),G(1)は必ずしもゼロではな
い。例えばG(x)=x2+x+1においてはG(0)=
1,G(1)=1となる。ただしここではGF(2)上での
演算を行つた。GF(2)とは大きさ2のガロア体を示
す。体とは、2つの演算(加法、乗法)が定義されてい
て、逆元の存在、結合則、分配則、加法についての交換
則が成立する代数系のことを云う。我々が実数、複素数
と呼ぶものも体である。代数系(数の集合)の元が有限
個の体を有限体、或は、ガロア体と呼ぶ。元の数がq個
の場合、大きさqのガロア体と云い、GF(q)と書く。
上に示した方程式G(x)=0は、GF(2)上には根を
持たなかつたことになる。そこで方程式G(x)=0の
根をαとして、このαを元に持つガロア体を求めること
がG(x)=0の根を求めるということになる。ここ
で、生成多項式G(x)=0の根α12……,α
に着目するのは、これらを決めることが出来たなら
ば、(2)式から明らかなように、C(α)=0,C
(α)=0,C(α)=0,……C(α)=0になる
性質を有するからである。受信多項式をX(x)とすれ
ば、これは符号多項式C(x)と誤り多項式E(x)と
の和である。受信多項式にα1……αを代入する
と、 X(αi)=C(α)+E(α) 1≦i≦m =E(α) となり、受信したデータに誤りを含む場合、X(α
はゼロ以外の値を持つことになる。
Si=X(α) (4) とし、Siをシンドロームと呼ぶ。
次にBCH符号の説明を行う。αをGF(qm)の原始元と
し、dをqm−1以下の任意の正整数とする。このとき、
αll+1,…,αl+d-2をすべて根として持つGF
(qm′)上の多項式を生成多項式とする様な符号をBCH
符号と云う。q=2,m′=1であるとき2元BCH符号にな
る。lは通常0か1が選ばれる。BCH符号の最小距離をd
minとすると、 dmin≧d が成立する。d=2t+1とすれば、t重誤り訂正可能な
符号が容易に構成出来る。BCH符号の特殊な場合として
m=m′のときを考える。即ち、生成多項式G(x)=
0の根が定義されるガロア体と、生成多項式の係数を元
に持つガロア体とが同一と云う場合である。この場合を
特に、リード・ソロモン符号と云う。リード・ソロモン
符号の生成多項式は以上の記述から分かる通り、GF
(qm)上で因数分解が出来て、 G(x)=(x−α)(x−αl+1)…(x−
αl+d-2) と表わされる。又、(4)式のシンドロームの定義は Si=X(αl+i) (5) 0≦i≦d−2 と書き直される。
以上、実用上重要である、BCH符号、及びそのサブク
ラスであるリード・ソロモン符号について述べた。それ
ぞれの生成多項式によつて、情報系列を(1)式によつ
て符号化し、通信路へと送信したり、記憶媒体上に記録
したりする。そしてその後、受信、或いは記憶媒体の再
生を行うと、誤りを含む可能性があるので、誤りを検
出、訂正しなければならない。その訂正法についての概
要をまず述べる。
第1にシンドロームを生成する。シンドロームは
(5)式で表わされるように、受信、或は再生したデー
タの列を係数に持つ、受信多項式X(x)に、生成多項
式の根αll+1,…,αl+d-2を代入することによつてS
0,S1…Sd-2と算出することが出来る。前述の通り、誤り
がなければ、S0,S1…Sd-2はすべてゼロである。
第2には、S0,S1,…Sd-2を用いて誤り位置方程式を求
める。誤り位置方程式とは受信データの列のどこに誤り
があるか(誤り位置)を示す示数を根に持つような方程
式のことである。
第3に、上記、誤り位置方程式の根を求める。4重誤
り以上の訂正の場合、逐次代入法によつて解くことが多
い。ここで、誤り位置が決定される。
第4には、既に算出された誤り位置に対応する誤りパ
ターンの計算をする。
以上の流れで求められた、誤り位置、誤りパターンを
もとに訂正を実行する。第2〜4の手続きを復号アルゴ
リズムと呼ぶことにする。BCH符号、或はリード・ソロ
モン符号の復号アルゴリズムには、ピーターソンの方
法、バーレンカンプ・マツシイの方法、ユークリツド互
除法、が良く知られている。ピーターソンの方法は1〜
3重誤り訂正に有効的である。3〜4重誤り以上の訂正
法には、バーレンカンプ・マツシイの方法、及び、ユー
クリツド互除法が適する。ここでは、後に述べる発明と
関連の深いユークリツド互除法について、リード・ソロ
モン符号の復号を例として説明する。リード・ソロモン
符号の生成多項式としては、l=0,d=2t+1の場合、
即ち、 G(x)=(x−1)(x−α)(x −α)……(x−α2t-1) を取り挙げる。
まず、シンドローム多項式を定義する。それは次式に
よつて与えられる。
ここで、nは符号長、riは受信データ列である。受信
多項式X(x)として表わせば、X(x)=rn-ixn-1
rn-2xn-2+……+r1x+r0となる。αはGF(q)の元
である。ただし、α≠α(i≠j)である。(6)
式は次に示す式に変形される。
とおくと、(7)式は となる。ここで(5)式のシンドロームの定義は、 と表されることに着目して、(8)式と(9)式とを比
較する。αを、 即ち、 と云う具合に、αと対応させれば、シンドローム多項
式は、シンドロームによつて次の様に表わされる。
又、(10)式より、 の対応付けの下では、riをeiに換えても良いことが分か
る。ここで、liは、誤り多項式E(x)のi次の係数で
ある。よつて、シンドローム多項式は次式の様にも表わ
される。
さらに、(13)式は次式に変形される。
ここでEは、E={y(ey≠0}で表わされる集合で
ある。
とおけば、(14)式は次式の様に表わされる。
σ(z)S(z)+φ(z)Z2t=η(z) (17) (15)式を誤り位置多項式、(16)式を誤り数値多項
式と云う。そしてσ(z)=0とおいたものが、誤り位
置方程式である。(17)式を解いて、σ(z),η
(z)を求るために、S(z)とz2tとにユークリツド
互除法を用いる。
以上をまとめると、ユークリツド互除法による復号法
は次の手続きに従う。
(A)受信、再生信号より、シンドロームS0〜S2t-1
求める。
(B)シンドローム多項式 を求める。
(C)S(z)とz2tとにユークリツド互除法を適用
し、誤り位置多項式σ(z),誤りパターン方程式η
(z)を求める。
(D)σ(z)=0の根を逐次代入法によつて求める。
(E)ei=η(α-i)・αi/σ′(α-i)により誤りパ
ターンeiを求める。尚、σ′(z)はσ(z)の形式微
分を意味する。
次にイレージヤの訂正について説明する。今、フレー
ムの復号時に何んらかの手段で、予め、誤りの可能性の
ある位置が求められていたとする。そしてその位置の示
す他にはフレーム内に誤りは存在しないとする。この場
合の復号手続きは、誤りパターンの計算のみである。こ
の様に、誤りの可能性のある情報位置を予め知つて、誤
り可能性位置として指定された情報位置をイレージヤと
いう。そしてイレージヤの誤りパターンを求め、訂正を
行うことをイレージヤの訂正という。イレージヤ訂正の
場合の、訂正可能ワード数t′は、t′=dmin−1で与
えられる。即ちイレージヤの訂正の場合、通常の誤り訂
正に較べ、約2倍のワード数を訂正することが出来る。
誤り位置を予め知ることが出来る様な構成であれば、イ
レージヤ訂正の方式は、訂正能力の拡大に極めて有効
な、しかも、復号手続きが簡単なので高速に復号可能な
方法であると云える。本出願人は、既に次の発明を出願
している。即ち、mフレームから成るブロツク中に存在
する誤りを、フレーム毎に訂正していく誤り訂正方法に
於て、ブロツク中のフレームに対して順次誤り訂正を実
行する処理中、設定された個数以上の誤りを含む誤りフ
レームに遭遇した際、この誤りフレームを訂正した後、
綾りフレームの訂正時、算出された誤り位置情報を以降
訂正するフレーム内の誤り位置情報として用い、誤り位
置に対応する誤りパターンの算出を実行することにより
誤り訂正を行う方法である。この発明によれば、データ
中にバーストエラーが生じた場合、インターリーブ段数
が大きい場合に於て、従来の誤り訂正方法よりも格段に
高速で、ブロツクの復号を終了することが出来る。この
発明は、積符号でない構成でも、イレージヤ訂正を可能
とし、イレージヤ訂正の高速性を利用したものであつ
た。
〔発明が解決しようとする問題点〕
BCH符号、或いは、リード・ソロモン符号の復号法に
は、ユークリッド互除法等の有効な方法があり、これに
イレージャの訂正を加えれば、復号の能力、効率の大幅
な増大を期待できる。イレージャ訂正において、イレー
ジャに指定された情報位置がフレーム中の誤りの全てを
含む場合には問題ない。しかし、バーストエラーとラン
ダムエラーの両者がブロック内に存在し、そのブロック
内のフレームを順次復号する場合などのように、指定さ
れたイレージャ以外の情報位置にも誤りが存在すると、
そのフレームに対してイレージャ訂正を実行すると誤っ
て訂正される可能性がある。そこで、本発明において
は、イレージャ位置の指定の良否判定を行いながら、バ
ーストエラーにもランダムエラーにも対応でき、さらに
高速で誤り訂正を行える方法を提供することを目的とし
ている。
〔課題を解決するための手段〕
本願発明は、複数のワードからなる情報系列を1フレ
ームとし、複数のフレームを順番に復号する過程におい
て誤りを訂正する方法であって、誤り位置を求めて誤り
訂正を行う第1のステップと、この第1のステップにお
いて訂正した誤り数wが所定の値に達すると次のフレー
ムに対し第1のステップにおける誤り位置が適当である
か否かを判定し、不適当なときは第1のステップを行う
第2のステップと、誤り位置が適当であるときは次のフ
レームに対し第1のステップで求めた誤り位置に基づく
イレージャ訂正を行う第3のステップとを有し、さら
に、第2のステップにおいて、m個のシンドロームをそ
れぞれ係数に持つシンドローム多項式S(z)と誤り位
置方程式σ(z)の積のw次以上、(m−1)次以下の
項の係数が全て0であるときに第1のステップにおいて
求められた誤り位置が適当であると判定することを特徴
としている。すなわち、S(z)・σ(z)中のzの次
数がw次以上、(m−1)次以下の項の係数Cm-1,Cm-2,
……,C1+1,C1がすべてゼロのときはw個の誤り可能性位
置以下には誤りがなかったと判断し、Cm-1,Cm-2,……,C
1+1,C1中にゼロでないものを含む時は、誤り可能性位置
以外の情報位置に誤りが存在したと判断する。
さらに、イレージャ訂正においては、w個の誤り可能
性位置α12,…αを根に有するw次の誤り位置方程
式σ(z)=0とし、m個のシンドロームS0,S1,S2……
Sm-1をそれぞれ係数に持つ(m−1)次のシンドローム
多項式S(z)(=−Σm-1 i 0Sizi)とすると、S
(z)とσ(z)との積S(z)・σ(z)を計算し、
S(z)・σ(z)中のzの次数が(w−1)次以下の
項η(z)を求め、η(z)、および、σ(z)よりw
個の誤り可能性位置の個々に対応する誤りパターンを算
出して、誤りの訂正が行える。
このような誤り訂正方法を用いることにより、フレー
ム毎に順番に復号する際にバーストエラーが現れると、
これに対しイレージャ訂正を行い高速で誤り訂正が可能
となり、さらに、イレージャの位置指定が適当であるか
否かを判定できるので、ランダムエラーを含むなどイレ
ージャ訂正が適さないフレームが現れたときでも適切な
誤り訂正を行うことができる。
〔実施例〕
BCH符号のイレージヤ訂正について説明を以下行う
が、一例として、[従来の技術]のユークリツド互除法
の説明で用いたリード・ソロモン符号を取り挙げる。即
ち、生成多項式として、G(x)=(x−1)(x−
α)(x−α)……(x−α2t-1)を用いるt重誤り
以下の訂正能力を有するリード・ソロモン符号である。
(14)式右辺の分母を払うと、(14)式は次式の様に
なる。
(14)式ではEだつた集合を、(18)式ではERに換え
ている。ERはイレージヤとして指定した情報位置の集合
を示す。E⊂ERであればイレージヤ指定は適当な行われ
たことを示す。イレージヤとして指定した情報位置の数
をw(w≦2t)とする。つまり、ERの要素の数はw個と
なる。そこで(18)式の各項においてzの次数に着目す
る。S(z)は(2t−1)次であり はw次である。右辺の第一項は(2t+w−1)次であ
り、(2t−1)次以下の係数はゼロである。又、右辺の
第二項は、(w−1)次である。即ち、このzの次数の
関係を見ると、 を計算すれば、その(w−1)次以下が誤り数値多項式 に対応するのがわかる。そして、その場合、w次以上、
(2t−1)次以下の係数はすべてゼロでなければならな
い。その範囲にもしゼロでない係数があれば、これは指
定したイレージヤの他に誤りが存在することを示し、イ
レージヤの指定が適切でなかつたことがわかる。
誤り数値多項式η(z)が求まれば、ei=η(α-i
・αi/σ′(α-i)を計算して、誤りパターンを求める
ことが出来る。
BCH符号のイレージヤ訂正はこの様に実に簡単な手続
きで終了する。この本発明を用いて、フレームの集合体
であるブロツクを高速に復号するアルゴリズムを以下に
述べる。尚、一例として、本発明を情報記憶装置に用い
た場合について示す。
まず、データのフオーマツトについて説明する。本実
施例では(120,104)の符号化を行うとする。即ち、104
ワードのデータ系列に16ワードの冗長ワードを付加し12
0ワードとする符号化を行つている。この120ワードが1
フレームに相当する。この例では、符号にリード・ソロ
モン符号を用いた場合の訂正能力は8ワード/フレーム
となる。そして、10フレームを集めて1ブロツクとす
る。このことを図示したのが、第2図である。第2図
中、D0000,D0001,D0002……D1037,D1038,D1039としたの
がデータ部(201)の各ワードである。(211)〜(22
0)の横の並びが各フレームである。各フレームは(20
1)のデータ部と冗長ワード部(202)から成る。データ
部に於て、記録目的とするデータは、D0000に始まり、D
0001,D0002,D0003,……D1037,D1038,D1039の順に配置さ
れている。そして第1のフレーム(211)中のD0000,D00
01,〜D0103に対して、P000,P001,…P015の冗長ワードを
付加し、符号化している。他のフレームも同様である。
さらに、バーストエラーを各フレームに分散させるた
めに、インターリーブを行つて記録する。即ち、媒体上
には、第2図の(203)の矢印の方向に記録する。i番
目の列の次には(i+1)番目の列の一番若い番号のワ
ードから順に(i+1)番目の列が続く。すると1ブロ
ツクは媒体上に第3図の如く記録されていることにな
る。
符号としては生成多項式をG(x)=(x−1)(x
−α)…(x−α15)とするリード・ソロモン符号を用
いることにする。8重誤り以下の訂正が可能である。
このフオーマツトに於て、ランダムエラーが生じると
第4図の様になる。(401),(402)がランダムエラー
である。各フレームに生じるエラーは1誤りに過ぎな
い。この場合、復号アルゴリズムにピーターソンの方法
を用いれば、簡潔に、高速に訂正が可能なので、この場
合、なんら問題は生じない。次に、バーストエラーがブ
ロツク内に生ずると第5図の如くになる。(501)がバ
ーストエラーである。第5図の例では、長さ35ワードの
長大なバーストエラーが、各フレームに3ワード、或
は、4ワードに分散されている。3〜4誤り以上の訂正
には、ユークリツド互除法を用いることにする。バーレ
ンカンプ・マツシイの方法も効率の点ではユークリツド
互除法と差がない。ユークリツド互除法による復号法
は、先にも述べた通り、シンドロームからシンドローム
多項式S(z)を求め、S(z)とZ16とにユークリツ
ド互除法を適用する。そして、誤り位置多項式σ
(z),誤り数値多項式η(z)を求めるものであつ
た。このアルゴリズムは複雑であり、処理時間が長くか
かる。しかも、図5の例ではすべてのフレームに3ワー
ド以上の誤りがある。故にこの様なバーストエラーが生
じた場合、リアルタイムの処理が困難となり、システム
に対して、待ち時間を要求することになつてしまう。
しかし、第5図の例では、各フレームの誤り位置が、
フレーム間で殆ど変化がないことが見てとれる。第5図
のブロツクの各フレームに対してユークリツド互除法に
て復号すると、10フレーム処理して3種類の誤り位置多
項式を生ずるのみである。即ち、 の3種類である。しかも、σ(z)=0とした誤り位置
方程式の根は、α-i-(i+1)-(i+2)-(i+3)
-(i+4)の5つのうちいずれかである。
第5図の例のブロツクを、より効率的に復号するため
のアルゴリムは以下の通りである。
(i) 第1フレームをユークリツド互除法によつて誤
り訂正を行う。ただし、その際求めた、誤り位置多項式 及び、σ(x)=0の根、α-(i+1)-(i+2),
α-(i+3)-(i+4)を記憶しておく。
(ii) 誤り位置多項式σ(z)と(z−α-i)との積
を計算する。
(iii) (ii)で求めた多項式を誤り位置多項式σER
(z)として以下のフレームに対して本発明のイレージ
ヤ訂正を実行する。即ち、各フレームのシンドローム多
項式S(z)とσER(z)との積を計算し、4次以下の
項を以つて誤り数値多項式η(z)としてej=η
(α-j)・αj/σ′ER(α-j)を求めれば、誤りパター
ンを決めることが出来る。
第6図は、第1フレームの誤り位置(601)から、第
二フレーム以下のイレージヤ(602)を指定したことを
示す。尚、この例では、第2〜7フレームの誤りパター
ンei,及び第3〜10フレームのei+4はゼロとして求ま
る。
以上の事項の流れ図を本発明を用いた一例として、第
1図に示す。左半分は、一般の誤り訂正法である。2誤
り以下の訂正にはピーターソンの方法、3誤り以上の訂
正にはユークリツド互除法を用いる。右半分がイレージ
ヤ訂正を用いた高速復号ルーチンである。あるフレーム
に3ワード以上のエラーが生ずると、次のフレームから
はイレージヤ訂正ルーチンへと移つて高速に復号する。
その際σER(z)=σ(z)(z−α-j)を計算して記
憶しておく。(Z−α-j)を掛けたのは、α-jに相当す
る情報位置を新たにイレージヤ位置として指定したこと
を示す。バーストエラーとランダムエラーの両者がブロ
ツク内に存在する場合は、イレージヤの位置指定が適当
でない場合があり得るので、その判定を行わなくてはな
らない。それは本発明のw〜(2t−1)次の係数がゼロ
であるか否かの判断によつて確められる。フレーム内の
イレージヤ位置の指定が適当でないという判定が出た
ら、そのフレーム内は左側のユークリツド互除法によつ
て復号されることになる。
BCH符号のイレージヤ訂正の具体的なアルゴリズム、
および、イレージャの位置指定が適当であったか否かの
判断も容易に行えることは上記に示した通りである。こ
れによって、長大なバーストエラーがブロック内に生じ
た場合であっても、高速で復号することができる。
また、上記のイレージャ訂正を採用しても、採用しな
い場合と復号化する装置に差はなく、同様の基本構成を
備えた装置で実現できる。
なお、記憶装置に基づき本発明を説明しているが、本
発明は記憶装置における誤り訂正方法に限定されるもの
ではない。一般の通信、情報処理の分野において広く適
用することができる。また、説明に用いたリード・ソロ
モン符号、およびその生成多項式は一例であり、広くBC
H符号に用いることができる。
〔発明の効果〕
以上に説明したように、本発明は、フレームを順次復
号する際に前のフレームの誤り数によって次のフレーム
にバーストエラーを高速で訂正できるイレージャ訂正を
提供可能とし、それと共に、イレージャ以外の位置にも
誤りがあるフレーム、例えば、バーストエラーとランダ
ムエラーが共存する場合にはそれらの誤り位置を求めて
訂正することができる。従って、本発明の誤り訂正方法
は、高速で効率が良く、さらに、誤り訂正能力の高い訂
正方法である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を利用した高速復号の流れ図を示す。 第2図は、データのフオーマツト図を示す。 第3図は、媒体上のデータ配列図を示す。 第4図は、ブロツク内に生じたランダムエラーの位置図
を示す。 第5図は、ブロツク内に生じたバーストエラーの位置図
を示す。 第6図は、ブロツク内に指定したイレージヤの位置図を
示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数のワードからなる情報系列を1フレー
    ムとし、複数の前記フレームを順番に復号する過程にお
    いて誤りを訂正する方法であって、 誤り位置を求めて誤り訂正を行う第1のステップと、 この第1のステップにおいて訂正した誤り数が所定の値
    に達すると次の前記フレームに対し第1のステップにお
    ける誤り位置が適当であるか否かを判定し、不適当なと
    きは前記第1のステップを行う第2のステップと、 前記誤り位置が適当であるときは前記次のフレームに対
    し前記誤り位置に基づくイレージャ訂正を行う第3のス
    テップとを有し、 前記第2のステップにおいて、多項式S(z)・σ
    (z)のw次以上、(m−1)次以下の項の係数が全て
    0であるときに前記誤り位置が適当であると判定するこ
    とを特徴する誤り訂正方法。 ただし、前記S(z)はシンドローム多項式、前記σ
    (z)は誤り位置方程式、前記wは誤り数、前記mはシ
    ンドロームの数である。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS58181348A (ja) * 1983-03-11 1983-10-24 Hitachi Ltd 誤り訂正・検出装置
JPH0724148B2 (ja) * 1986-04-07 1995-03-15 ソニー株式会社 エラ−訂正方法

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